[滅紫]
2015年3月31日 14:00
日本橋のたもとの桜は丁度見頃の七分咲き、あちこちでデジカメや本格的な三脚付きの方も見かけられるのはこの季節ならではの風景です。三越日本橋本店では25日から恒例の「春の院展」が始まっています。
昭和20年から始まったこの展覧会ももう70回。今回は入選作306点と同人の先生方の作品34点と合わせ340点の大展覧会です。「先生方の作品だけを観て」と思って入場するものの「初入選」とある作品の前ではやはり足が止まります。同人の先生方の作品のキャプションが別刷りになっていて
「見つけました。季節の宝物です」(手塚雄二「秋麗」)など作家の生の声が聞こえるようで読んでも楽しい。会場内に「岩絵の具」「筆」などの展示があり、「岩絵の具」の天然のものと「新岩」と書いてある人工のものが並べて展示してあるのも面白く比較してじっと見てしまいました。最後の第3会場には第35回からの作品図録の表紙絵が展示されています。物故作家のお名前も見えて懐かしく興味深く眺めました。
流石に草臥れて一服と4階の
宮越屋珈琲店へ。札幌が本店ですが、すっかり日本橋に根付いています。写真は本日のケーキセット。コーヒー片手に出品作品一覧をながめ乍ら「これがよかった」と思い出すのも楽しみのひとつ。日本橋のお花見を兼ねて「日本画の今」を是非ご覧ください。
「春の院展」は四月六日まで日本橋三越本店。本館・新館7Fギャラリー
入場料一般800円 10時~18時30分(最終日は17時入場まで)
[滅紫]
2015年3月25日 09:00
展覧会3日目に松屋さんに。ウイークデイのお昼間なのであまり混んでないと予想して出かけたのですが、外れました。入口付近から並んでいます。人気があるのは嬉しいような、あまり混雑しているのも・・という複雑な気分です。
アメリカ・バーモント州の山奥でガーデニングを楽しみ92歳で亡くなるまで創作活動を続けた絵本作家ターシャ・テューダー(1915~2008)。日本でよく知られるようになったのは
やはりNHKの番組で紹介されてからでしょう。子育てを終えて広大な自然に囲まれた田舎で毎日の生活のほとんどを手作りする自給自足のシンプルなライフスタイルが日々の暮らしの中でゆとりを失いがちになっている現代人に「あこがれ」を抱かせたのだと思います。特に中高年のガーデニング好きの女性には熱烈なファンが多く会場もそんな女性たちが一杯です。
会場には愛用していた食器や家具、ガーデニンググッズ、ドレスや絵本の原画、ドールハウスと人形など。ドールハウスの食器棚の中に5cmくらいのシャンパン、ブーブクリコのボトルを見つけ、思わず声を上げてしまいました。本物そっくりです。
「現代人は忙しすぎます。夕方ポーチのロッキングチェアに座ってカモミールテイでも飲みながらツグミが澄んだ声で鳴くのに耳を傾けてご覧なさい。毎日の生活がもっと楽しくなりますよ」(ターシャの言葉) 「憧れ」てます。こういう時間。いつの日かです。
4月6日まで松屋銀座8階イベントスクエア
10時から20時まで(最終日は17時まで)
入場料 一般1000円
[滅紫]
2015年3月19日 14:00
一流レストランで活躍したシェフたちが高級料理をお手軽価格で提供する立ち飲みレストラン『俺の』チェーンは「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」「俺の割烹」「俺の焼肉」まで怒涛のような展開で、歌舞伎座の近くにオープンしたこの「俺の揚子江」も気になってはいたものの他のお店のように人気店につきものの「予約はなかなか取れない」「長時間並ぶ」のかと考えるとちょっと二の足を踏んでいました。昨年6月のオープンから半年以上が過ぎ、そろそろいいかと漸くやってきました。
ウイークデイということもあり、予約もすんなり、中華なのでたくさんの種類をいただきたいと本日は女子会?4人組。
細い階段を地下に入ると「あ!広い」。そのはずです。「俺の」チェーンでは一番広い117席、「俺の」チェーンの特徴である「立ち飲みスタイル」ではなく、すべて着席スタイルのお店です。(オープン当初は立ち飲みもあったようです9私たちが案内された席もゆったりしていてお皿がはみだすような「狭いテーブル」はありません。まずは「本日の限定メニュー」からオーダーしてくださいとの案内に従い、いくつか注文し最後にデザートの「お汁粉」をお願いすると「すみません、今日の数が売り切れてしまいました!」。「え!」残念至極。まずは「俺のシャンパン」で乾杯。グラスの縁までなみなみと。4人に注ぐと1本が空に。
「生春巻き」「小籠包」「ソフトシェルクラブ」「北京ダック」「アワビとふかひれ」「豚ひれのフォワグラ黒酢ソース」「野菜サラダ」「チャーハン」(もう少しいただいたような気がしますが。・・・)
紹興酒もいただいて一人5600円也(テーブルチャージが@300円)。満足満足のランチとなりました。北京ダックのサービスの前には焼きあがった丸ごとの北京ダックがテーブルの間に「お目見え」、中央テーブルでスタッフによるカットのパフォーマンス付きでお客を楽しませてくれます。予約も取りやすくなったようなので、「気にはなっていたけれど」という方には今がおススメです。夜は曜日によりライブでジャズとクラシックの演奏が聴けるそうです。
「俺の揚子江」銀座4-10-10銀座三王ビルB1 電話6264-3390
営業時間平日12:00~14:00 16:00~23:00
土曜日12:00~23:00(日曜は22:00)
電話予約は9:00~12:00
[滅紫]
2015年3月17日 18:00
「心ある人たちに多忙を差し繰ってもご覧になることをお勧めする」「高貴な魂の持つ品格と温かさと孤独を描き切って無類」と各紙絶賛の三月歌舞伎「菅原伝授手習鑑」は皆様ご存知の通り歌舞伎三大名作の一つとして知られる菅原道真(菅丞相)の大宰府流罪を題材にした人気狂言です。
名場面続きの各段を独立して上演することが多いのですが、今回は昼夜通し上演で歌舞伎座では13年ぶりとのこと。満席の客席には珍しく男性の姿が目立ちます。菅丞相は当たり役の仁左衛門さんが演じ、若手が主力の舞台です。事件の発端となる「加茂堤」から「筆法伝授」「道明寺」と息つく暇もない展開ですが、左中弁希世の橘太郎さんと奴宅内の愛之助さんが笑いを取ります。同行の友人は「私、仁左衛門さんのファンになりそう!」などと浮気者め!昼の部の武部源蔵は染五郎さん、夜の部「寺小屋」では松緑さん、昼の部の戸浪は梅枝さんで夜は壱太郎さんと演じる役者さんが昼夜替わるのも楽しみです。「いずれ誰かに受け継がれるにせよこれだけの菅丞相は今をおいてみられないだろう」(日経劇評)の舞台を是非ご覧になることをおススメします。
夜は「車引」「賀の祝」「寺子屋」千穐楽は27日です。お問い合わせはチケットホン松竹
0570-000-489(10時~18時)