[下町トム]
2015年12月22日 16:00
ぼくは海外旅行に時たま出かけます。最近は羽田空港発着の便も増えましたが、まだまだ路線数、キャリアの種類、便数など成田空港の国際線における存在感は大きいですね。したがってやはり成田を利用する機会がいまだ多いです。
成田空港は都心から決して近くはないので、いかに効率よく短時間で快適にたどり着けるかは重要なポイントです。ぼくは基本的には公共交通しか使いませんので、これまでいろんなルートを試してみました。よくよく考えてみると、中央区は成田へのアクセスにおいて都心でも最も便利なまちであることに気づきます。
まず、JRでいうと、東京駅(もちろん中央区側の八重洲口を利用する前提です)から特急「成田エクスプレス」が利用できます。また京成「スカイライナー」を始発の上野駅から利用する場合でも銀座線か日比谷線「上野駅」あるいは都営大江戸線「上野御徒町駅」から「京成上野駅」へはすぐですので、効率よく移動できます。
区内からダイレクトに移動する場合も選択肢がたくさんあります。JRの総武線快速「成田エアポート」は乗車券だけで乗れます。少しリッチな気分でグリーン車を利用するのもいいでしょう。「新日本橋駅」「馬喰町駅」から空港まで乗り換えなしです。
京成の場合も、都営浅草線から相互直通で乗り入れている「アクセス特急」が便利です。乗車券のみで快適に移動できます。京成3050系が使われることが多いのですが、新しくて機能性豊かな車両です。
バスの場合は、銀座駅から格安のバスが発着しています。空港まで千円という価格は画期的で、いつも多くの方が並んでおられます。とにかく移動コストを低く抑えたいという方にはコストパフォーマンスのいい交通手段として最適です。
従前からおなじみの「リムジンバス」は箱崎シティエアーターミナルの利用をお勧めします。ビルの中に乗り場や待合室があり、雨の日でも大きな荷物を持ってうろうろする心配がありません。ビルの中にレストランやカフェもあり、出発前にくつろくこともできます。最近はハイグレードの車両も導入され、一層快適になりました。区内各地から箱崎までタクシーで移動してリムジンバスに乗り換えるというのも、荷物のある時には有効で楽なルートでしょう。
中央区は交通インフラのとても整った地域です。日本から海外に行く場合だけではなく、インバウンドの外国人観光客にも気軽に中央区に来てもらうことも可能ですから、今後の国際化推進にもこの利点は活かせるでしょう。中央区の観光振興を期待しています。
この年末年始、成田空港から海外にお出かけの方、どうぞご自身の最適なルートを選んで、お気を付けて行ってらっしゃいませ。
旅の始まりの気分を高めるのには快適な空港アクセスが重要ですよ。
[之乎者也]
2015年12月21日 09:00
17世紀、材木を商って富を得、海運・土木などの分野でも活躍した豪商河村瑞賢(1618~1699年)は、霊岸島(現在の新川1丁目)付近に居を構えていましたが、1660年に大川へ通じる掘割を開削します。掘割は「新川」と呼ばれ、周囲には酒問屋の蔵が立ち並ぶようになります。
【江戸名所図会「新川 酒問屋(さかどいや)」(長谷川雪旦 画)】
長谷川雪旦の描いた「新川 酒問屋」では、江戸湊まで菱垣廻船/樽廻船で運ばれた下り酒が、品川沖で伝馬船に積み替えられ、新川の河岸で揚げられる姿が描かれています。酒の輸送にはその後自動車が用いられるようになり海運は廃れ、また新川も戦後のがれき処理で1949年には埋め立てられてしまったため、酒問屋のあった場所は、町名とオフィスビルやマンションの合間に立つ「新川の跡 記念碑」にその名残を残すだけとなっています。
【新川公園内に残る「新川の跡 記念碑」】
かつての酒問屋の賑わいのあとを求めて街を歩いてみました。
埋め立てられた新川跡に面するように新川1丁目のビルの合間にひっそりと建っているのが酒問屋の守り神として信仰された新川大神宮。今でも新川大神宮では毎年10月中旬に酒関係者が集まり例大祭が行われており、その様子(2014年のもの)は特派員サムさんからブログ記事「新川大神宮御例祭2014(/archive/2014/10/2014-6.html)」で紹介されています。
新川には現在も酒卸関係団体(全国卸売酒販組合中央会)、日本酒メーカー(白鹿、金盃など)、酒問屋(加島屋)などが拠点を置いており、新川大神宮にも日本酒・醤油ほか醸造関係者を中心に名前を連ねています。
残念ながらこれら大きなメーカーからは我々一般消費者は直接買うことはできませんが、新川地区には今でも小売酒屋さんが数軒営業をしています。本日はその中の一つ、今田商店にお邪魔しました。今田さんは広島県出身、実家は造り酒屋の今田酒造本店(東広島市安芸津町)で、「冨久長(ふくちょう)」というお酒を造っています。こちらは新川のお店でも買うことができます。今田さんに、おすすめの日本酒を紹介頂きました。右手の緑色の瓶が「冨久長」(今田酒造本店 )、左手は「誠鏡(せいぎょう)」(中尾醸造 広島県竹原市)です。竹原と言えば酒どころ。NHK朝ドラ「マッサン」の実家の竹鶴酒造も竹原でしたね!新川という場所にこだわり、単にお酒の販売にとどまらず、お酒の魅力・面白さを伝えたいという気持ちでお店をやっている今田さん。ふらっと訪ねての試飲も可能ですが、定期イベントとして日本酒、ワイン、スパークリングその他の試飲会もやっていて、先月ボジョレー・ヌーヴォー解禁日(11月21日)に行われた日本酒会には80名のお客さんが来訪するという盛況だったようです。
日本にもすっかり定着したボジョレー・ヌーヴォー(Beaujolais nouveau)解禁イベント(フランスで始まったのは1951年)ですが、遡ること200年前の江戸時代、日本では「新酒番船(しんしゅばんせん)」という定例行事が旧暦10月に行われていたそうな。
新酒番船とは享保年間(1727年)から始まる行事で、上方から江戸へ酒を運ぶための樽廻船が、同時に上方を出帆しその年の新酒を江戸まで運ぶ早さを競うレースでした。通常の輸送では、2~3週間程度かかるところ、5日程度で運ばなければ入賞できない厳しいレースで、そのゴールはこの新川だったそうです。
【江戸名勝図会 「新酒番船江戸新川入津図」(二代目歌川広重 画)】
今田さんのご厚意により、店の高級酒コーナーの「大吟醸 龍力 新川一番船(兵庫県姫路市 本田商店)」を見せてもらいました。まさに、この「新酒番船」から取った名前のようですが、酒の本場である播磨の大吟醸に「新川」の名前が入っているなんて、なんだか誇らしい気分です。高級酒(一升瓶 7,000円弱)でしたのでさすがに試飲は無理でした(笑)が、何かのお祝いにかこつけて、買って一度味わってみたいものです。
【今田商店】
所在地:〒104-0033 中央区新川1-10-10
電話番号:03-3551-5885
営業時間:8:00~19:00(日・祝休)
【新川の跡 記念碑】
所在地:〒104-0033 中央区新川1-31-1
【新川大神宮】
所在地:〒104-0033 中央区新川1-8-17
[銀造]
2015年12月20日 16:00
2015年12月17日(木)、聖路加健康ナビスポットにて、ランチタイムミニ講座&ミニコンサートがありました。
ミニコンサートは、毎年末恒例の聖路加国際大学の聖歌隊&手話部の学生さんたちが素敵な歌を披露して下さいました。
今年は、男性のサンタクロースも登場して、会場を盛り上げてくれました。会場のお客様も、一緒に「赤鼻のトナカイ」を合唱しました。
素敵な澄んだ声が、まるでお星さまと一緒に、天から降ってくるようで、
大変気持ちが癒されました。
手話の方々もお上手で、サンタさんが袋を担ぐポーズ、
「あなたから、メリ・クリスマスの時には自分に向かって手を向けて、私からメリ・クリスマスの時には対人に手を向けて」、温かい意思が伝わってきました。
Yes, Santa Clause' s coming to town. Wishing you Merry Christmas and a Happy New Year.
さて、病院では医療で身体の病気を治癒してくれますが、ここ聖路加健康ナビスポットは事前予防と必要な知識を教えて頂けます。
今日のミニ講座は、るかなびボランテイァの医師 白木和夫様で、「肝臓をいたわるために」でした。
飲み助の銀造には、大変勉強になりました。
次回は、2016年1月21日(木)12:30~13:20で、
ミニ健康講座は、「ジェネリックって何? お薬手帳は何のため?」です。
その後のミニコンサートでは、素敵な歌が披露されるようです。
どちらも参加するのが楽しみです。
場所は、築地3-8-5、 聖路加看護大学2号館1階の「ぽるかルーム」です。
詳細は、こちらのHPをご覧下さい。http://rcdnp.slcn.ac.jp/lukanavi/
[之乎者也]
2015年12月17日 09:00
落ち着いて読書を楽しんだ秋の夜長の季節もあっという間に過ぎ去り、いつの間にか師走に突入です。仕事に忘年会と慌ただしい日々が続きますが、そんな中今回は「文学で楽しむ中央区」の第4弾として、仕事帰りに八重洲ブックセンターで買った文庫ベストセラーの『しんがり 山一證券 最後の12人』(清武英利著:講談社α文庫)をご紹介します(第3回までは「文学で楽しむ中央区」としていますが、現代の話ですので今回は「文学で知る中央区」と名前を変えての登場です)。
こちらについては、日曜の夜に「連続ドラマW しんがり~山一證券 最後の聖戦~(江口洋介主演)」が、9月20日からWOWWOWで放映されていたのでドラマでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、今まで3回にわたってご紹介した江戸時代のお話とは異なり、わずか18年前(1997年11月)、現代の中央区が舞台となった「ノンフィクション」のお話です。
「山一證券の本社は、塩浜ビルから都心側に5キロほど戻った中央区新川にある。こちらは青い窓ガラスがきらきらと輝く21階建ての高級オフィスビルだ。一見、変哲の無い真っすぐのビルは、13階のあたりから突然、積み木細工のように部屋を互い違いに重ねたような凝った作りになっている。そこから隅田川と、佃島の三角州に立つ八棟の超高層マンションを見渡すことができた。成功者の住む『大川端リバーシティ21』である。。。」。
小説のはじめ「第1章 予兆」に登場する旧山一本社ビルは、現在は新川に本社のあるレジデンス・ビルディングマネジメント(RBM)という不動産会社が所有し、山一證券とは関係のないさまざまな会社が入居しています。
ビルは18年前同様現在も永代通り沿いの隅田川と永代橋を見下ろす場所に周囲を睥睨するように立っており、バブル時代の当時、創業100年を迎え、4大証券の一角として業界に君臨する本社のエリート職員の気持ちを表すような建物を今も見ることができます。
この小説の主人公の嘉本隆正(かもとたかまさ)ほか「ギョウカン(業務管理本部の通称)」の12名は、もともと華やかな本社勤務とは縁の無い会社人生を送り、「場末(ばすえ)」と呼ばれる塩浜のビル(江東区塩浜。地下鉄東西線木場駅の南東方約500メートル)で仕事をしていましたが、1997年11月の三連休の初日に日経朝刊に「山一證券自主廃業へ 負債3兆円 戦後最大」というスクープ記事が出、「社員は悪くありませんから!悪いのはわれわれなんですから!お願いします。。。」という社長の号泣会見が行われる中で、会社の最後の仕事ーーー会社を滅亡に追いやった原因である「簿外債務」の真相解明と顧客に対する清算業務ーーーを引き受けることになります。
【山一證券 社内調査委員会 社内調査報告書(表紙)】(http://kunihiro-law.com/files/open/writing/555d7e5511jn4cpn563ju_pdf.pdf)
山一證券の破たんという企業敗戦にあたり「戦に敗れて退くとき、軍列の最後尾に踏みとどまって戦う兵で、盾となって戦うことで、多くの兵が逃れて再起を期す」という兵法で言う「殿軍(しんがり)」の役回りを引き受けた12人のお話です。最初は社内調査を進めようにも相手にもされなかった主人公ですが、志を持ち奮闘する姿に協力者は徐々に増え、最後には「社内調査報告書ーーーいわゆる簿外債務を中心として」が完成されます。第3回でご紹介した「関東郡代 伊奈半左衛門忠順」同様、必ずしもハッピーエンドで終わらないお話ですが、419ページ超のストーリーは、読むものを引き付けて離しません。
その後、東京証券取引所も大阪証券取引所と経営統合し2013年1月には日本取引所グルーブ(JPX)が誕生しました。また、バブル期の89年12月に史上最高値(3万8,916円)を記録した日経平均は、その後低落を続け、リーマンショック後の09年3月にはバブル後最安値(7,055円)を付けたものの、最近(2015年12月)では2万円前後に回復し、東証のある兜町界隈も元気を取り戻したのでしょうか?山一證券の破たんした97年当時、永代通りには山一證券本社とともに金融危機の影響で相次いで破たんした準大手証券の三洋証券(97年11月3日 会社更生法適用)、北海道拓殖銀行(97年11月17日 都銀初の破たん後、北洋銀行に営業譲渡)東京支店が立ち並んでおり、兜町界隈では自虐的に「倒産通り」と呼ばれていたことについても小説では語られています。
【車で混雑する永代通り:東京証券会館付近】
兜町でも97年の出来事はひと昔前のこととなりましたが、「しんがり 山一證券 最後の12人」は、証券業界とともに東京証券取引所と証券会社が立ち並ぶ中央区の現代史を知る機会を与えてくれます。
【旧山一證券ビル(茅場町タワービル)】
所在地:中央区新川1-21-2(*こちらは一般の会社の事務所や住宅がある場所ですので、見学等のために勝手にビル内部へ立ち入ることは止めましょう(外から見ることに留めましょう)。)
交通:地下鉄東西線茅場町駅下車徒歩7分。都バス東20、22永代橋バス停下車そば。中央区コミュニティサイクル(CCC)「B06 アクロス新川ビル」サイクルポートから徒歩1分程度。
[見たい行きたい伝え隊]
2015年12月15日 18:00
街は今、イルミネーション三昧 ですね。
水天宮駅(2番出口)近くの箱崎公園にも、かわいいツリーのイルミネーションがあるんですよ。
地上に出ると、右にコンビニ、左にはT-CAT(東京シティエアターミナル)、
頭上には、知る人ぞ知るランキング1位を誇る箱崎ジャンクション。ウーン、いつ見ても「cool」
そのコンビニに沿ってお花屋さんの前を通り、少し歩くと左手の角に水天宮ピットがみえます。
(水天宮ピットは、元は高校の校舎で、今は舞台公演の場です)。
そして水天宮ピットの隣が箱崎公園です。
夕方からはツリーのイルミネーションがきれいですが、忘れずに吉田松陰像も見て下さいね。
この像は、昭和12年、まだ東京市箱崎尋常小学校だった頃に、
病気で亡くなった6年生の女の子の遺言でつくられたものです(由来板による)。
ちなみに、5月にはたくさんの鯉のぼりが空を泳いでいます。
近くには、ご祭神が珍しい高尾稲荷社(高尾太夫を祀る)もあり、
隅田川に向かって歩けば、豊海橋(とよみばし)付近の木立の中に、
もともとの社があった「高尾稲荷縁起の地」の案内板を読むことができます。
ここが、明治の頃には、日本銀行創業の地であったこともわかります。
橋を渡れば永代通り、左手は門前仲町、右手は茅場町、帰り道はお好みで
[銀造]
2015年12月11日 18:00
毎年楽しみにしている12月のミニコンサート。
12月は聖路加国際大学の聖歌隊&手話部の方々が登場です。
今年は、12月17日(木)12時から開始されます。
一昨年の様子は、こんな感じでとても可愛らしい聖路加国際大学の生徒さんが、澄んだ声で聖歌を歌ってくれました。
/archive/2013/12/post-1849.html
おっと、ミニコンサートの後のミニ講座は、「肝臓をいたわるために」です。
忘年会などが続き、暴飲暴食で疲れた肝臓には、どんなことが必要かを教えて頂けると思います。是非、お出かけ下さい。