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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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全身茶色の鱗模様のわたしは、ウミネコの若鳥です!

[佃のうさこ] 2016年7月28日 12:00

あさ6時、石川島公園隅田川テラスに聞き慣れない声がどこからか響いています。

よく目を凝らして見ると、川面の中央あたりに黒いシルエットが浮かんでいます。

カワウさんよりも大きくふっくらとしています、、、何でしょう?

朝日の逆光でカメラの望遠を使っても、その正体の判別がつきません。

幸いにも隅田川の流れに乗ってだんだんと近づいて来るのですが、

こちらとある一定の距離になると、また川の真ん中にまで戻って行ってしまいます。

何度かそんな繰り返しの後、カメラが捉えた彼らの正体は!!

ウミネコの若鳥4羽です。

横に向いた時にはっきりとわかる嘴(くちばし)のシルエットが、正にウミネコのそれです。

しかし、その体を覆う羽の色と模様は新種発見か!!と見紛うばかりの成鳥とは別物です。

ウミネコ幼鳥4羽.jpg

ウミネコは、漁港でエサとなる魚を拾うことが多く、

漁港近辺で集団で舞飛んでいるイメージです。

(余談ですが、カモメは渡り鳥でしかも冬鳥ですから夏にはいません。

今、夏に目撃するカモメのような鳥は、すべてウミネコです。)

みなさんがご存知のようにミャーミャーと猫に似た鳴き声をするので、

漢字では海猫と書き表しますが、英名は、白い尾に黒帯があるので、Black tailed gull。

成鳥は、こちら。

みなさんのイメージ通りのウミネコさん達ですね。

うみねこ 特派員ブログ7月.jpg

さて、この若鳥達はどこからやって来たのでしょうか?

ここ関東地方沿岸の繁殖地からでしょうか?定かではありません。

ウミネコは、世界でも日本の沿岸を中心に、

サハリン、千島列島、中国大陸沿岸から台湾までにしかおらず、

世界的には珍しい鳥で

日本での繁殖地の青森県蕪島・岩手県椿島など5ヶ所は天然記念物指定になっています。

繁殖地で孵化して幼鳥から若鳥まで育ったもののみが、夏に各漁港に姿をみせます。

ウミネコは、縄張り意識が非常に高いようで、親鳥は巣に近寄った別の雛も攻撃するし、

雛同士も絶命するまでの傷を負わせるとか。

この隅田川までやって来た若鳥は、

孵化から約2ヶ月生き抜いた精鋭中の精鋭なんだと思われます。

ウミネコ幼鳥飛ぶ .jpg

ウミネコ4枚.jpg

ウミネコは、幼鳥から繁殖する成鳥になるまで3年かかり、

その羽から何年目か識別できるそうです。

上の写真の右上のウミネコさんは、まだ頭部がグレーで羽の一部が茶色なので、

2年目のように見受けれます。

繁殖する成鳥は、来年2月末には繁殖地に帰ってしまいますが、若鳥はそのまま越冬します。

隅田川で一年中観察出来るグループと、繁殖地に戻るグループと分かれる訳ですね。

知れば知るほど奥の深いウミネコさん。

これからは、あなたは何歳?って思いながら観察してみようと思います。

 

 

カワウ軍団あらわる!特技は潜水

[佃のうさこ] 2016年7月26日 14:00

雨の日のお散歩は、何かが起こる!!

この半年で得たお約束、、、と言いましょうか、、、。

この日も相生橋をくぐり抜け石川島公園・隅田川テラスの端に来たところ、

見慣れない軍団がいるではありませんか!

カワウさん???

普段カワウさんは、巣は木の上にコロニーを作りますが、行動はいつも単独。

こんな光景に目を疑います。

カワウ軍団 特派員ブログ.jpg

1羽、2羽、、、7羽、、、10羽、、、15羽、、17、18、、、

ただ泳いでる?、、、いえいえ、彼らは集団でエサを捕獲しているようです。

先頭が潜りはじめると、どんどん次から次へと潜って行きます。

その潜る速さは、まるで男性の新体操の人たちが連続バックテンをしているよう。

力強さと優雅さに驚くばかりです。

カワウ軍団エサゲット 特派員ブログ.jpg

前から4羽目、魚を捕獲していますね。

1970年代には、河川の水質悪化でエサの魚の減少で3000羽までになったとか。

当時の繁殖地は、全国で上野不忍池を含む3か所のみだったそうです。

今では、15万羽までにもなっています。

この力強い泳ぎが脅威の回復力につながったのでしょう。

カワウ潜水7月特派員ブログ.jpg

こちらの潜水をスタートしたカワウさん、何秒くらい潜っていると思われますか?

だいたい30秒!!

一度、息を止める競争をしてみてください、、、私たちが勝つのは大変です。

潜水距離もなかなかのもので、思わぬところに顔を出します。

カワウ一羽 特派員ブログ7月.jpg

夏休み隅田川テラスをお子さんとお散歩されてはいかがでしょうか。

潜水するカワウさんをま近で見ることが出来ますよ。

 

 

子育て頑張ってます!ツバメさん・スズメさん

[佃のうさこ] 2016年7月20日 16:00

梅雨の晴れ間に佃公園、石川島公園をお散歩していると、子育てに大忙しのツバメさんとスズメさんに出会いました。

 

大都会の東京中央区にツバメの巣はあるのかしら?と5月あたりから気に掛けていましたが、

見つけられずにいました。

なんと佃公園付近の電線に、子ツバメ4羽がいるではありませんか!

ツバメは、巣立ちをすると巣には戻らず、近くの電線などに止まってさらに飛行訓練、エサの捕獲訓練をします。

9月、10月に台湾やオーストラリアに渡って行くためです。

佃公園近くのどこかのお家の軒下を借りて巣を作っていたのでしょうか?

卵から巣立つ確率は50%、さらに、渡るまで成長できるのは12%です。

まだまだ、親ツバメにエサをねだって大きな口を開けて待っていますが、空高く舞う日も もうすぐです。

特派員ツバメ7月②.jpg特派員ツバメ7月①.jpg

 

最近、石川島公園の隅田川テラスでは、茶色い帽子がまだまだ淡い色の子スズメを多く目にします。

チュンチュンとしきりに鳴いている草むらを見てみると、、、

特派員スズメ7月②.jpg特派員スズメ7月①.jpg親スズメのあとをくっついて トントン歩く姿も なんと可愛いことでしょう。

こちらのスズメも、巣立つ確率は50%とか。

命をつなぐ鳥たちの子育てが、私たちの目の前で繰り広げられています。

彼らを育む自然を守りながら、そっと見守りたいですね。

 

 

 

江戸のデザイン燕・鴎  江戸小紋の老舗 竺仙

[佃のうさこ] 2016年7月 5日 09:00

先日、中央区民カレッジ老舗めぐりの講座で、日本橋小舟町にある江戸小紋の老舗「竺仙」にお伺いしました。

特派員ブログ竺仙7月①.jpg


ご説明くださったのは、

5代目当主の小川文男さんです。


竺仙は、1842年(天保13年)歌舞伎江戸三座が浅草猿若町に移転した同年、同地に創業されました。174年もの間脈々と手彫りの型紙で一反ごとに手染めをする「型染め」をつづけられています。

 

その染めは、明治34年の東京名物志にも取り上げられ、浴衣から江戸小紋へと名を馳せ

戦後、有名百貨店や高級呉服店からのお声がかかり日本橋に移転されました。

竺仙のこだわりは「江戸」との信念から、初代からの技術と色合いを継承されて、江戸の持ち味を今に伝えられています。

「型紙があってこその商売。何があっても一番に型紙を守るように」との教えから

関東大震災・東京大空襲の難を逃れられたとのことです。

二反の浴衣をご披露くださいました。

竺仙7月②.jpg燕と鴎

江戸の人々が自然を愛でながら、それらを日々の生活の中で豊かに楽しんだ心模様が鮮やかに蘇ります。

竺仙7月③.jpg竺仙7月④ツバメ.jpg江戸の人たちが好んだ大胆にあらわされた鳥のデザイン。

今にも21世紀の空を飛び回りそうです。

4月より特派員ブログで中央区で出会う野鳥をご紹介する回数が増えるにつれて、

江戸からの時空を越えて変わらない風物は野鳥ではないかしらと思うようになっていました。

みなさんは、どうお感じになりますか?

竺仙7月⑤.jpg代々受け継ぐ型の中に、ほかの野鳥としては「鶴・雀・千鳥・鷹」があるそうです。

私たちも、平成の自然を愛でる余裕を持ちたいものですね。

小川さんのお見立てによると、鴎の反物は40代の方に、燕の反物は60代の方に似合うとのことでした。

 

日本浴衣・小紋 竺仙  東京都中央区日本橋小舟町2番3号

            URL:http://www.chikusen.co.jp/

 

 
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