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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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観世能楽堂 無料公開イベントレポート&夏休み特別企画「はじめて能」のお知らせ

[ミル] 2017年8月19日 09:00

銀座6丁目のGINZA SIX(ギンザシックス)の地下3階にある、観世能楽堂。

皆さまはもういらっしゃいましたか?

 

わたしは7月8・9日に無料公開イベントが開催された際、初めてお伺いしました

広いホール内に入った瞬間、正面に佇む能楽堂の美しさにただただ感動でした。

 

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「能楽堂へ行ってみよう!」と題されたこのイベントは、両日の午後1時・3時・5時からの開催で、各回は15分間。

 

短時間の開催で入場無料という気軽に参加できるイベントだったこともあり、観光客の方やお買い物途中の方などもご来場され、たくさんの観客で賑わっていました。

 

内容は、能楽師の方による能の解説と仕舞(能の一節を装束を付けずに舞うこと)の実演でした。

 

上と下の写真は「高砂」を舞っていらっしゃるところ。

家族円満、恋愛成就の意味合いを持つ、大変おめでたい演目なのだそうです

 
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仕舞の実演のほか、時折ユーモアも交えてわかりやすく解説をしてくださったのは、観世流能楽師の山階彌右衛門さん。

 

「ゆったりした中で品格を見せていくのが能」なのだそう。

 

観ているこちらも背筋が伸び、敬虔な気持ちになるような能の動き。

とても美しく、茶道や武道にも通じる日本独特の高い精神性が伝わってくるようでした。

 

そして、能のすり足の姿勢は背筋をまっすぐに保つので、能の舞を習うと姿勢が良くなるのだそうです

 

また、能楽堂に描かれている松は神様を表すもので、年に2回神主さんにお越しいただいて、神事を行っていただいているのだそうです。

 

能舞台が神社のように神聖に感じられる理由がわかったように思いました。

 

仕舞の間には、面(オモテ)の解説も。

能面のことは「オモテ」、役者の顔は「ウラ」と呼ばれるのだそう。

 

面をわずかに上に向けるのは、喜びを表す「テラス」、下に向けるのは、悲しみを表す「クモル」。

 

ほんの少しの動きで繊細な感情を表現できる面は、まるでそれ自体が人格を持っているような、確かな存在感を放っていました。

 

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観客席まで面をご紹介に来てくださっているところ。

まるで平安時代のお姫様がやってきたようでした

 
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最後に舞ってくださったのは、「羽衣」というおめでたい舞。

イベントの中で寿ぎの舞を2つも見せていただいて、とても有難い気持ちになりました。

ありがとうございました

 

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こういった無料開放イベントは初の試みだったそうで、次回はまだ未定とのことですが、今後も能楽堂のスケジュールが空いている時に開催される予定なのだそうです。

 

ご興味ある方はぜひ観世能楽堂のホームページをこまめにチェックなさってみてくださいね。

http://kanze.net/

 

そして、8月22日には、観世能楽堂夏休み特別企画「はじめて能」が開催されます

 

上演の合間に解説を加えながらの「ダイジェスト能」や「謡体験」といった内容で、はじめて能に触れる方にも楽しんでいただける演目となっています。

 

日時:8月22日(火)
昼の部 14:00開演/夜の部 19:30開演

演目:昼の部 ダイジェスト能「橋弁慶」
夜の部 ダイジェスト能「安達原」
出演:山階彌右衛門、清水義也、武田宗典 他

 

詳細はホームページをご覧ください。

 

 

銀座に誕生した、美しい能楽堂。

ぜひ一度、足をお運びください。

 

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「新参者」シリーズの映画「祈りの幕が下りる時」 明治座ロケエキストラ募集

[ミル] 2017年7月15日 09:00

日本橋署の刑事、加賀恭一郎役の阿部寛さんの主演で話題となったドラマ「新参者」や映画「麒麟の翼」。

中央区を舞台にした作品ということもあり、親しみを持っている方も多いのではないでしょうか。


日本橋を通ると、映画のポイントになった麒麟像をカメラに収めていらっしゃる方がいまだに多く、たくさんの方の心に残っている作品なのだと感じます。


その東野圭吾さん原作の加賀恭一郎シリーズの映画「祈りの幕が下りる時」の最新作が、2018年に公開予定なのだそうです


今度、大規模な撮影が明治座で行われますので、ご興味ある方はぜひお申込み下さい。


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TBS超大作映画ボランティアエキストラ募集

映画「祈りの幕が下りる時」http://inorinomaku-movie.jp/


東野圭吾の大ベストセラー「新参者」シリーズの待望映画化。

「華麗なる一族」「半沢直樹」「下町ロケット」を演出した福澤克雄監督が送る、辛く切ない人間模様を描いた超大作


19日、25日に明治座にて大規模ロケ!ぜひご協力ください!


出演者:阿部寛 松嶋菜々子 溝端淳平 小日向文世 その他豪華キャスト


特に19日の19時~22時に感動の場面を撮影のため、多数の参加をお待ち申しております


【撮影日程・場所】

7月19日(水) 夜16:30頃集合~22:00頃終了

7月25日(火) 昼12:00頃集合~18:00頃終了

途中参加・早退・当日参加OK(多少の変更があるため、詳細は、後日改めてご連絡いたします。)


明治座(東京都中央区日本橋浜町2丁目31番1号)


【募集】

舞台を観に来た観客役。そのほか舞台関係者役、舞台スタッフ役など。

子供1歳~90歳までの観客、舞台関係者、舞台スタッフ大募集!

ぜひ学校や職場のお友達、ご家族を誘って、たくさんのご参加お待ちしています!


【服装のお願い】

●観客役は、男性は、夏用スーツに革靴か薄手の長袖シャツにメンパン、チノパン、スニーカー等、

女性は夏用スーツ、上着、ブラウス、スカート、パンツ、パンプス等あれば持参してください。

衣装が無くても参加可能です。

●舞台関係者役は、男性は、夏用スーツに革靴、女性は、夏用スーツにパンプス等あれば持参してください。衣装が無くても参加可能です。

●舞台スタッフ役は、男女とも薄手の長袖シャツにメンパン、チノパン、スニーカー等

あれば持参してください。衣装が無くても参加可能です。


【応募・お問い合わせ】                          

エキストラ募集ページ http://www.tbs.co.jp/extra-boshu/ から応募、

または専用 福島 TEL090-2495-2637へご連絡ください。


謝礼・交通費はありませんが、参加者にはもれなく映画特製グッズを差し上げます!


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前作の「麒麟の翼」では、日本橋の麒麟像が謎を解く鍵として登場しましたが、「祈りの幕が下りる時」では、日本橋にある12の橋が謎を解く鍵となっています。


どんな謎なのかは、ぜひ原作をお読みください

わたしも読みましたが、本当にすばらしい感動作です。


中央区のいろいろな場所が登場しますので、とても楽しめます。


また今度、12の橋を巡ってみたいと思っています

 

 

銀座レトロギャラリーMUSEE 「野中 健二展  時を織る 綾なす時」

[ミル] 2017年5月31日 12:00

5月10日から14日まで、銀座一丁目の銀座レトロギャラリーMUSEEで開催された、

「野中 健二展  時を織る 綾なす時」にお伺いしました。


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野中さんは、染色デザイナー・クリエーターであり、

京都の西陣御召工房「秦流舎」の創始者。


今回が初の、大規模な個展の開催とのことでした。


ご自身の集大成として、数年前からご準備を進められたものだったそうですが、

会場構成や作品を仕上げられた矢先の今年3月、大変残念なことに急逝なさり、

展示は野中さんの遺志を引き継ぐ形で行われました。




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ご本人のお姿が会場にご不在でも、

展示された美しい作品の数々からは、

野中さんのお人柄や、染色や織り、素材にこめた情熱が伝わってくるようで、

まるでご本人が会場にいらっしゃるように感じました。




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印象的だった、展覧会のテーマの言葉。


 はじまりは、一滴の滴


 それはせせらぎとなり、

 やがて一条の川となる


 大地をつくり、大海へ注ぎ、

 天空に登れば恵みの雨となって

 地に戻り


 より輝く新しい命となって流れ始める


スメタナの「モルダウ」の響きが聴こえてくるような言葉に沿って、銀座レトロギャラリーMUSEEの1階から3階までいっぱいに、野中さんの世界が展開されていました。



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先染めの糸で織られる西陣織は、色が生命と言われています。


美しい色を生み出すには、水の良さが大切であり、その水の存在に感謝する野中さんの想いも伝わってくるようでした。


歴史と伝統に培われた美意識から生まれた作品たちは、とても無垢で新鮮な印象でした。


純粋でかろやかな幸福感が会場を満たしていて、本当に美しいものは、いつもかろやかなのだと、改めて実感する思いでした。





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美しさにはっと息をのんだ、お着物と帯を組み合わせた展示。


現代美術のインスタレーションのような展示方法がとても新鮮で、和服ならではの色合わせの妙を楽しませていただきました。


伝統のものづくりに徹する一方で、全く新しいことに挑戦なさったりと、果敢にイノベーションを起こし、活躍を続けられてきた野中さん。


常に挑戦を続け、変わり続けているからこそ、伝統を守り、次世代に伝えていくことができるのだということを、作品展全体から教えていただいたように感じました。



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また、会期中には、能楽師で重要無形文化財保持者の梅若玄祥さん、華道の未生流笹岡家元の笹岡隆甫さん、茶道の裏千家業躰(ぎょうてい)の金澤宗維さんによる日本の伝統文化に関するイベントも開催され、たくさんの来場者で賑わっていました。


わたしも2日間にわたって参加させていただき、興味深いお話をたくさんお伺いすることができました。


梅若玄祥さんの「能面と伝統」と題された講演では、海外での上演や、バレエなどの異文化との共演といった、新しいことへのチャレンジに関するお話や、お持ちくださった貴重な能面に関する興味深いお話などがお伺いできました。


笹岡隆甫さんと金澤宗維さんのトークショーでは、華道と茶道というそれぞれの専門分野について、飾らず本音でお話してくださるお二人に会場もなごみ、楽しいひとときを過ごすことができました。


笹岡さんが開催された、小さなコーヒーカップにお花を生けるワークショップでは、お花の気持ちに寄り添うようにお花を活けていらっしゃる笹岡さんの姿が印象的でした。


また、日を改めて開催された、金澤さんのお点前も、皆様に大変好評だったとのことでした。


日本を代表する文化の第一人者の方々による、本当に豪華なイベント。

野中さんの作品にも通じる、水の流れのような素直さで美と向き合う姿勢を感じさせていただいた、とても意義深いひとときでした。



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11代将軍徳川家斉が愛用したところからその名がついたと言われる、「御召縮緬(ちりめん)」は、最高級の織物素材として知られています。


野中さんが創立した秦流舎のブランド、「弓月(ゆづき)」の西陣御召や、ファッショナブルなデニム地のお着物「でにむどす」は、銀座三越でも取り扱われています。


ご興味ある方はぜひ足をお運びください。





銀座レトロギャラリーMUSEE

秦流舎


 

 

東京インフィオラータウィーク in 京橋

[ミル] 2017年4月10日 14:00

色とりどりの花びらを使って、地面に美しい絵を描くインフィオラータ。

中央区では、晴海のトリトンスクエアで毎年開催されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。


先日、京橋で開催されているところに遭遇しました

こちらは東京スクエアガーデン前の広場。


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京橋に暮らした歌川広重が描いた、「名所江戸百景」。

その中の「京橋竹がし」の図が見事に描かれていました。


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竹の部分はカーネーションの茎が使われていて、質感やきっちりとした並べ方までもリアルに表現されています。

東京スクエアガーデンの満開の桜からこぼれた花びらが、可愛らしい彩となっています。

あいにくのお天気でしたが、ぱっと目を引く光景に、足を止めてご覧になっている方も多くいらっしゃいました。


そして、京橋エドグラン前の広場には、お神輿と町火消の図が。


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江戸の町を火災から守るため、大岡越前によって作られた町火消。

現在の京橋に当たる区域は、二番組の「せ組」が置かれた場所だったそう。


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町火消の名誉の象徴、纏(まとい)。

「せ組」の重ね駒形の纏が、白い花びらでひときわ爽やかに表されていました。

江戸の粋と誇りを感じる絵柄です。


このインフィオラータは、今年が第一回目の開催となる、「東京インフィオラータウィーク」の作品。

国内外から訪れるお客様をおもてなしするため、東京中に花びらで彩られたウェルカムカーペットを市民の手で創る、というイベントなのだそうです。

東京のさまざまな場所が会場となっています。

東京インフィオラータウィーク


京橋の展示は4月8日から12日までとなっています。

美しい花びらの芸術、ぜひご覧ください

 

 

ポーラ ミュージアム アネックス 「玉川堂200年展」

[ミル] 2016年6月13日 12:00

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印象的なポスターに惹かれて、銀座のポーラ ミュージアム アネックスの「玉川堂200年展」にお伺いしました。



何の予備知識もなく入ったので、どういった展示なのか、とても楽しみでした








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展示室に入ると、照明を落とした空間に、星のように輝く作品たちが。


一瞬で魅了されました。



玉川堂(ぎょくせんどう)は、日本を代表する金属加工製品の産地、新潟県燕(つばめ)市で、鎚起(ついき)銅器を制作されている会社なのだそうです。


鎚起銅器は、金槌で銅を打ち起こしながら、器を作り上げていく技法で、新潟県の無形文化財にも指定されているそう。




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会場では実演も拝見することができました。


銅を叩いて延ばすのではなく、叩きながら縮めたり、丸めたりして、形作っていく様子は、とても興味深いものでした。



この鎚起銅器の技法は、江戸時代後期、仙台の渡り職人によって燕に伝えられ、1816年(文化13年)に、玉川堂の祖、玉川覚兵衛によって受け継がれたのだそう。





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今回の展示では、初代・玉川覚兵衛から現在の七代目・玉川基行まで、200年間をつなぐ7人の作品を拝見することができます。


作品は、オイルを張った台の上に設置されているため、鏡面反射が美しく、しっとりとした質感の印象的な展示となっています。



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玉川堂は、1873年のウィーン万国博覧会をはじめ、戦前まで約30回の海外博覧会へ出品、受賞なさっているのだそう。


古き良き時代の香りと、日本の誇りが伝わってくるような、美しく見事な作品の数々です。



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幾世代を超え、静謐な時を刻み続ける、美の小宇宙。


200年という記念すべき年の作品展、ぜひお出かけください。




「玉川堂200年展 」

6月4日(土)〜 6月19日(日)

東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル 3階

11:00〜20:00(入場は閉館の30分前まで)


実演などイベントの予定は、玉川堂ホームページをご覧ください。

http://www.gyokusendo.com/news/4680


 

 

銀座・画廊の夜会 2016 その2

[ミル] 2016年6月 7日 18:00

(「銀座・画廊の夜会2016 その1」の記事)

/archive/2016/05/-2016-1.html

前回からの続きです


中央通りに面した黒田陶苑。

提灯の灯りがとても似合っていました。


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榊莫山の書が飾られた、3階の落ち着いた空間。

「-花-今井完眞 陶芸展」が開催されていました。


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京都の若手の作家さんの作品とのことで、細部まで作りこまれた自然の造形がとても印象的でした。


こちらは「プロテア」という作品。


アフリカ原産の花の生命力を感じさせる、美しい陶芸。

和の空間と調和していました





こちらはギャルリーためなが。


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今年1月に逝去された「ポール・アイズビリ追悼展」を開催されていました。


アイズビリの作品を、1969年の開廊以来紹介して来られたとのことで、初期から晩年を網羅した展示をなさっていました。


南欧の明るい色彩が印象的な作品がたくさん並んでいました




玄関の佇まいも雰囲気のある、思文閣銀座。


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「コンラッド・ヨン・ゴードリー展」が開催されていました

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山や滝の作品は、絵具の刷毛目で表現されたもの。


離れた場所で見ると、まるで写真のようでした。


思文閣銀座は、玄関から続くらせん階段を降りた先に、書斎のような展示室があり、空間をゆったりと使った展示がとても素敵でした




最後にお伺いした、日動画廊。


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玄関の両側の石像が、夜はとても神秘的でした


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開催されていたのは、「第53回太陽展」。


新旧の作家の作品が一堂に会して展示されていて、とても見ごたえがありました




梅原龍三郎や中川一政、向井潤吉といった大家の作品も多く展示されていました。


美術館よりももっと近くで拝見することができて、とても嬉しかったです


そして、ここで21時の終了時間を迎えました




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今回わたしは3時間の参加で、12の画廊を巡りました


本来の開催時間は4時間ですが、24画廊全部を巡ろうと思ったら、かなり駆け足になりそうです。


華やかな、初夏の夜の銀座もとても美しく、移動中も楽しめる「画廊の夜会」でした。


ご興味ある方は、ぜひ来年参加なさってみてください



画廊の夜会

http://ginza-galleries.com/yakai.html