[滅紫]
2017年1月28日 09:00
新春歌舞伎の最後は新橋演舞場の右近さんの襲名公演。
息子のタケル君も二代目右近となる親子2人の襲名で猿之助さんとの3人の宙乗りが話題です。
昼の部は昭和51年に現猿翁が三代目猿之助時代に260年振りに復活した「雙生隅田川」で23年ぶりの上演。近松門左衛門の作でいわゆる隅田川物の原典です。吉田家のお家騒動と天狗の祟り、双子の梅若、松若を失い狂乱した母の班女の前、鯉の抜け出した家宝の「鯉魚の一軸」に鯉を戻す「鯉つかみ」など、目が離せない展開に本水を使っての大立ち回り、その上宙乗りまであってお客様は大満足。梅若・松若の2役を演じる6歳の新右近さんがあまりに可愛くてセリフのたびごとに大拍手が起きています。舞台で並んだ中車さんが笑みをこらえているのが可笑しくて客席も笑ってしまいます。初世や二世右團次も得意とした役とのことでこうして次代に継承されていくというのは凄いことだなと感じます。
ここまで書いていて「三代目右團次」、そういえば新川にある「お岩稲荷のお百度石」を奉納したのは「四代目右團次」ではなかったか?と疑問になり、少し調べました。
結論からいえば「二代目=四代目」のようです。発刊されているものでは右團次家の家系図、人名事典、俳優名跡事典には「初代・二代」しかありませんが、1冊だけ「二代目右團次」の項に「参考」として「当時の名鑑類では四代目としている」との記述があり、亡くなった年の雑誌の訃報記事「市川右團次逝く」に「同42年(明治)1月四代目右團次を襲名して今日に及んだ・・・・」という記述を見つけました。他の資料では「明治42年1月に二代目右團次を襲名・・」というのが多いので??ですが、奉納した大正3年の頃は「四代目」と名乗っていたようです。「三代目がなくて四代目?」は疑問ですが、図書館、資料室の方たちも「代数がはっきりしないことは結構あります」とのこと。調べてみるのも楽しいですね。
千穐楽は27日です。
[滅紫]
2017年1月27日 18:00
歌舞伎座や演舞場でお芝居を見た後、連れがあるとちょっと芝居の感想でも話したいと思われることがあるかと思います。そんな時、ぴったりのお店が新しく出来ました。何と歌舞伎稲荷の通りを挟んで並び、今年1月2日オープンの「銀座やまう」です。本業はお漬物屋さんでこちらは1階、2階が喫茶。甘味にはお漬物とお茶がついています。この日私がいただいたのはお汁粉。べったら漬としば漬付き(900円)。このお汁粉は絶品です。窓の向こうに歌舞伎座の屋根。今見たばかりのお芝居のパンフレットをながめながらゆっくりお茶を楽しめるのは至福の一時、おススメです。べったら漬が美味しかったので帰りに求めました。700円です。お洒落なパッケージのお漬物が揃っています。
銀座やまう 銀座4-13-13 TEL5148-1003
営業時間:11:00~19:00(歌舞伎上演時期は1階は20時まで)
[滅紫]
2017年1月20日 09:00
初春歌舞伎は東京では今年4座で上演中とあって1月は何とも忙しい。今日で漸く3座目。歌舞伎座にやってきました。場内は新年にふさわしく華やかなこと。お正月気分が一番味わえるのは劇場かもとあらためて認識しました。昼の部は「大政奉還150年」(早いと思うかまだと思うか)と銘打った「将軍江戸を去る」を3代同時襲名が発表され、来年十代目幸四郎を襲名する染五郎さんが慶喜、愛之助さんが山岡鉄太郎を演じます。2幕目は「藤娘・座頭・船頭・鷹匠・大津絵の鬼の五役を愛之助さんが早替わりで演じる「大津絵道成寺」で染五郎さんが矢の根の五郎になる押し戻しつき。最後が吉右衛門さんと歌六さんの「沼津」、初春に嬉しい贅沢な演目です。いつもは幕間にデパ地下ご用達のお弁当なのですが、今日は友人と2回の「鳳」で豪華に「新春ごちそう膳」(4000円込)をいただきました。くずきりデザート付きです。
残念なことにおしゃべりに夢中になり、頂き終わらない内に「開幕5分前」の知らせが。・・・次回はゆっくりいただきます。奈良から観劇に上京した友人はこの日夜の部も見て、2日目が演舞場昼夜、3日目に国立と浅草公会堂と強行軍。お疲れ様。
夜の部は幸四郎さんと玉三郎さんの「井伊大老」5世中村富十郎7回忌追善狂言を息子の鷹之資くんが踊る「越後獅子」玉三郎さんの「傾城」染五郎さんの「松浦の太鼓」です。
26日千穐楽 お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10~18時)へ
[滅紫]
2017年1月 8日 12:00
年末にお正月用のお茶を購入にお邪魔した時「20周年記念福袋4種、新年は5日10時開店」というチラシをいただきました。未だかつて「福袋」を買ったことがないので「一度初売りを体験してみよう」とやってきました。開店20分前。マスコミ報道で見る「前日から並びました、開店前から500人行列」というのが刷り込まれているのでこの人数は気抜けするくらいですが、前に並んだ方のお話によると「銀座店、本店は凄い行列なのでこちらは穴場」とのこと。この方は毎年お越しになっていて「友人に贈る分もあるので3個は手に入れたい」「4種の内、茶箱入り2種(10,888円と5,400円)は既に予約だけで売り切れ」というわけで入手したのはトートバッグ入り「できたて」(3,888円)と丸いボールに入った「茶ちゃCHA」(2160円)の2種。「早朝から並んでいただき有難うございます。2階で一服差し上げます」との嬉しいお気遣いで並んだ同士、一緒に2階へ。おみくじクッキー付きでたっぷりのお抹茶が出てきました。おみくじは残念ながら「中吉」臨時の同士は「大吉」。まあ一年の始め、何事も欲張らない方が。・・・
帰宅して開いてみると吃驚。丸いボールの中には色とりどりのテトラパック入りのお茶4種が(1煎分ずつパック)20個入っています。これではみんな並びたくなるはずと改めて納得。使われていたミニ風呂敷も急須と湯呑柄の色違いで可愛いし。何だかとっても得した気分。「来年も来よう」と早々と固く決心をした「今年の初買い」でした。
こいつぁ春から縁起がいいわぇ!
うおがし銘茶 築地新店 築地2-11-12
電話 3542-2336
[滅紫]
2017年1月 3日 18:00
「白洲正子」ブームともいうべき現象がおきたのは丁度21世紀に入ったばかりの頃でご記憶の方も多いかと思います。バブル崩壊後の後遺症から脱する気配の見えない時期、独自の美意識で日本文化を語ってきた白洲正子の著作はとても新鮮に受け入れられ、新しいファンを生みました。今回はその白洲正子が愛したきものの魅力を紹介する展覧会です。
「どんな豪華な衣装でもぴったり身に付いてふだん着のように見えればしめたもの。そういうことを【着こなし】というのです」(きもの美)と書いていた白洲正子は銀座で染織工芸の店「こうげい」を46歳の時始め、織りや染めの作り手と交流し自身が美しいと感じる着物を世に広めました。(松屋さんのパンフレットより)
能舞台に立った時の衣裳から季節ごとの着物、和装小物、書斎で愛用した品々など150点が展示されています。織の田島隆夫、染の古澤万千子など著名な作家のきものがずらり。「美の目利き」に選ばれたきものの数々を是非ご覧ください。
2017年1月16日まで松屋銀座8階イベントスクエアにて開催中10時~20時 1月1日休業 1月2日は9時30分から19時30分まで 最終日は17時閉場
入場料1000円