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2014年5月27日 14:00
5月23日、「銀座のツバメ」著者の都市鳥研究会幹事の金子凱彦氏を講師に招き、自然情報ひろば 丸の内さえずり館主催のフィールドイベント「銀座のツバメ観察会」が開催された。
「銀座のツバメ」は、金子凱彦氏が都会のツバメの愛すべき驚きの生態を30年にわたり調べ纏めたもの。
古来ツバメは益鳥の象徴として親しまれてきた。
毎年春になると、越冬地の東南アジアから、銀座にもツバメがやってくる。
旅の距離 数千km。
しかしながら近年その数が激減。
30年前に9ヶ所あった銀座の営巣場所は現在、松屋東館(銀座3)、東都ハイヤー銀座営業所(銀座8)、ムサシビル(銀座8)の3ヶ所と云う。
その原因として
①外敵のカラスが増えたこと
②ビルの建て替えなどで営巣できる場所が減ったこと
(ザラザラしたコンクリート壁面・梁、蛍光灯のような足場、深い庇・軒の喪失)
③鳥インフルエンザなどの影響で、糞害を嫌う人により巣が落とされたこと
等が考えられている。
ツバメの特異な生態として、
①土と枯れ草だけを使う独特な巣づくり
②所謂 "ツバメ返し" と称される、飛んでいる虫を捕まえる採餌方法
(因みに都心のツバメの餌は、①羽アリ ②ミツバチ・・・銀座ミツバチプロジェクトのミツバチ
たちも生態系に組み込まれているらしい)
水面上を飛行しながらの水飲みシーン
③速く飛ぶことに特化しており、脚は短く歩行には不向きで、巣材の泥を求める時以外は
地面には降り立つことはめったにない
に加え、何といっても ④人の存在をうまく利用する繁殖形態
が挙げられる。
銀座でなんとかツバメが生き存えているのは、
①虫の供給源となる街路樹が多く、かつ自然の宝庫「皇居」が近くにあること
②多くは埋め立てられたとは云え、未だ(水飲みの際、水面滑空する)水辺が近くにあること
と共に、人の心を反映した側面 ③(壁の塗り替えの際、巣を落とさない気遣いや、天井張り替えの際、古巣を捨てずに壁に新たにつくった巣台の上に置くなど)ツバメを受け入れ、巣をあたたかく見守る街のやさしさ
が大いに寄与しているとされる。
改めて生態環境の保全に関する "人の関わり"、共感性を再認識させられる。
因みにツバメは全長17cm、翼開長32cm。
喉と額が赤、腹は白、胸に黒の横帯、細長く尖った翼、尾羽は深く切れ込んだ二股形。
雌の尾羽は雄に比べ短い。
尾羽には飛行中の方向転換やブレーキの役目があると云われる。
抱卵して2週間で孵化し、更に3週間、親ツバメがせっせと餌を運んだ後は巣立ちを迎える。
来春も、是非またこの街にやってきて欲しい。
そして、そのスマートで俊敏な飛翔の雄姿をまた見せて貰いたい。
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2014年5月27日 09:00
運行コース 芝浦南埠頭公園から晴海地区遠望
東京港が国際貿易港として開港したのは昭和16年5月20日。
「東京みなと祭」はこの開港記念日を祝し、毎年5月20日前後の土日に晴海客船ターミナルをメイン会場として、様々なイベントが繰り広げられる。
66回目を迎える今年は、5月24・25日の2日間開催された。
会場では、
①"見て!ふれて!東京港" と題した東京港に関連する団体のPRコーナー
②東京消防庁による「水の消防ページェント」
③珍しい船「明洋」「海竜」「海鷹丸」の一般公開
④消防艇「みやこどり」の一般公開
⑤ポートステージ アトラクション
等々、催しが盛りだくさん。
東京港は、首都圏4,000万人の生活と産業を支える港湾施設が整備されている一方、臨海部には水辺の街の素晴らしい景観も広がっている。
東京港に就航している所謂 "レストラン船" や、東京港のビューポイントを巡るバスに乗り、海・陸双方から東京港を楽しむミニツアーも組まれており、今回ご紹介するのは "陸" 編。
コースは、晴海会場~東京ゲートブリッジ(車窓)~青海南埠頭公園(降車:約20分間)~レインボーブリッジ(車窓)~芝浦南埠頭公園(降車:約15分間)~晴海会場。
所要時間約2時間。
両日午前午後の計4回運行されたが、約4倍の応募があったと聞く。
初日は好天ながら、空はうっすらと霞み、見晴しにやや難があったものの、ビューポイントでの景観を楽しむと共に、現代の港が様々な諸機能を備えたシステムとしてつくられている側面も垣間見ることが出来た。
この日は「水の消防ページェント」もツアー途上、対岸から遠望。
東京ゲートブリッジ 青海コンテナ埠頭 青海南埠頭公園
台場公園(第三台場) レインボーブリッジ 水の消防ページェント
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2014年5月26日 09:00
ファンケル銀座スクエア(銀座5)10Fテラス付サロンスペース「ロイヤルルーム」にて恒例の「ローズガーデン」が開催中で、会場は色とりどりのバラの花々で埋め尽くされています。
会期:5月23日~30日(11:30~18:30)
今年のテーマは「香りの薔薇でおもてなし」
期間中、武蔵野バラ会会員による「バラの相談会」や「コサージュのミニレッスン」等も設営されており、週末には生演奏も楽しめるとの由。
バラはキク、カーネーションと並ぶ3大花卉に数えられ、古くから世界で愛されてきた花。
現在ハウス栽培で年間を通じて市場に供給されています。
樹形により、ブッシュ(木立性)・シュラブ(半つる性)・クライミング(つる性);
花弁の数により、一重咲き・半八重咲き・八重咲き;
花型により、剣弁・半剣弁・丸弁、平咲き・高芯咲き・カップ(盃状)咲き・ロゼット咲き・クオーターレゼット咲き・ボンボン咲き;
等に分類され、
花色も赤・ピンク・オレンジ・黄・白・青・黒と多彩。
近年はミニチュアローズがそのコンパクトさ故に人気が高まっていると聞きます。
地上40mのバラの甘い香りが漂うプチ庭園にて、春の淡い陽射しのもと、、ちょっと優雅なひと時を楽しまれては如何でしょう。
尚6月12日~18日には「あじさいガーデン」が開催予定です。
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2014年5月21日 09:00
<♂夏羽> <♀夏羽>
ジョギング・ウォーキング・犬の散歩で賑わう、石川島公園の下段の親水テラス。
この季節、干潮時、水際の岩場に目を凝らすと、京女鷸(キョウジョシギ)がごそごそと動き回って採餌しているのに出会えます。
背と翼上面に赤褐色と黒の派手な(三毛猫のような)斑模様の夏羽を、京女の着物に見立てたのが和名の由来の由。
♂の夏羽は、頭上部の白と黒の縦斑が鮮明、体上面の赤褐色部は鮮やかで赤味が強い。
♀の夏羽は、頭上部は灰褐色味が混じり、体上面の赤褐色部は♂より小さく赤味は弱い。
(因みに冬羽は、頭と体上面全体が黒褐色で、赤味がとれ、地味な色合い)
夏季、ユーラシア北部・北アメリカ北部のツンドラ地帯で繁殖し、冬季、南アジア・アフリカ・中南米・オセアニアの海岸に渡り越冬するとされています。日本には、旅鳥として、主に5月を中心とした春、9月を中心とした秋に中継地として飛来し、干潟・海岸・水田等で観察されています。
全長約22㎝。
ずんぐりした体形。
黒くて短い嘴。
オレンジ色の脚。
鳴き声は 「ゲレゲレッ」。
飛翔時は翼や腰・尾の白色部が目立ちます。
地表採餌の他、嘴で小石や土塊・貝片・海藻の塊をひっくり返したり、ずらしたりしてその下に潜む小動物を捕えるようです。
英名の(Ruddy) Turnstoneは採餌習性に因んでいます。
この時季、干潟・岩礁の水辺に行かれる機会があれば、目を凝らしてよく探してみてください。
一風変わった、小体な "京女" に出会えるかも知れません。
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2014年5月16日 09:00
この時期、佃公園を通り抜ける度、オナガが数羽群れ、「ゲー」「ゲッ」「ギューイ」と、やや嗄(しわが)れた声で鳴き交わし、飛び廻る姿をよく見かける。
(尤も春には「キュリリリ・・・」などと愛らしい声で鳴き交わす様子も観察されると云う)
今回は番(つがい)と思しき♂♀を発見。
どうやら5-7月は繁殖期らしい。
オナガは名前の由来となっているように尾羽が長く、スマートな体型で、清楚な羽色をしているが、意外にもカラス科に属する留鳥。
オナガの分布域は、ユーラシア大陸の東西両端の遠くはなれた2地域(飛び地分布)とされる点も興味深い。
国内では現在、本州中部以北に局地的に棲息し、関東地方ではごく一般に見られるが、近隣の地域でもこの種が分布していない箇所も多いと云う。
山地、村落、緑地の多い市街地、公園などに棲息し、群れで行動し、食餌は雑食性とされる。
体長34~39㎝、尾羽が20~30㎝と長く、頭と体の大きさはムクドリ大。
目先から後頭部の下まですっぽり頭巾を被ったように黒色。
首、喉から胸にかけては灰白色。
翼と尾羽が青灰色、背は淡い灰褐色で、雌雄同色。
飛翔時は長い尾がよく目立ち、飛ぶと云うより滑空しているように見える。
尚カラス科の他の鳥と同様、学習能力は高く、警戒心も強いとされる。
またしばしばカッコウに托卵される事例も報告されている。
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2014年5月13日 09:00
5月10・11日、月島第2児童公園で「太陽のマルシェ」が開催された。
2013年9月からスタートした青空市場で、日本各地のご当地野菜や季節に合わせて旬の食材をテーマに、全国から毎回約100店が出店し、約2万人近い来場者で賑わい、「都市型マルシェ」としては全国有数規模とされる。
今回のテーマは「甲州ワインと和食」。
2010年にワインの国際的審査機関OIVにブドウ品種として「甲州」が登録、国際的なワインコンクールで多数の賞を受賞、欧州への輸出開始など、世界的に評価が高まっている「甲州ワイン」。
一方昨年「ユネスコ無形文化遺産」に登録された「和食」。
「甲州ワイン」と「和食」のマリアージュ、楽しみ方がいろいろと提案されている。
今回参加のワイナリーは、山梨県内の ①サドヤ ②ヤマナシ良品 ③東晨洋酒 ④中央葡萄酒 ⑤(現存する日本最古のワイナリーとされる)まるき葡萄酒 ⑥勝沼インデイーズワイン ⑦葡萄屋kofu ⑧鶴屋醸造 ⑨三養醸造 ⑩山梨発酵 の10社。
山梨県のワイン文化として、「一升瓶ワイン」「湯呑みで飲むワイン」「和食と一緒に飲むワイン」が紹介されている。
歴史を紐解くと、山梨で、ワインが殖産興業政策の一環として奨励され、造られ始めたのは明治初期。山梨のワイン文化は一升瓶から始まったとされ、冠婚葬祭から日々の晩酌に至るまで徐々に浸透。一時は県外にも出荷されていたが、720/750mlが主流になる中、今ではその殆どが地元向けと云う。
またワインと云えばグラスで飲むのが一般的だが、日本酒の流れを受けてか、いまだに身近かな "湯呑み" で飲む人が多いとされている。
(ブース内の一升瓶のディスプレイの脇にも湯呑み茶碗が添えられている)
地元での "肴" のルーツは「煮物」「漬け物」と云われるが、「甲州ワイン」の味わいの特徴は、"繊細" で、"控え目" で、"協調性がある" こと、換言すれば、どんな料理にも合わせやすいということらしい。
"和食と一緒に湯呑みで飲む一升瓶ワイン" 《甲州葡萄酒スタイル》 、異文化との触れ合いもまた楽しい。
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④ ⑤ ⑥