[滅紫]
2014年3月27日 09:00
3月20日、地下鉄「三越前」から地上に出るとデパート壁面の大きな吊り広告「越後屋、おぬしも春よのう」
時代劇ファンならずともニヤリとさせる遊び心満点の洒落たコピーです。流石、大店越後屋さんの余裕だなとちょっと嬉しくなって歩を進めると通りの向かい側に新しい景色が見えてきました。
本日グランドオープンのコレド室町2,3です。生憎の雨にもかかわらず凄い人出。どんなお店が入っているのかも気になるところですが、一路お目当てにまっしぐら。日本橋地区初めてのシネコン「TOHOシネマズ日本橋」へ。入っているのはコレド室町2。2階がエントランスでこちらでチケットを買って、ロビーで待っていると上映開始10分前に各上映フロアへの案内開始アナウンスがある。何しろ9スクリーンもあるのですよ。入場開始のアナウンスを聞いて飲み物オーダー(注意:上映フロアでは飲み物は販売していません)。3階から5階が上映フロアです。私は5階へ、玉三郎さん主演・演出・編集の泉鏡花作「日本橋」の映画版。一般公開は21日からですが、ビルのオープンに合わせての先行上映なのです。2012年12月の日生劇場の舞台は見ているのですが、舞台と映画とどのように違うのか一度見てみたいと「シネマ歌舞伎」の案内を見る度に思っていたのでちょうどいい機会と駆け付けた次第。歌舞伎ではないので「グランドシネマ」と銘打って「観客のいない劇場で全編撮影」したのだそうです。玉三郎さん以下キャストは全員舞台と同じ。見終わっての感想は当たり前ですが、「舞台」と「映画」は別なものです。アップが多くて迫力満点。女優さんにはきついだろうなと思うこのアップですが、玉三郎さんそれでも美しいのは流石です。着物の柄や質感、お湯のみ等の小物の絵付けまではっきり見えるのは映画ならではといえるかもしれません。劇場での客席の出を待つ期待感の盛り上がりや演技への反応などがないのは物足りない感じがしますが、小気味よい啖呵を聞いて思わず拍手しそうになるのは困りました。ご覧になるのは今のうちがおススメです。新しくなった日本橋室町で「日本橋」を楽しむーというのもなかなかですよ。時間があれば何回も話に登場する「西河岸のお地蔵様」にまで足を延ばされるのもいいかもしれません。次回はゆっくりお店探訪に出かけたいと思っています。
[滅紫]
2014年3月15日 09:00
二人の「並行宙乗り」が話題の「空ヲ刻ム者」を見に演舞場へ。発売日を勘違いして慌てて申し込んだらほとんど満席になっていました。4月の大阪公演も完売状態とか。。。「スーパー歌舞伎」の新作への期待の高さが伺えます。三代目猿之助さんのスーパー歌舞伎第一作の「ヤマトタケル」が上演されたのが86年2月、10か月ロングラン、動員数50万人という一大ブームを起こしたのはまだご記憶の方も多いかと思います。話題になった先月の日経「私の履歴書」で猿之助さんが上演までのあれこれをお書きになっていましたね。それから28年・・・
幕が開きパッと照明がつくと浅黄色の裃姿の役者さん勢ぞろいの「口上」です。右近、笑也、笑三郎、猿弥さんの澤瀉屋一門に佐々木蔵之介、福士誠治、浅野和之さんの現代劇俳優がずらりと並び客席大拍手!「冷や汗に顔面蒼白」と佐々木蔵之介さんが笑わせてくれます。
作・演出は人気の前川知大さんです。お話は平安時代、仏像を彫ることの意味に悩む若き仏師十和(猿之助)と農民を救うため都に出て役人になる幼馴染の一馬(佐々木蔵之介)の友情と成長の物語です。「Ⅱセカンド」と銘打っているのは猿之助さんのインタビューによれば「歌舞伎と現代劇が同化するのではなく互いに自立して手を結ぶことで新しいものが生まれてくる」と話しています。お待ちかねの「宙乗り」猿之助さんは慣れたものですが歌舞伎初出演の佐々木蔵之介さんにとっては「全く初めて」です。8日目だっだので少しは余裕が出てきたようで途中から2人で手をつないで空中遊泳するとまたまた大拍手。かなり長い遊泳で大サービスです。宙乗りのあとは「大立ち回り」流石の身体能力でスピード感あふれ舞台狭しと動き回ります。凄い!の一言です。拍手鳴りやまずカーテンコール。それにしても蔵之介さん、「白塗り」ぴたりと決まりすぎ!です。立ち姿も堂々と様になっていてとても「歌舞伎初出演」とは思えない「舞台映え」のする姿です。笑也さんの女盗賊首領もカッコいいですし、文句なしに楽しめます。
「スーパー歌舞伎Ⅱ」の第一作を是非ご覧ください。
上演記念の限定版チョコレート(500円)29日までです。
チケットホン松竹0570-000-489(10:00~18:00)
[滅紫]
2014年3月 7日 14:00
旧暦2月の初午は今年は3月12日になりますが、今日ほとんどの2月初午祭や二の午祭は新暦で行われているので年中で一番寒い季節に当たっています。旧暦であれば、初午は少し春めいた頃に巡ってきたもののようです。
三大稲荷の一つ「笠間稲荷」では新暦と旧暦の両方で初午祭を行うとのこと。江戸時代には「事始め」の時期で寺子屋に入門するのもこの日が多かったとのこと。ベストセラーの「なぜ日本では八幡神社が一番多いのか」によれば、「稲荷社」を名乗る神社は2070とされているが摂社末社や街中の小祠を入れれば実際には稲荷が一番多いはず」と書いてある。「もともと五穀豊穣の神だった稲荷は次第に漁業の神、商売繁盛の神、そして関東では屋敷神として広く信仰を集めるようになり「火事、喧嘩、伊勢屋、稲荷に犬の糞」といわれるほど多くの稲荷が勧請されたと言われている。」(「日本の暦と年中行事」)。
江戸時代には芝居小屋には「大入りや安全祈願」を願って必ずお稲荷さんが祀られて、2月の初午には楽屋でも年中行事として稲荷祭が催されそのすべてを管理、主催していたのがそばに部屋のある大部屋役者たちで「稲荷町」と呼ばれていたのはご存知の方も多いことでしょう。(別な説もあります)。江戸三座もそれぞれ楽屋に稲荷大明神を祭祀していて、中村座は「銀杏稲荷大明神」!、市村座は「大津稲荷大明神」(何故か森田座がない)で「商売繁盛」や「安全祈願」に霊験あらたかな稲荷大明神はあらゆる意味で芝居興行の守護神にふさわしかったことでしょう。
現在でも歌舞伎の上演される劇場には稲荷が祭られています。以下の写真は歌舞伎座「歌舞伎稲荷大明神」と新橋演舞場「演舞場稲荷大明神」、明治座の稲荷です。歌舞伎座と新橋演舞場は鉄砲洲稲荷神社の氏子です。明治座の稲荷は笠間稲荷を勧請したものだそうです。国立劇場の稲荷は花園神社の稲荷を勧請したものと会員向けのバックヤードツアーで伺いました。楽屋入口の着到板のそばにあります。観劇の折に、劇場のお稲荷さんにもちょっとお参りしてみませんか?国立劇場をのぞけばいつでもお参り可能です。(演舞場稲荷はチケット売り場の裏にあります)。
[滅紫]
2014年3月 6日 14:00
話題の「ぐりとぐら展」に行ってきました。2月始めに「みど」さんが紹介されていたので詳細はご存じかと思いますが、会期末まであと1週間となった今日も会場入り口前は携帯やデジカメで記念撮影の人、人です。入り口の係の方に伺うと「土日はもっと凄い人出でした」とのこと。来場者で目立つのは20~30代の若い女性と幼児連れのママさんたち、かなりご年配の方がお孫さんと一緒という組み合わせもちらほら。「ぐりとぐら」の幅広いファン層が伺えます。7作品からの原画コーナーは仕切られていてそれぞれの作品世界に浸ることができます。宮崎駿さんと中川李枝子さんとの何とも楽しい対談映像、出口付近には広々したカウンターに読書コーナーが設けられていて自由に作品を読むことができ、カルタ遊びに興じているのは何と若い女性たちです。幼稚園や保育園のお遊びの時間といった雰囲気。カードやカルタ、ハンカチなどのグッズに絵本、出口の物販コーナーも楽しめます。キャッシャーブースが多く設けられていて来場者を待たせないというのもいいですね。「ぐりとぐら」は196刷り!になっていました。
入場チケットのデザインが変っていて、そうなのです。これぐりとぐらが見つける大きなたまごのかたちです。展覧会企画担当者の遊び心が伺えてこちらまで楽しくなってきました。ウイークデーの昼間が比較的空いているそうです。
3月10日まで松屋銀座8階イベントスクエア10:00~20:00まで最終日は17時閉場