中央区内にある唯一の相撲部屋と言えば「荒汐部屋」です。浜町公園清正公寺近くにあります。12月のこの時期に中央区内の幼稚園を回って餅つきをしてくれています。平成19年から明石幼稚園・月島幼稚園・月島第一幼稚園の公立幼稚園に来ていますが(中央区には私立幼稚園はないのです)、なんと餅つき会に荒汐部屋は総出でいらっしています。凄いですね。園児たちにもお相撲さんに餅つきをしてもらったり、触れあったりすることができる貴重な体験の機会になっています。日本の伝統国技でもある相撲が幼児から親しまれるようにと、「荒汐部屋」が積極的に地域で活躍している姿勢は素晴らしいです。
<荒汐部屋>
●師匠 鈴木栄二
新潟県北魚沼郡堀之内町(現,魚沼市堀之内)出身
現役四股名 大豊 親方名 荒汐 崇司
2002年6月に,時津風部屋から独立し,相撲伝承,弟子の育成(四股・てっぽう,すり足といった基本所作には特にこだわりがあり、一人一人に応じた,きめの細かい指導をする)
●住所: 〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町2-47-2
●荒汐部屋の力士紹介
(※以上、荒汐部屋の許可を得てホームページから転載させていただいております)
月島第一幼稚園餅つき会 平成29年12月19日に取材させていただきました。
餅つき前日から年長組が15合のもち米研ぎをしました。
「いつものお米より白いね!丸いね!」というお米の形や色に興味をもっている様子。家でもお米研ぎを練習してきた園児もいるようです。研ぎ汁を見て「カルピスみたいになった!ギュッと握って研ぐんだよね。」との声が上がりました。これで明日の餅つきの準備完了!「お餅の匂いがしてきた」と明日の餅つきへの期待が大きく膨らんだようです。餅つきの餅米は新米8時間位、前日から水に漬けておくことが大事です。
蒸した餅米潰し。餅米が杵で外に飛び出さないように臼の縁の米を丁寧に潰していきます。流石、毎年餅つきをやっているプロの技はすごいですお相撲さんの餅つきを見る。軽く杵を持ち上げていますが、体験してみると重いですよ。
さあ、餅つきをしよう。年少組、年中組、年長組の順に!
年少組が幼稚園に入園して、初体験の餅つきです。杵が重いので、お相撲さんのサポートで初体験でペッタンペッタン餅つきができました。この後、年中組・年長組と続きましたが、大きくなると自分の力で杵をついていました。「ヨイショヨイショ」の元気いっぱいの掛け声も大きく校庭中に響いていました。
鏡餅づくりを見るー幼稚園に飾る大きな鏡餅です!
日本橋浜町にお住いの88歳の安藤誠一さんが鏡餅を作ってくださいました。安藤さんは、「春月堂」という和菓子屋さんを長く日本橋浜町でやっていました。お店を閉店するまでに、区内の小学校・幼稚園に祝菓を届けていました。閉店してからも地元の有馬幼稚園と月島第一幼稚園の餅つき会に毎年鏡餅を作りに来てくださっています。安藤さんが作る鏡餅はお餅が熱いうちに小型扇風機の風で粗熱を取りながら丸く丸く形ができてきたかと思うと、あっという間に綺麗な半円状の鏡餅の出来上がり。まさに、神業という表現がピッタリでした。
年長組の鏡餅づくりー安藤さんからミニ鏡餅の作り方を教えてもらう
いよいよ「マイ鏡餅づくり」に挑戦ー初体験でしたが、お正月に自分の家に飾れるミニ鏡餅の出来上がり
「丸くするの難しいな」「これで大丈夫かな」担任の先生が「安藤さんのお話よく聞いていたね」熱いお餅もアッという間に冷えて硬くなってきました。硬くなってくると、形がもう直せなくなってくるお餅に悪戦苦闘。でも鏡餅が出来上がった時の顔は達成感で笑顔が溢れていました。もうすぐ1年生の年長組です。
力士と遊ぶ。年少組の「はっけよーい のこった のこった」
3歳児だけ。特別だよ。「高い!高い!」
お相撲さんに「高い!高い!」をしてもらって大喜びです。子どもたちの目には、どんな世界が映ったのでしょう‼
待ちに待ったお餅を食べています。よく噛んで食べていますね。つきたての杵餅は喉を詰まらせることがないことはご存じでしょうか?機械でついたお餅は喉を詰まらせる危険が大きいですが、不思議に杵でついているお餅は大丈夫だと、安藤さんから教わりました。
おなかが空いたお相撲さん方もたくさん召しあがーれ!
9時から12時近くまで、お疲れ様でした。ずっと餅つきから後片づけまでPTAの方々の手伝いを最後までやっていました。流石に体の大きい力士方です。つきたてのお餅は美味しいです。あっという間にお餅が無くなっていきました。
PTA役員さん中心に保護者の方々の絶大な協力体制があってこそ成り立つ餅つき行事です。何か月も前からこの日のために入念に準備されていました。なんといっても可愛い子どもたちのために一生懸命。前日は餅米洗い、朝早くからも準備をしていました。今年は、なんとお母さんだけでなく、お父さんも4人手伝いに来ていました。餅つきは力仕事が多いので、人手が多い方が助かりますね。餅つき会の運営は、とっても大変です。餅つき会が終了しても臼の片づけに数日かかります。デリケートな臼のメンテナンスにも気を使います。きっと今日の園児たちの笑顔で、PTA役員や保護者の方々の疲れも吹っ飛んでしまうことでしょう‼
小学校の家庭科室や幼稚園の職員室で、お母さん、お父さん方が大忙しで、餅米を蒸かしています。
園児たちのお弁当箱に、きなこ餅と海苔餅を入れているお母さんたち。沢山食べる園児たちやお相撲さん方のためにつきたてのお餅を熱い思いをしながら一生懸命作っていらっしゃる姿に感動しました。
九州場所十両優勝の蒼国来関も忙しい中、駆けつけてくださいました。
園児が作った「そうこくらいぜき じゅうりょうゆうしょうおめでとうございます あらしおのべやのみなさんおうえんしています」との看板に迎えられ、慢心の笑みがこぼれました。
相撲の詳しい月島第一小学校の三木 茂校長先生から蒼国来関の紹介をしていただき、児童も休み時間に教室から「蒼国来関十両優勝おめでとうございます‼来場所も頑張ってください‼」との沢山のエールを送っていました。蒼国来関にも児童たちの気持ちはしっかり届けられました。中央区では、小学生を対象に学校間対抗「ワンパク相撲中央区大会」が毎年中央区総合スポーツセンターで開かれています。児童にとっては、強い蒼国来関は身近なヒーローです。中央区の小学生にとっては憧れの時の人となっているといえるでしょう。
蒼国来関は、中国出身で餅米を食べたことがありませんでした。日本に来て炊き立ての餅米が最近大好きになったことを荒汐部屋のおかみさんからお聞きしました。早速、炊き立ての餅米をパクリ。大変美味しかったようです。
最後におかみさんに話を伺いました。鈴木 ゆかさんは、中央区の教育委員を昨年まで務められました。中央区の子どもたちが小さい時から沢山の力士と触れ合うことが子どもたちの貴重な体験になるので、今日も餅つきに10名も力士を連れてきてくださったそうです。毎年このような恩恵にあずかっている中央区の幼稚園は恵まれています。小学校は月島第二小学校に餅つきに、その他に早稲田大学にも。餅つきは12月に重なるためにこれ以上は増やせないそうです。尤もですね。
蒼国来関や荒汐部屋の力士の皆様の益々のご活躍を祈り、これからも荒汐部屋を応援していきたいと思います。
(荒汐部屋と月島第一幼稚園の許可を取って撮影しています)