[之乎者也]
2015年8月18日 09:00
8月は全国的にお祭りが多い季節ですが、中央区でも住吉大社例大祭、東京湾大華火祭、そして富岡八幡二の宮神輿渡御とイベントが目白押しです。そちらについては特派員仲間からのブログ記事をご覧戴くとして、先週日曜の8月9日はシンガポールのナショナルデーでした。今年はマレー連邦からの独立50年という記念すべき年で、かなり盛大なお祭りだったようです。中央区でも真夏の気候が続く昨今、常夏のシンガポール気分を楽しもうと、今日は八丁堀にあるシンガポール料理店を訪ねてみました。
お店の名前は"Kopi Tiam(コピティアム)"、シンガポールでも良く聞く名前です。マレー語のKopi(コーヒー)にTiam(店;福建語))がくっついた「珈琲店」くらいの意味で、コーヒーなどの飲み物に加えて、軽食も出してくれる喫茶店や軽食屋さんのイメージです。
すずらん通り沿いのお店の自動ドアを開けて入ると、蛍光灯の下20人くらい座れそうな空間が。。。既に東南アジアムードたっぷりです。壁には昔のシンガポールの白黒写真も貼ってあり、更に雰囲気が高まります。
飾りっ気のない白いテーブルに着いて、先ずは定番の「タイガービール」を頂きます。シンガポールのホーカーセンター(屋外フードコート)風に、ジョッキにオンザロックで飲みたいところですが、今日はお行儀良くグラスにストレートで頂きます。
お店のお勧めは、代表的なシンガポール料理の「海南鶏飯(チキンライス)」、「ナシゴレン(インドネシア風炒めご飯)」、「肉骨茶(バクテ)」、「南インド風カレー」とシンガポールのホーカーセンターと遜色のない品揃え。それもそのはず、ご主人のAさん夫妻は30年前にシンガポールにも住んでいたということで、現地の味も知り尽くしているようです。日本に戻ってからも東京で本格的なシンガポール料理が楽しめる場所をということでお店を開かれ、在京シンガポール人も通うという味も折り紙つきのお店。
今晩は「肉骨茶」を頂くことにしました。シンガポール料理に馴染みのない方は、肉骨茶と聞いて???かと思いますのでここでミニ解説を。。。
「茶」という字が入っていますが、ご覧の通りお茶では無く、骨付きの豚肉が入った薬膳スープです。英領の植民地時代に苦力(クーリー;中国からの移民労働者)の故郷、福建省の料理を起源とするようです。気候も厳しいマレー半島の港湾労働者の食事として発達した料理だけあって、たっぷりのお肉に、ニンニク、シナモン、胡椒、パクチー他のスパイスが入って栄養たっぷり、元気が沸いて来ます。この暑さもなんとか乗り切れそう。次回は是非とも、帰り際に勧められた「南インド風カレー」に挑戦したいと思います。ご主人曰く相当辛いらしいですが、今から楽しみです。
【Singapore Kopi TIam】
〒104-0032 東京都 中央区 八丁堀2-18-5
TEL:03-6280-3442
営業時間:1800~2200(ランチ営業もあり、土日祝は休)
[之乎者也]
2015年8月13日 09:00
夏休みに海外旅行に行く人も多いと思います。今年はミラノで5年ぶりの万国博覧会が開かれていますね。博覧会のテーマは「地球に食料を、生命にエネルギーを(Nutrire il pianeta, energia per la vita)」。。。ずばり「食」です。各国のパビリオンでは自国の食材や料理を紹介したり、日本館も今回の万博では農林水産省とJAが中心になって、ユネスコ無形文化遺産の「Washoku」を世界にアピールしています。
【ミラノ万博博覧会「日本館」外観、ならびに「EXPO Milano 2015」ロゴ】
「食」がテーマかつ場所もイタリアですので、美味しいパスタやプロシュート(生ハム)、それと一緒に頂くトスカーナのワインなど食べ、飲むことも存分に楽しめる万博です。ということで、やや強引ながら今回はイタリアで開催中のミラノ万博にちなんで中央区のイタリア料理を探訪してみたいと思います。
さて、実は中央区は知る人ぞ知るイタリア料理の激戦区。家の近所をちょっと歩いてみただけで緑・白・赤のトリコローレの国旗を掲げている店が3軒もあります(Yahoo ロコサーチによれば中央区全体でイタリア料理店が何と771店あるそうです)。
ともあれ、近くのイタリア食堂 " Bettola il Bacca(ベットラ・イル・バッカ)"、「ベリー(berry)食堂」に入ってみました。特定の地方の料理にこだわらないイタリアの郷土料理を出すようにしているとマスターの君島さん。テーブル席とカウンターがバランス良く。お一人さまやちょっと食事前に飲みたいなという時にも入りやすそうな雰囲気です。
飲み物はもちろん、料理に合うイタリアワインが用意されているほか、ビールの種類も豊富です。国産、ベルギー、イギリスのものが中心ですが、個人的に大好きなチェコビールの「ピルスナー・ウルケル」を見つけたときには思わずガッツポーズでした。ビールと一緒にすてきなつまみも次々に出てきました、盛り付けもきれいで美味しかったのが「ホワイトアスパラガスのミラノ風トリュフオイル風味」です。
そして最後の〆に君島さんのお勧めとして出てきたのが「生雲丹(うに)のトマトクリームソース スパゲッティー」。お腹もいっぱいになったところで、今夜も気持ち良く酔っ払い、幸せな気持ちで家路についたのでした。【Bettola il Bacca(ベットラ・イル・バッカ)】
〒104-0033 中央区新川2-18-9 中城ビル1F
(京葉線・日比谷線八丁堀から徒歩5分程度。都バス東15・16 新川二丁目バス停至近)
TEL:03-3553-8819
営業時間:1700~2400(平日・土曜はランチもあり)
[之乎者也]
2015年8月12日 14:00
前回、「平成の蔵屋敷 in中央区~その1~」として中央区のアンテナショップを紹介しました(/archive/2015/08/-in-3.html)。
蔵屋敷とは信長・秀吉による天下統一後、全国で米や物産の取引が盛んに行われるようになったことから、有力大名が取引のために米取引の中心地の堂島(大坂)や幕府所在地の江戸に藩邸の一部として事務所兼倉庫(=蔵屋敷)を建てたことから始まりました。
今回は平成の蔵屋敷~その2~として地域を代表する金融機関である地方銀行(「地銀」)を取り上げます。地銀の東京支店は、地方の企業の東京進出を支え、また東京の中心である中央区に多く見られるまさに現代版蔵屋敷と言えるでしょう。
【秋田銀行(京橋・鍛治端通り)】
さて、日本全国の地銀(全国地方銀行協会加盟の第1地銀)の数は64行に上りますが、正確な数は判らないながらもおそらくそのうちの9割近くが、日本橋、京橋・八重洲を中心とする中央区に東京支店を構えているようです。これはもちろん日本橋本石町にある日本銀行と深い関係があります。【日本銀行(本石町)】
大名が家族の江戸での住居目的とともに幕府との連絡窓口として藩邸を構えたのと同じように、地銀も在京取引先へのサービスに加え日銀の監督(考査)を受けるため、その窓口を日銀のお膝もとである中央区に置いたということのようです。
【常陽銀行のショウウインドウ(八重洲・鍜治橋交差点】
そんなお堅い地銀の東京支店ですので、ショーウィンドウも地域の特産・名所紹介など比較的地味なものも多いのですが、そんなイメージを覆すのが八重洲通りと平成通りの交わる八丁堀二丁目交差点にある某地銀の東京支店。
「OKB3誕生」。。。綺麗なお姉さん3人組の派手なポスターが張ってありちょっとびっくり!お堅いイメージの地銀というよりも銀座のクラブのような打ち出しです。
AKBならぬOKBとは、大垣(Ogaki)共立(Kyoritsu)銀行(Bank)の頭文字で、自行の女子行員からメンバーを募って結成した秋元康プロデュースならぬ銀行公認のアイドルユニット---OKB3とのこと。更にはOKB3にOKB45(45名)が加わり、合わせてOKB48となるようです。これはれっきとした銀行のPRだそうでOKB45も岐阜県各地の商店街などのイベントにも引っ張りだこ。業界で大垣共立銀行は攻める銀行として有名だそうですが、岐阜在住の友人によれば、大垣にはOK牧場ならぬ「OKB牧場」という雑貨喫茶店(ネーミングは軟らかいですが、大垣共立銀行の設置した障がい者自立支援施設)まであるそうで、かなり斬新なカルチャーを持つ地銀なようです。そんな努力の甲斐もあってか、この銀行は顧客満足度の高さ競う日経金融機関ランキング調査(2015年1月)ではメガバンクや外銀を押しのけて堂々4位に入賞したそうです。
【東邦銀行(京橋・中央通り】
地銀の集積する中央区ならではの楽しみ。銀行ですのでアンテナショップのように気軽に店舗の中までは入ることはできませんが、街なかで色鮮やかな看板を見つけたら、ちょっとショウウィンドウを覘いてみたらいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれません。
[サム]
2015年8月 9日 09:00
目の前は隅田川。オープンテラスのカウンターでクラフトビールが楽しめます。
茅場町駅を降り、永代通りを隅田川方面に向かい、永代橋の手前を左折すると、そこは自転車とコーヒーとビールのお店「Mile Post Bike and Cafe」(新川1)。
1階はスポーツバイク専門店の「Mile Post Cycling Shop」。お店の脇の階段を上ると、隅田川が一望でき、ウッディな造りのカフェ「Mile Post Cafe」。
タンドール窯を設置し、モダンインディ料理、インドカレー、クラフトビール、コーヒーetc.を提供。
人気のオープンテラスは13席、店内30席。
2014年3月10日オープン、同年11月19日メニューを刷新しリニューアルオープンの由。
クラフトビールは日本全国から10種類取り揃え。日々随時入れ替えとの事。
この日のメニュー
① 盛田金しゃちビール(愛知) <ミツボシピルスナー>
② アウトサイダーブルーイング(山梨)<ビターラガー>
③ 日本海倶楽部(石川) <ピルスナー>
④ ノースアイランドビール(北海道) <スタウト>
⑤ スワンレイクビール(新潟) <ホワイトスワン・ヴァイチェン>
⑥ 日本海倶楽部(石川) <アメリカンアロマ ライトエール>
⑦ 城端麦酒(富山) <グレートブルー>
⑧ ブリマーブルーイング(神奈川) <カリフォルニアコモン>
⑨ 大沼ビール(北海道) <IPA>
⑩ スウェイツ(イギリス) <サーティーンガンズ>
今回は、 ⑨大沼ビール(北海道)<IPA>をオーダー。
因みにIPAとは、インディア・ペールエールの略で、大航海時代に生まれたとされ、長い航海に耐えられるようホップを大量に使い抗菌性を高めたビールで、その強烈なホップのキャラクターが特徴。ボディ・香り・アルコールも一回りパワフル。
川面を伝って吹く爽やかな風に当たりながら、日の高いうちに飲むビールの味もまた格別です。
夜の永代橋のライトアップの借景も外せません。
平日:11:30~23:00
日祝:21:00 Close
[之乎者也]
2015年8月 5日 08:00
赤くてカワイイ江戸バス。中央区民の大事な足ですが、区内観光にも便利な乗り物で中央区特派員ブログでも江戸バスを使った観光案内がたくさん紹介されています。
さて、ある日八重洲通りを歩いていると、都バスのバス停の近くに屋根つきのバス停(シェルター)が!(左側写真)。多くのバス停、特に江戸バスのバス停といえば右下の写真のようなポールが一本建っているだけの簡単なものが多いですが、ここ八重洲通りの「いちよし証券前(八重洲通り東)」の北循環バス停には、ベンチに加え立派な屋根とガラスの壁がついていて、雨や風の強いときでもバスを待つのに安心です。昨年12月に江戸バスのバス停に新設されたそうで、八丁堀のいちよし証券前のほかにも聖路加病院、晴海、浜町など既に7箇所が整備されているようです。
良く見るとバス停の横のガラスの壁には、ちょっとおしゃれなファッションや化粧品などの広告が入っていて(上の写真)、近くの地味な都バスのバス停(「ちょこっと走れば、違う街♪」:下の写真)と比べて都会的なセンスの良さを感じます。それもそのはず、もともとフランスの広告代理店のJCDecaux(ジェーシードゥコー)が始めたビジネスで、「広告付バス停留所上屋」というのが正式な名前だそうです。バス停側面に広告を出しているファッション会社などからの広告料で、バス停の設置と維持管理の費用をまかなっており、バス停の整備のために東京都や中央区などはお金を払う必要が一切ないという、いわゆるPPP(官民連携パートナーシップ)によるものです。中央区の場合JC Decauxと三菱商事の合弁会社のMC Decaux(エムシードゥコー)が実施しており、中央区のほかにも全国45都市で似たような広告付きバス停が整備されているそうです。たかが「バス停」ではありますが、聖路加病院、八丁堀、浜町などから江戸バスを使うときは、ちょっと注意してみたらいかがでしょうか。