[巻渕彰/写楽さい]
2009年10月28日 09:00
10月25日(日)午前10時から、明石町の
中央区 保健所・タイムドーム・あかつき公園などを会場に、「中央区健康福祉まつり2009」が開催された。
「出会いと ふれあいと 感動と」をテーマに、福祉と健康のまちを目指して、地域で生活するすべての方に、ふれあいと交流の機会を通じて、相互の理解と親睦を深めるのが目的で、毎年実施されている。主催は健康福祉まつり実行委員会、
中央区 、中央区社会福祉協議会。
当日は、区立郷土天文館(タイムドーム明石=写真上は1階入口)も無料公開され、常設展示室では来館者が中央区の歴史・文化展示に見入っていた。開催中の特別展「匠の生きたまち」(11月29日まで)にも多くの人が足を運んだ。
特別展会場内では午後2時から、「縫い紋の製作実演」が行われた。この実演は、江戸刺繍で着物などに家紋を縫い入れる「縫い紋」の技で、披露するのは
東京都認定伝統工芸士、東京都刺繍協同組合理事長を務める日本橋箱崎町在住の甲斐谷猛(かいや・たけし)氏(写真中央)。精細な縫い紋の技術に作業台を取り巻いている見学者は食い入るように身を乗り出し、職人の技を熱心に見つめていた。
次回の製作実演は「中央区まるごとミュージアム2009」イベントにあわせ、11月1日(日)午後2時から、「手植えブラシの製作実演」で江戸刷毛・東京手植えブラシ職人の田中三郎氏が予定されている。
同まつりの会場は屋外、屋内と広い範囲にわたり区内の各種組織・団体が参加した。中央区初の認定まち歩きボランティアガイドである「中央区文化財サポーター協会」も教育センター5階多目的ホール会場に出展した(写真下)。同会は毎年連続参加し、中央区のまち歩きの紹介や歴史資料の展示などを行っている。
今回は「50年前の中央区写真」約100点や3枚続きの錦絵図版の日本橋、両国橋など江戸・明治期の中央区関連6景などを展示。体験コーナーでは「ミニミニ半纏を折ろう!」を用意し、同会特製の折り紙を折ってもらい、来場記念のお土産にしてもらった。なかでも50年前の中央区各地の写真や半纏折り紙に来場者の関心が寄せられた。
[巻渕彰/写楽さい]
2009年10月21日 09:00
中央区観光協会設立50周年記念事業の「まち歩き〈産業〉コース 日本橋・京橋編」が10月19日(月)10時から12時まで開催されました。このコースは2回目であり、定員の10人が参加しましたが、ほとんどの方が区外からで、参加地域の広がりが感じられました。秋の爽やかな天気のもとに、お江戸日本橋を出発です。(写真は上から訪問順)
最初は、「山本海苔店」さんで、お店の歴史をうかがいながら、海苔のお話には奥深さを知り、試食をいただき、同店ならではの海苔づくりにかける真髄の一端を味わいさせていただきました。
次の「八木長本店」さんでは、社長さんが自ら日本橋魚河岸の変遷、お店の移り変わりなど写真や地図を見せていただいて、ていねいに説明をいただきました。「かつおぶしは大事な蛋白源」と、熱心に語られる意気込みに感心させられました。
ここから京橋・八重洲通りまではしばらく歩く。途中の「高島屋東京店(日本橋)ビル」は今年6月に国重要文化財に指定されたところ。この中央通りの辺りは、江戸からの「通町(とおりちょう)」として賑わった場所でした。
3番目のお店は「京橋千疋屋」さんをお訪ねしました。著名な老舗のフルーツ専門店としてお洒落な店内。旬の新鮮なフルーツを頂戴しながらお店の歴史や果物のお話を聞かせていただきました。
最後は事務用品の「モリイチ」さん。1階から2階まで商品が並べられて豊富な品揃えでした。最近は、藍染めの袋物や、懐かしい万年筆などレトロな創作商品を手がけ、開発に意欲的であることが伝わってきました。
今回の参加者の声として、「個人ではなかなか回れないところを案内してもらって良かった」「おみやげまでいただいてうれしかった」「この催しは今年だけですか。毎年続けてもらいたい・・・」などで、好評でした。
それぞれのお店は今日の繁栄に至るまでに、歴史の積み重ねと地域・お客さまに根づいた信頼、そしてご商売への情熱があるからこそ、老舗の暖簾を守っていく確かな商売道が脈々と受け継がれていることが伝わってきました。
今回お訪ねした4店のお店の皆さまにはお忙しいところ、貴重なお時間を割いて、ご親切にご説明・お話、さらにおもてなしをいただいたことに厚く感謝申し上げます。ありがとうございました。
[巻渕彰/写楽さい]
2009年10月14日 17:00
現在、中央区の「テレビ広報Vol.69」で以下の中央区観光協会イベントの模様が放映されている。
放送は10月11日から16日までの期間で、東京ベイネットワーク(株)と東京ケーブルネットワーク(株)のケーブルテレビで見ることが出来る。
放送時間など詳しくは中央区HP こちら>> をご覧ください。
また、同HPではストリーミング映像が提供されているので、ネットでも見られる。
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恒例の「第57回中央区観光商業まつり」は10月1日(木)からはじまり、11月4日(水)まで
中央区ぐるみの楽しいお祭りとなる。期間中は区内の商店街・商店会、デパートなどが参加して各種イベントが行われる。初日の10月1日にはオープニングセレモニーが矢田美英・中央区長の出席のもとに開かれ賑わった。
また、7月からはじまった
中央区観光協会設立50周年記念事業はいよいよ終盤を迎えた。これまでに多彩なイベントで区内が盛り上がり、
中央区に対する内外の関心を集めている。中でも「まち歩き〈文化〉コース」には多数の応募者が参加して、魅力の
中央区の街並み、歴史・文化を見聞しながら、まち歩きを楽しんでいる様子が見られた。
10月4日(日)には「浜町・東日本橋コース」が開催され、案内は中央区初の認定ボランティアガイドの「中央区文化財サポーター協会」が担当した(写真)。
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[巻渕彰/写楽さい]
2009年10月14日 08:45
「京橋」は日本橋と並び東海道の重要な橋だったが、撤去されて今はもうなくなった。現在、「京橋の親柱」は中央区民文化財として橋詰に残されているので、その面影に懐かしさを感じることがある。ところが、ここ以外にも京橋の遺構が存在しているのだった。こんなところに「京橋」があるのを、ご存じだろうか。
まずは、日比谷公園の中にある。「京橋」の欄干柱で橋名はないが、擬宝珠がついているのでそれとすぐわかる。明治8年(1875)架橋のものであるから、石橋なのだ。左右に欄干をつないだ溝穴があいている(写真上)。日比谷公園内にはほかにも歴史を伝える遺物などがいくつかあるので、探し歩くのも楽しい。
現在、本家の京橋跡には、この明治期改架の橋名が刻された親柱が2基残っている。漢字表記のものは警察博物館前の北詰東側に、仮名表記のものが銀座一丁目交番脇の南詰西側にある。
つぎは新宿御苑「新宿門」の脇、すでに閉館となった旧「みちの情報館」の跡地内である。こちらは大正11年(1922)建造のもので、照明設備がある「京橋」の親柱である(写真下)。敷地内に入ることができないので外側から眺めるしかないが、「京橋」「きょうばし」の橋名もはっきり読み取れる。
京橋跡には、これと同じ大正期の親柱が南詰東側に残されているが、上部に照明を設けるなど、近代的なデザインである。反対側の南詰西側に建つ銀座一丁目交番はこの大正期の親柱デザインを模して対称的に造られ、さらに、銀座煉瓦街をイメージしたものである、というのはよく知られている。
新宿の「みちの情報館」跡地には「新橋」の親柱も残っている。現在、銀座八丁目先の港区側にあるものと同じ親柱である。さらに、日本橋の道路元標プレートの複製もある。