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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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おいしい観光

[デ・ニーロ] 2016年2月 3日 09:00

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 中央区観光協会主催の「チャレンジ&スキルアップ研修」というのに参加してきました。

 


 近年増加しつつある多様化したレベルやタイプの客層に向けて、柔軟に対応できるような地域観光のナビゲーターを育成すべく、特派員にツアーの企画からコース案内までをシュミレーションさせ、その模様を外部の有識者を交えて観察・分析し、評価するというもの。同じ観光地や史跡などをご案内する場合でも、20代のカップルと60代のご夫婦とでは、接客を変えるべきなのか判断が難しいことがあります。だからといって平均値的な40代向けのアプローチでお茶を濁してよいものなのか・・・

 


 細分化されたまち歩きの参加目的意識にもばらつきがあるし、社会情勢や世代的価値観の変化への対応能力と、ガイディングの内容や現場でのリアクションなどがシビアにチェックされる。ツアー終了後に有識者から「あそこの案内がなってない」とか、やれ「勉強不足だ」だの、「早口すぎる」、「間が長い」「おやじギャグがつまらない」「情報が古い」などなどと、クドクド、ネチネチ、キビシいことを言われまくって心が折れそうになる(>_<)

 


 残念ながら、そんな恐ろしい研修ではありませんでした。自分の得意なコースを、自分が好きなように案内し、よかったところだけが評価され、悪かった点は「やんわりと教えてくれる」という、ものすご〜く優しい研修なのです。関係者の皆様、ありがとうございました。

 


 アタクシは別に銀座が得意というわけでもなかったけれど(どちらかというと新橋の方が好きですが、あそこは港区なんだよね)、出発地点が銀座の電通ビルの前だったので、その周囲のエリアで、資生堂や商法講習所跡(一橋大学発祥の地)、石川啄木歌碑や金春屋敷跡などといった、「ものしり百科」に載っている重要コンテンツで最初は構成してみました。だけどふと思ったのです。これって面白いの? 

 

史跡・名所好きなら誰が考えてもこうなる?

 

 
 自分で企画しておきながら何ですが、絶対に申し込みたくないコースです。

 

 ソフトバンクの人工知能ロボット、ペッパー君でもやれちゃうような案内に、どんな意味と魅力があるのか?

 


 地図アプリやGPS観光情報ソフトをスマホにダウンロードしてやってくるマニアックな観光客に、こちらが歴史的な案内をしている最中、目の前でググられて「その点では異なる見解もあるようですね」とかなんとかツッコミが入る〜 (>_<)

 


 ガイドというのは、ボランティアだろうがプロだろうと、お客さんに楽しんでもらってなんぼの世界。どんなお客さんであっても、心をホッコリわしづかみできるような素晴らしいガイディングとは、いったいどういうものなのなんだろうと、ずっと模索してきました。

 (出来もしないくせに)欲を言えば感動を与えたい。そんな贅沢な野望を抱いて、それを実現するために何が必要なのかを考えていました。
 
 昨年は、中央区内の定点観測でいろいろなガイドさん達のご案内を見学したり、特派員仲間の活動も参考にさせてもらってきたのですが、どのガイドさんもよく勉強しているし、話も上手く、準備も万端、やる気もマンマン。時折個性を出しながら無難にこなしておりました。

 

 

ただ、何かが足りないような気がする。

 

 

 その「何か」とはおそらくコミュニケーションなのですが、その前にガイドが伝えようとする情報・ネタ・内容がたくさんありすぎて、

 


 申し分なさすぎ! っていうのが、

 


もしかしたら根本的な原因なのではないかと思いました。

 


 ガイドを行うには、付加価値情報も含めて膨大な量を勉強しなければなりません。「案内する」とは、「勉強する」と同義語だと思います。しかし、なんでもかんでも詰め込んで、大学の講義のような観光案内にすることはない。それこそ本当にツマラナイ大学の講義と一緒で、面白くもなんともない。講義内容や教材、テーマや項目は、すでに長い歴史があって、マンネリ化しています。

 


 他のみんなと同じやり方でやっていてもしょうがない。「ガイディング」を工夫する。ペッパー君には真似のできないイマジネーションで創造性を持たせたプレゼンテーションに仕上げるのが、ヒューマン・ガイドの腕の見せどころではないでしょうか。古いものでも新しいものでも、何よりも自分が感じたこと、感動したこと、こだわりのテーマをお客様と共有できるかが鍵です。まず自分自身が楽しめることを大切にして、その結果としてお客様にも楽しんで頂ければ最高でしょう。

 


 そうすることによって、オリジナリティあふれる、クリエイティブなガイドが実現するのではないかと。

 


 そのためには、コンテンツの分量を削ぎ落とし、シンプルにする。あまりにも具がたくさんあると消化不良を起こします。深く考えずに適当にするバランス感覚と潔さみたいなのが必要だと思うのです。

 


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↑ 中央区観光協会の「江戸まち歩き」パンフレットを、デ・ニーロ版に加工したものです。配布はしておりません。


 同じ食材を使っても、味の異なる料理が出てくるのは、シェフの腕と個性です。ガイドの適性とは、料理人のそれと同じようなものかもしれない。

 


 アタクシが理想とするのは、おいしい観光。

 


 甘いばかりじゃ、退屈です。

 


 辛い、苦い、シブい、と。

 


 いろいろあるのが、大人の観光。

 


 問いたいのは味であります。

 


 身も心もとろけるような観光。

 


 よく噛みしめてわかる深淵なおいしさ。

 


 ちょっとクセのある不思議なおいしさ。

 


 味のないのは嫌い。まずいのはダメ。

 


 歴史や文化のおいしさを味わうトリップは、自分の「旅物語」を探すことらしい。

 


 美味しい人に会って、おいしい本を読んで、

 


 おいしい情報を見つけて、テキトウに知る。

 


 あ〜! 今ごろ気づいたのですが、アタクシは料理が出来ないのでした(>_<)

 


 それでもコンビニで買ってきたテキトーなおかずやドリンク類で、それなりに心のこもった「お・も・て・な・し」はできるはず。

 


 お客さんと一緒にアタクシも、もっと食いしん坊になるつもりの2016年です

 


(>_<)

 

 

 糸井重里さん、ごめんなさい(>_<)

 


【デ・ニーロの過去記事(>_<)】

 


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