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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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プリンス・トクガワ -昭武の戸定邸ー

[小猿] 2018年11月30日 14:00

日本橋の銘板の揮毫(きごう)でも知られる江戸幕府15代将軍慶喜の弟で、水戸藩主・徳川斉昭の18男、徳川昭武(あきたけ)の邸宅だった戸定邸(とじょうてい)は松戸市にあります。明治時代の徳川家の住まいでは、我が国で唯一公開されています。色づいた紅葉に囲まれた邸と庭園に行ってみました

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昭武は13歳の時に、将軍候補の身分を与えられ、将軍家に迎えられました。1867年、パリ万国博覧会に将軍名代として派遣されました。フランスとの連携で幕府の窮地を打開するためで、昭武はフランス以外に5か国を歴訪して、各国元首と交流しイギリスの新聞には「プリンス・トクガワ」と紹介されました。この時に一緒に渡欧した使節団の中には、日本橋兜町に日本で最初の銀行を開業した澁澤榮一や杉浦譲、高村凌雲、保科俊太郎など、西欧文明から多くを学び日本の近代化に尽力した人たちがいました。 一行がフランスにいる間に日本では、幕府が瓦解、昭武は帰国し最後の水戸藩主、最初の水戸藩知事に。16代将軍は幻となりました。

澁澤榮一については、特派員のHanesさんが詳しい記事を書かれています。

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その後、昭武は旧幕府系華族として時々の責務を果たしながら、この戸定邸に移り住み、明治時代を生きました。狩猟や川釣り、作陶、写真など趣味も多く、中でも建築や作庭は高く評価され、戸定邸は国指定重要文化財、庭園は国指定名勝に認定されました。

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小高い丘の上にある庭園からは、当時、江戸川や富士山が見えたそうで、仲の良かった兄、慶喜も訪れたそうです。同じ敷地にある歴史館には、二人の手紙や調度品、徳川家伝来品が飾られています。権力の座を離れた徳川家の静かな明治時代が偲ばれます。

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松戸市戸定歴史館  松戸市松戸714-1  Tel.047-362-2050

          入館時間 9:30a.m~4:30p.m  休館日 月曜日

 

 

かっこめ・はっこめ 酉の市

[小猿] 2018年11月28日 12:00

11月の風物詩の酉の市、今年は三の酉まであり、築地の波除神社でも市が開かれていました。「三の酉のある年は火事が多い。」と俗信で言われていますが、これは、寒さが厳しくなって火を使う機会が増えることから、火事を出さないようにと言う戒めから言われるようになったそうです。来る年の開運や綬福、商売繁盛を祈願して人々は熊手のお守りを買い求めます。

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この縁起物の熊手で「福を掻き込め」との願いを込め、かっこめ、はっこめ、と呼ばれています。江戸の天保年間初期までは、実用品の熊手におかめの面と四手をつけた物だったのが、その後色々な縁起物をつけ、今のような形になりました。 

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場内市場が豊洲に引っ越して、築地に残った場外市場、来年も「商売繁盛」が叶うといいですね。

     

 

 

ベネズエラからのたより

[小猿] 2018年10月 4日 18:00

ベネズエラ、と聞いて、皆さんはどんな国のイメージを持たれますか? 地球の反対側、南米、石油の埋蔵量が多い豊かな国、という以外、私は何も知らずにいました。現在ベネズエラは経済危機に陥っており、国民は難民となって、国外へ逃げ出す人々が後を絶たない状況だそうです。 小谷孝子さんはベネズエラに38年間住んで、一昨年帰国された画家です。 10月6日まで銀座の煉瓦画廊で個展を開かれていて、お話を伺うことができました。

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小谷さんは、1971年に米国へ留学、ベネズエラからの留学生と結婚、77年から首都カラカスに住んでいました、その頃は国も豊かで、自然も美しく、人懐っこく優しい心の人々に囲まれて幸せに暮らしていたそうです。その後、原油の価格下落が、輸出の9割が原油というこの国の経済に打撃を与え、生活必需品の輸入も滞りました。

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2014年以降、スーパーの棚から日用品がなくなり始め、赤ちゃんのミルクもなくなり、人口3千万人のほとんどが食糧難で、大人も子供も食べ物を求めてごみ箱をあさる姿があちこちで見られたそうです。人々の心はすさみ、治安も悪化、外国人を狙って強盗や殺人が勃発、小谷さんは、身の危険を感じ、16年3月に帰国されました。

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わずか20年の間に、普通に暮らしていた人々が平和と自由を脅かされ、生きて行くことさえ困難になってしまう現実を目の当たりにされて、小谷さんは「どこの国でも起こりうること、国民の生活は政治に左右される部分が多く、政治に関心を持つことが大切。」と言われています。

日本に戻って、スイッチを押せば電気がつき、蛇口をひねれば水が出る、ということの有難さを痛感じながら、ベネズエラの現状を知ってもらえるように伝えるのが使命、とおっしゃっています。地球の反対側で、でも同じ地球の上の「ベネズエラからのたより」をしっかり受け取り、知ることから始めようと思います。

  

小谷孝子個展 ベネズエラからのたより 第三便

2018年10月1日~6日  11-19 pm(最終日は17時まで)

銀座煉瓦画廊 中央区銀座4-13-18 医療ビル2F

          

 

 

海老屋美術店「海老屋のあきまつりッ!!」

[小猿] 2018年9月25日 12:00

今回ご紹介するのは、私の第1回のブログにご登場願った「海老屋美術店」さんです。この海老屋さん、創業は延宝元年(1673年)、京都で御所にお道具を調達していたのが、明治になって、天皇陛下の上京とともに日本橋へ移られた、というお店で、現在の店主、三宅正洋さんは九代目です。

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毎年、「がらくた市」と称して大セールをされているのですが、今年は「海老屋のあきまつりッ!!」と名前を変えて開催されます。

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去年の戦利品です。染付の大鉢は何と千円! ご主人が自ら全国を回って集められた骨董品、家具、食器類、茶道具、版画、絵画、和布の製品などなど、盛り沢山の品々が並びます。日本橋に縁がある物を、骨董品を多くの人に触れて欲しい、との想いが込められています。見るだけでも楽しく、懐かしく、粋なあきまつりッ、に皆さんもせひお出かけください。

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写真 2018-09-17 16 35 46.jpg写真 2018-09-17 16 34 25 (1).jpg 「海老屋美術店あきまつりッ!!」 9月25日(火) 9時~17時 

                  9月26日(水) 10時~17時

 海老屋美術店  日本橋室町3-2-18  ℡ 03-3241-6543

                      

 

 

小さい秋の金魚たち

[小猿] 2018年9月22日 09:00

9月も半ばになって、ようやく秋の気配のこの頃、日本橋の夏の風物詩の金魚は, , , 今も元気,に泳いでいました。江戸の知恵に習い、五感で涼を楽しもうという 「ECO EDO 日本橋 2018」、アートアクアリウム始め、金魚スイーツ&バルにたくさんのお店が参加して、今月24日までのお祭りです。

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今年は提灯が金鳥とコラボしていました。(白いのが日本橋の夏、赤いのが金鳥の夏)大日本除虫菊株式会社(金鳥)は東京支社が日本橋にあり、蚊取り線香「金鳥の渦巻」はエコ商品の先駆けとして、発売から100年以上、今も多くの家庭で使われていますね。

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        玉いの穴子ちらし寿司           工芸菓子の金魚

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金魚のような、これは鯛のかまぼこです(日本橋とやま館)  スィーツも秋の色に(三井記念美術館カフェと門前茶屋 雲母橋カフェ) にて

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日本橋金魚スィーツ&バルメューを食べてシールを3つ集め、日本橋案内所で豪華賞品が当たる抽選会に参加しましょう。

 

 

築地市場

[小猿] 2018年9月11日 14:00

市場閉場まで残り1ヶ月となった築地市場へ行ってきました。 まずは築地本願寺のカフェの朝粥定食で腹ごしらえ。これは「18品の朝ごはん」と名付けられていて、お盆の上に色とりどりの小皿が並んで、食欲をそそります。18というのは阿弥陀さまの48の誓願のうち、第18番目「あなたを決して見捨てない。」との本願にちなんでいるそうです。

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おかずの中には、つきじ松露の卵焼き、築地紀文のお魚とうふおぼろ揚げ、築地江戸一の甘口昆布の佃煮など築地市場の食材が使われています。 仏さまの願を味わい、満たされた朝食になりました、

築地本願寺カフェ Tsumugi は 営業時間8:00~21:00  モーニング8:00~11:00

  

次に向かったのは16年に中央区が作った「築地魚河岸」のビルを通り抜けて場内市場へ。昭和10年の開場以来、1日約3000トンの魚や野菜の取引がされていた所です。

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月島や晴海のビルを背景に、業務用の車が行き交ってました。開場から83年が経過、建物や設備の老朽化や衛生面での課題が豊洲移転へとつながりました、ネズミもたくさん生息しており、解体時に周囲に逃げ出さないよう、ネズミ退治大作戦がくり広げられています。

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東京ドーム5個分のこの敷地、豊洲に移転後は、東京オリンピック・パラリンピックの車両基地として使われる予定で、その後は未定です。場外市場はこのまま残るそうで、築地場外市場にするか、ほかの名称にするかの選挙をして、今月下旬に決まるようです。 これからも美味しい買い物が出来ることに安堵しながら、築地本願寺や、浜離宮も近く、外国人にも人気の観光スポットが発展してくれることを願ってます。

築地市場閉場は10月6日、豊洲市場への移転は10月11日です。