[滅紫]
2014年5月14日 09:00
「割烹嶋村」さんは八重洲中央口のみずほ銀行の角を入ってすぐのところにある、創業嘉永三年(1850)の老舗。ペリー来航が嘉永6年(1853)なので動乱の幕末前夜に「仕出しの嶋村」として店を構えた。とお店の案内にもある。文久元年(1863)の「大江戸料理番付」にも「平清」「八百善」と並んで行司役として別格扱いになっているほどの有名店。明治期には伊藤博文や井上馨などの政治家や文化人にも愛されてきたお店です。
TVや雑誌などへの露出も多いのでご存知の方も多いかと思いますが、今回ご紹介するのは「幕末会席」、土曜日限定の一押しメニューです。
献立は以下の通り。「胡麻酢和え」「うづら椀」「刺身」「鯛兜煮」「宝楽蒸し玉子」(旨煮にした鶏肉、椎茸を溶き卵に混ぜ合わせ、焙烙に敷き詰めて天日蒸し焼き)
「きんぷら」(卵黄にて天衣を溶き、ごま油にて上げたてんぷら、海老3尾)「白飯、香の物、みそ汁」「水菓子」
飲み物は「この時期は下りものだけではなく地廻り酒も結構出ていたのでは?」「まだビールはなかったから邪道だ」などといいながらも汗ばむほどの暑さなのでつい「生ビール」となりました。
幕末会席は3,800円(税別) 土曜日の昼夜のみ限定30食です。お座敷で寛いで江戸談義を楽しむのは如何でしょうか?
割烹嶋村 中央区八重洲1-8-6TEL3271-9963 営業時間11:30~14:00、16:30~22:30
[滅紫]
2014年5月11日 09:00
1年間の杮葺落とし公演が終了し見慣れた「積物」がない正面入り口は何だか?!という印象を受けます。
新開場以来初めての「團菊祭」、五月歌舞伎座の定例となっていた公演が戻ってきました。「團菊祭」はご存知の通り、昭和11年(1936)に九代目團十郎と五代目菊五郎の功績を称えるため始まったもので戦後は昭和33年(1958)に復活しています。昨年亡くなられた十二代目團十郎さんの一年祭でもあります。歌舞伎十八番から4演目、黙阿弥の「魚屋宗五郎」「幡隨長兵衛」の2作と成田屋さんと音羽屋さんの得意とされた演目が昼夜並んでどちらも見逃せない、悩ましいところですが、今月は先に昼の部を見ることにしました。海老蔵さんの弁慶と菊之助さんの富樫に芝雀さんの義経の組み合わせの「勧進帳」が話題で発売と同時にほぼ満席となりました。私はちょっと出遅れて最前列ではあるものも花道近くが取れず「海老さま命」の友人に恨まれています。トホホ。「毛抜」の粂寺弾正を演じるのは「團菊左」と称された初代左団次の名跡を継ぐ当代四代目左団次さん、孫にあたる男虎さんが「錦の前」で美しい女形を見せてくれます。「勧進帳」は海老蔵さんの弁慶が花道に登場するともう場内われんばかりの大拍手。菊之助さんの富樫も衣装がぴたりと決まって口跡さわやか、ため息が出るくらいのかっこよさです。将来の團菊祭はこの二人が主役になるのだと思うと楽しみ倍増。一座を締めている当代七代目菊五郎さんは当たり役の「魚屋宗五郎」。禁酒していた宗五郎が「一口だけ」と飲み始めたお酒をやめられなくなり飲み続ける酔っぱらいの様子が本当にリアルで客席大笑い。充実の組み合わせです。
夜の部は「矢の根」「幡随長兵衛」「春興鏡獅子」
お問い合わせはチケットホン松竹0570^000-489(10:00^18:00)
25日までです。