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2015年5月25日 18:00
銀座のツバメ。
昨年確認されていた3個所の営巣場所のひとつ松屋東館に、今年もツバメが越冬地の東南アジアから数千km海を渡り飛来。
本来は自然環境の中で営巣したはずですが、いつの頃からか、日本にやってくるツバメは、絶えず人気(ひとけ)のある人為的建造物以外は営巣しないとされ、人の暮らしと関わりをもってきた野鳥。
ツバメはスズメ目ツバメ科の渡り鳥(夏鳥)。
頭・背面は光沢のある藍黒色、下面は白色、額と喉は赤褐色、胸に細い黒帯。
翼の初列風切が長く伸び、飛翔性に優れ、尾は切れ込みの深い2股の所謂 "燕尾形" で、雄は雌より長く、幅が狭い傾向があると云われます。
空中を飛びながら生きた昆虫類を捕食し、水面滑降し飲水。
脚は短く歩行には不向きで、飛翔に特化した体の構造。
泥と枯草と唾液を混ぜて椀型の巣を造営。
巣造りから雛の巣立ちまで雌雄共同作業。
古巣を修復して使用することも多いとされます。
抱卵して2週間で孵化し、更に3週間、親ツバメはせっせと餌を運びます。
生存確率が必ずしも高くない自然節理の厳しい環境下、親鳥が間近で見せる、一生懸命に雛を育てる姿は感動的です。
間もなく巣立ちのシーズン。
来シーズンもまたツバメをあたたかく迎え、見守れる街のやさしさは是非堅持したいものです。
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2015年5月24日 18:00
ファンケル銀座スクエア(銀座5)10Fテラス付サロンスペース「ロイヤルルーム」にて恒例の「ローズガーデン2015」が開幕。
今回は「bienvenue~しあわせ香る癒しの庭へ~」をテーマに空中庭園が美しいバラで埋め尽くされています。
会期:5月22日~29日(11:30~18:30)
期間中、武蔵野バラ会会員による「バラの相談会」や堀江聖子氏による「ドールガーデン体験会」等も設営されています。
5月24日(日)には、バラ研究家、石黒秀子氏による、香りのバラトークショー「香るバラに魅せられて」が組まれています。
また期間中、館内の「バラのある風景」のフォトコンテストも実施されています。
今年もまた、銀座の真ん中、地上40mのプチ庭園は、人々を魅了して止まない、バラの甘い香りが漂い、丹精を込めて育てられた様々な花姿は、訪れる人々の目を楽しませてくれます。
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2015年5月 9日 18:42
2年に1度開催の恒例の神田祭。今回は、2016年に神田神社遷座400年を迎える「ご遷座400年奉祝大祭」として一段と盛り上がりを見せています。(5月7日~15日)
神田祭も元々は氏子町の勇壮な山車や、当時流行していた文化芸能(能・浄瑠璃歌舞伎・舞踊・音曲・草双紙・伝説など)を多様に取り入れた踊り屋台や曳き物、仮装行列などからなる「附け祭」が中心をなしていたようです。
明治に入ると、路面電車の開業・電信柱の敷設等で山車の通行に支障をきたし、山車に代わり、神輿渡御を「渡御祭」と称するようになり、戦後「神幸祭」へ名称変更し、江戸時代からの心意気は時代の波を乗り越え、脈々と受け継がれてきたとされます。
平成に入り、歴史の回顧がきっかけとなって、「附け祭」が復活。かつての曳き物の「大鯰と要石」「大江山凱陣」「花咲か爺さん」「浦島太郎」等が復元。5月9日行なわれた今年の「附け祭」は、天下祭の山車の様式が伝わる静岡県・三熊野神社大祭の2町の称里(ねり=山車)、勇壮な「相馬野馬追」の騎馬武者、神田神社のキャラクター「みこしー」、神馬「あかりちゃん」など新たなキャラクターも加わり、目を楽しませてくれました。
15:00 有馬小学校発
16:15 小網町児童公園
16:30 日本橋三越前
17:25 秋葉原電気街
18:15 神田明神着
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2015年5月 9日 09:00
5月6日は二十四節気の「立夏」。
太陽の黄経が45度に達する時で、「夏立つ」「夏来る」とも称されます。
「晴海トリトンの庭」の木々の若葉も青々と茂り、魅力的な季節です。
館内ポケットプラザ「花・水・木」のグリーンアドバイザーの案内で園内を散策する毎月恒例の「ミニガーデンガイドツアー」。
今月は7日に「春の彩り」のテーマにて開催されました。(12:30~12:50 14:30~15:20)
「花のテラス」では「ベニバナトチノキ」の赤色、「ヤブデマリ "ピンクビューティ" 」の白色(咲き始めの所謂"装飾花"は白色で、咲き進むと徐々に薄いピンク色に染まります)、「モッコウバラ」の淡い黄色の3色が好対照をなしています。
今回もプランツ・ウォークを通じて、いろいろと季節の花に関し学びましたが、途上目に留まった、《シラー カンパニュラータに吸蜜飛来するアオスジアゲハ》の様子を取り上げてみました。
花のテラスの一角の足許を飾る冒頭の「シラー カンパニュラータ」。
別名ツリガネズイセン、スパニッシュ ブルーベル。
キジカクシ科ヒアシンソイデス属(ユリ科シラー属とも分類)の多年草で、薄紫色の釣鐘型の沢山の可憐な花が群生しています。
一方の「アオスジアゲハ」。
幼虫はクスノキ、タブノキ、ニッケイ、ヤブニッケイなどのクスノキ科を食樹とするため、近年、都心部でもポピュラーな種のひとつ。
成虫の出現期は5ー10月、年2ー4回発生するとされます。
ちょうど各地気象台観測の「キアゲハ初見」の「季節の便り」を聞く時節です。
翅は黒色で、前翅と後翅に、鮮やかな青緑色で半透明の窓のような模様の帯は、人目を引きます。
動きは敏速で、樹木や花の周りをめまぐるしく飛翔。
"アゲハチョウ" には珍しく、通常、翅を閉じて静止する習性があるとされます。
翅を小刻みに震わせての吸密行動にしばし釘付けです。
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2015年5月 3日 09:00
5月1日(金)~8日(金)(7日は休室)、都庁南展望室で、東京都公文書館パネル展「延遼館の時代~明治ニッポンおもてなし事始め~」が開催中。
2020年東京オリンピック・パラリンピック大会の開催に向けて、海外からのお客様をおもてなしする施設として、浜離宮恩賜庭園に、近代日本最初の迎賓施設であった「延遼館」の復元が予定されていますが、これを機に、東京都公文書館では、改めて、所蔵資料に加え関係機関の資料調査を開始し、これまで解明の進んでいなかった延遼館の歴史に光を当てる作業を取り進め、その中間報告として、今回のパネル展開催に至った由。
<展示構成>
Ⅰ 浜御殿と幕末の海軍施設「石室」
Ⅱ 明治日本の外国貴賓「おもてなし」
Ⅲ 西欧式「晩餐・夜会」で「おもてなし」
Ⅳ 延遼館 外務省から宮内省へ
慶応2年(1866)、浜御殿が幕府海軍の管轄とされ、翌年、海軍庁舎・教習施設として「石室」と呼ばれる木骨石造の建物が建造。明治2年(1869)イギリス王子エジンバラ公を国賓として迎えるに当たり、急遽「石室」に営繕を加え、ここに延遼館の名が付けられた近代日本最初の迎賓施設が誕生。明治3年(1870)、旧浜御殿一円宮内省の所轄となりますが、延遼館のみ外務省が所轄。明治16年(1883)鹿鳴館が落成し、外務省主催行事の表舞台の地位は譲ったものの、明治17年(1884)、初めての天覧相撲が開催され、明治以降停滞傾向にあった相撲界にとって、起死回生の転機になったと語り継がれているようです。同年宮内省所轄に移行。明治23年に取り壊しに至るまで、外交上の接遇の主要舞台として、あるいは政府要人らが催す会議や祝宴、イベントの会場として幅広く活用されてきた延遼館の姿が浮き彫りにされています。
国指定特別名勝及び特別史跡の浜離宮恩賜庭園内に、この歴史的建造物が復元される日が待たれます。
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2015年5月 2日 09:00
風薫る5月。新緑が眩い、爽やかな季節を迎えました。
浜離宮恩賜庭園の「延遼館跡」、「潮入りの池」の「お伝い橋」前、お伝い橋中程の「小の字島」各々の藤棚は、薄紫色の花色で彩られています。
この時期は、延遼館跡の藤棚を間近で見られるよう、特別に柵を外して解放しています。
フジはマメ科フジ属のつる性落葉木本。
棚仕立てで、"藤紫色" の花穂が垂れ下がって咲く様は、艶麗で、芳香があり、また、"藤波" と表現されるように、風に揺れて咲く有様も、動きのある花として、古来人気があります。
日本固有種にはノダフジとヤマフジがあり、一般にフジというとノダフジを指すようです。
<ノダフジ> 花穂は長く、つるの巻き方は(上から見て)右巻き
<ヤマフジ> 花穂は短く、つるの巻き方は(上から見て)左巻き
別名「カピタン(花美短)フジ」
花色はシンボルカラーの藤色の他に、白・桃・薄紅色などがあります。
尚「キバナフジ」と呼ばれる「キングサリ」はマメ科キングサリ属で別属。
園の職員の方の話では、園内はヤマフジが大半とのことですが、「お伝い橋」北端の藤棚には、ちょっと毛色の違う、珍しいノダフジ系の「八重黒龍藤(ヤエコクリュウフジ)」が植栽されています。
別名「牡丹藤」。
雄しべの弁化が著しく、「牡丹咲き」になる特異な品種とされています。