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オーナーのこだわりが光る!英国劇場建築に学ぶ銀座の「MUSEE(美術館)」

[Hanes] 2019年2月28日 18:00


こんにちは。新人特派員のHanes(ハネス)です
2月半ば、英国好きの私にとって見逃せない企画展があると聞きつけ、
銀座で大変趣のあるギャラリーへ行ってきました。
そのギャラリーというのが、先輩特派員のジミニ―☆クリケットさん(2016年2017年2018年)や佃のうさこさんもご紹介してきた
1932年築の近代建築(レトロビル)を保存・再生してできたMUSEE GINZAさん!

IMG_4424.JPGのサムネイル画像
(入り口は一番左側にあります。)

建物自体の詳細は佃のうさこさんの記事に詳しいので今回は割愛し、
建物の内部で気になったところからご紹介しようと思います

■入り口~階段
まずは、インターホンを押してドアを開けていただきます。
ドアのすぐ左側にはショーケースに展示されたウィーン分離派の魅力が詰まったパルナスウィーンインテリアが、
そして、正面にのびる細長い階段の横の壁には、
このビルが歩んできた90年間の銀座の様子が分かる当時の絵葉書(三十間堀、カフェ―全盛、占領下の銀座等)が飾られています。
階段を昇るごとに、希少な歴史資料がタイムスリップさせてくれます

Musee Ginza.jpg

また、昭和初期の建物ということもあり、階段の途中に古い京橋税務法人會員證を発見!
銀座には同時期に建てられたビルがいくつか残っていますが、
外観はレトロであっても、当時のものがあまり残っていないこともあります。
そのため、こういった何気ないものも実はレア

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■展望・実験空間
ギャラリー訪問時は審美眼をお持ちのようなお客様がいらしたので、
企画展の前に屋上を見せていただきました。

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通常ビルの屋上は一般開放していないところが多いですが、
ここではインスタレーションやパフォーマンス等も実験的に行っているそうで、
開放的な空間から昭和通りを眺めることができる貴重なスポットになっています

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■企画展「英国劇場建築の世界 THE WORLD OF BRITISH THEATER」
しばらく屋上を楽しんだ後は、お待ちかねの企画展へ
本展では、ウエストエンドで花開いた英国劇場建築のよさ・歴史軸に焦点を当て、
その歴史を伝える古書文献(19世紀初めに出版)から抜粋した16点の銅版画の図版を展示しています。

MUSEE_GINZA-The_world_of_British_Theater_Architecture38.jpg
(写真提供:MUSEE GINZA_KawasakiBrandDesign)

今回のテーマとなっている英国の劇場は、時代とともにアップデートされ、
国内の若い世代も観劇に足を運びますが、
日本の伝統芸能はまだ若い世代の支持が少ないと言えます。

また、日本で一度役目を終えた古い建物をそのまま活用するのは難しく、
取り壊され、新しいビルに生まれ変わることも少なくありません。
しかし、このビルを買い取った川崎力宏さんは、英国の劇場同様に建築空間をアップデートし、
銀座という土地柄を活かして新たな役目を与えることで、建物を保存・再生することに成功しています

このように、今回の展示は川崎さんの建物保存への考えに結び付くものとなっており、
この企画展のために、ロンドンの地下鉄駅で実際に使用されているという
日本初採用となる英国AATi社の階段金属建材(Stair Nosings)を半年の交渉の末特注で入手し、
ご自身で階段に設置されたというのだから驚きです
このようなことができるのは、もともとは九州の建設会社だったからかもしれません。
この金物は、英国演劇建築でも多数使用されているそうで、このような細部に光るこだわりも見所の一つです

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そして、気になる展示の方ですが、下の図版にある通り(Hay MarketにあるThe New Theatre Royalの1821年の様子)、
華やかできらびやかな英国劇場が描かれているものもありますが、それだけではないんです!

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(写真提供:MUSEE GINZA_KawasakiBrandDesign)

図版の随所にその時代らしさや英国文化、はたまた建築的要素も見て取れるので、ついつい想像が膨らみます
例えば、こちらのSt Saviour'sの聖歌隊を描いた図版(1814年1月1日Robert Wilkinson出版)。
澄んだ讃美歌が教会内に響き渡っていそうな印象を受けますが、細部をよく見てみるとより一層面白さが分かります。

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(写真提供:MUSEE GINZA_KawasakiBrandDesign)

(写真上段)ゴシック様式ならではの尖頭アーチの天井付近には、バラのような浮き出し飾り(boss :肋骨(鉄骨造の構造物の強度を増すために、板材などの要所に設ける補強部材、「リブ」とも)の交差点につけられる飾り)が見られます。

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(写真下段左)天使のような彫刻飾り
(写真下段右)英国の王旗(Royal Standard)のようなもの

詳しくは割愛しますが、英国の教会建築は、目に入りがちな特徴的な様式やステンドグラス以外にも
こういった細部に「何これ?」「気になる!」といった魅力が潜んでいるのです

そして、川崎さん曰く、今回の展示の中で最もおぞましい作品が、
1809年2月24日の夜に火事になったDrury Lane Theatreの様子を描いたもの。
現代とは避難の方法や消火までに要する時間も異なった当時...
周囲の人々はどのように避難し、どのような光景を目にしたのか...
そういったことをこの図版からは知ることができるように思います。

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(写真提供:MUSEE GINZA_KawasakiBrandDesign)

今回取り扱われている古書は、地図制作を手がけたRobert Wilkinson (1768-1825)の出版会社の出版物ということもあり、
劇場を描いた図版のみならず、地図も要チェック
火事の記録やどこにどのような職業の人が住んでいたかまで分かるので、見ていて面白いのではないでしょうか。

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(A PLAN OF THE FIRE IN BISHOPGATE STREET, CORNHILL AND LEADENHALL STREET.の一部)

そして、今回の展示品は購入も可能!
通常のアンティークの挿絵と異なり、非常にお手頃な価格でお求めいただけることもあり、
訪問日だけで3枚の図版が売れたというのだからこれまた驚きです

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(写真提供:MUSEE GINZA_KawasakiBrandDesign)

このブログで全作品のご紹介はしかねますが、
普段なかなかお目にかかることのない英国の古い図版を間近で見ることができ、
英国の博物館のようにギャラリー内の撮影が可能というのも嬉しいです

〈余談〉アドルフ・ロース
「芸術は罪悪である」(つまり、「文化における進歩は、日用品から装飾を排除すること」)で有名なロースがデザインしたカフェ・ムゼウムは、簡素なインテリアが特徴で、
このギャラリーには、そこにあったムゼウム・チェアに類似したデザインの希少な椅子も展示されています(購入可能)。
このロースの思想はやや過激にも聞こえ、
あまりにも簡素であるがために当局から指し止めを食らった建築物もあったほど...
しかし、後にモダニズム建築の先駆者となり、今ではウィーンを、いや建築界を代表するような人物となっています

芸術にはあまり詳しくない私ですが、このカフェ・ムゼウムに関する椅子を見て、
MUSEE GINZAさんのビジョンやスタンスをまた少し理解できたような気がします。
以前ご紹介した通り、路面に面していないギャラリーにはなかなか入りづらく、
そもそもあること自体気づかないということもあると思います

しかし、こちらではギャラリー名にある通り、「MUSEE(美術館)」に行くような感覚で
どなたにもアートを楽しんでいただけるオープンな空間になっているように感じました
そして、訪れる者の感性に訴えかける「MUSEE(美術館)」らしさが、
銀座というアートに敏感な土地で、アップデートされながら体現されています!

オーナーの川崎さんがこだわったこちらの企画展は3月17日まで開催されていますので、
お近くにお越しの際には、ぜひお立ち寄りください

■MUSEE GINZA企画展「英国劇場建築の世界 THE WORLD OF BRITISH THEATER」
会場:MUSEE GINZA(東京都中央区銀座1-20-17 川崎ブランドデザインビルヂング)
会期:2019年2月6日(水)~3月17日(日)11:30~17:30
休廊:月・火
入場料:無料
公式ウェブサイト:https://kawasaki-brand-design.com/

※MUSEE GINZA 川崎ブランドデザイン有限会社より、写真撮影およびご紹介の許可をいただいております。

 

 

知れば知るほど面白い!江戸時代に大流行した富くじとは

[Hanes] 2019年2月27日 12:00


こんにちは。新人特派員のHanes(ハネス)です
先日、2月24日(日)まで貨幣博物館にて開催されていた企画展 江戸の宝くじ「富」-一攫千金、庶民の夢-へ行ってきました。
内部は撮影禁止のため写真は掲載できませんが、
展示物が気になる方は、上記のリンク先よりご確認ください。

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さて、中央区観光検定を受験された方にはおなじみの富くじですが、
どのようなものだったのか、『歩いてわかる中央区ものしり百科』をもとに確認してみましょう

■江戸の富くじ興行とは
宝永年間(1704~1711)に大流行
・目的は、神社仏閣の改修費用にすること
・1842年、水野忠邦による改革で禁止された

「富くじ」というだけあって、宝くじのような賭け事なのではと漠然と思っており、
それ以上深掘りすることはありませんでしたが、
今回の企画展を見たのを機に、気になったことをはじめ少し調べてみました

■「へ」組がなかった!?
今回の展示物の一つに、「富番数控帳」というものがありました。
こちらは、1862年に相模国足柄上郡谷ヶ村(やがむら)で開催された富くじ興行にて
発行された富札の組名と番号を控えた帳簿です

解説には、「いろは順に『い』から『る』(『へ』を欠く)の10組で、各組100枚・合計1,000枚の富札が発行された」と書かれており、
「なぜ『へ』を欠くのだろう?」と気になりました。
その際にまず思いついたのが、以前ご紹介した江戸町火消の組。
こちらではへ・ら・ひ・ん組がなく、順に「屁」に通じる、隠語、「火」に通じる、語呂が悪いといった理由から
それらの組はなかったと言われています。

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この件について、文献にこれといった記述は見つかりませんでしたが、
参考文献(記事の最後に掲載)に、「松竹梅や鶴亀、七福神などの吉字が組の印(札印)に充てられている」(p. 340)といった解説はありました。
よって、町火消の組と同様の連想によりおめでたく聞こえないことから、
「へ」は省かれたのかもしれませんね(※あくまでも私の推測です。)

■実はワールドワイド!?
参考文献に、「『富くじ』は都市型賭博の一形態として、すでにヨーロッパでは中世から近世にかけて行われていた。一五二一年にドイツのオスナブリュックで町営の『富くじ』が発売され、一五三〇年にイタリアのローレンスで売られた『富くじ』には賞金がついていたと言われる」(p. 59)と書かれています。
(本来の引用元:『夢は世につれ・・・・・・富くじ三〇年のあゆみ』(第一勧業銀行宝くじ部、1975年)、p. 10)

世界史では、ルターの宗教改革の少し前に、メディチ家出身の教皇レオ10世が、
サン=ピエトロ大聖堂の改築資金を調達するため、贖宥状(免罪符)を販売したと習いました
改築資金の調達のためという点では富くじと似ていますが、
贖宥状は、「買うと現世の罪が贖われ、天国にいける」というように
より宗教色が強いという点で富くじとは異なります

しかし、日本の「富くじ」に相当するものがヨーロッパに存在していたことは
今回初めて知ることになり、どのような方法で行われていたのか、
江戸同様に何らかのタイミングで禁止されたのかといったことも気になりました!
ここでは詳しく書きませんが、気になった方はぜひ図書館へ

■富塚の碑を訪ねて
日本橋堀留町にある椙森神社には、かつて盛大に行われた富くじ興行を記念した「富塚の碑」があります。
今日見られる碑は、関東大震災後再建されたもので、区民有形民俗文化財に登録されています

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宝くじ購入の際は、こちらで当選祈願をする方もいらっしゃるそうです。
一攫千金を夢見るのは、江戸時代も今も変わらないようです

〈余談〉春の訪れ
椙森神社を訪れた際、手水舎に先客がいました!
それが、可愛い2羽のメジロ

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綺麗な色の羽をふるわせて水浴びをし、水を飲んでいました。
春はもうそこまで来ているようですね

【参考文献】
滝口正哉『江戸の社会と御免富ー富くじ・寺社・庶民ー』(岩田書院、2009年)

 

 

冬限定!お花屋さんのレモネード

[Hanes] 2019年2月24日 09:00


こんばんは。新人特派員のHanes(ハネス)です
先日、自転車で旬のウォーターフロントコースを走った帰り道、
偶然可愛いお店が目に留まり、寄り道をしてきました!

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夜見ても素敵なこちらのお店は、お花屋さんFANCY FLOWER STORE
他のお花屋さんとは異なる雰囲気で、ディスプレイにも凝っており、
ガーデニングの参考になりそうな外観です

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取り扱っているのは、観葉植物、花、プリザーブドフラワー。
よく見るとクッキングハーブまで置いてあり、見ているだけでも楽しくなります

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しかし、写真にあるようにただ可愛いだけではないんです!
お花屋さんに併設されたこちらのカウンターでは、こだわりの飲み物が購入できるようになっています

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メニューは、風邪予防や美肌効果もあるグリーンスムージー日替わりスムージー
そして、国産レモンを使用したノンシュガーの冬限定HOTレモネード

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市販のレモネードでは再現できない自然の甘さがやさしく、
ビタミンの補給も兼ねて美味しくいただきました

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伊東屋さんのレモネードをを文房具屋さんのレモネードというのであれば、
こちらはお花屋さんのレモネード

花という香りも大切にするお仕事だからか、レモネードの香りも一際良かったように感じました

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近くにお越しの際に、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

■FANCY FLOWER STORE
住所:東京都中央区築地6-18-3 スワンレイク築地1・2F
電話番号:03-3547-3360
営業時間:10:00~19:00
定休日:日・祝
ウェブサイト:https://0870fancy.com/

※お店の方より、撮影・ご紹介許可をいただいております。

 

 

サイクリング好き特派員イチオシ!旬のウォーターフロントコース

[Hanes] 2019年2月22日 18:00


こんにちは。新人特派員のHanes(ハネス)です!
最近ひょんなことからスポーツバイクを入手したので、区内で試し乗りをしました
都心の歩行者・自動車通行量、自転車道の整備状況等を考えると、
走ることを楽しむより、史跡やお店を巡りながら楽しむポタリングの方が向いている気がします。

しかし、スポーツバイクともなると、まちなかのポタリングでは物足りません...
1つわがままを言うと、変化に富んだ起伏と景色もほしいんです
今回は、そのような希望を叶えてくれるコース(Hanes流)をご紹介します。
(※記事内の写真は、複数日の異なる時間帯に撮影したものを使用しています。)

◼️旬のウォーターフロントコース
行程:築地-豊海-晴海-豊洲-晴海-勝どき-築地
所要時間(目安):45分~1時間
コース概要:晴海の選手村や豊洲市場等旬なスポットに加え、変化に富んだ起伏と景色が楽しめる万人向けコース。
オススメの時間帯:いつでも

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スタート地点は、勝鬨橋のそばにある「かちどき 橋の資料館」前。
グループでサイクリングに行く場合でも歩行者の邪魔にならず集まれるスペースの他、
公衆トイレもあるので安心です
観光でお越しの方や自転車をお持ちでない方は、電動アシストつきのコミュニティサイクルが便利
追ってご紹介しますが、近隣のサイクルポートはこちらのマップでご確認ください。

①かちどき 橋の資料館
資料館前には、海軍経理学校の碑勝鬨の渡し跡もあるので、
出発前に勝どきの歴史を学ぶことができます
そして、運が良いと周囲の木にとまるヒヨドリが見られるかもしれません

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さて、前置きが長くなりましたが、これよりウォーターフロントエリアのライドに出発します!

②築地場外市場
走り始めてまず左手側に見えてくるのが、約460ものお店が軒を連ねる築地場外市場
都内の大手百貨店食品売り場の平均的なテナント数は80前後と言われているので、
ここにはその5.7倍ものお店があるという計算になります。
場外市場周辺は、歩行者・自動車の通行量が多いので、お気をつけください。

また、地下鉄駅や場外市場からのアクセスがよいこの周りをスタート地点にする場合、
市場橋の信号の近くにサイクルポートがあるので、こちらをご利用になると便利です

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場内市場跡に沿ってしばらく南下すると、歩行者・自転車用の環状第2号線の入口を示す貼り紙が見えてきます。
初めてだと少々分かりづらいかもしれませんが、入口は大手門橋のすぐ目の前です!

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出入りの際は少々曲がりますが、大半がまっすぐで幅広い道であるため、走りやすくなっています
歩行者に気を付けながら、開通して3ヶ月程の橋を渡ります。

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③浜離宮恩賜庭園
快適なライドの途中、視界に入ってくるのは...
国指定特別名勝・特別史跡である浜離宮恩賜庭園の歴史ある風景と季節の花々。
2月中旬には、これから見頃を迎える菜の花が一部見えました

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誰かに呼ばれたような気がして水面へと視線を落とすと、
可愛い水鳥が器用に水をかいて泳いでいました

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さらに少し進むと、浜離宮船着場、灯台跡、築地川水門等が出てきて、
この辺りからは、浜離宮恩賜庭園とレインボーブリッジという、古今の有名な建造物を同時に見ることができます!

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④築地大橋
平坦な道は一旦橋の手前で終わり、緩やかな上り坂になります。
先輩特派員の皐月の鯉の吹き流しさんが以前ご紹介していた
前東京都知事舛添要一氏の揮毫をチェックし先へ進みます!

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橋を渡り終えてからは、東京海洋大学の船を横目に、埠頭へ向かいます

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⑤豊海水産埠頭
倉庫が多く建ち並び、トラックが多いこのエリアには、
築地場内市場を思わせるかのような港町らしい景色が残っています

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こちらからは、晴海埠頭、建設中の選手村、レインボーブリッジ等が見え、
晴海埠頭ほど有名ではありませんが、格好のフォトスポットになっています

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上の写真にあるように、夕暮れ時の景色も良いのですが、
日中の青空と輝く水面を背景にサイクリングの思い出を撮るのもよし

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⑥マグロ卸のマグロ丼の店
その後、朝潮運河を右に見ながら少し走ると、お店のようなものが見えてきます。
それが、マグロ卸のマグロ丼の店!
2017年に先輩特派員HKさんが詳しくご紹介しています。

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サーフボードにメニューが書かれており、
店名にもなっている「マグロ卸のマグロ丼」はなんとたったの600円
個人的には「超濃厚ビスクスープ海老ソバ」が気になります

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午前中のサイクリングの場合、ここで昼食を兼ねた休憩を取り、
ウォーターフロントならではの海鮮と風景を楽しんでみてはいかがでしょうか。
その後は、環状第2号線沿いに戻り、ライドを続けましょう

⑦黎明大橋、豊洲大橋
築地大橋同様、こちらも比較的最近開通した道路で、
嬉しいことに、自転車道もしっかり整備されています
とはいえ、歩行者もおりますので、スピードには気をつけて走行します。

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適度な上り坂を経験した後にウォーターフロントならではの風景を見ると、
「坂は大変だったけど、来てよかった」と思うことでしょう。

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⑧豊洲市場
豊洲大橋を下りきると、豊洲市場が見えてきます
こちらは中央区ではありませんが、旧築地市場と関連のある旬なスポットの1つ!

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⑨晴海大橋
豊洲市場を通過し、晴海大橋を渡って中央区へ戻ります。
先輩特派員の隅田の花火さんの記事にもある通り、晴海大橋には少々起伏があります。
私のような女性でも無理なく渡り切れますが、
電動アシストつきのコミュニティサイクルを利用すると、
険しい表情にならず、笑顔のまま渡り切ることができます

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この辺りからは、倉庫、タワーマンション、スカイツリーが見え、
景色に飽きることはありません
その後はゴール地点でもある「かちどき 橋の資料館」に向かって走るだけですが、
その前にちょっとだけ寄り道してみませんか?

⑩デリド勝どき駅前店(駐輪場あり)
こちらは周辺にお住まいの方が利用するスーパーですが、
セルフサービスにて、こだわりのコーヒーがお手頃価格でいただけます
訪問時は、一般的に見かけるコーヒーの他に、
キャラメルバニラといったフレーバーコーヒーや有機コーヒーもありました
サイズは12oz(約355ml)と16oz(約470ml)の2択で、
意外とたっぷりですが、セルフサービスのため量は自分で調節できます!

自転車を降りてコーヒー片手に勝鬨橋の東側まで移動し、
東京タワーや勝鬨橋を眺めるのもまた贅沢な一時です夜景がオススメ)

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一息ついて橋を渡ると、資料館はすぐそこです。
今回は異なる時間帯の写真を使用したので分かりづらかったかもしれませんが、
冒頭に書いた通り45分~1時間で1周できるようになっています

最後にコースを振り返ってみると、浜離宮恩賜庭園といった歴史的な風景、
タワーマンション、レインボーブリッジ、スカイツリー、東京タワーといった現代的な風景、
そして、ウォーターフロントならではの倉庫や船、水門等の風景と、
変化に富み、目を飽きさせない風景をたくさん見ることができました

また、今回走行した道の多く(築地と豊海水産埠頭周辺以外)には自転車道が設けられており、
道幅も広くお子さん連れの方にもやさしいです
区内にお住まいの方にも、国内外から中央区に観光に来られた方にも、
オススメしたくなる私イチオシのコースです

※自転車に乗る際は、マナーやルールを守って走行してください。
 ヘルメットの着用や暗くなってからのライト点灯も忘れずに...

 

 

鐘が奏でる現役時代の物語

[Hanes] 2019年2月21日 12:00


こんにちは。新人特派員の(ハネス)です
3月が近づき、「小さな春」が見つかる季節になってきましたね。
中央区ゆかりの俳人宝井其角は、江戸の春(正月)についてこう詠みました。

「鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春」

普段売れそうもないお寺の鐘さえ売れるほど、江戸は繁栄していたと伝えています。
今でこそそのような光景は見られなくなりましたが、
中央区内には、長いこと時の経過を見てきた鐘がいくつも残っています。
今回は、そのような鐘のいくつかを見に行ってみました

■銅鐘・石町時の鐘(日本橋小伝馬町5-2)/日本製
2代将軍秀忠の頃に本石町に設置され、江戸城下の人々に時刻を知らせたこの鐘は、
長崎屋の近くにあったことから、「石町の鐘はオランダまで聞こえ」という川柳が詠まれたほど。

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鐘は高さ約170cmと成人男性の平均身長くらいあります
(中央区の約170cmと言えば...大観音寺の鉄造菩薩頭も同じサイズ感です。)
大晦日には特別にこの鐘を撞くことができるので、いつか撞いてみたいと思います

■カトリック築地教会(明石町5-26)/フランス製
こちらには、通称「江戸のジャンヌ・ルイーズ(JEANNE LOUISE DE YEDO)と呼ばれる銅製洋鐘(区民有形文化財)があります。
こちらの鐘が鋳造・寄贈されたのは1876年。
当時は明治時代で、既に「江戸」から「東京」に改称されていました。
では、なぜ鐘銘にある通り「江戸のジャンヌ・ルイーズ」と名付けられたのでしょう...
その理由として、レンヌへの鐘の発注当時は、まだ「東京」という呼称が徹底されていなかったからと考察されています

隅田川花火大会の起源とも言える出来事は1732年にありましたが、
その呼称も時代とともに変化し、今の呼称が定着したのは予想以上に新しいようです。
呼称の変遷を見ると、時代背景や意図が垣間見られて面白いですよね

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かつてこの鐘とともにデュエットをした鐘「アデレード・ジョゼフィーヌ」は、
マダムはるみさんが昨年ご紹介していた通りです

どちらの鐘も太平洋戦争時の金属供出は免れ、大砲にならずに済みました。
余談ですが、ジャンヌ・ルイーズが今日まで無傷で残っているのに対し、
アデレード・ジョゼフィーヌの方は、時代の荒波を乗り越えてきました
鐘銘にフランス人法学者ボアソナード氏の名前が刻まれていたため、
太平洋戦争時の金属供出は逃れられましたが、
一度割れてしまったことがあり、関口教会の信者の寄付で1957年に改鋳されています

■平和の鐘(日本橋3-4・京橋1-1間中央分離帯内)/オランダ製
こちらの鐘は、1989年日蘭修好380年を記念し、
国際都市の一員として世界平和を願い、中央区が設置したものです。
26個の鐘は、カリヨン・スウィングベル製造で世界一の規模を誇り、
100年以上の歴史と優れた技術・実績を持つことからオランダ王室より「ロイヤル」の称号が与えられた
オランダのロイヤル・アイスバウツ社が製造しました

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その鐘は、毎時0分になると中央区の歌「わがまち」に代表される曲を奏でます。
そのメロディーが気になる方、遠方にお住まいの方は、
中央区平和祈念バーチャルミュージアムからどうぞ

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■銀座の鐘(銀座教会:銀座4-2-1/英国製
こちらは上記3つの鐘と比べてそれほど知られてはいませんが、
銀座教会の階段の中腹右手側にあり、
第3次会堂ができた1928年以降、約90年銀座の移り変わりを目撃してきた歴史ある鐘なのです

しかし、鋳造されたのは1878年と古く、カトリック築地教会の鐘と同年代!
バーミンガム市ブリュウス・アンド・サン社(Blews & Son)が手がけ、なんと227kgもあります
オーナーのウィリアム・ブリュウスは、真鍮燭台を作る職人として記録が残りますが、
教会の鐘も鋳造していたようで、本拠地のバーミンガムにも当時の鐘が残っています。
この教会の鐘は一体どういう経緯で海を渡ってきたのか...気になりませんか?

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ということで鐘銘を見てみると、鋳造社や教会に関する単語が見られますが、3~4行目をよく見てください
なんと、NAGASAKI JAPANと刻まれているではないですか!
これは、鐘が銀座に来るまでの大きな手がかりとなります。
英国好きの私としてはここで引き下がれないので、さらに調べたところ、次のようなことが分かりました。

1873年(明治11年)、後に出島聖公会神学校となる我が国最古プロテスタントの神学校長崎に設立されました。

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(赤い矢印で示した建物です。昨年訪れた際は、銀座教会と関係があるなんて知るよしもありませんでした。)

その際、あのトマス・グラバーが特注したこの鐘が取り付けられました。
しかし、1922年に発生した地震で鐘が落下...
その後、宣教師スコットが買い取っています。

その翌年、今度は関東大震災が起こり、銀座教会が焼失...
再興したのは、前述の第3次会堂が完成した1928年でした。
この際にスコットから入手した鐘が取り付けられたということです。

ようやくこの鐘に見る長崎と銀座の関係性が浮かび上がってきましたが、
なぜグラバーがブリュウス・アンド・サン社に特注したのか、
宣教師スコットとはどのような人物で、銀座教会とはどのような関係があったのかという点は、まだ明らかにしきれていません
詳細が分かった際には、改めてブログでご紹介します!

■おわりに
今回は区内で見られる鐘をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
鐘の製造国が全て異なり、今も昔も中央区は国際的だと改めて感じるとともに、
思いがけないところに長崎との関係性も見つかりました
ご紹介した通り、中には引退した鐘もありますが、
このように現役時代の歴史を読み解くと、当時の時代背景等が少しずつ見えてきます。
中央区では、「鐘ひとつ」をとっても面白いと思っていただけたら幸いです

【参考文献・ウェブサイト】
国立大学法人九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センター「長崎県の地震活動概況(2003年8月)」(2019年2月16日閲覧)
築地カトリック教会百周年記念誌編集委員会『つきじ―献堂百周年記念号―』(築地カトリック教会、1978年)※非売品(教会で見せていただけます。)
長崎バプテスト教会「お薦め散策コース - Bコース:眼鏡橋から出島・大浦方面③」(2019年2月16日閲覧)



 

 

落語界の化学反応!新ジャンル「ヲタク落語」とは

[Hanes] 2019年2月19日 18:00


こんにちは。新人特派員の(ハネス)です
2月13日(水)に歌舞伎座タワー5階にある歌舞伎座ギャラリーで開催された
「ぎんざ木挽亭 もえよせ番外編〜歌舞伎座ギャラリーでヲタク落語〜by TOKYO KOBIKI LAB.」に行ってきました。

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寄席に行くのは初めてでしたが、アニメ・漫画と落語を融合した
「ヲタク落語」というジャンルを知ったのも初めてでした
私自身、アニメ、漫画、ゲームの知識はゼロに等しく、理解できるか非常に不安ではありましたが、新ジャンルの落語を聞くのも勉強と思って東銀座駅で下車

■歌舞伎そば
落語は19時からだったので、「まずは夕食を...」と思い向かったのが、
友人のインスタフィードで流れてきて知った有名店「歌舞伎そば」
このブログでは、以前先輩特派員下町トムさんがご紹介しており、
歌舞伎座のすぐ裏にあるので、近場でご飯を済ませたい時は非常に便利です

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こちらは食券制となっており、私は「もりかき揚げ(470円)」を注文。
(名物として有名なのは、「ざるかき揚げ(490円)」です。)
お店の方に食券を渡し、席を選び、ゆっくり歩いてコートを脱ぐまでに要した時間は約20秒。
偶然タイミングが良かったのか、着席する前にそばが出てきました
これだけ手際が良かったら、本番前の歌舞伎役者さんも気軽に食べられそうですね。

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そばは女性でも無理なく食べられる量で、プラス70円で大盛りも可能です!
天ぷらの盛り付け方が珍しく、歌舞伎そばならでは感があります
天ぷらには、主ににんじん、玉ねぎ、さつまいもが入っており、
ちょうど揚げたてだったのか、サクサクの食感が楽しめました
ラストオーダーは18:15になりますので、夜ご利用の際はご注意ください。

■屋上庭園
夕食を済ませてもなお開場までに少し時間があったので、
歌舞伎座の屋上庭園(5階、無料)へ行ってみました
地上からでは分かりませんが、碑、灯篭、桜、椅子等のあるちょうどよい憩いの場となっています。

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庭園に出てすぐ右手側にある五右衛門階段からは、歌舞伎座の瓦屋根を間近で見ることができます

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(階段を下りた先は、「四階回廊~想い出の歌舞伎座~」です。)

歌舞伎座の至る所に鳳凰が見られることはご存知の方も多いかもしれませんが、
見つけると幸せになれる「反転した鳳凰」の話はお聞きになったことがありますか

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(これは普通の鳳凰です(笑))

気になった方、詳しくは先輩特派員である皐月の鯉の吹き流しさん杏葉牡丹さんの記事をご覧ください。

こちらの庭園は昼間にしか行ったことがありませんでしたが、
夜は他の建物に遮られずに月が見られるということもあり、
夜ならではの楽しみ方ができました

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■歌舞伎座ギャラリー
開場後、特派員の方々何名かにお会いし、話をしながらギャラリーの奥に進むと...
ギャラリーと言うだけあって、歌舞伎について学べるのみならず、
歌舞伎で使用する衣装、小道具(差金の先に付いた蝶等)、楽器等を見て、一部触ることができるようになっていました!
中には大人が乗ってもつぶれない馬もあり、
黒衣や後見、歌舞伎役者になった気分で体験しながら楽しめるなかなか面白いスポットです

■ぎんざ木挽亭 もえよせ番外編〜歌舞伎座ギャラリーでヲタク落語〜by TOKYO KOBIKI LAB.
寄席に入った際、初心者の私が思ったことが3つあります。
それは、高座が予想以上に高い、高座と客席が予想以上に近い、舞台が予想以上にカラフル(おそらく期間限定)ということです

こちらの舞台では、なんと先代の歌舞伎座で実際に使用されていた檜板や揚幕が用いられています。
歌舞伎座ギャラリーは、歌舞伎を見たことのない方や海外の方にも
歌舞伎に気軽に触れていただくことを目的に作られましたが、
そういった伝統的なものも取り込まれているので、歌舞伎ファンの方にも訪れていただきたいスポットです

前置きが長くなりましたが、今回はニコニコ動画にも出演されている春風亭吉好さんが登場。
ヲタク要素の浅いのものからとてもマニアックなものまでを盛り込んだ落語を披露し、
客席ではたびたび笑いが起こっていました!
ネタバレになるので詳細は割愛しますが、解説によると、1席に5種類以上のアニメや漫画の要素等が含まれることもあり、
特徴的、もしくは有名なセリフのいいとこどりということで、
知っている人は、「あー、分かる分かる」とテンションが上がるんだとか

一方、私のようにアニメや漫画とは無縁の人の場合、
セリフやキャラクター名にはピンとこないものの、話自体は十分に楽しめます
最後に披露された「寿限無の御隠居さんがヲタクだったら...」という設定のものは、
「古典落語の寿限無が現代文化と融合すると、これほどまでにも進化し、ふくらみを持つとは!」と、
むしろ感激してしまう構成で、これぞ落語界の化学反応だと思いました
そして、若い世代にも落語に興味を持ってもらうためには、
こうした工夫もありなのではないかと思いました

また、春風亭吉好さんがお色直し中に登場された方は、伝統芸能と共通点が見つからないような経歴をお持ちで、
その経歴に関するエピソードを上手に笑いにつなげていたのが印象的でした。

今回は落語の他に人気声優の利根健太朗さんを迎えた面白いトークショーもあり、
声優のお仕事や大学でとある有名俳優さんと同期だった話等を聞くことができ、
勉強になるとともに非常に貴重な経験となりました
これを機に、歌舞伎、落語、能、人形浄瑠璃等といった
日本を代表する伝統芸能にも触れてみようと思います!