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築地は建築遺産の宝庫

[中央小太郎] 2016年8月31日 09:00

8月中旬に築地を案内する機会があり、1か月程の期間で改めて築地を勉強しなおし、
なんて面白い所なんだと再認識させられました。

 

築地の魅力を分類すると、以下にカテゴライズされるかと思います。
 ①築地の歴史(1) 築地市場 場内および場外
 ②築地の歴史(2) 埋立と本願寺
 ③築地の歴史(3) 外国人居留地
 ④建築遺産
 ⑤グルメの宝庫

 

④⑤は①~③の歴史や立地との関係で理解するとさらに魅力が増すと思います。
今回は、そんな築地の魅力の中から「④建築遺産」にスポットを当ててみたいとと
思います。

 

築地の建築遺産は、以下に分類できると思います。
 ア. 昭和初期の街並み(町屋群、看板建築、路地)
 イ. 寺院
 ウ. 外国人居留地の面影
 エ. 扇型の築地市場

 

このうち、アの古い町屋や看板建築、イの一部の寺院は、ワールドモニュメント財団
(米国の非営利団体)が2年に1回発表する危機遺産リストとしても選出され、存続が
危ぶまれる歴史的建造物群として世界的にも注目されている代物です。

 

以下に、建築遺産の分布地図を示します。

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◆◆築地周辺の建築遺産分布◆◆


ア. 昭和初期の街並み(町屋群、看板建築、路地)

 町屋、看板建築、路地は、築地1丁目と2丁目の新富町寄りの部分と
 築地6丁目~7丁目にかけてのエリアに多くみられます。
 個人的には、広い範囲に昭和な雰囲気を色濃く残す6丁目界隈が一番好きです。

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<築地2丁目の路地、築地6丁目の看板建築(銅板)>

 

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<築地6丁目の町屋>

 

 もう一つ、場外市場は、混雑と店のひさしに隠れて見落としがちですが、
 上を見上げてみると看板建築が多いのに気付きます。
 また、メインストリートの東通り、中通り、西通りを結ぶ非常に細い路地が
 何本もあり、路地の両脇にも店があるので、「えっ?こんなところにも店が」
 という新鮮な驚きに出会えます。

ck1509_20160829 (5).jpg ck1509_20160829 (6).jpg

<場外の看板建築(モルタル)、場外の通り抜け路地>

 

 ちなみに「看板建築」とは、木造の建物を銅板やモルタルで囲って耐火性を
 高めた建物で、囲いの材質によって「銅板型」と「モルタル型」に分類されます。
 銅板やモルタルに看板のように模様等、様々な意匠を施すことができたため、
 「看板建築」と呼ばれるようです。

 こうした街並み、いつまでも残って欲しいです。

イ.寺院

 ここでは築地本願寺には当たり前すぎるのでふれません。
 場外は、もともと本願寺の寺内町で、多くさんのお寺が整然と密集して並んで
 いました。
 関東大震災後に殆どが移転した経緯があり、いまではほんの幾つかが残るだけです。
 歴史的建築物という点では、この中の「円正寺」は外せないと思います。
 円正寺は側面が場外市場の店舗と一体化され、看板建築とお寺が融合したような
 他では見られない珍しい景観をもち、必見だと思います。
 (この景観もずっと残ってほしいです)

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<円正寺(右側が店舗と一体化している)>

 

ウ.外国人居留地の面影

 外国人居留地は、今の晴海通りのあたりから入船の辺りまでと考えて
 良さそうですが、中心地は明石町一帯です。
 建築物としては、当時から残る建物としてトイスラー記念館やカトリック築地協会
 が残っています。
 他に聖ルカ礼拝堂があったりガス灯が残っていたり、また一帯は緑が多く、洋風な
 雰囲気を感じ取ることができるかと思います。

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<聖ルカ礼拝堂、トイスラー記念館>

 

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<築地カトリック教会>

 

エ.扇型の築地市場

 扇型の築地市場の建物そのもの、場内の仲卸業者の売り場や魚河岸横丁の
 建物、それから活気のある市場の雰囲気も、私にとっては魅力的な建築物の一つです。
 ただ、こちらは豊洲への移転後にはなくなってしまうので、今のうちに行って
 おきましょう。

 

それから一点補足します。
築地は、今は殆ど埋め立てられていますが、もともと築地川を中心に水路が
張り巡らされた土地で、跡地は緑道になってるところも多く、緑も豊かです。
特に聖路加国際病院の一帯は歩いていて気持ちいいですね。古地図と現代地図、
さらに当時の写真等を見比べながら、一帯を散策すると楽しいです。

 

今回は建築遺産という観点で、築地を紹介しました。
機会があれば、グルメという観点でも記事を書いてみたいと思います。
歴史と建築物とグルメ。市場は移転しますが、それでも築地は人を飽きさせない魅力に
あふれています。

 

 

カルガモさん便り 2016年 夏

[佃のうさこ] 2016年8月30日 18:00

石川島公園隅田川テラスで見られるカルガモさん達は、みんなが揃うと2ペアとシングルの合計5羽です。みんなが相生橋のたもとにある浮島を寝床にしているかは定かではありません。それは、カルガモさんが神出鬼没だからです。きょうは、カルガモさん達の日常を石川島公園の夏とともにお届けします。

 

石川島公園の花壇、サルビアの赤色が川面の青色と映えて美しいですね。

カルとサルビア.jpg 

パリ広場のクローバーが一面に白くなる頃、カルガモさん達もお気に入りなのかよくお散歩をしています。

カルとクローバー①.jpgカルとクローバー②階段.jpg 

お散歩して疲れたら桜の木陰で一休み。

やっぱりカルガモさんも晴れやかな風景がお好みなんでしょう。

カルと.jpg 

おっ‼日光浴‼

カルとおじさん.jpg 

朝6時半、対岸では毎日体操をしている皆さんが。

アオサギさんは朝食の好機を狙っていますが、カルガモさんは器用にまだ寝てる、、、。

カルとアオサギと体操.jpg 

朝のランナーが通り過ぎるなか良いポジション取りでカルガモさんは羽繕いに余念がありません。

カルと朝ウオーク.jpgカル4枚.jpg 

犬さんとはお互い仲良くとはいきませんが、距離を保てば共存も大丈夫。

さあ、今日も一日がスタートです。

カルと柴犬.jpg 

カルガモさん達をこれからも皆さんで見守っていきたいですね。

 

 

水生植物の小景

[サム] 2016年8月30日 12:00

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DSC02352RSG.jpg

8月23日は暦の上では処暑。

二十四節気のひとつで、暑さがやみ、朝夕しだいに冷気が加わってくる候とされますが、まだまだ厳しい残暑が続きます。

そんななか、街なかの、オフィスや住宅の建物の谷間につくられた水と緑の空間は細やかながら、涼やかさと安らぎのひとときを演出してくれています。

佃リバーシティのマンション群の中庭の "池" に設えられた "ハナバスとスイレン鉢" もそのひとつ。

ハスはハス科の水生植物。根茎の肥厚部は蓮根と呼ばれ、食用とされますが、花が美しいので、古くからハナバスとして、花の色、大きさ等により多数の園芸品種が作出されています。

スイレンはスイレン科の水生植物で、朝開花し午後に閉じるのを、睡(ねむ)ると見立てて名付けられたと聞きます。その開閉時間は品種によってまちまちで、日本に自生するヒツジグサは未の刻(午後1~3時)に花を開き、夕方の5~6時に花を閉じるとされます。

何気ない日常情景に心が和みます。

 

 

クールジャパン 「築地」

[CAM] 2016年8月29日 18:00

 本日(8月28日)昼の「クールジャパン」(NHK・BS1)のテーマは、「築地」でしたね。

 

>11月に移転を控えた築地市場。世界的な旅行ガイドブックでも「世界中の新鮮な魚介類が集まる場所」として紹介されている。そんな築地の最後にあたって「築地の何が外国人に愛されるのか?」を外国人観光客へのアンケートで徹底調査!「外国人の見た築地のクールランキング」を作成。築地のどこが魅力的なのか、海外と日本の市場は何が違うのかなどを探る。

 

 築地クールランキングは以下の通りでした。

①  寿司

②  築地市場

③  浜離宮庭園

④  玉子焼きの店

⑤  和包丁の店

⑥  築地本願寺

⑦  果物の店

⑧  波除神社

⑨  乾物の店

⑩  ターレット(運搬車)

 

 

佃上空にノスリあらわれる

[佃のうさこ] 2016年8月23日 16:00

中央区佃、朝6時、小鳥たちのさえずりが賑やかな時間。

ビルの窓々に映る隅田川の水面は、いつものように朝日にまばゆく輝いているのに、

今日は車の行き交う音だけが低く響いています。

何か違うな、、、と思わせる空気が流れたその時、目の前にあらわれた鳥が、

ノスリです。

ノスリ亀島川水門.jpg

タカ目タカ科のノスリは、れっきとした猛禽類の一種。

猛禽類は、優れた飛翔力と鋭いくちばしと爪の攻撃力で餌となる獲物を捕らえます。

その能力を利用して飼い慣らした狩りの方法が鷹狩りで、

古来から世界中で行われていました。

タカ・ハヤブサがその代表です。

ノスリ白いビルの壁を舞う.jpg

江戸時代の将軍と鷹狩りのつながりを見てみると、

初代徳川家康は単なる鷹好きの域を越えて、身体を鍛える養生法として捉えていました。

三代家光は、江戸城内に鷹を飼う「鷹坊」を設置するほどで、

在職中に数百回も鷹狩りを行ったとか。

現在の浜離宮恩賜公園は、十一代家斉・十二代家慶の頃には将軍の鷹狩りの場でした。

ノスリビルの間を.jpg

ところが、タカ科であるノスリは、狩りに使えない役に立たない鷹として、

「まぐそたか」「くそとび」と何とも気の毒な名前で呼ばれていました。

それは、ノスリの餌が小型の野鳥ではなく、主にネズミや蛇だからです。

ノスリビルの屋上に止まる.jpg

精悍な顔、たくましい足、10階建てビルの屋上を止まり木にする姿には、

いつの時代も人に飼い慣らされることなく自由であった誇りさえも漂うようです。

ノスリ青空飛行シャープ.jpg

そんなノスリの滑空が見れる朝6時の佃上空です。

 

 

一度は体験してみたい、銀座の路上で幽玄の宴。金春祭り虎の巻!

[柴犬] 2016年8月23日 12:00

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皆さんは、年に一度の八月に、銀座で「能楽金春祭り」という能のお祭りが開催されているのをご存知でしょうか?

銀座の金春通り近辺で五日間に渡り、能楽講座や親子体験教室など様々なイベントが開催されます。その大トリが、金春通りで行われる路上奉納能です!



夕闇の中で上演される貴重な演目は、まさしく一見の価値あり。ぜひ一度見てみたい...でも事前情報があまりないから腰が引けてしまうな...という方もいらっしゃるかと思います。そんな方のために!今回は、路上奉納能を見学するための一連の流れを簡単にご紹介致します。



IMG_4149.jpg金春祭りの会場、金春通りです。場所は以下の通り。駅は新橋が近いです。



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会場で能を見学するのは無料ですが、大抵は満員御礼となり会場に入れませんので、事前に係りの方から整理券(座席指定券)をいただきます。整理券は、金春通りにて当日午後四時からお一人様につき一枚配られます。...が、四時に行ってもおそらく手遅れです。二時にはすでに10名ほどの待機列ができています(ただ、この待機列は自主的なもので、運営の方が整備して下さるのは三時以降となります)。



配布が開始される午後四時にはこの行列です!



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先のブロックまでずーっと並んでいます。



無事整理券をいただいたら、あとは自由です。午後五時四十五分までに座席に戻っていれば大丈夫です。上演は午後六時から。時間までに座席に戻ってこなかった場合は、指定券は無効となり他の方に譲られます。

会場の近くには豊岩稲荷(とってもオススメ!)などもありますから、時間まで散策するには事欠きません。



ここでポイントです!



整理券は座席指定券となっているので、配布する際に係りの方が調整します。空いている席で好みを聞いて下さる場合もあります。ですが、連番人数などの兼ね合いもありますから、「早く列に並んだ方が良席である」ということは、必ずしも言えないのです。

まず最前列の方は関係者や流派の方が座ります。一般はそれ以降の空いている席に座ることになります。ですから、「先に並んでいた三名様」よりも「後から来たお一人様」の方が良席になる可能性は大いにあるのです。

更に、開演時間になっても空いている席がある場合、座席指定の整理券を持っていない方々が順次通されます。そして、その空いている席というのが「関係者席」だったりするのです。すると、全く並んでいなくてたまたまその場に居合わせた方が最前列へ!!なんていうことも起こり得るのです。万が一そういう残念な事態になってしまっても、怒らない...悲しまない...というメンタルも必要になります(笑)。



座席間の細い通路などにも、整理券を持っていない方がお座布団に座って観劇します。こちらも運良く最前列へ行ける場合があります。逆に言えば、タイミングが合えば整理券のために並ばなくても見学できる可能性があるということです。



さて、設営が済んだ会場です。



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奥に作られた御祭壇。



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カメラで会場全体を撮るのはちょっと難しく分かりづらいので、こちらの全体図をご覧ください。



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このような配置になっておりますので、なんとなくおわかりかと思いますが、一般客席からは基本的にそんなに良く見えません!!金春祭り奉納能は興行ではなく神事で、流派もありますから、これは仕方のないことです。ただ、「思ったより見えない」という程度で、だいたいは見れますし、お練り行列が最初にあるので、そこで演者の方を間近でばっちり見られます!



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演目が始まったら撮影は禁止です。注意されてもパシャパシャ撮り続ける方がいますが、神事を許可なく気軽に撮影するのは良くない行為だと思いますよ...。



上演時間は一時間ほど。普段見れない貴重な演目を、専門家の方の解説とともに楽しめます。とにかく雰囲気に圧倒されます。逢魔時、銀座のネオンの灯りの中で古の演目を踏む姿はまさに幽玄です。影と衣摺れの音があっていて、演者さんの姿が見えなかったとしても伝わるものがあるのではないでしょうか。




終演後は見学者のみなさんも御祭壇にお参りです。



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結構な苦労をして席をゲットしなければならない...というハードルはありますが、きっと貴重な体験になるのではないかと思います。銀座の柳に思いを馳せて。



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素敵なパンフレットもいただけますよ〜。



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