こんにちは。新人特派員のHanes(ハネス)です
10月も中旬にさしかかり、中央区内の街路樹のモミジやトウカエデが紅葉しないかと、
通勤途中にチェックし始めるようになりました
(江戸・もみじ通り:日本橋一丁目18番~日本橋三丁目15番)
(交詢社通り)
どうやら紅葉するのはまだまだ先のようですが、
中央区のウェブサイトの「中央区管理の街路樹」によると、
京橋エリアに36本、日本橋エリアに47本、月島エリアに0本のモミジが、
京橋エリアに254本、日本橋エリアに127本、月島エリアに103本のトウカエデが植えられているそうです
紅葉が美しいことから、それらは全国のあらゆる都市の街路樹となっているのだとか。
そんな中央区にはもう一つ「モミジ」に関するものがあります。
それが、楓川(もみじがわ)です
中央区には隅田川や日本橋川のように現存している川もあれば、埋め立てにより姿を消した川も多くあります。
楓川もまたその姿を消した川の一つです。
こちらの案内板にあります通り、かつて楓川には、弾正橋が架かっていました。
この事は、先輩特派員ジミニー☆クリケットさんも紹介しています。(詳しくは関連記事を参照のこと)
(現在の弾正橋。1926年に架け替えられ、従来の弾正橋よりやや北側に位置。)
この橋は、寛永図、承応図、明暦図には無名橋として、
1700年(元禄13年)の図には由来不明の「とごえはし」(戸越橋)として記載があり、後に八丁堀に邸宅のあった島田弾正少弼が由来の弾正橋となりました。
1913年(大正2年)の市区改正事業によって街路網の整備をし、その橋の上流に新たな弾正橋が架設されると同時に、旧弾正橋は元弾正橋と改称され存続するも、震災復興事業の区画整理で廃橋となっています。
しかし、この橋は東京府の依頼により工部省赤羽製作所で製造された我が国最初の国産橋梁であることから、
東京市は1929年(昭和4年)5月、富岡1丁目に八幡橋としての移築・保存を決定
ということで、富岡八幡宮に行った際に、旧弾正橋を渡ってきました
こちらの橋、実は東京で一番、日本で二番目に古い現存鉄橋でもあるのです!
ちなみに日本最古は、大阪府大阪市の緑地西橋(旧心斎橋)で、
これらは一般社団法人 日本橋梁建設協会「100年橋梁:次世代へつなぐ確かな技術」(p. 17)で紹介されています。
また、官営工場で初めて造られた橋ならではの、国家の威信を反映した菊の紋章が施されたピンも特徴的
そして、鋳鉄橋から錬鉄橋に至る過渡期の鉄橋として近代橋梁史上貴重な橋であり、
アメリカ人スクワイア―・ウイップル氏の特許を基本にしたウイップル型トラス橋の名誉から、1989年には米国土木学会より「土木学会栄誉賞」を得ています
文明開化のシンボルともいえる旧弾正橋...
少し足をのばした場所で、その奥深い歴史を知ることができました
橋一つとっても面白い!そのような歴史に満ちた中央区では、毎日が発見の連続です!
【関連記事】
ジミニー☆クリケットさん「楓川跡を歩く(1)」
/archive/2018/06/post-5299.html
ジミニー☆クリケットさん「楓川跡を歩く(2)」
/archive/2018/06/post-5303.html
【参考文献】
東京都中央区教育委員会社会課文化財係『中央区文化財調査報告書 第5集 中央区の橋梁・橋詰広場―中央区近代橋梁調査―』(東京都中央区教育委員会社会課文化財係、1998年).
【参考ウェブサイト】
一般社団法人 日本橋梁建設協会「100年橋梁:次世代へつなぐ確かな技術」
http://www.jasbc.or.jp/panfuretto/panfu_100year_201505.pdf
国立国会図書館「国立国会図書館デジタルコレクション」江戸切絵図 築地八町堀日本橋南絵図
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1286660?tocOpened=1
文化庁「文化遺産オンライン」
http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/121364