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2017年4月28日 18:00
4月19日、東京管区気象台から生物季節観測情報のひとつ「ノダフジ開花」発表。(北の丸公園)
平年より2日早く、昨年より1日早い由。
浜離宮恩賜庭園の「延遼館跡」、「潮入りの池」の「お伝い橋」前、「お伝い橋」中程の「小の字島」各々に設えられた藤棚も、漸う薄紫色の花色に彩られ始めました。
フジはマメ科フジ属のつる性落葉木本。
芳香があり、花穂が垂れ下がる花姿は艶麗で、また、風に揺れる様は「藤波」と表現されるように風情があります。
日本固有種には、ノダフジとヤマフジがあり、一般にフジというと、ノダフジを指すようですが、園内はヤマフジが大半と聞きます。
「お伝い橋」北端の藤棚には、珍しいノダフジ系の「八重黒龍藤」が植栽されています。
別名「牡丹藤」。
雄しべの大部分が弁化し、所謂 "牡丹咲き"のユニークな花形です。
ゴールデンウイーク終盤まで楽しめそうです。
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2017年4月21日 18:00
4月19日も都心の最高気温は26.1℃と4日連続の夏日となり、4月としての夏日連続の最長タイを記録し、浜離宮恩賜庭園の牡丹園では、"百花の王" "花王" と称され、"富貴草" 他多数の別名をもつ牡丹が、一気に咲き揃い始めた印象です。
園内の牡丹は、60種約800株と聞きます。
新緑に包まれた中、光沢のある薄い膜質の直径20cmにおよぶ大輪の花を付け、存在感のある花姿は華麗で、庭木の女王の名にふさわしい風情を醸し出しています。
花の咲き方は、「一重咲き」「八重咲き」「千重咲き」「万重咲き」「平咲き」「抱え咲き」「獅子咲き」と多彩で、花色も、「紫」「赤紫」「黒紅」「紅(赤)」「薄紅」「白」「黄」と変化に富み、「覆輪(外縁部が地と違う色で縁取られているもの)」「底赤(花弁の底部が濃い紅色)」「絞り」といった花柄も見られます。
因みに今年は、4月30日が七十二候の「牡丹華(ぼたんはなさく)」です。
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2017年4月19日 18:00
3月24日、東京管区気象台より、気象庁生物季節観測情報のひとつ「シロツメグサ開花」発表。(北の丸公園)
浜離宮恩賜庭園内の内堀広場ではまだ目立ちませんが、延遼館跡地では、シロツメグサの背丈も大分伸び、群生が見られます。
別名クローバー。
葉は3小葉の複葉が基本で、時に4小葉やそれ以上のものもあり、ヨーロッパでは、3つ葉のクローバーはキリスト教の三位一体の象徴で、4つ葉のクローバーはマルタ十字に似ていることから、幸運や幸福のしるしとされます。
アイルランドでは、毎年3月17日の聖パトリックの日には、シンボルカラーのグリーンやシンボルの3つ葉のクローバーデザインの衣裳や小物を身に着け祝う習わしがあります。
「詰め草」の名は、江戸時代にオランダから長崎に輸入されたガラス製品の梱包材にこの草を乾燥したものが用いられていたことに由来するとされます。
根粒菌の作用により窒素を固定する故、地味を豊かにする緑化資材にも用いられています。
宮沢賢治が童話「ポラーノの広場」で "つめくさの灯り" と表現したシロツメクサ。
近づいて見ると、小さな蝶形の花を下から順に毬のように咲き上げる様は、羽が生え揃い始めた鳥の雛の頭の様です。
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2017年4月18日 12:00
4月16日(日)、浜離宮恩賜庭園にて、中央区環境情報センター主催の「大人の自然観察会」が開催されました。
10:00~12:00
講師はNACOTの自然観察指導員。
春に咲く花や生き物たちの生態系を観察し、自然の中で環境の変化を学びます。
この日は、都心で最高気温26.1℃を観測し、今年初めての夏日となり、園内の木々毎に微妙に色味が異なる青葉若葉が織り成す緑のグラデーションも一層眩しく感じます。
「ケヤキの新芽が不揃いの時は要注意」(ケヤキは、遅霜が来そうな時は、新芽が霜で枯れないよう、リスクヘッジの為、時間差をつけて疎らに芽吹く)、虫媒植物の花色・形状と訪花昆虫の形状・習性とのマッチング、テントウムシ・アブラムシ・アリの三角関係等々、興味深いレクチャーを拝聴しながらの散策。
腰を屈めて "足元の小宇宙" をつぶさに観察すると、思いがけない気付きも得られます。
文化財庭園ということもあり、都心にあって、手があまり加えられず、生態系が保全されている一端を改めて垣間見たフィールドワークでした。
左から、オオジシバリ、オニタビラコ、カタバミ、ヘビイチゴ、クサノオウ
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2017年4月16日 16:00
中央大橋から相生橋南に至る隅田川派川沿いに位置する石川島公園の南端、相生橋南西袂の複合施設「相生の里」前の植え込みに植栽されている「キクモモ」が見頃を迎えています。
バラ科サクラ属の落葉小高木のモモは、果実を食用とする果樹として扱う "ミモモ" と、花を観賞する花木として扱う園芸品種の "ハナモモ" に大別されます。
キクモモ(菊桃)はハナモモの一品種。別名ゲンジグルマ。
名前は花形が菊に似ていることに由来。
数多くの雄しべが変化したとされる細長い花弁が折り重なって咲き、枝をびっしりと覆う様は見事です。
艶やかな八重咲きの濃紅色の独特の花姿が、春の盛りの象徴的な空間を創り出しています。
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2017年4月15日 16:00
晴海トリトンスクエア2F「i green ポケットプラザ 花・水・樹」の専属ガーデナーの案内で園内を散策する、毎月恒例のミニガーデンガイドツアー。今月は4月13日開催。
花のテラスのハナモモ(照手紅)の鮮紅色が、まず目に飛び込んできます。
ハナモモは花を観賞するために改良された桃で、樹形には立ち性、箒性、枝垂れ性があり、品種も矢口、源平、照手紅、照手白、菊桃等々と多彩です。
この時期は一年を通じて園内の花数が最も多い季節。
暖色系のアイスランドポピー、マリーゴールド ホットパックも明るく春らしい色合いです。
ピンクの蕾から白い花が咲くビバーナム ティヌス、別名ルリヒナギクのフェリシア、茶花として知られ、ウメ(バラ科サクラ属)の仲間ではないリキュウバイ(バラ科ヤナギザクラ属)、赤い花のシキナリイチゴ・・・
緑のテラスには、別名セイヨウカタクリのキバナカタクリ、お馴染の淡桃・赤・薄紫に加え、ピンクの花弁に白の覆輪が入るシバザクラキャンディストライプ、独特の花形が魅力的なスイセン バルボコジューム・・・
ヒカゲツツジ、ミツバツツジ、アザレア等のツツジ類も咲き始めました。
柔らかな春の陽射しを浴びて、"山笑う" 時節の草樹が楽しめます。
左から、アイスランドポピー、ビバーナム ティヌス、フェリシア、キバナカタクリ、シバザクラ