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2014年12月 2日 12:00
11月26日から12月2日まで、日本橋三越本店新館7Fにて、「にいがた酒の陣 in 日本橋」が開催されている。
第16回 「とびっきりの新潟展」との同時開催企画。
「にいがた酒の陣」とは、年に一度新潟朱鷺メッセ「ウェーブマーケット」で開催される国内最大級のお酒の祭典。
新潟県酒造組合が50周年を記念して2004年に第1回が開催された。
今年は2日間で約10万人の来場者を数えたとされている。
新潟のほぼ全て約90の酒蔵が出展し、500種を超える日本酒の試飲・販売が行なわれる。
今回は新潟の90蔵が日本橋に集結。
「銘酒を嗜み、地酒を識る」7日間。
チケットは、
「嗜む」、新潟の酒チケット(7枚綴り)<1,080円>
「識る」、新潟の酒チケット(3枚綴り)<540円>
の2種。
追加チケット(1枚)162円。
まずは、①新潟淡麗の名入れ猪口 ②三越オリジナル猪口 の何れかを選択し、入場。
そしていよいよ90蔵180種のなかから気になるアイテムを選んでテイスティング。
併せて新潟の名産の中から選ばれた「おつまみ」を愉しむ。
・珍味盛合せ3種<海宝>
・焼漬け<本町鈴木鮮魚>
・山桜いぶし生ハム<なかよしミート>
等々
因みに本日のチョイスは、
・お福酒造「お福正宗」大吟醸雫酒斗瓶囲い<山田錦>
・高千代酒造「高千代」美山火入辛口純米吟醸+19<美山錦>
・緑川酒造「北穣吟醸緑川」<北陸12号>
東京に居ながらにして、「にいがた酒の陣」の雰囲気の一端を味わうことが出来ます。
[之乎者也]
2014年12月 2日 09:00
昼間はぽかぽかと暖かい日差しを楽しめますが季節はすっかり冬。日が落ちると外を出歩くのも暖かい格好で出かけないと風邪を引きそうな季節になりました。本日はそんな季節のお勧めとして中央区にゆかりのある文学作品についてお話したいと思います。今年の6月に中央区観光ブログで石川島人足寄場を舞台にした松本清張の『無宿人別帳』(文春文庫)についてふれました(/archive/author/ck1401/) が、第2弾としてご紹介するのは山本周五郎の『さぶ』(新潮文庫)です。
『小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。双子縞の着物に、小倉の細い角帯、色の褪せた黒の前掛をしめ、頭から濡れていた。』と本の題名にもなっているさぶの寂しげな姿から始まるお話は、さぶと一緒に日本橋小舟町の表具屋芳古堂で働く栄二を中心に進みます。同い年で12歳から一緒に奉公を始めた二人も二十歳になり、仕事も良く出来、男前で器用な栄二は、本町にある得意先の両替商綿文の仕事で忙しい毎日を送っていましたが、ある日突然親方から暇を出されます。綿文で起こった盗難事件の犯人の疑いをかけられた栄二は、無実を晴らそうとやっきになりますが、綿文からは門前払いを食らい、結果として北町奉行の牢屋に入れられてしまいます。信頼していた得意先と親方からの仕打ちに絶望した栄二は、取調べに対して一切口を閉ざし、住所も職業についても話さなかったため無宿人とされて石川島人足寄席場に送られてしまいます。「この寄場は収容人を罪人とみなさず、手に職のあるものはその職にはげみ、職の無いものは好みの職をみにつけることができる。それらの作業には賃金が支払われるし、それはやがて世間へでたとき正業につく元手になる。」寄場同心の説明も耳に入らず、不貞腐れる栄二も、寄場で起こる様々な事件、けんか、台風による高潮、役人や他の収容者との交流、面会に訪れてくれる旧知の友情を通じて大きく成長する。「寄場でのあしかけ3年は、しゃばでの10年よりためになった。」、200ページ超にわたる寄場での生活を終え、栄二は島を出てハッピーエンドを迎え、盗難事件の謎も明らかになるが、それは読んでのお楽しみということにしておきましょう。
今では大川端リバーシティの高層マンションが並び、佃公園の石川島灯台のモニュメントにわずかに名残を残す人足寄場ですが、『さぶ』は我々を江戸時代の日本橋、石川島へ連れて行ってくれます。寒い夜は熱燗で温まりながら山本周五郎ワールドで江戸の町を旅してみるのはいかがでしょうか。