[滅紫]
2017年3月16日 12:00
「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」などで知られる漫画家水木しげるは2015年に亡くなりました。朝ドラでその波乱万丈の人生についてはよく知られていますが、この展覧会では「少年期の習作や紙芝居、貸本漫画、少年誌連載時の漫画原画や資料など卓抜した画力とメッセージ性がうかがえる作品を一堂に展観。世界を旅して集めた妖怪コレクションで水木さんの人生の軌跡を辿ります」(展覧会パンフより)
まず凄いのは小学生の時の油絵の静物。「やはり努力すれば巧くなるというものではないのね。」と感じさせられます。地元の新聞に「天才少年画家現る」と特集記事が出たのもわかります。私は「鬼太郎」も「悪魔くん」も好きだったのでとても懐かしく見て回りました。
「電燈のせいで暗闇が減って妖怪たちがするところがなくなってしまった」と嘆いていたといわれる水木さん、あちらの世界で妖怪たちと楽しく過ごしているのでしょうか?会場を出ても「ゲッゲ ゲゲゲのゲ・・・」という主題歌が鳴り響いています。
「ゲゲゲの人生」展 3月20日まで 松屋銀座8階イベントスクエア
10時から20時(最終日は17時まで)入場料一般1000円
[滅紫]
2017年3月15日 14:00
昨夏の公開で興行収入200億円を超え、中国でも大ヒットを記録という「君の名は。」。
〇が付くか付かないかで年代がわかるとシニア層の自虐ネタともなっていました。その「君の名は。」展が銀座松屋で本日から始まり、物見高い私は早速のぞいてみました。来場者が通常の年齢層と全く異なっています。日本もこんなに若い人たちがいるのだと改めて吃驚するほど、若い男女ばかり。何となく場違いな空気を感じながら、絵コンテやキャラクター設定表、色彩設計(こんな言葉は初めて)などを眺め、「アニメってこんな風に制作するのか」とひどく新鮮でした。最後には劇中の授業シーンに出てくる黒板。(ここはカメラOK)主題歌を聞くことが出来るコーナーまであります。更に驚いたのはクリアファイル、ポストカード、DVD,など200種類の商品をそろえたグッズコーナーで何と「展覧会限定グッズは1会計あたりおひとり3点までに限らせていただきます」の文言です。凄い!次の予定までの時間調整でカフェに入ってチラシを眺めていると店員の若いお嬢さんに「映画見ました!面白いです」と話しかけられました。
やはり映画見ることにしようかしら?
「君の名は。」展 松屋銀座 8階イベントスクエア3月20日まで 10時から20時(最終日は17時閉場)入場料一般700円
[滅紫]
2017年3月14日 16:00
「水取りや瀬々のぬるみも此日より」と云われる奈良東大寺二月堂の修二会(お水取り)。このお水取りの行法が過ぎると古都奈良にも春が来ると云われています。東大寺のご開山良弁僧正の高弟実忠和尚が天平勝寶四年(752)より始め、一度も絶えることなく守り続けられている行事です。日本橋の奈良まほろば館でこの期間中(旧暦2月である3月1日より15日まで)のみ販売されているこのお菓子を見つけました。期間中須弥壇の四隅を飾る椿の造花を象ったお菓子、春を呼ぶお菓子です。
今は二十四節気の啓蟄に入ったところで、七十二候では桃始笑(ももはじめてさく)。春の訪れが目に見えて感じられるころ。このお菓子で天平の昔に思いをはせて一服されるのは如何でしょう?
奈良では菓子舗によって少しずつ違うものが販売されているようです。たまたま奈良の友人から届いた「糊こぼし」(良弁椿)もご覧ください。歌舞伎にも「二月堂良弁杉由来」がありますね。
奈良まほろば館日本橋室町1-6-2 日本橋室町162ビル TEL 3516-3933
10;30~19:00
「南無観椿」2個入り864円 3月1日から15日の間、入荷が少ないので予約された方が安心。
[滅紫]
2017年3月13日 12:00
「ベルサイユのばら」が週刊マーガレットで連載開始となったのは1972年確か5月だった。以来毎週楽しみに発売を待っていた。勤め人になっていたのでちょっと恥ずかしく顔なじみの本屋は避けて購入場所をあちこち変えたのを懐かしく思い出した。多分私たちが「大人になっても漫画を読んでいる」最初の世代でしょう。やはりそれには「ベルばら」の影響大と感じます。会場にはその原画が展示され、それぞれの場所に舞台化された宝塚の公演写真が添えられている。漫画の吹き出しを〇十年ぶりに読みながら、いつの間にかアントワネット、オスカル、フェルゼン、アンドレなどの物語に夢中になっていた時代にタイムスリップ。会場には何と宝塚での衣裳まで展示されていて写真OK。高島屋さん有難う。
50周年インタビューのビデオの中の池田理代子さんの巻き髪が似合う変わらぬ華やかさはどこか彼女の登場人物に似ているよう、50代目前で少女時代の夢だった音楽学校に入りオペラ歌手として舞台に立ったのもよく知られているところです。オスカルとフェルゼン様に再会してまたまた元気になりました。
「デビュー50周年記念 池田理代子ベルばらとともにー展」日本橋高島屋8階ホール
3月20日まで
10時30分から19時30分まで最終日は18時まで
大阪、京都、横浜高島屋へ巡回します。
入場料一般800円
[滅紫]
2017年3月10日 18:00
「助六」は歌舞伎十八番の中でもよく上演され歌舞伎に余りなじみのない方にも知られている演目の一つですが、今回は成田屋が「助六」を上演する時だけ演奏する河東節が始まって300年を記念しての上演です。「助六」は人気狂言なので成田屋以外の役者さんも演じますが、其の時は外題が「助六曲輪初花桜」「助六曲輪菊」等となり河東節ではなく長唄や清元と替わるのは皆様ご存じのことと思います。「助六」と河東節の組み合わせがいつから始まったのか、今月の筋書きに古井戸秀夫さんが執筆されているので引用しますと「二代目團十郎の「助六」の初演は正徳3年(1713)。再演は3年後でその時から江戸節の浄瑠璃による「助六の出端」がつくことになる。語ったのは元祖河東。詞章はほぼそのまま現在まで語り継がれている」とのこと。元祖河東の生家は岡山藩御用達の日本橋の魚問屋で天満屋。築地本願寺に墓碑があり「酒と遊芸に遊んで豪家を破産させた」とあるそうです。(見に行かなくては)新潮日本人名辞典にも「江戸半太夫の門下で出藍の誉れ高く享保元年独立」とありました。
さて、お芝居です。幕が開き口上を述べるのは1月襲名した三代目右團次、作品の由来の説明(助六の鉢巻、下駄、蛇の目は江戸時代は贔屓筋のご祝儀でしたが、今回の鉢巻も魚河岸からのものだそうです)のあと「河東節ご連中様お始め下さい」の挨拶と共に舞台正面の朱塗りの大籬の御簾の中から三味線が聞こえはじめ、客席の興奮が段々高まってくるのがわかります。助六の出で興奮は最高潮。揚巻は雀右衛門、意休は左團次、白酒売りは菊五郎さんです。通人役の亀三郎さんがご自身の5月の襲名公演のPRで笑いを取っています。
桟敷席に舞妓さん4人をみかけました。「?!」幕間に売店で声をかけてみました。「うちら京都の祇園からどす」と返されました。やはり海老様凄い人気ですね。同行者も「睨んでもらうと風邪が治る」と信じています。「今日は少し舞台から遠いので(凄い人気で今日は6列目)効き目が薄いかも・・」と憎たらしい。
売店で見つけたのは「走井の鳩もなか」(250円)夜一幕目の「引窓」(「双蝶々曲輪日記」)の舞台が「翌日の放生会の供物の準備をしている」という設定なのでその放生会が行われる石清水八幡宮の鳥居前で営業している「走井餅本舗」の新作です。それにしても毎月よく探し出してくるものだと感心しています。
中に藤十郎さんと仁左衛門さん二人の「女五右衛門」。「絶景かな」の石川五右衛門を女にしたパロディですが、満開の桜の咲き誇る南禅寺山門の舞台の美しさ。大物二人の贅沢な組み合わせとあって目を奪われる一幕です。
三月大歌舞伎は27日千穐楽 チケットのお問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489
10時から18時まで
[滅紫]
2017年3月10日 09:00
3.11が近づき災害の脅威についての特集が増えていますが、3月末で閉館する銀座ソニービルの壁面に大広告幕が現れました。お気づきになりましたか?「津波は最高16.7mもしも、ここに銀座の真ん中に来ていたらちょうどこの高さ。...この高さを知っているだけで取れる行動は変わる。あの日を忘れないで」というYAHOO! JAPANの広告です。地上から16.7mのところに赤い線が引かれています。タイムリーで凄くインパクトのある広告で、あちこちでスマホをかざしている人が眼につきます。ソニービルの壁面広告は新作映画や新商品などいつも話題となってきました。なくなるのは淋しいですが、次にどんな新しいシーンを見せてくれるのか楽しみでもあります。さようならソニービル。そして有難う。