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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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◆中央区 ここに歴史あり(47) 五街道今昔(3) ~日本橋から中山道を歩く~

[巻渕彰/写楽さい] 2012年11月29日 13:30

中央区内の五街道をゆく、第3回は中山道。江戸期は日本橋から北へ板橋宿を経て内陸部をゆく道中。現在の中央区内部分は室町三丁目交差点まで国道6号と重なるが、北進すると国道17号で、今川橋までである。

 

0913_47_121127nakasenndo.jpg日本橋の道路起点から北へ向かう道筋は、南に向かう道筋より45度ほど左傾している。日本橋三井タワーが建っているあたりは、江戸期、町づくりが始まった本町であり、旧日光・奥州街道の追分地点であった。現在の室町三丁目交差点を直進すると旧中山道、現国道17号。東へ右折すると江戸通りで、国道4号・6号となる。

 

国道17号の東側、江戸通りの一本北側の細い道には「石町時の鐘鐘撞堂跡」説明板(写真上左)がある。江戸初期から時の鐘があったところだ。すぐ隣には「夜半亭‐与謝蕪村居住地跡」の説明板もある。蕪村は芭蕉・其角・早野巴人の流れをくむ江戸座蕉風派の門人であった。

 

国道17号を北へ向かうとやがて今川橋。ここが中央区と千代田区の区境で、かつては龍閑川が流れていた。江戸期の今川橋は絵巻「熈代勝覧」の巻頭部分で知られ、橋付近には瀬戸物屋などが並んでいる様子が活写されている。現在、橋跡の石碑(写真上右)や説明板(写真下左)などが建っているのでその名残が感じられる。

 

JR神田駅のガードを越えた辺りが日本橋から1km地点(写真下右)となる。この先は万世橋を経て、本郷から板橋へ向かう道が旧中山道、国道17号である。●巻渕彰

 

 

 

LIXIL ブックギャラリー

[阿舒庵亭主] 2012年11月27日 08:05

本屋さんはチョッと考えると知的な職業のようだが、私的な経験ではモノを売る商売の中で本屋さんだけが特別に知的とは思えない。しかし、今まで知り合った限られた経験から言うと古本屋さんというのは結構趣味人が多くて面白い人が多い。新刊書だけを扱う本屋さんは当然ながら趣味というより商売に集中されている。

 

IMG_0143.JPG銀座から日本橋に向かうと、京橋のたもとにLIXILブックギャラリーという小さな本屋さんがある。新刊書を扱っているから私の仕分けでは普通の商売屋さんだ。ところが、この本屋さんには何か主張があり、古本屋さんのように知的かつ趣味的だ。ザッと眺めてみると建築関係、ガーデニング関係、美術関係、民俗学関係など、一定のカテゴリーの本だけを扱っていて独特の雰囲気がある。

 

前から気になっていたことを、お店の方に聞いてみた。「この品揃えは誰が考えているのですか?」と。対応してくれた二人の女性が決めて販売しているとのことであった。「お二人は司書とか学芸員とかの資格をお持ちなんですか?」と立ち入った質問をすると「とくにありません。美術を勉強したりはしていますが。この店を10年ほど前からやっていますから先輩方もいらっしゃるし。」との返事であった。要するにこのお二人の感性で品揃えをしているのだ。

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この書店はもともとはINAXという製陶会社の文化推進部が始めたものらしい。現在ではINAX以外に、トステム、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリア等の建築関連の各社が昨年統合して作ったLIXILグループの文化企画グループが経営しているとのことであった。この本屋さんの品揃えは基本的には会社業務に沿ったものではあるが、その域を超えた文化活動であり、メセナとしての成功例ではないかと思っている。

 

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 更に、この書店の二階にはLIXILギャラリーがあって各種の展示会を常時開催している。私が訪問した時は、白磁の「大谷祐里枝展」、布の芸術「酒井稚恵展」と「建築を彩るテキスタイル展」が開催されていた。余談ながら「建築を彩るテキスタイル展」は京都の川島織物の美と技の副題であるが、明治初期からの川島織物の歴史が見られて非常に驚くとともに感心した。

 

 

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銀座通りは本屋さんも一味違う。散歩の途中にチョッと寄り道してみたい店である。

 

 

区内寺社巡礼~第4番『水天宮』

[下町トム] 2012年11月13日 08:00

中央区の寺社を訪ね、下手な俳句を吟じながら散策を楽しむシリーズを掲載させていただいています。今回は第4番の参詣先として『水天宮』を選びました。

 

水天宮正面_R.JPGご存知のとおり、『水天宮』は子授け、安産、子育ての神様として信仰を集めています。そもそもは、九州・久留米を本拠とする有馬家が屋敷の中で祀っていたものです。久留米の本社と同様に、わが国の原始の神である天之御中主神(あめのみなかのぬしのかみ)のほか三柱を祭神としてしています。

有馬家が久留米で崇敬していた『水天宮』の分社を、1818(文政元)年に当時の江戸上屋敷(現在の港区三田付近)に勧請したのが、江戸での歴史の始まりです。藩邸内にあったのにもかかわらず庶民の信仰があまりにも高まったため、月に一度だけ邸内への参詣を認めたところから一層人気が沸騰したと言われています。当時の地口(洒落言葉)に「情け有馬の水天宮」というのが残っているほどです。lovely 

水天宮鳥居_R.JPG明治になって、二転し、現在の蛎殻町にあった有馬家江戸中屋敷跡地に移ってきました。近くには人形町の繁華街もあり、お参りする人は減ることはありませんでした。ちなみに、元の有馬家江戸上屋敷から神霊を遷す際に、地元に分霊したため、今でも三田にある元神明宮に相殿として『水天宮』が祀られています。

 

ちなみに、久留米藩の有馬氏というのはもとは摂津国有馬郡を所領としたところからその名を冠しました。有名な神戸の有馬温泉のあるところです。また、水天宮のすぐそばにある〔中央区立有馬小学校〕も、明治維新のときの有馬家12代当主・頼咸氏の寄附によ創設されたことが校名の由来です。さらに、有馬家といえば想いだすのは、政治家としても活躍した15台当主・頼寧氏です。競馬のグランプリ〝有馬記念〟に名を残しています。そんな様々な縁を連想しました。horse 

 

さて、秋の晴れた休日に『水天宮』にお参りしてみると、この時季は七五三詣やお宮参りの親子の姿が多く見られます。最近は少子高齢化を反映して両親のそのまた両親も付き添って、小さな子どもを囲む団体さんのようになっているグループもあります。いつも以上に笑顔が溢れる様子にはこちらも微笑ましくなります。chick 

 

 

水天宮の犬_R.JPG 水天宮の河童_R.JPG階段を登って鳥居をくぐるとすぐに本殿です。心静かに手を合わせます。ふと社殿の傍らを見ると、犬の像や河童の像があり、子どもたちの成長を見守っています。犬は多産・安産であることから昔から子どもを産む人の守り神のように慕われてきました。「戌の日」に腹帯を締めるというのが古来からの風習です。河童も安産・子育てに福を授けるとされています。子どもたちの無邪気なはしゃぎ声を聞いていると、「この世の中が平和でありますように」と祈らずにはいられません。dog 

 

小まつやさん_R.JPG境内を出て、大通りに出ると神社の階下に古くからの駄菓子屋さん〔小まつや〕さんがあります。何でも大正13年から営業されているそうです。もともと参詣客相手に練り飴などを売っていたといいますが、やがて七五三の季節には〝千歳飴〟を売り出すようになったようです。

ちなみに、〝七五三〟はもともと館林藩主だった徳川綱吉(後の5代将軍)が息子の5歳のときに健康を祝って始めたというのが通説です。したがって関東中心の風習でしたが、明治以降徐々に全国に広がったといいます。今では、子どものファッションショーのように派手に行う向きもありますが、やっぱり形よりも、素朴に子どもの成長を祈る親の気持ちが大事ではないでしょうか。sign03 

 

往く秋を惜しみながら、穏やかに過ごした一日でした。

・・・・・ 一族の夢にべべ着す七五三

 

 

キズキナサイ(築きな祭)2012 

[銀造] 2012年11月12日 08:44

キズキナサイ(築きな祭)2012が、11月10日に盛大に開催されました。 先ず、ご本堂にお参りして、「築地本願寺本堂修復工事」という冊子を頂戴しました。 冊子のご説明は、次の通りです。

 「明年4月の親鸞聖人750回大遠忌法要に向け、築78年を迎えた本堂内陣各部の建築意匠と宮殿・須弥壇等の佛具について大規模な修復を行いました。 本堂は、昭和9年の創建で鉄骨鉄筋コンクリート造りの建物です。 その構成は、正面大階段側から、参拝の為の外陣、その奥に畳敷きの内外陣、御本尊阿弥陀如来が御安置されている内陣と左右の余間となっています。 修復は、内陣と余間を中心に仕上げの更新を行い、比較的傷みが少なかった余間左右の鞘の間や外陣については塵埃の除去や洗浄等の作業を行いました。」 とのご説明です。 改修後の御本堂に改めて合掌しました。  また、冊子には、本堂と石塀は2011年7月25日に国の登録有形文化財となりましたのご案内がありましたので、お伝えします。 中央区に登録文化財があることは、大変嬉しいことですね。

 さて、お参りの後は、楽しくhappy01お祝いをしましょう。  今日のパレードに参加する可愛いお稚児さんもいましたよ。 大阪の漫才師も盛り上げてくれていました。

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築地地区だけでなく、全国から出店がありました。 松露さんの新製品かな? 築地場外のお店では、毎月7日にはあるそうです。

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知り合いにも出会い、福島県の出店でもお買い物。 (お二人には、写真掲載許可取得済み)

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泰明小学校からお稚児さんと「ゆるきゃら」のパレードがありましたが、そのレポートは、他の方にお願いします。  もっと知りたい方には、こちらが事前にご案内のURLです。 http://tsukijihongwanji.jp/kizukinasai2012/6507

 

 

中央区 買い物散歩 Oct.2012

[銀造] 2012年11月 5日 21:30

10月27日、佃から中央区を楽しく歩きました。 手元にあった資料は、オータム銀座と日本橋のイベント、宝探しなどのリーフレットでした。 そうだ!今日は、買い物巡りをしよう!と思い立ちました。flair 佃の佃煮屋「佃源 田中屋」さんでは、今日も素敵な女将さんが笑顔で迎えてくれました。今日は、「松味落」という松の実と、昆布を調味した佃煮を、初めて購入しました。 DSC00097.jpg

名所旧跡の説明板を読んで、中央大橋から八丁堀方面へ向かいました。 隅田川はセーヌ川と姉妹河川提携をしているのですね。 中央大橋の真ん中あたりに設置されている銅像とその下にある、ジャック・シラク氏個人名でのメッセージは覚えています。やはり、市民レベルでの交流が大切だなと改めて想いました。中央大橋を沢山の方々が楽しく散歩されていました。 ここからの東京スカイツリーも見映えが良いですね。

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八丁堀では、中央区和生菓子協同組合の会員である「西八丁堀 青柳」さんで、「献上菓 名代 菊最中」 2個を買い求めました。 銀造が、中央区和生菓子協同組合加盟店の全店訪問を目指していることをお伝えすると、加盟店の特徴や由緒を教えて頂きました。紅葉maple、菊などの季節の草花を模した素敵な和生菓子が陳列されていました。中央区の和生菓子の伝統と歴史は多くは江戸時代に溯るとか、お教えを頂きました。

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 おっと、今日の晩酌のおかずも買わねばと思い、日本橋へ。アンテナショップの「山梨館」、「おいでませ山口館」へ。山口館で、仙崎蒲鉾fishを購入して、お勘定を済まそうとすると、レジ係のお姉さんの襟元に素敵な缶バッジが光っているannoyではありませんかthunder 尋ねると、お龍さんを売り出しの缶バッジだとか。 エッ? 坂本龍馬とお龍さんは、下関にも滞在したことがあるとか、へえェ!知らなかったなぁ! NHKの大河ドラマでは、拝見しなかったけど、中央区役所から、京橋プラザの辺りの「蜊河岸跡」、東京駅八重洲口手前の千葉定吉道場跡などを巡った楽しい記憶が甦ってきました。 レジのお姉さんに、「頂戴!」ってねだると、ポケットをごそごそと探って、素敵な缶バッジをくれました。

それではというわけでは有りませんが、「しとしとピッチャン、しとピッチャンnotes」という歌の調べが頭をよぎりました。 そうだ、呉服橋から一石橋、常盤橋、両国橋と橋巡りをしようと思いつきました。 折りしも、常盤小学校開校140周年記念の式典が執り行われていました。お目でとうございますsun 

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 近くの、近三ビルデイング は、東京都選定歴史的建造物の指定を受けた建築物です。江戸通りを進み、小伝馬町辺りで安価な靴を見つけ、誘惑に負けて購入。これが、本日の買い物ツアーになるとは思ってもみなかったなぁ。 柳橋の紅の欄干に飾られた簪のデザインに改めて、うっとり。両国広小路の説明板、両国橋の袂から、由紀さおりさんの「両国橋」を口ずさみながら、川沿いを下流に歩いていると、素敵なお嬢さんが、歴史の説明板を読んでいる風景。

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 例によって、気さくに声をかけた銀造です。気軽に打ち解けていただいて、先ほど買い求めた、「八丁堀 青柳」さんの「献上菓 名代 菊最中」を一緒に食べて、素敵な一時を過ごせました。

そんな時に、オータムギンザのイベントを思い出し、少ない後ろ髪を引かれる想い(自分だけそう想っている?)で、都営浅草線東日本橋駅へと急ぐのですが、途中で薬研堀移動商店街のイベントがあるとの立て看板。eye これは、見逃せません。 <でも、このレポートは次回に>

 銀座では、オータムギンザのレストラン・ウイークrestaurantが開催初日です。また、11月9日が締め切りの「観光写真コンクール」にも応募しようと思い、銀座で題材を探しつつ、秋冬用のジャケットを買い求め、帰りは大きな紙袋を3袋も抱えての帰宅でした。 楽しい一日でした。happy01

 

 

区内寺社巡礼~第3番『カトリック築地教会』

[下町トム] 2012年11月 1日 09:00

中央区の聖地を巡り、吟行を兼ねて散策を楽しむシリーズの第3弾です。


今回は趣向を変えて、明石町にある〔カトリック築地教会〕を訪ねてみました。 

築地協会2012秋_R.JPGとある秋の日にこの教会を訪れると、緑の木々に囲まれて、穏やかな佇まいを見せてくれました。

明治維新の後、キリスト教布教のために来日した神父たちがはじめは稲荷橋近くの商家を借りて仮の教会としたところから歴史が始まります。その後、日本では長崎、横浜に次いで、1874(明治7)年に、聖堂が創建されました。


築地協会の正面_R.JPG

ところが、この最初の聖堂は関東大震災で消失したため、1927(昭和2)年に改めて建てられたのが現在の聖堂です。一見石造りに見えますが、実は木造モルタル造りだそうです。

パルテノン神殿に見られる古代ギリシアの建築様式「ドーリア式」(ドリス式ともいう)に拠っており、正面には6本の柱が存在感豊かに並んでいます。聞くところによると、パリの〔聖マグダレナ教会〕(仏語では、聖マドレーヌ教会)を参考にしたといいます。

昨夏、ぼくはパリを訪れた際に、〔聖マグダレナ教会〕にも立ち寄ってみましたが、なるほどよく似ています。パリの中心部と同様に、東京の真ん中である中央区に由緒ある教会があることは誇りに思います。


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教会内部には、1876(明治9)年にフランスで鋳造されたという銅製洋鐘があり、〝江戸のジャンヌ・ルイーズ〟として親しまれています。なお、聖堂は東京都選定歴史的建造物ならびに、洋鐘とともに中央区の区民有形文化財にも指定されています。


聖堂の影が静かな雰囲気の中で庭に伸びています。周りの緑に溶け込んで、心が安らぐ空間です。

あかつき公園2012秋_R.JPGさて、教会から少し歩くと〔あかつき公園〕があります。地域のイベントにもよく使われるこの公園は地元の憩いの場所でもあります。園内には季節の草花が植えられており、訪れる人にアクセントを与え、風景に彩を添えてくれています。

親子連れやお年寄りはもちろん、ビジネスマンが一息つく場所としても活用されているようです。


折峰ベーカリー_R.JPGさらに築地市場方面に歩くと〔折峰ベーカーズ〕というしゃれたお店があります。ぼくのお気に入りのパン屋さんです。味は折り紙つきです。全粒粉のオーソドックスなものから、様々な工夫のある菓子パンまで、ラインナップも豊富です。

 

明治以来のエキゾチックな雰囲気を残す明石町界隈は休日の散歩におすすめです。秋の爽やかな空気の中、ゆっくりと歩いてみてはいかがでしょうか。

 

最後に今日の一句。

聖堂の柱の襞の秋深し


 

 
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