2月最後の土曜日、築地で朝ごはん。ちょっといい気になって食べすぎてしまった。
今日は風もなく良い天気。
波除稲荷神社にお参りしたあと、満腹感解消のために少し歩いてみようかと、隅田川を渡って、月島の方へぶらぶらと歩いてみることにした。まずは近くの勝鬨橋へ。
程なくして勝鬨橋のたもとにたどり着いた。
ここにはかちどきの渡し碑や、橋の資料館もあったりして、訪れる観光客も多い。
でも、午前中にこちら築地側から勝鬨橋の写真を撮ろうとすると、どうしても逆光になってしまう。なので勝鬨橋を渡って向こう側に行ってみる。
勝鬨橋は、かつてハの字のように開いていた跳開橋。真ん中部分は意外なほどグラグラと揺れる。
246mの橋を歩いて勝どき側に渡り、隅田川テラスに下りると、水辺に近寄ることができる。ここで写真を撮った。
今日は風がほとんどなく水面が穏やか。隅田川は、空よりも青い青色を映す。
まだ船が運航していない朝方であれば、稀に見られることもある、凪の隅田川。とても癒されるひとときだ。
対岸の築地市場方面に目を移すと、東京タワーがまだ見られる。築地大橋と一緒に忘れずに写しておいた。
晴海通りを左に曲がり、月島川を渡って、川に近い道に沿って歩く。すると隅田川テラスに通じている「わたし児童遊園」が現れる。隅田川際にある小さな公園で、かつて月島の渡しの渡船場があったところ。花壇の花も咲き、とても綺麗に手入れがされている。
隅田川テラスは工事中で、残念ながら出られなかった。この公園に、隅田川河畔によくある案内板があったので、今日歩いたところを説明してみる。
赤い線が歩いたところ。ここ月島から川の上流の佃に立ち寄り、佃大橋で隅田川を渡り直して、新しくできた湊公園まで歩いてみた。
築地から川を渡ってやって来た、こちら側の月島や勝どきの土地は、明治以降にできた埋立地。
町名は月島や勝どき、佃、豊海と分かれているが、それをひとくくりにして、ざっくりと「月島」と呼ぶこともあり、紛らわしい。
「月島」の島の形は、弧を描いた三日月のような形に見えるので、それが月島の名の由来かと思っていたが、そうではなかった。「月が綺麗に見えた場所だった」とか、「築かれた島なので築島(つきしま)」ということらしい。
川を眺めたいので、少し上流の「月島3丁目児童遊園」の階段を上った。ここからは、隅田川の開放的な景色を堪能できて、テラスに下りることもできる。
対岸には、陽光があたる明石町の桜並木があり、春の気分を満喫することができたり、夕暮れ時の、空と水面の色彩の変化も見事なものだ。テラスの工事が終わる春がとても楽しみな場所である。
(2015年春)
私がはじめてここのテラスに来たのは、3年半前の夏、月島にもんじゃ焼きを食べに来たあとの夜だった。
ビルの合間から見えた、青い東京タワーが何だか嬉しくて、何度もスマホで写真に撮ったのだが、全然上手く撮れず、悔しかった記憶がある。
この辺りの隅田川テラスからは、東京タワーやスカイツリーが見える。カメラを買ったあとは、夜の隅田川を撮りによく訪れるようになった。
隅田川の川面が凪になり始めるのは、夜。
水面が次第に光のオルゴールのように変わってくる。
風の無い夜、船の運航も終わり、潮の満ち引きも止まると、水の気配が無くなってきて、川にしまわれたひとつひとつの記憶が、表に現れてきて混ざりあい、見たこともない表情を浮かべてくる。
月島は三日月の形をしているので、ここは川筋がカーブしているカーブの外側にあたり、まるで自分が川の真ん中にいるような感じで写真を撮ることができる。
夜でも光がたくさん溢れている、都会にしかない風景が、この隅田川にはある。
歴史ある勝鬨橋と築地市場の灯りが作り出した、ナイアガラのHANABIのような、光の波。
凪の隅田川に突然現れた波が作り出した、夢のような隅田川の花火である。
ここは佃、佃島渡船の碑の裏にある階段の上。佃島のあたりの隅田川テラスは、もう歩けるようになっている。
以前にご紹介したNHKの「3月のライオン」のアニメで、七月のお盆にひなちゃんが泣いてしまった名シーンはこの場所にあたる。
ストーリーはこのアニメで始めて知ったが、佃島の雰囲気にとても合っていて、ホンワカと心が温まる話だ。それと夜の隅田川を、アニメにしかできない芸当でとても綺麗に描いてくれたのが、正直嬉しかった。
佃島の古い街並みをビルの巨神たちが取り囲む、佃大橋からの風景。一番手前には佃煮屋の老舗が見える。
アニメの3月のライオンで、この佃煮屋の辺りに出てくる和菓子屋「三日月堂」のモデルは、中央区人形町にある黄金芋で有名な「壽堂」だ。
水天宮前の交差点から人形町交差点方面への一つ目の交差点にあるが、この春に公開される、神木隆之介さん主演の実写版の映画「3月のライオン」のポスターも貼ってあった。
巡礼をされる方は要チェック。ぜひ店の中の温かい雰囲気を感じてほしい。
佃大橋を渡った。橋のたもとにある桜の木は中央区では珍しい一本桜。遠方には中央大橋が見える。この橋は桜とあわせて撮るのがとても似合う。この桜の木の下には、佃島渡船の古い石碑があり、それもまた趣があってよい。
(2015年春)
ゴールの「湊公園」に辿り着く。腹がへってきた。
今はまだテラスが工事中だが、このあたりの隅田川テラスを歩くと、ミスチルの「HANABI」が鼻歌となる。
ミスチルのHANABIのPV(Music Video)は、公園が整備される前のこの場所から、桜井和寿さんがベンチを立ち上がり、隅田川テラスを歩くところから始まる。
その頃には目の前にコンクリートの堤防があり、隅田川と隔てられていた。最近、新しく親水公園として生まれ変わり、テラスに出られるだけでなく、素晴らしい景色も見られるようになった。
きちんとベンチも用意してくれている。このベンチは水辺を堪能できる特等席。これから対岸に咲く佃の桜を想像すると、とても楽しみな場所となりそうだ。