[Silver Fox 007]
2019年2月20日 09:00
2月も中旬となり、花の便りが寒さの中にも春近しを告げています。
そんな1日、伊豆に出かけました。
熱海桜や河津桜が車窓から目を楽しませてくれます。お目当ては城ケ崎海岸の散策。レポーターが、断崖にかかる吊橋を恐る恐る渡るシーンをテレビでご覧になった方もいると思います。柱状節理なんて地学の用語も高校だったかで習ったはずだよね~、でも実物を見て初めて理解できるなぁ、などなど、感嘆しきりで大人の社会見学。
橋立吊橋は、伊豆急行伊豆高原駅から徒歩25分で、対島(たじま)川に沿って歩いて行けばいいので、分かりやすいです。川は対島の滝になって海に注ぐ・・・が、水量が少なくて滝にはなっていませんでした。海岸沿いの遊歩道はよく整備されていて、説明板もきれいで読みやすいです。事前学習には、伊東観光協会のHP http://itospa.com/nature_park/np_zyogasaki/ が役立ちました。
さて、中央区伊豆高原荘です。伊豆急行伊豆高原駅から無料のシャトルバスを利用できます。海を背に、まだ固い蕾の桜並木を抜け、梅や河津桜が咲く別荘の庭を眺めつつ登って行くと、落ち着いた佇まいの建物に到着。
女子には嬉しい選べる浴衣(お子さんのサイズもあり)、季節を感じる雛飾り(段飾りと吊るし雛)が迎えてくれます。もちろん、にこやかなスタッフさんが一番に!
利用申し込みは中央区のHP https://www.city.chuo.lg.jp/sisetugaido/hoyou/izukogenso/izukogensonogoannai.html からで、区内在住・在勤ではない一般の方も利用できます。
料金や館内の詳細はこちら http://www.izukyucom.co.jp/chuoku/ をご覧ください。
今回は宿泊せずに帰ってきましたが、伊豆高原荘の所在地・伊東市は見どころ満載。中央区に屋敷があったイギリス人三浦按針が、徳川家康の命により帆船を造ったのも伊豆急行伊東駅近くの松川河口だったそうで、8月には按針祭も開催されます。
伊豆高原荘を拠点に、地殻変動の歴史、人物・文化の歴史を訪ねてみてはいかがでしょう。
なお、館内の写真撮影および記事掲載については、中央区伊豆高原荘職員様のご了解をいただきました。
[Silver Fox 007]
2019年1月27日 18:00
中央区は水運の街としての歴史がありますね。今ではほとんどの運河が埋め立てられて、橋は道路の一部になっているところが多いと思います。東京メトロ日比谷線築地駅から聖路加国際大学方向へ進む聖ルカ通りにも、そういう橋の名が残っています。築地川を埋め立てた公園にかかる暁橋(あかつきばし)です。
先日、暁橋を通っていたら、公園の改修工事をしている側の壁面(本願寺の方向)にこのようなレリーフを発見! これまで全く気付くことなく通り過ぎていました。工事のために植栽を整理したのでしょうか。それとも、観ようと思わずば見えず、なのか。
上の写真は「築地居留地(現在の明石町)」という銘で、明治27年ガーディナー氏画とあります。この画の元は立教大学に所蔵されていると思われます(NPO法人築地居留地研究会発行の築地外国人居留地歴史マップ参照)。そして右の写真(築地駅に近いほうに設置)は「築地海軍省於操練場風船御試之図(現在の築地五丁目)」、資料提供マスプロ電工美術館とあります。いずれも中央区土木部公園緑地課と刻まれていますが、設置の日付はありません。
写真がヘタで申し訳ありません、ぜひ散策におでかけになり、ご覧ください。
居留地の図は、このレリーフを背にして聖路加国際大学のチャペルの方向を見た鳥瞰図、今とはずいぶん違う建物です。海軍省の図は、レリーフに向き合ってその左手向こう、築地市場の方向にあった海軍省での出来事でしょう。
工事中のフェンスに沿って
本願寺の方に回って行くと、
40年前のこのあたりの写真が
展示されていました。
今の様子は・・・
40年前は聖路加国際大学(当時は病院)が目立ちますね。
おっと!そうか! 本願寺側の通りも橋の上のはず。
橋名を見落としました。観ようとして見なければ!
[Silver Fox 007]
2018年11月12日 18:00
中央区立郷土天文館(タイムドーム明石)では、東京150年記念・第19回特別展「中央区の西洋医学事始」が開催されています。http://www.city.chuo.lg.jp/event/culture/_user_tobun_time_201710141723.html
中央区には数多くの「発祥の地」がありますが、このタイムドーム明石のそばには「解体新書」の翻訳を記念して「蘭学の泉はここに」という記念碑が建てられています。碑の右側(赤い花崗岩の方)には白く人体図が彫られているのですが、この日はあいにくの雨で彫りが全く見えず、こんな写真での紹介となりました。お天気の日は左側(黒御影石の方)の碑文とともにじっくりご覧ください。さらにこの碑の左手には、慶應義塾発祥の地の碑もあり、「日本近代文化事始の地」と看板があります。東京メトロ日比谷線の築地駅からいらっしゃる方は、聖路加国際大学前の三角州のようなこの碑がある交差点を中央保健所側に渡って建物に沿って直進するとタイムドーム明石の入口に到着します。http://www.city.chuo.lg.jp/bunka/timedomeakashi/index.html
タイムドーム明石の入口は地味(ごめんなさい!)で、本当にここ?と思いつつ、掲示に従ってエレベーターで6階へ。プラネタリウム見学(入場料300円)の親子連れさんも一緒です。エレベーターを降りるとタイムスリップしたような感じ。受付の券売機が現代を象徴しています。常設展示も100円という破格の入場料ですが、特別展は入場無料、ありがたいです!
とにかく興味深い展示でした。詳しくは見に行っていただくのが一番なので、私の印象に残ったことをお伝えします。日本橋の長崎屋(現在の日本橋三越前の中央通りと江戸通りの交差点に跡あり)が西洋文明の入口(日本人にとっては入口、オランダ人にとっては日本文化との引換口)で、日本橋界隈の商家がいかに重要な役割を担っていたかがよくわかりました。展示品のなかでは特に「うわぁ!」と思わず声をあげたのが、目薬の精錡水(せいきすい)の容器と新聞広告です。小さなガラス瓶の容器はいかにもありがたい感じ。新聞広告はコミカルで、万人受けしそうです。どんな風にして売っていたのかな?と思っていたので、見学できて嬉しかったです。教科書だけで知っている前野良沢や杉田玄白、佐藤泰然、福沢諭吉などなど、著名人から庶民まで、展示の人々を生きた人々として実感したひと時でした。最後に図録(左の写真・200円)を購入し、展示内容を反芻しています。
会期は12月16日までです。展示に関連する場所は、タイムドーム明石の近辺にもいくつもあります。翻訳に行き詰った前野良沢が隅田川までぶらついたり、日本橋の長崎屋まで情報取集に出かける様を思い浮かべながら、散策されてみてはいかがでしょうか。
なお、ブログ掲載については、タイムドーム明石のご了解を得ています。
[Silver Fox 007]
2018年10月31日 18:00
秋晴れの中、皆さま今週末の予定はお決まりでしょうか?
今週末の11月3日・文化の日(土)も好天が予想されていますね。
11月3日(土)13時からは、築地で第11回外国人居留地研究会全国大会(無料・予約不要)が開かれます。各地の外国人居留地の研究会の皆さんが集まって行われる全国大会です。
また、翌日の11月4日(日)10時からは、会場周辺を徒歩で周るエクスカーションツアー(事前予約制・先着順)があります。研究会会員の方が案内してくださいますので、こちらに参加するのも良いと思います。なお、11月2日が〆切ですので、ご興味のある方はお急ぎください。
詳しくは公式ホームページをご参照ください。
http://www.marugoto-chuo.jp/wp/event/1573/
今回のテーマは「居留地と女子教育」。築地の居留地には、ミッションスクールが数多く開かれました。現在の聖路加国際大学の周辺には、それらの学校の記念碑があります。大学周辺をぐるりと歩くだけで一体何校の記念碑を見つけられるでしょう。右下は、大学と聖路加国際病院の間の通り沿いにある立教女学院の碑です。この碑を右手にして、トイスラー記念館(一般非公開)に延びる小道に回り込むと、立教大学の碑があります。
会場も1920(大正9)年に高等女学校卒業の女子に対して看護教育を開始した、聖路加国際大学のアリスホールです。ホールの名前は、開学時に教育責任者であったアリス・C・セントジョンに由来しています。大変厳しい先生で、学生は呼び出しのメモを受け取ると、膝ががくがくするほど緊張したそうです。授業は英語だったそうですから、ノートを取るのも必死だったでしょうねぇ。
全国大会では、日本各地の居留地で始まった女子教育のお話が聞かれることと思います。ちょうど大河ドラマも明治時代に突入、日本が急速に西洋の文明や文化を取り入れようとするころの話ですね。文化の日に、女子教育の歴史を振り返ってみるのも良い一日の過ごし方かと思われます。
大会については、ポスターと併せて、築地居留地研究会のホームページ、スケジュールにてご確認ください。
https://tsukiji-kyoryuchi.com/event.html#20180922
なお、大会の掲載については、築地居留地研究会のご了解をいただいています。中央区観光協会もこの大会を後援しています。
[Silver Fox 007]
2018年9月29日 18:00
東京メトロ日比谷線またはJR京葉線八丁堀駅のA2出口から地上へ出ると、桜川公園があります。
新大橋通りを背にしてこの公園を通り抜けると、中央区立女性センター「ブーケ21」があります。入口右手に階段があり、桜川屋上公園と書かれています。桜川公園はよく通りますが、屋上公園には行ったことがないので、探検してみました。
階段はきついな~と息を切らして上って、びっくり!
周りを囲むビルは深山に見え、ビル建築の杭打ち音・ドカンさえ鹿威しに聞こえ、庭園を流れるせせらぎと色づき始めたモミジに、ここはどこ?のワープ感!!
様々な種類の木には名札がついていて、柿やザクロも立派に実をつけています。木陰のベンチも多く、昼食時は近隣のオフィスワーカーの格好の憩いの場でしょう。出生数が年々増えている中央区らしく、子ども用の遊具もあり、お天気の良い日はちびっ子でにぎわうのでしょうね。
木々の下を抜けて進むと、空間が開けてゲートボール場。脇に小道が続いているので辿ってみると、亀島川が目に飛び込んできました。右手に南高橋の鉄橋(1904年架橋の旧両国橋の一部を再利用)が見え、妙に感動。左手の高橋や係留されているボートが、江戸の街が水運の街であったことを思い起こさせてくれます。この小道は鉄砲洲通りに出られるスロープになっています。
庭園の下は東京都下水道局桜橋第二ポンプ場で、浸水から街を守る役割を担っています。
思いがけないくつろぎの空間を見つけた秋の午後でした。
[Silver Fox 007]
2018年7月27日 09:00
東京メトロ日比谷線築地駅から聖ルカ通りを聖路加国際病院の方に歩くと、築地川公園の手前にガラス張りの建物があります。タリーズコーヒーがまず目に入り、その入口で青いクマちゃんが「るかなび」をご案内しています。何だろうな~?と横目でながめながら通っている方もあるのではないでしょうか?
コーヒー飲まないと入れないのか?なんてドキドキしつつ入ってみました。注文カウンターには近寄らず、ずいっと奥へ。たくさんの本が柔らかい照明の下にずらり、ちょっとした図書館のようです。その右手に受付。
どういう場所なのか、お話を聞いてみました。ここは聖路加国際大学の一部で、一言でいうと、健康のことを誰でも何でも相談できるところ、でした。一般の人々が「自分の健康を主体的に自分で創る」ことができるようにナビゲートしているのです。
聖路加は中央区内の大学・大きな病院としてご存知の方も多いと思います。地下鉄サリン事件(この事件を知らない世代も増えてきましたね)では、救護に尽力したことで覚えている方もあるでしょう。セイロカと読む人が多いんですけど、本当は『セイルカ』。そのセイルカのスタッフ(主として看護師)があなたの健康をナビします、ということで「るかなび」。クマちゃんはポルカという名前で、方角を知る目印となる北極星(ポーラスター)を含むこぐま座をイメージしているそうです。なぜ青か?というと、スクールカラーだから。学生のワンピース型実習服がこの色だった時代もあったそうです。
2003年から始まった「るかなび」は、このガラス張りの建物(大村進・美枝子記念聖路加臨床学術センター)の2016年春の竣工にあわせてこちらに移転。コーヒー片手にゆったりと、健康に関する本を読んだり健康について相談したりと、より多くの皆さんに利用していただけるよう、広いスペース、くつろげるスペースに引っ越してきたそうです。
平日10時~17時が基本の利用時間で、土日はお休み。簡単に紹介すると・・・
- 看護師による健康相談(30分500円~)
- 健康チェック(有料の骨密度測定、体組成測定、握力測定あり)
- 健康に関する図書の閲覧(無料、あなたに役立つ本を探すお手伝いあり、貸出なし)
- ミニ健康講座や心をいやすミニコンサート(毎月開催、参加費200円、申込不要)
7月は26日(木)12:30~13:10にフルートコンサート開催です。
利用の詳細はhttp://research.luke.ac.jp/lukeNavi/index.htmlをご覧ください。
より健康にすごしたい・今の健康状態に不安や悩みを抱えているなど、「あなたの関心・目的にあわせてナビします!」とスタッフの看護師さんはお話しくださいました。
なお、ベビーカーや車いすなどが入りやすい平らな入口が大学側にあります。守衛さんににっこり笑いかけ、「るかなびへ」とおっしゃるといいですよ。
※掲載については、聖路加国際大学様のご協力と許可およびタリーズコーヒー様の了解をいただいております。