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シドモアが見た中央区(2)時代の変化と無縁な予期せぬ掘出物とは

[Hanes] 2019年2月14日 14:00


こんにちは。新人特派員のHanes(ハネス)です
前回に引き続き、シドモアが見た中央区にフォーカスしたいと思います!

■江戸の面影(p. 75)
この箇所では、江戸の面影が残る東京の風景について、
当時の海外の人から見た忌憚のない正直な感想がつづられています

「初めて目に入る東京の風景は、横浜の最初の風景と同様、旅行者をがっかりさせます。銀座、この商業地区のメイン通りは、[新橋]鉄道駅の反対側にある橋から始まって、東海道の北端・日本橋へまっすぐ延びています。日本橋は全国距離測定の交通原点です。道路の大分部に、外国を手本にした月並の建物、縁石、緑陰が並んでいますが、その道を鉄道馬車[馬車鉄]がプープー音を響かせ、軽乗合馬車がガラガラ走るので、街の風景をかなり不調和にしています。これは観光客の夢見た大江戸ではなく、まして東洋の大都会でもありません。漆喰壁、木造円柱、ぎらつく店の飾り窓、けばけばしい模造品の山、このありさまに観光客はすっかり面食らいます。」

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初読時には、「そんなに言わなくても...」となんだか悲しい気分になりましたが、
外国の風景を見慣れた人からすると、このような厳しい感想が妥当なのでしょう。
そしてまた、私たちが海外でラーメンやお寿司を食べた際に、
「麺がのびていて残念...」「酢飯の部分がパサパサで食べづらい...」と感じたり、
日本式や日本風だという建物や庭園に中国要素を見つけたりと、
「あれ、なんだかイメージと違う...」と思うその感覚こそ、シドモアも体験したものなのではないでしょうか
そんなシドモアはこの後に一言、こう続けています。

「しかし、大都市特有の秘密の場所がたくさんあって、時代の変化とは無縁の予期せぬ掘出物が見つかり、当初の失望感を償うに足る純日本的な宝物が手に入ります。」

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(1932年竣工の高級デザイナーズマンション「奥野ビル」)

つまり、海外(特にヨーロッパ諸国)を手本に変化する中にも、不変の純日本的な場所がたくさんあるということです。
現代の私たちからしても、路地裏や大通りから少し離れたところにある日本ならではの歴史的建造物は、
まさに知る人ぞ知る「秘宝(hidden gem)」と呼べる魅力的な場所なのではないかと思います
また、中には「迷わなければ見られなかった」素敵な風景もあるかもしれませんね。
そのような予期せぬ掘出物があるのも、まち歩きの醍醐味だと言えます

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(1929年竣工の都選定歴史的建造物「宮川食鳥鶏卵」)

今回ご紹介したシドモアのコメントは、現代の訪日観光客が日本に求めていること、
そして海外旅行に行く日本人が求めていることにもつながるような気がします飛行機

ガイドブックに掲載されている王道のスポットを巡るのも良いですが、
伝統文化体験ツアーや「暮らすように旅する」タイプの旅行の人気も高まっています
また、「ザ・お土産屋」のようなお店で綺麗に包装されたお土産を買うより、
地元人の間で定評のあるものを買いたいという声も前より聞かれるようになりました。
そういった意味では、訪日観光客が何を求めているのかを考えるうえで、シドモアのコメントは参考になるのかもしれません

『シドモア日本紀行』には、軍隊や築地外国人居留地の当時の様子についても、
海外の人ならではの目線からの記録が残っています。
中央区立図書館に蔵書がないのは残念ですが、一読の価値がある書籍です
次回は、シドモアが見た新富座を取り上げます!

【参考文献】
エリザ R. シドモア(著)/外崎克久(訳)『シドモア日本紀行』(講談社、2002年).

 

 

◆ 京橋物語4~震災から昭和へ

[隅田の花火] 2019年2月14日 09:00

京橋物語の4回目。前回からの続きです。

前回まで→ 京橋物語 【①】 【②】 【③】

 

大正時代、大きく変貌していった南伝馬町の街並みが写された絵葉書です(大正10(1921)年頃)。絵葉書には「京橋通り」と書かれています。現在は「中央通り」という名前ですが、昔の絵葉書にはその場所毎に「銀座通り」「京橋通り」「日本橋通り」と印刷されました。それぞれの通りの名前が全国各地に写真付で届けられ、東京の発展が視覚的に知れ渡ったのです。

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しかし東京は、大正12(1923)年9月1日の出来事に襲われてしまいます。

 

この日の学校は始業式で、土曜日だったこともあり、子ども達は家路について昼御飯を食べようとしていました。被害の原因は、11時58分の地震の揺れによる建物の倒壊というよりも、そのあとに各地で発生した火災でした。それは南伝馬町も例外ではなく、街が焼かれてしまいます。

 

京橋川の少し上流、紺屋橋辺りから見ています。京橋川の護岸の先に写る大根河岸は焼失しています。しかし、南伝馬町の大きなビルは倒壊していないように見えます。

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京橋に近づいて確認してみます。下の絵葉書は、銀座側から京橋川越しに、橋と南伝馬町を見たものです。京橋は崩落を免れ、中央の背の高い第一相互館、左の大同生命、三十四銀行、右の豊国銀行のビル達は倒壊していません。あのモコモコした「3つのドーム屋根」は残ったのです。

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この関東大震災では、多くの有名な建物が崩れ落ちました。一番背が高いとされていた浅草の凌雲閣(浅草十二階)も被害を受けてしまい、南伝馬町の第一相互館がこの辺りで一番背の高い建物に成り代わります。第一相互館はこの後、復興してゆく東京を、一番高い場所から眺めていくことになるのです。

 

第一相互館から、震災の被害の状況を確認してみます。まず銀座の反対側、日本橋方面です。真下の街は、現在の京橋2丁目、当時の南伝馬町2・3丁目になります。

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瓦礫の山と化していますが、震災の3ヶ月前に竣工した千代田館は倒壊しませんでした。この葉書を作成したのは、千代田生命保険。葉書を各地に送り、本社の建物が倒れていないことを伝えました。それは契約者に安心してもらう目的があったようです。当時はまだラジオが無い時代。各地で情報が錯綜するなか、絵葉書は震災の情報を視覚的に伝えるメディアとして大きく機能したのです。

 

一方の第一相互館。この葉書も第一生命保険が作った絵葉書です。千代田館辺りから撮られた、9月28日の京橋通りになります。

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道路脇には小屋やテントのようなものが建てられ、通りには多くの人が集まっています。混沌としている様子も伺えますが、復興に向けて立ち向かう人びとのパワーも伝わってきます。

 

第一相互館から銀座方面を確認してみます。右下の京橋の袂には瓦礫が積まれているものの、その奥の大根河岸の建物は、仮屋のようなものが建ち始めているのがわかります。

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橋上には、荷馬車、リヤカーのような物が見え、復旧の真っ最中です。通り沿いの右側に建つ大きなビルは、震災を乗り越えた大倉組本館。通りの左側には、のちに開店する松屋の鉄骨が、僅かながら見えています。

 

銀座通りは、明治時代の煉瓦街から発展してきた高級街でした。しかしここでその時代の終わりが告げられ、新たな街へのスタートが切られることになったのです。

 

他のビルの状況を確認してみます。奥に東京駅が見える方角です。家々が建てられて、復興してきている様子も伺えます。

s_hanabi_71-7.jpg左のビルは片倉館、右は真四角窓の星製薬です。片倉館はこの後増築を繰り返して大きくなっていきますが、星製薬のビルは被害を受けてしまったため、この後、建て替えられることになります。真ん中に走る鍛冶橋通りは、震災復興事業による道路の拡幅が行われていきます。

 

この大震災の影響で、11月に行われる予定だった東宮殿下(のちの昭和天皇)の婚儀が延期となっていました。翌年の1月26日にご成婚、6月5日に祝賀となり、京橋には奉祝塔が建てられます。

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南伝馬町から銀座方面を写したものですが、銀座の新しい街並みが、もう形作られてきていることが分かります。この祝賀は、復興してゆく銀座通りに新たな希望と勇気を与えたのではないでしょうか。この5ヶ月後、銀座通りの尾張町には百貨店の松坂屋が開店することになります。

 

一方の南伝馬町。この界隈の大きなビルは倒壊しなかったため、銀座側から見ると震災前からほとんど景色が変わっていないように見えてしまいます。実際に絵葉書を見て、震災前なのか後なのか、時代を特定するのにとても苦労しました。

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手掛かりとなったのは、絵葉書に書かれている文字と、一番左手前に写るバラック風の建物です。この建物が写っていれば、震災後の南伝馬町の風景になります。

 

乗り合いバスが多く写るようになってくるのもこの頃から。大正14(1926)年の風景です。この年は、ラジオ放送が開始された年でもあります。

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震災があったにもかかわらず、大正時代の香りを残した南伝馬町の街並みは、何も起こらなかったかのように『昭和』の時代を迎えます。生まれ変わる為に最善の道を探る銀座の街からすれば、この南伝馬町の街並みは、ノスタルジックでもあり、見守ってくれているようでもあり、異様にも見えたかもしれません。

 

しかしここで突然、南伝馬町の街並みに変化が起こりました。

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左側の大同生命ビルのドーム屋根が、なんと、グィ~ンと伸びたのです。

 

このトンガリ屋根はまるで、大正時代の京橋の親柱の意匠が乗り移ったかのよう。橋を架け替える時にまさか将来を予見して、親柱の意匠をトンガリ風にしたというわけではないでしょう。南伝馬町の街はどちらかと言うと、新しく生まれ変わるというよりも、昔へと回帰しているように感じられてしまいます。

 

いずれにしても、南伝馬町の街並みと京橋の意匠が一体化したのは事実のように思います。

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このように、関東大震災を乗り越えた南伝馬町の街並みは、大正時代の雰囲気をそのまま昭和時代へと継承し、復興してゆく銀座の街を見守り続けていくことになったのです。

つづく。

 

 

 

中央区ゆかりの文学者たち

[湊っ子ちゃん] 2019年2月13日 18:00

こんにちは、湊っ子ちゃんです。

明治維新後、私たちの中央区を舞台に、近代文学は育まれました。銀座煉瓦街には新聞社が次々に誕生し、情報産業が発達しました。また、多くの文化人が中央区を訪れ、小説や戯曲など、様々な作品のなかに、中央区の情景を描きました。

今日は、中央区にゆかりの深い、文学者たちについて調べてみました。


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北村透谷(きたむらとうこく)

明治元年-明治27年 (1868‐1894)

文芸評論家、詩人。小田原生まれ。明治13年(1880)、京橋区弥左衛門町(現・中央区銀座四丁目)に上京。泰明小学校に編入する。銀座を舞台とする自由民権運動に関与する。明治22年(1889)「楚囚之詩」「蓮菜曲」を発表。「文学界」の創設に参加し、「内部生命論」など数々の評論を発表する。


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島崎藤村(しまざきとうそん)

明治5年-昭和18年(1872‐1943)

詩人、小説家。長野県の庄屋の家に生まれる。明治14年(1881)、京橋区槍屋町(現・中央区銀座四丁目)に上京。泰明小学校に学び、明治学院を卒業。「文学界」の活動を通して北村透谷を知り、深い影響を受ける。明治40年(1907)から翌年まで、「春」を海水館(現・中央区佃三丁目)にて執筆し、代表作の「夜明け前」は築地小劇場で上演された。


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芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)

明治25年-昭和2年(1892‐1927)

小説家。京橋区入船町八丁目(現・中央区明石町)の牛乳牧場に生まれる。生後まもなく、本所区の母の実家へ移る。東京帝国大学英文科卒業。夏目漱石の門下に入り、第3次、4次「新思潮」の同人となる。代表作に、「羅生門」「鼻」「地獄の糸」「河童」など。



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郡虎彦(こおりとらひこ)

明治23年-大正13年(1890‐1924)

劇作家。京橋区南八丁堀三丁目(現・中央区湊一丁目)生まれ。学習院から東京帝国大学英文科に入学し中退。「白樺」同人。大正2年(1913)、「道成寺」が自由劇場で上演される。渡欧し、「鉄輪」「義朝記」を執筆。ロンドンで上演され好評を得る。


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川端茅舎(かわばたぼうしゃ)

明治30年-昭和16年(1897‐1941)

俳人。日本橋区蛎殻町二丁目(現・中央区日本橋人形町二丁目)生まれ。画家を志し、岸田劉生に師事する。病弱のため、俳句に専念し、高浜虚子に師事する。「ホトトギス」同人。句集に、「川端茅舎句集」「華厳」「白痴」がある。


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山岸荷葉(やまぎしかよう)

明治9年-昭和20年(1876‐1945)

小説家。日本橋区通り油町(現・日本橋大伝馬町)生まれ。東京専門学校(早稲田大学の前身)に進み、坪内逍遥に師事する。のちに尾崎紅葉の門に入る。「硯友社」同人。問屋街や芸者屋街など、生まれ育った町並みを題材にした「日本橋文学」を発表。「奉公始」「当世手代気質」など。のち、読売新聞社に劇評担当として勤務する。


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長谷川時雨(はせがわしぐれ)

明治12年-昭和16年(1879‐1941)

歌舞伎脚本家、評伝作家、小説家、随筆家。日本橋区通り油町(現・日本橋大伝馬町)生まれ。明治38年(1905)、「海潮音」でデビュー。女性の評伝において、その地位を築く。昭和8年(1933)、雑誌「輝ク」を発行し、多くの女性作家や評論家を世に送る。随筆では「旧聞日本橋」が代表作。


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長谷川かな女(はせがわかなじょ)

明治19年-昭和44年(1887‐1969)

俳人。日本橋区本石町(現・日本橋二丁目)生まれ。夫の富田諧三(長谷川零余子)の主宰誌「枯野」をサポートする。高浜虚子に師事。昭和5年(1930)に「水明」を創刊し、女性俳人の先達となる。句集に「雨月」「湖笛」、随筆に「小雪」「ゆきき」などがある。


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谷崎潤一郎(たにざきじゅんいちろう)

明治19年-昭和40年(1886‐1965)

日本橋区蛎殻町(現・中央区日本橋人形町一丁目)生まれ。坂本小学校に学ぶ。耽美派とされる「刺青」「痴人の愛」「春琴抄」などが代表作。また、自然主義文学や、「源氏物語」の現代語訳などを発表。戦後に発表した「細雪」は、谷崎文学の極致とされる。


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立原道造(たちはらみちぞう)

大正3年-昭和14年(1914‐1939)

詩人。建築家。日本橋区橘町三丁目(現・中央区日本橋久松町)生まれ。久松小学校に学び、東京帝国大学工学部建築学科を卒業。10代の頃より短歌を好み、堀辰雄から影響を受ける。詩誌「四季」の創刊に参加。詩集「萱草に寄す」「暁と夕の詩」を発表。第1回中原中也賞を受賞する。


bun12m.jpg中央区で生まれ育った、時代を代表する文学者たち。

時代を切り開いてゆく文学活動が、ここ中央区を拠点に繰り広げられたことはもちろん、それぞれの文学者が、中央区のなかで繋がっていることも興味深く思いました。

また、中央区を舞台に多くの作品が誕生し、物語のなかには当時の町の姿が生きており、今にその情景を伝えてくれます。それは、小説や戯曲にかぎらず、映画作品などにも多く残っています。

(写真は、泰明小学校に建つ「北村透谷・島崎藤村記念碑」そして銀座の柳二世)


中央区観光協会特派員 湊っ子ちゃん

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第34号 平成31年2月11日

 

 

スイーツコレクション、今年の目玉は・・・

[にゃんボク] 2019年2月13日 13:00

バレンタインと言えば、以前は"女性が男性に告白する日"との「甘ずっぱい」イメージが強かったと思いますが、最近では
・女性が自分へのご褒美にする
・女性同士で(高級)チョコ等のお菓子を贈りあう
・なぜか男性が女性にチョコを買わされる、どさくさに紛れてバッグなども買わされる
・おじさんがイベントに紛れて自分で食べたいチョコを買う
など、「甘い」だけではない味のバラエティの増加さながら、楽しみ方/搾取のされ方も多種多様になっていると感じます。

その為、世界各国のチョコレートを買うイベントも、「バレンタイン」ではなく、「スイーツコレクション」や「サロン・ド・ショコラ」と銘打ち、かなりの甘党であってもブランドを追い切れないほど選択肢が増えています。

今期の注目は何と言っても!「ルビーチョコレート」ですね

これはダーク、ミルク、ホワイトに続いて80年ぶりに登場したチョコレートの新カテゴリーとのこと
ルビーチョコレートは希少性があり、繊細なことからごく限られたブランドのみが扱っているとのことで、私はこのルビーチョコレートを味わってみようと、日本橋三越本店でのスイーツコレクションを訪問しました

ちなみに高級チョコのブランドで有名なゴディバのアジア第一号店が、日本橋三越本店(1972年)であることは試験に・・・
は出ないかもしれませんが、豆知識です

最初に「とらや」さんで、「羊羹 au ショコラ」を購入。パリ店限定での商品で、ラム酒と羊羹をおりまぜた和洋折衷の大人の味です。
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続いて、スイーツコレクションの会場にて、ピエールマルコリーニのソフトクリームを注文。カカオの豊かなアロマと優しいストロベリーが調和する幸せの組み合わせ。
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ピエールマルコリーニと言えば、今から20年以上前に当時の上司とベルギーに出張した際の思い出にまで遡ります。
当時は今ほど高級チョコレート市場なるものが国内にはなかったと思います。出張飛行機に当たっての事前スタディ(?)として「ベルギーでは、ノイハウス、ヴィタメール、デルレイなどが有名なのか(全部、今でも有名ですね)」と浅はかな知識を得ていたのですが、ベルギーでお会いした旧通○省の方が「チョコレート選手権で優勝した新進気鋭のチョコレートパティシエのお店に行きましょう」と連れていってくれたのが、「ピエールマルコリーニ」だったのです。お店には宝石のようなチョコレートもありましたが、大きい板チョコのような「ブロック」単位での販売がメインだったように思います。


続いて、本命のルビーチョコレートですが・・・狙っていたデルレイのルビーチョコを買いに行くと・・・な、なんと、
売り切れ!!! (他のブランドも軒並み売り切れていました)
希少性があるためか、高級なチョコレート群の中にあってもさらに高価なので、「流石に売り切れることはないだろう」と甘い読みをしておりました。

ルビーチョコ"のみ"のセットは売り切れていたものの、ルビーチョコが入ったセットを販売していたピーターバイヤーを購入。ベリーのようなフルーツ特有の酸味と後から来る甘みのコラボレーション。これは・・・もっと食べてみたいと思える逸品です。もう少し一般的になるには少し時間がかかるのだろうか。

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(他にもプレミアム麦チョコ等を購入。いろいろな味が楽しめます。国産の小麦というのも嬉しいポイント)
mugichoko.jpgこれ以外にもたくさんのブランド、バラエティ豊かな楽しみ方、味覚、視覚、嗅覚、聴覚、触覚を最大限動員する必要があるほどの趣向が凝らされており、知れば知るほど奥の深さに気づくといった程でした。


なお、チョコレートに合う珈琲として激しくお薦めするのが、同じ日本橋三越本店に入っている宮越屋珈琲の「フレンチブレンド」。
少し濃い目に煎れたフレンチブレンドを嗜みながら、チョコレートを堪能したのは言うまでもありません

 

 

LIXILギャラリーの2つの展覧会

[滅紫] 2019年2月12日 14:00

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京橋のLIXILギャラリーで開催中の展覧会の内、2つをご紹介します。

一つは「富士屋ホテルの営繕さん」

箱根のランドマーク、富士屋ホテル。2018年に創業140年を迎えたクラシックホテルは「一度は、今度もまた泊まりたい」というファンが多いことでもよく知られています。今回は「箱根と云う立地もあって創業以来何でも自社でまかなう社風があった。かつては自動車会社や牧場までありランドリーは勿論、日々の印刷物も自前で行ってきた。

時代は巡り効率化の波の中で変化したことも多いけれど今なお昔ながらのスタイルを守り富士屋ホテルの建築や家具・備品の補修・修繕を行っているのが営繕である」とパンフにあるようにホテルの「営繕」職の仕事に焦点を当てた一味違う展覧会です。

目を惹くのはまず20x10cm程もある客室「花御殿のルームキー」。ホテル内の案内札もすべて「営繕さん」の仕事、何とメニューカードまで、当時使用されていた印刷活字も展示されています。

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もう一つは「クリエイションの未来展」シリーズ第18回の「《工藝》とは...」展です。

重要文化財保持者(人間国宝)2名を含む現代を代表する工芸作家12名による陶芸・染織・金工・竹工・截金の作品12点が展示されています。監修者の宮田亮平氏によれば「さまざまな素材と技法を生かした発信力のある作品が一堂に会することで工藝とは何かと根底から問うことができれば...」

 

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何と良い日でしょう!作品に囲まれ贅沢な時間を独り占めしてしまいました。撮影掲載許可をいただきましたのでまずは写真をお楽しみいただき、あとは是非会場でご覧ください。

LIXILギャラリー京橋3-6-18 TEL 03-5250-6530 http://livingculture.lixil/gallery/

「富士屋ホテルの営繕さん」最終日2月23日(土)

「工藝とは...」最終日 3月19日(火)

10am-6pm

 

 

 

FUSION FACTORY 春のガラス展    ~ 日本橋木屋本店 izutuki ~

[rosemary sea] 2019年2月11日 12:00

『ギフト、そして自分も楽しむ』をチュートリアルをつけて取材します、rosemary seaです。

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老舗刃物店の日本橋木屋本店さん、併設されたギャラリー izutuki では2月1日(金)から3月3日(日)まで、『FUSION FACTORY 春のガラス展』を開催中です。

昨年同時期にも、そして昨年8月にもFUSION FACTORYさんのガラス展は開催されましたが、今度も見事なガラス作品の数々が揃いました。

新作のお雛様や兜飾り、七福神や富士山のオブジェ、また、春色のジュエリーなど、展示販売されています。

なお、昨年8月開催の『FUSION FACTORY 夏のガラス展』はこちらです。

⇒  /archive/2018/08/post-5486.html

 

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株式会社 野口硝子 フュージョンファクトリー 販売/広報の下平恵美(しもだいら めぐみ)さんにお話を伺いました。

併せて、株式会社木屋 日本橋本店 金子店長にお世話になりました。

それではお品のご紹介です。まずは桃の節句のお品から・・・。

お値段は全て税込価格です。画像は全てクリック拡大できます。

また、『』内は下平さんのお言葉です。

 

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<錦雛>薄花桜(うすはなさくら)三段飾りセット  270,000円

ガラスのお雛様、三段飾り、豪華絢爛です。

実際はこれに花雪洞(はなぼんぼり)1対と赤布が付きます。

『屏風以外は水洗いもできます。綺麗に箱にしまっておけます。

屏風もお選びいただくことも可能です。』

 

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左:<錦雛>紅匂(くれないにおい) 座(すわり)  54,000円

右:<錦雛> 立(たち)  32,400円

錦、それは何色もの色系で華麗な模様を表した織物。鮮やかな礼装のお雛様です。

 

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左:<雛絵巻>  27,000円

右:<雛絵巻>  27,000円

雅な物語の風景の中に寄り添う男雛、女雛。

『一番人気です。』

 

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左:<雛絵巻>花宵(はなよい)  21,600円

夜桜観月を楽しむ二人。

右:風薫雛(ふうかびな)  21,600円

暖かで優しい風が花や若葉の薫りを運び、春の訪れを感じさせてくれる、そのようなお雛様。

 

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左:流彩雛(りゅうさいびな)  12,960円

鮮やかな色彩を流線で彩るお雛様。

『一番新しいお雛様です。』

右:白雛(はくびな)  12,960円

『作家は現在社長を含め女性4名、男性が2名の計6名おります。

わかりやすく、とか、雰囲気に奇抜にならない、とかのルールがあります。』

 

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左:うめ雛  12,960円

梅の花が咲くお雛様。

右:春のをどり  32,400円

舞妓さんたちが季節の風情にちなんだ踊りをしている姿。

『京都の踊りをイメージしています。』

 

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左:桃飾り S 5,400円 ・ M 8,640円

つや消しの硝子で桃の肌合いを見事に表現されています。

『こちらも大変人気です。厄除け・魔除けの意味でお求めになるかたもいらっしゃいます。』

右:桃花飾り  12,960円  季節の箸置き 早蕨 1,080円・桃花 1,620円・桜 花びら 804円・桜 つぼみ 1,296円・花見団子 1,080円

お雛様に添えても風情を盛り上げます。

『お雛様と一緒に飾っていただきたいです。』

 

次は端午の節句のお品・・・。

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左:<琳派流水紋>硝子兜  64,800円

琳派の絵画からインスピレーションを得てガラスで表現されています。

黄金色に輝く兜。

『琳派シリーズはお雛様にも酒器にもございます。』

右:菖蒲色の兜  54,000円

菖蒲の色をガラスに映した兜。

 

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左:蒼(あお)の兜  39,096円

深い湖水のような神秘的な色になっています。

右:翡翠(ひすい)の兜  32,400円

透明感のある翡翠の色の兜。

 

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左:<硝子兜>琥珀揃え  21,600円

逞しく立派に育つよう、願いを込めてガラスで表現されています。

右:<硝子兜>(すき)  21,600円

クリアでモダンです。

 

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左:鯱鉾(しゃちほこ)  43,200円

左右の口の表情で、「あ・うん」を表現されています。

『金箔をふんだんにあしらっています。海外のかたにもとても人気でした。』

右:金鯉のぼり  27,000円

跳ねる鯉、金箔で彩られています。

『おとうさん、おかあさん、子どもの3つのセットです。』

 

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左:菖蒲飾り  12,600円 ・ 季節の箸置き 花 1,620円 / つぼみ 1,296円

右:鯉のぼり 季節の箸置き 緑・赤・青  各1,620円

こちらも同様、兜に添えれば風情を盛り上げます。

『端午の節句とともに飾っていただいても、箸置きとしても。』

 

次は七福神・・・。

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上から左に、恵比寿 37,800円、大黒天 37,800円、毘沙門天 37,800円、福禄寿 32,400円、弁財天 43,200円、寿老人 37,800円、布袋尊 37,800円

一番前の恵比寿様にはグラスとマドラー 21,600円をセットすることもできます。

 

まだまだございます。花器・酒器・アクセサリーなどなど・・・。

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左:青竹 S 19,440円 ・ M 32,400円 ・ L 64,800円

美しいグリーンの竹をモチーフにした花器です。

右:FPモネ 銘々皿  5,400円

「FP」とはフェイマスピクチャーシリーズ(A famous picture series)のこと。

名画からのインスピレーションを色で表現されています。

 

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左:ガラスアクセサリー  4,320円~10,800円

右:ピアス / イヤリング  3,240円~7,560円

左画像の左のネックレストップは「若竹 KIMONO」。

着物をモチーフにした華やかさがガラスで見事に具現化しています。

左画像の右のネックレストップはこちらもFP。クリムトの名画として花畑をイメージ。

グスタフ・クリムトは1900年前後の帝政オーストリアの画家です。

『ネックレスは春をイメージしています。』

 

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左:浪裏(なみうら)と凱風快晴(がいふうかいせい)  各37,800円

浮世絵を立体化した作品です。葛飾北斎の「富嶽三十六景」のシリーズ。

「神奈川県沖浪裏」と「凱風快晴」をイメージしたオブジェです。

神奈川県沖浪裏・・・あの、富士を飲みこむような高波の絵。

凱風快晴・・・青い空、白い雲、赤い富士、の絵。どちらも有名ですね。

『360度見られるように、と、北斎の絵を閉じ込めた作品となります。』

右:富士と夫婦鷹  21,600円

昨年8月の「夏のガラス展」の際もご紹介させていただきました。

富士の上空を飛ぶ茶色い鷹2羽も見えますでしょうか。

 

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左:富士山一輪挿し 大 16,200円

富士山のかたちにしたガラスに銀箔をあしらい花器として作られました。

『山のてっぺんが空いている一輪挿しです。』

右:琳派雲海紋 酒器セット (ぐい吞 酒さし)  37,800円

琳派の絵画からインスピレーションを得て、ガラスで表現されています。

雲の流れが見えますでしょうか。

 

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左:富士雲海を臨む冷酒グラス 赤・青 各12,960円

右:逆さ富士 ぐい吞 赤・青 各16,200円

縁起の良い富士を眺めながら一杯、美味しいお酒になりそうです。

 

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左:扇向付(おおぎむこうづけ) 黒  4,860円

末広がりになっております扇型の向付。ちょっとしたお料理に。

『前菜などを盛っていただけるような入れ物ですね。』

右:硝子達磨 赤・炭・緑  10,800円

縁起の良いダルマのかたちにしたオブジェ。

一輪挿しとしても、また、専用のフックで吊るして飾ることも。

『小さなサイズのものですと、手許のバーナーワークでできるんですけど、(ある程度の大きさのものは)アクセサリーも他のガラス作品と同じように窯から取っているので、巻き取れる大きさが大きくなってしまうんですね。

1200度のガラスを巻き取って作って、徐冷炉(じょれいろ)という窯で1日かけて冷まします。

急激に冷やすとガラスは割れてしまいます。

また、冷ます際に空気が入ったりします。膨張して割れてしまうことも。

いざ開けてみると色が変わっていたり。100%はなかなか難しくて。

一点ものですと(変化が出ても)自由なんですけど。』

カタログに載るようなお品ですと、均一に仕上がるのが良いようですね。

下平さん、ありがとうございました。

株式会社 野口硝子 フュージョンファクトリーさんのホームページはこちらです。

https://fusionfactory.jp/

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日本橋 木屋

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