中央区観光協会オフィシャルブログ

中央区観光協会特派員ブログ

中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

執筆者一覧

>>このブログについて

最近のブログ記事

中央区リサイクルハウス『かざぐるま』

[王冠とあざみ] 2016年12月 1日 14:00

中央区リサイクルハウス『かざぐるま』は、区の環境推進課環境活動係に位置し、

 

①資源の回収

牛乳パック、食品用発泡スチロールトレイ、乾電池、布類、インクカートリッジの回収等

 

②リサイクルコーナーの運営

家庭で不要になった衣類・雑貨・食器等の委託品を、希望者へ有償または無償で提供

 

③不用品交換情報の掲示

かざぐるまで展示できない、大型家具や高額品を「譲りたい方」「譲ってほしい方」へ情報掲示

といった、資源のリサイクルが主体の店舗型事業です。

 

 

メインは②の不用品の売買。

つまり、街場でいうところの、リサイクル・ショップ、古着屋さんの機能があること。

下限は¥50~どんなに価値があるものでも最高上限¥3,000までの販売。

それよりも高い価格のものはないのです。

 

この『かざぐるま』。明石町と箱崎にあるのですが、嬉しいことに、わたしは、住まいからも、勤務する会社からも、それぞれ徒歩5分の距離にあるので、どちらも週1回の頻度で覗いておりまして、それはそれは信じられないほど想いがけない、素敵なアイテムをゲットしているのです。

 

『かざぐるま』の近隣には聖路加レジデンスやTキャットなどがあり、中央区ならではの、超・高所得の方が住んでいることが容易く想像され、それが影響してるのかどうか、検証のしようもないのですが、古着の玉石混交の中には、時に、世界の一流ブランド、例えば、シャネル、ミッソーニ、アルマーニ、サルヴァトーレ、グッチ、フェンディなどもあったりして。他には、銀座老舗の洋装店でお誂えしたと想われる特注品から、昭和初期頃に、洋裁の心得がある方がすべて手仕事で仕上げたドレスやコート、さらには一点ものの輸入小物まで、どんなに高価でも¥3,000を超えることは無いのですよ! サイズとテイストが自分の好みにぴったり合えば、ゼロの桁が2桁ぐらい違うはずのお品が、夢のような嘘のような価格でお買い物出来ちゃうのです。

 

洋服だけではありません。

小物やアクセサリー、食器まで、しっかりチェックしましょう。

 

足繁く通ったこの5年で、いまや、自分の所有物の6割~7割は『かざぐるま』で入手した物になりました。もはや、お着物や靴以外、デパートやブティックでプロパーの買い物をすることはありません。

 

また、東日本大震災の時には、わたしの実家が南三陸町という、甚大な津波被害に遭ったところだったため、着の身着のまま、高等学校へ避難した家族はじめ、なるべく多くの方に行き渡るよう、老若男女向け問わず、温かさ重視の衣料を、『かざぐるま』の安価に感謝し、手当たり次第に買い求め、幾つものダンボールで送ったものでした。

 

そのダンボールが避難所で開かれる瞬間にも立ち会ったのですが、避難生活が長引き、疲労困憊だった方々の目に光が宿り、素直に『装う喜び』を味わっていただけ、ささやなながら、力添えになったように感じました。

 

さて、わたくしも50歳を過ぎて、物を入手するだけではなく、やはり『断捨離』に目覚めたのですが、ここでも『かざぐるま』のシステムが手助けになっています。不用品の無償コーナー=タダで持って帰ってOKコーナーがあるので、自分には必要無いけれども、ゴミとして処分してしまうには偲びない物は、必要書類に明記し、無償で提供しちゃいます。

 

このように多様に利用価値のある『かざぐるま』。一度行っただけでは、なかなかブランドものに出会える確率は低いと想いますが、ご存知なかった方は、この機会に、ぜひ覗いてみてくださいませ。

 

ちなみに、もう、わたし『かざぐるま』が側にないと生きていけないので、中央区以外には住めません。。。

(^_^)

ck1216_20161130 (1).jpg ck1216_20161130 (6).jpg ck1216_20161130 (4).JPG

ck1216_20161130 (2).jpg ck1216_20161130 (3).jpg

ck1216_20161130 (8).jpg ck1216_20161130 (5).JPG

ck1216_20161130 (7).jpg ck1216_20161130 (9).JPG

 

 

築地の新名所 Tutto Bene!

[王冠とあざみ] 2015年6月22日 14:00

築地在住と自己紹介すると、

『築地で一番美味しいお店は何処?』って

質問されることが多いのですが、そのような時には

寿司でも、定食でも、ラーメンでも無く

築地場外市場のイタリアン『パラティーゾ』をオススメしていました。

が、最近では、口コミでもすっかり評判に成って、観光客の行列が絶えず、

席の確保が大変すぎて、地元の人々が立ち寄りにくくなっていたところ。

 

しかーし、なんと6月初旬、築地7丁目(中央区築地7-10-10)

姉妹店の『トゥットベーネ』がオープンしました!

薪窯料理、つまりこちらの店舗では、ピッツァもいただけるのです!

 

__T.JPG

 

イタリアンの魅力は、元来、イタリア地方、それぞれに根付いている

無骨で力強い味わいにあるはずが、

日本の大抵のイタリアンは和風にアレンジされてたり、

上品に進化し過ぎてたりする傾向が...

けれど『パラティーゾ』『トゥットベーネ』は、そのような風潮に迎合などせず、

これが南イタリアだ! なんか文句あっか!

ぐらいのスタンスと勢いに満ち溢れているのです。

 

テリー伊藤氏が日本一美味しい!と絶賛し、

『パラティーゾ』で、一躍名物となった

「本日仕入れた貝類とチェリートマトのペスカトーレ風リングイネ」は、

『トゥットベーネ』にも健在です。

 

訪れた日のペスカトーレには

帆立貝、ムール貝、浅利、蛤、烏賊、手長海老等、

シーフードが何種類も入っていて、、、どれだけの出汁が抽出されているか

美味しさを想像するの容易いでしょう? 

手をベタベタにしながら(ワイングラスもベタベタ)

夢中になって貝や殻をチューチュー食すと、もれなく貝塚が出来上がります。

 

__ (10).JPG

 

 __ (8).JPG

 

そして当然、薪窯で焼き上げられるナポリピッツァも食べなくっちゃ!

縁が厚くモチモチしていて、

膨らんだ縁に焦げ目が付くのがナポリピッツァの特徴。

ゴルゴンゾーラと胡桃のピッツァは、塩味と甘味のバランスが絶妙です!

 

__ (11).JPG

 

この日は、これにて、お腹いっぱいになってしまいましたが

実は、ドルチェも絶品なことを知っているので

後日ランチで再訪した折に、ピスタチオのティラミスでリベンジ。

素朴に見えて、素朴だからこその底力。

ボリュームがあるのに、風味豊かでぺロリといけちゃいます。

 

__ (4).JPG

 

Tutto Bene!』とは、イタリア語で

『すべてうまくいくよ!』『問題ない!』っていう意味だそうですが、

ここで、美味しさと元気を注入したら

本当にそのような心持ちになりましたよ! 

 

__ (10) (2).jpg

 

 

ボーダー屋さん

[王冠とあざみ] 2015年5月16日 22:12

築地7丁目の老舗文房具店が閉店し、

また文化の灯がひとつ消えてしまったのかと

心寂しく感じていた矢先、

その店舗あとは、多彩なフレームのショウ・ウインドウの利点を生かして

フランス直輸入のウエアを取扱う、ショー・ルーム『アンカー』となった。

覗き込むと、小粋なボーダー・シャツが並び、一見、ボーダー専門店の様相。

わたしは便宜的に「ボーダー屋さん」と呼んでいるけれど、

基本は卸だし、訪れる方によって「しましま屋さん」等、

好き勝手に呼ばれているらしい。

 

 __ (13).JPG

 

日本でも大人気の『ボーダーTシャツ』『バスク・シャツ』(バスク地方発祥)は

1820年代ぐらいから、フランス・ブルターニュ地方の

船乗りに着用され続けており、

現地ではむしろ『marinier(マリ二エール)』漁師風、

『Bullton(ブルトン)』(ブルターニュ地方発祥)と

呼ばれているとのこと。

元祖論争は諸説あるものの、いずれにせよ、のちに海軍の制服に採用、

ボーダーの数は、ナポレオン・ヴィクトリーと同じ数と明確に決定づけられ、

今や次第に全世界に広まって、流行の遍歴に左右されない定番として、

老若男女のワードローブに欠かせないアイテムになっている。

ピカソやヘミングウエイが愛用しているポートレート写真も有名ですね。

皆さんも1枚ぐらいは・・・。ボーダー好きなら何枚も、手元にお持ちでは?

 

 

代表の高松さんは、ハウス・マヌカンが台頭していた

バブル期~後半にかけてアパレル企業に就業し、

一握りを除いては、まったくクリエイティブとは言えない

デザイナーズ・ブランド、キャラクターブランドのイージーさに辟易し、

興味が薄れかけていた時、

ファクトリー・ブランドというカテゴリーに出会う。

 

__ (20).jpg

学生時代からイギリス音楽にはまり、

その文化的背景を知るなかで、産業革命・工業革命がもたらした

イギリスの工場機能の素晴らしさを肌で感じていたことと相まって、

『洋服の原点』=オリジンに気持ちが向かうように。

 

ところが縁が繋がったのは、

イギリスではなくて、フランス、マリンウエアの老舗。

エージェントを引き受けることになり、数人と独立。

渋谷~青山~銀座と展開して来たが、

時代と年齢に伴って、洒落た立地からかけ離れた、築地へ移転。

 

 

あまりにも赴きが違いませんか?という質問に、

「確かにこれまで付き合いがあるところとは、まったくチャンネルが違うのですが

例えば市場で働く人、

エンド・ユーザーから直接声を訊ける面白さがあります」との返答。

築地市場から数分の距離。ゴム長靴を履いたおじさんがふらっと立ち寄り、

質実剛健な仕事着として購入していくようなことが、

彼にとってはまさに、理にかなった原点=オリジンの再確認になっているよう。

 

店内は、実はボーダー・シャツの他、

高松さんが惚れ込んだファクトリー・ブランドが、多数鎮座している。

 

【armor lux(アルモー・リュックス)】ブルターニュ地方

創業1938年。

ブランド名はブルトン語で「海の光」

マリン・ストライプの、肌触りの柔らかいボーダー・シャツが象徴。

子供服、紳士服、ランジェリーまで、幅広く手掛ける。

 

Fileuse d'Arvor(フィルーズ・ダルボー)】ブルターニュ地方

創業1927年。

『ヴィンテージリブ』 と呼ばれる昔ながらの手間のかかる

編み立て生地が採用されているのが最大の特徴のニット。

やはり、ボーダーが象徴的で、現行フランス海軍に支給されている。

 

GUY Cotten(ギ・コッテン)】ブルターニュ地方

創業1964年。

yellow oilskin item」で揺るぎない地位を築く。

ゴムびきのカッパやつなぎがメインで、

フランス漁師ウエアのシェアなんと99%。

いち早くマジック・テープや溶解圧着を取り入れ、

現代が求める利便性、耐久性を追求。

 

【Arpin(アルパイン)】サヴォワ地方

創業1817年の老舗。

アルプスの羊毛のみを使用し、国家遺産の機械と技術で

製糸から織りまでを手掛けている。

最近ではケミカルな素材も取り入れた、機能性重視のウエアが充実。

オススメは、

北極探検家ポール・エミール・ヴィクトールのシグネチャー・モデル。

 

 

「こういう企業には、現場上がりで、

心底ものづくりが好き+技術が伴ったまじめなオッチャンがいて、

日本向けのサイズや、

僕からのリクエストを本当に良く理解して造ってくれるのです。

だからそこに存在する本物の確かさとストーリーは、

きっと、着てくださったら肌で感じてくれると思います。」

 

__.JPG

(取材当日は奥様もお手伝い。写真右側が奥様。初めてお会いしてすぐに意気投合)

 

わたしにとっては、若い時に、物の良さ、ストーリーなどに気づかず

皆が着ているからというだけで飛びついてみたけれど、

定番だからこそ、なんだか手におえず、難しいものだったのが、

年齢を重ねた今こそ、確立したスタイルで着こなせるように成ったように感じる。

心身共に熟成した世代が着ることにより、服に説得力が現れるのが

ファクトリー・ブランドの底力なのかもしれない。

 

「ボーダー屋さん」は、早くも口コミで人気を得ているが

目利きが多く、江戸の粋を継承する築地に於いては、至極当然のことなのかも。

ぜひ、高松さんから、ブランド・ストーリーを聞きながら、

人生に寄り添う素敵な一着を見つけてください。

 

中央区築地7-11-10

不定休

 

 __ (7).JPG

 

 

 

水の都のてぬぐい

[王冠とあざみ] 2015年4月14日 15:00

 

水の都と言えば、ヴェネツィアやアムステルダムが有名ですが

江戸は、船の運搬が主流で河岸が発達して来た、まさに水の都でした。

現在の東京、特に中央区は

開発によって、さまざまな川や掘割が埋め立てられてしまいましたが

それでもなお、川と橋が多く、ウォーター・フロントであることに変わりはありません。

 

そんな、江戸より続く水の都をイメージ、中央区にある特徴的な橋をモチーフにデザインし、

水色の本染めで仕上げられた、オリジナル手ぬぐい『ACROSS・CLOTH』が発売されました。

上から、清洲橋、南高橋、豊海橋、日本橋、永代橋、中央大橋、勝鬨橋といった

デザイン性の高い橋で構成されている、中央区の魅力を伝える一品です。

綿100%、約35cm×90cm、¥1,000(税別)

購入出来るのは、中央区観光協会と人形町の風呂敷専門店「東京唐草屋」さんのみです。

_.JPG(162 KB).JPG

 

せっかくですから、

中央区内、大川(隅田川)に架かる8つの橋(河口から順番に)と

手ぬぐいのモチーフとなっている、他3つの橋をご案内しましょう。 

 

【大川(隅田川)に架かる橋】

①勝鬨橋

国指定重要文化財

技術を駆使して建造された東洋一の可動橋

シカゴ型双葉跳開橋=つまり、はね橋ですが

昭和45年(1970)11月29日を最後に開閉が停止となっているそう。

開らくとどうなるの?とご興味がある方には

映画「ブルース・ブラザース」の鑑賞をオススメします。

勝鬨橋ではありませんが、

シカゴ型双葉跳開橋が効果的に使用されている名シーンがあるんですよ。

ライト・アップは、ブルーの直線ラインに、双葉のアーチがグリーンで強調されています。

 

②佃大橋

約320年続いた、「佃の渡し」=佃島への渡船場があった場所に架けられた橋。

東京マラソン36km付近にあたり、

橋は傾斜のある登り坂+大川(隅田川)の河口でもあるので

海風が容赦なく吹き付け、挫ける人が出てくる、コース最大の難所としても知られています。

橋のある一部分に立つと、

上手にスカイ・ツリー、下手に東京タワーが同時に見渡せるポイントがあります。

 

③中央大橋

新川と佃を結ぶハープ橋

橋上には、東京・隅田川と、パリ・セーヌ川の友好を記念して、パリ市から贈られた

「メッセンジャーの像(彫刻家オシップ・ザッキン作)」が設置されています。

一見、平坦に見えますが、自転車は立ち漕ぎしたくなるほどの傾斜。

佃の高層ビルと相まって、ウォーター・フロントの象徴的な風景が広がります。

_.JPG(153 KB).JPG

 

④永代橋

国指定重要文化財

重厚でたくましい鋼アーチ橋

アーチがライト・アップされると、ブルーの大きな虹となります。

水面にも、ブルーが映り込んで、、、その美しさは、トレンディ・ドラマの背景に多用されるほど。

ビールを飲みながら、黄昏てゆく様と、

橋のライト・アップ、屋形船の航行を眺めるのも一興です。

_.JPG(115 KB).JPG

_.JPG(126 KB).JPG


⑤隅田川大橋

機能重視のデザインが特徴の二層構造の橋

上段が首都高速道路9号線、下段が一般道路。

薄緑色で、景観を遮る橋として不評だけれど、

逆にこの橋からは清洲橋、中央大橋の景観が楽しめるので

カメラマンには重宝されています。

 

⑥清洲橋

国指定重要文化財

優美な形状はライン川の吊り橋がモデル

平べったく書いた「M」の字のよう。橋の色はグレーがかった、ニュアンスのあるブルー。

ライト・アップは、等間隔に丸い電球が並んでいる、女優ミラーのようですが、

色がピンクのため、グレー・ブルーの橋の色に反射すると、

橋は少し紫がかって、とても妖艶です。

 

⑦新大橋

関東大震災時に多くの人命を救った「人助け橋」

これまで、20回以上も破損、流失、焼落にあいましたが、

交通の要所として存続されて来ました。

現在の橋の黄色い支柱は、アメフトのゴールのようにも見えて、

つい、ボールをキックしたくなります。

さて、ゴッホは、浮世絵に影響を受けて作品を模写していますが、

話題に取り上げられることが多く、目にすれば、「ああ、あれねー」と想う作品は

歌川広重が最晩年に描いた「大はしあたけの夕立」でした。 (左が広重、右がゴッホ)

                                     

 

 

                 _.JPG(80 KB).JPG

 

⑧両国橋

東京都選定歴史的建造物

「武蔵国(むさしのくに)」と「下総国(しもうさのくに)」をつなぐ橋。

高欄の下の赤い線が印象的で、親柱、欄干、橋灯、歩道柵、敷石、

すべてに凝った造作がなされています。

 

 

 

【手ぬぐいのモチーフになっている他の橋】

*南高橋

中央区民有形文化財

江戸時代には船見番所が置かれていた、長さ1kmの亀島川に架けられた橋

関東大震災後の復興予算の乏しさから、

旧両国橋の中央部分を本体の一部に再利用されているので

明治時代のレトロ感が漂い、鉄道模型の鉄橋みたいな可愛らしさです。

 

*豊海橋

中央区民有形文化財

梯子を横にしたような珍しいデザイン

日本橋川が隅田川に注ぐ河口に架かる橋で

すぐ近くの永代橋との、景観上のバランスを考慮して設計されたそう。

白い橋の内部、欄干は濃いブルーで、対比が爽やか。

ライト・アップされると、その独特のフォルムから、列車が停車しているようにも見えます。

 

*日本橋

国指定重要文化財

2011年に、架橋、1世紀を迎えた石造2連のアーチ橋

すべての国道の起点「日本国道路元標」

麒麟と獅子のブロンズ彫刻はガーゴイルのように洗練されていますが

雨樋としての用途はなく、繁栄と守護を表しています。

 

 

 

Turret Coffee

[王冠とあざみ] 2014年5月 7日 09:00

ターレーをご存知だろうか?

築地市場内外を訪れた方なら必ずや目にするだろう、

トロ箱等を運搬する、ハンドルと動力部分と荷台だけの

とてもシンプルな荷役用の運搬車。

特に早朝には殺気立ち、暗黙の了解&ローカル・ルールのもと

『そこのけそこのけ、ターレーが通る』といった体で

縦横無尽に暴走しているけれど、

ターレーに怯まず、堂々とかわして歩けてこそ地元民の証。

 

さて、そのターレーを店名に掲げ、2013年10月にOPENしたのが 『Turret Coffee』

IMG_3905.jpg IMG_6359.jpg

店内には、預かっているターレーが1台。

 

もしや、市場で働いていた人がとらばーゆして始めたのかと思いきや

川崎さんは、コーヒー一筋。

IMG_6276.jpg IMG_5359.jpg

某有名コーヒーチェーン店に勤務後、

アメリカで行われたラテ・アート大会で

アジア人初、かつ歴代最高得点で優勝した澤田洋史氏に師事して研鑽を積み

バリスタとして独立を果たした。

店舗名とロゴマークは澤田氏の監修。

IMG_3013.jpg

 

これまでは渋谷・原宿・六本木といった地での展開で、

集客に困ることはなかったそう。

それならば、せめて銀座や日本橋の方が集客を見込めそうなのに

何故、築地に出店したのか?

しかもすぐ隣は世界的に有名な某コーヒー店なのだ。

「世界的に有名な某コーヒー店も、シアトルのプライスマーケットから始まったし、

美味しいものの発信はやっぱり市場からだと想った。

有名コーヒー店の隣に、、、というのはびっくりされるが、あえてぶつけてみた。

コーヒー好きなら、きっとここにも気づいてもらえるはず、、、と。

未だ苦戦の状態だけれど、このようなスタイルのSHOPを使い慣れて無いだけで

待ち望んでる人々は多いと想う。

各駅に一軒ぐらいあるような、地元に愛されている洋食屋のような存在になりたい」

 

チェーン店のコーヒーショップと違うのは

『エスプレッソ・バー』であるということ。

   通常、わたしたちがコーヒーとしてイメージするのは

   浅煎り焙煎の豆を、ドリップ式で抽出されたものだが、

   エスプレッソは、深煎り焙煎の豆を細かく挽き

   エスプレッソマシンという器具で圧力をかけて抽出するため、

   旨みが凝縮され、風味が濃いのが特徴。

   ちなみにCafe au lait (カフェ・オ・レ)はフランス語

   Caffe Latte (カフェ・ラテ)はイタリア語

ちょうど、バーテンダーがカクテルをつくるように

バリスタが1杯1杯、豆を挽くところから丁寧に淹れ、

メニューによっては驚きとエンターテイメントに溢れた

ラテ・アートで完成されるのだ。

来店のたびに新しい発見をしてもらいたい。

バリスタは職人。誰にでも出来るものではないので

コーヒーに集中して、ここでしか楽しめないものを提供し、

店の味を守っていきたい」と熱く語る。

 

 

メニューは13種類

そのうち、In House Drinksをアルコールに例え、独断と偏見で紹介してみよう。

あなたは何をオーダーする?

 

*Turret Latte

  ビターで濃い目であることが、川崎さんのこだわり。

  ⇒フルボディの赤ワイン

IMG_2897.jpg 

 

*Seasonal Latte Macchiato

  フルーツのフレーバー  

  ⇒カクテル

 

*Espresso

  なんと、日本酒のぐい吞み(酒杯)にて提供される

  ⇒純米吟醸酒

IMG_6609.jpg

 

*Espresso Macchiato

  温かいのと冷たいのがある。ラテの温度の違い。

IMG_7811.jpg IMG_3970.jpg

 

  

  飲み比べも面白い。

  ⇒ウイスキーのショット 

 

 

 

Re-Fish食堂

[王冠とあざみ] 2013年7月24日 09:00

中央区築地。

都心のど真ん中にあって、食、とりわけ海産物の聖地であることは明々白々。

しかし、『安くて旨い』魚を求めて築地を訪れたとしても、市場内はプロ御用達、

定食屋よりは、寿司屋で築地を満喫される方が多いと想われる。

 

『けれど、せっかく築地に来たのだから、もうちょっと魚の違う食べ方をしてみたいな』という方に

今、大人気の食堂がある。

築地場外案内所「ふらっと築地」裏手、Re-Fish食堂

 

水産庁の上田勝彦氏のもと

「魚を食べる事」 「魚の大切さを伝えていく事」 「魚を知る事」

すべてがRe-Fishアクションである

という志を共にする

築地市場関係者、割烹・居酒屋・食堂の店主、海洋大学関係者、グルメメディア等

とにかく『魚・LOVE』な人々が集う活動展開のひとつで、

8月まで(8月のいつまでかは定かではない)の期間限定だ。

 

   logo.gif

 

店長は森山さん。

千葉県富津市から車で通勤している。

刺身のツマにする大根の桂剥きする手際を惚れ惚れと眺めていると

流れる手は止めずにお話くださった。

 

ツマを作ることひとつとっても、特別じゃない、普通のことやってるだけ。

スライサーが無い時代はこうしてたでしょ。

今の『食』は与えられる文化に慣れ過ぎているから

味覚の形成が無く、味の奥深さを知らずにいるのでは?

新鮮だから、高価だからって美味しい訳じゃない。

もっと自分の舌を信用したらいい。

 

だからホワイト・ボードの

「魚にまじめな定食屋です」の下に書かれている食堂のメニューには

聞きなれない、りゅうきゅう丼(大分)、湯煮(北海道・東北)、などあるが

何のことはない、郷土の漁師料理なのだ。

しかし、向き合う心意気が伝わり、何気ないものがすべて美味しい。

 

定食もいいけど、ここは築地。

昼には仕事終いした市場の人に混じって

日の高いうちから、魚の肴をツマミに、一杯やるのも乙なものです。