[巻渕彰/写楽さい]
2012年11月29日 13:30
中央区内の五街道をゆく、第3回は中山道。江戸期は日本橋から北へ板橋宿を経て内陸部をゆく道中。現在の中央区内部分は室町三丁目交差点まで国道6号と重なるが、北進すると国道17号で、今川橋までである。
日本橋の道路起点から北へ向かう道筋は、南に向かう道筋より45度ほど左傾している。日本橋三井タワーが建っているあたりは、江戸期、町づくりが始まった本町であり、旧日光・奥州街道の追分地点であった。現在の室町三丁目交差点を直進すると旧中山道、現国道17号。東へ右折すると江戸通りで、国道4号・6号となる。
国道17号の東側、江戸通りの一本北側の細い道には「石町時の鐘鐘撞堂跡」説明板(写真上左)がある。江戸初期から時の鐘があったところだ。すぐ隣には「夜半亭‐与謝蕪村居住地跡」の説明板もある。蕪村は芭蕉・其角・早野巴人の流れをくむ江戸座蕉風派の門人であった。
国道17号を北へ向かうとやがて今川橋。ここが中央区と千代田区の区境で、かつては龍閑川が流れていた。江戸期の今川橋は絵巻「熈代勝覧」の巻頭部分で知られ、橋付近には瀬戸物屋などが並んでいる様子が活写されている。現在、橋跡の石碑(写真上右)や説明板(写真下左)などが建っているのでその名残が感じられる。
JR神田駅のガードを越えた辺りが日本橋から1km地点(写真下右)となる。この先は万世橋を経て、本郷から板橋へ向かう道が旧中山道、国道17号である。●巻渕彰
[阿舒庵亭主]
2012年11月27日 08:05
本屋さんはチョッと考えると知的な職業のようだが、私的な経験ではモノを売る商売の中で本屋さんだけが特別に知的とは思えない。しかし、今まで知り合った限られた経験から言うと古本屋さんというのは結構趣味人が多くて面白い人が多い。新刊書だけを扱う本屋さんは当然ながら趣味というより商売に集中されている。
銀座から日本橋に向かうと、京橋のたもとにLIXILブックギャラリーという小さな本屋さんがある。
新刊書を扱っているから私の仕分けでは普通の商売屋さんだ。ところが、この本屋さんには何か主張があり、古本屋さんのように知的かつ趣味的だ。ザッと眺めてみると建築関係、ガーデニング関係、美術関係、民俗学関係など、一定のカテゴリーの本だけを扱っていて独特の雰囲気がある。
前から気になっていたことを、お店の方に聞いてみた。「この品揃えは誰が考えているのですか?」と。対応してくれた二人の女性が決めて販売しているとのことであった。「お二人は司書とか学芸員とかの資格をお持ちなんですか?」と立ち入った質問をすると「とくにありません。美術を勉強したりはしていますが。この店を10年ほど前からやっていますから先輩方もいらっしゃるし。」との返事であった。要するにこのお二人の感性で品揃えをしているのだ。
この書店はもともとはINAXという製陶会社の文化推進部が始めたものらしい。現在ではINAX以外に、トステム、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリア等の建築関連の各社が昨年統合して作ったLIXILグループの文化企画グループが経営しているとのことであった。この本屋さんの品揃えは基本的には会社業務に沿ったものではあるが、その域を超えた文化活動であり、メセナとしての成功例ではないかと思っている。
更に、この書店の二階にはLIXILギャラリーがあって各種の展示会を常時開催している。私が訪問した時は、白磁の「大谷祐里枝展」、布の芸術「酒井稚恵展」と「建築を彩るテキスタイル展」が開催されていた。余談ながら「建築を彩るテキスタイル展」は京都の川島織物の美と技の副題であるが、明治初期からの川島織物の歴史が見られて非常に驚くとともに感心した。
銀座通りは本屋さんも一味違う。散歩の途中にチョッと寄り道してみたい店である。
[銀造]
2012年11月12日 08:44
キズキナサイ(築きな祭)2012が、11月10日に盛大に開催されました。 先ず、ご本堂にお参りして、「築地本願寺本堂修復工事」という冊子を頂戴しました。 冊子のご説明は、次の通りです。
「明年4月の親鸞聖人750回大遠忌法要に向け、築78年を迎えた本堂内陣各部の建築意匠と宮殿・須弥壇等の佛具について大規模な修復を行いました。 本堂は、昭和9年の創建で鉄骨鉄筋コンクリート造りの建物です。 その構成は、正面大階段側から、参拝の為の外陣、その奥に畳敷きの内外陣、御本尊阿弥陀如来が御安置されている内陣と左右の余間となっています。 修復は、内陣と余間を中心に仕上げの更新を行い、比較的傷みが少なかった余間左右の鞘の間や外陣については塵埃の除去や洗浄等の作業を行いました。」 とのご説明です。 改修後の御本堂に改めて合掌しました。 また、冊子には、本堂と石塀は2011年7月25日に国の登録有形文化財となりましたのご案内がありましたので、お伝えします。 中央区に登録文化財があることは、大変嬉しいことですね。
さて、お参りの後は、楽しくお祝いをしましょう。 今日のパレードに参加する可愛いお稚児さんもいましたよ。 大阪の漫才師も盛り上げてくれていました。
築地地区だけでなく、全国から出店がありました。 松露さんの新製品かな? 築地場外のお店では、毎月7日にはあるそうです。
知り合いにも出会い、福島県の出店でもお買い物。 (お二人には、写真掲載許可取得済み)
泰明小学校からお稚児さんと「ゆるきゃら」のパレードがありましたが、そのレポートは、他の方にお願いします。
もっと知りたい方には、こちらが事前にご案内のURLです。 http://tsukijihongwanji.jp/kizukinasai2012/6507
[銀造]
2012年11月 5日 21:30
10月27日、佃から中央区を楽しく歩きました。 手元にあった資料は、オータム銀座と日本橋のイベント、宝探しなどのリーフレットでした。 そうだ!今日は、買い物巡りをしよう!と思い立ちました。 佃の佃煮屋「佃源 田中屋」さんでは、今日も素敵な女将さんが笑顔で迎えてくれました。今日は、「松味落」という松の実と、昆布を調味した佃煮を、初めて購入しました。
名所旧跡の説明板を読んで、中央大橋から八丁堀方面へ向かいました。 隅田川はセーヌ川と姉妹河川提携をしているのですね。 中央大橋の真ん中あたりに設置されている銅像とその下にある、ジャック・シラク氏個人名でのメッセージは覚えています。やはり、市民レベルでの交流が大切だなと改めて想いました。中央大橋を沢山の方々が楽しく散歩されていました。 ここからの東京スカイツリーも見映えが良いですね。
八丁堀では、中央区和生菓子協同組合の会員である「西八丁堀 青柳」さんで、「献上菓 名代 菊最中」 2個を買い求めました。 銀造が、中央区和生菓子協同組合加盟店の全店訪問を目指していることをお伝えすると、加盟店の特徴や由緒を教えて頂きました。紅葉、菊などの季節の草花を模した素敵な和生菓子が陳列されていました。中央区の和生菓子の伝統と歴史は多くは江戸時代に溯るとか、お教えを頂きました。
おっと、今日の晩酌のおかずも買わねばと思い、日本橋へ。アンテナショップの「山梨館」、「おいでませ山口館」へ。山口館で、仙崎蒲鉾を購入して、お勘定を済まそうとすると、レジ係のお姉さんの襟元に素敵な缶バッジが光っているではありませんか 尋ねると、お龍さんを売り出しの缶バッジだとか。 エッ? 坂本龍馬とお龍さんは、下関にも滞在したことがあるとか、へえェ!知らなかったなぁ! NHKの大河ドラマでは、拝見しなかったけど、中央区役所から、京橋プラザの辺りの「蜊河岸跡」、東京駅八重洲口手前の千葉定吉道場跡などを巡った楽しい記憶が甦ってきました。 レジのお姉さんに、「頂戴!」ってねだると、ポケットをごそごそと探って、素敵な缶バッジをくれました。
それではというわけでは有りませんが、「しとしとピッチャン、しとピッチャン」という歌の調べが頭をよぎりました。 そうだ、呉服橋から一石橋、常盤橋、両国橋と橋巡りをしようと思いつきました。 折りしも、常盤小学校開校140周年記念の式典が執り行われていました。お目でとうございます
近くの、近三ビルデイング は、東京都選定歴史的建造物の指定を受けた建築物です。江戸通りを進み、小伝馬町辺りで安価な靴を見つけ、誘惑に負けて購入。これが、本日の買い物ツアーになるとは思ってもみなかったなぁ。 柳橋の紅の欄干に飾られた簪のデザインに改めて、うっとり。両国広小路の説明板、両国橋の袂から、由紀さおりさんの「両国橋」を口ずさみながら、川沿いを下流に歩いていると、素敵なお嬢さんが、歴史の説明板を読んでいる風景。
例によって、気さくに声をかけた銀造です。気軽に打ち解けていただいて、先ほど買い求めた、「八丁堀 青柳」さんの「献上菓 名代 菊最中」を一緒に食べて、素敵な一時を過ごせました。
そんな時に、オータムギンザのイベントを思い出し、少ない後ろ髪を引かれる想い(自分だけそう想っている?)で、都営浅草線東日本橋駅へと急ぐのですが、途中で薬研堀移動商店街のイベントがあるとの立て看板。 これは、見逃せません。 <でも、このレポートは次回に>
銀座では、オータムギンザのレストラン・ウイークが開催初日です。また、11月9日が締め切りの「観光写真コンクール」にも応募しようと思い、銀座で題材を探しつつ、秋冬用のジャケットを買い求め、帰りは大きな紙袋を3袋も抱えての帰宅でした。 楽しい一日でした。