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2016年4月27日 12:00
4月23日(土)、浜離宮恩賜庭園にて、中央区立環境情報センター主催の「浜離宮 自然さんぽ~春を感じよう~」が開催されました。
10:00~12:00
3班に分かれ、自然観察指導員(NACOT)の案内で、春に咲く花や生き物たちの生態系を観察し、自然の中で環境の変化を学びます。
園内は現在、ツツジ、フジ、ボタン等の花木が開花中。
木々により、微妙に色味が異なる若葉が織り成す見事なグラデーション。
内堀広場の芝生も漸う青々と色づき、散策にはもってこいの季節です。
虫媒植物の花色・香り・形状と、訪花昆虫の形体・習性とのマッチング、テントウムシとアブラムシとアリの三角関係をはじめ、共生と共進化、天敵に纏わる話等々、レクチャーを受けながら、つぶさに観察。
文化財庭園ということもあり、想像以上に自然が保全されている稀少性を改めて再認識し、新たな学びを得たフィールドワークでした。
左から、ニョイスミレ、キランソウ、ムラサキサギゴケ、クサイチゴ、ヘビイチゴ
左から、セントウソウ、カキドオシ、ヒメオドリコソウ、クサノオウ、ムラサキケマン
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2016年4月25日 18:00
4月20日、東京管区気象台から生物季節観測情報のひとつ「ノダフジ 開花」が発表されました。
平年より1日早く、昨年より2日早い由。
浜離宮恩賜庭園の「延遼館跡」、「潮入りの池」の「お伝い橋」前、「お伝い橋」中程の「小の字島」各々に設えられた藤棚も薄紫色の花色で彩られています。
フジはマメ科フジ属のつる性落葉木本。
芳香があり、花穂が垂れ下がって風に揺られて咲く様は、艶麗で、風情ある花姿です。
日本固有種には、ノダフジとヤマフジがあり、一般にフジというと、ノダフジを指すようです。
<ノダフジ> 花穂は長く、つるは(上から見て)右巻き
<ヤマフジ> 花穂は短く、つるは(上から見て)左巻き
花色はお馴染の藤色の他に、白・桃・薄紅色などがあります。
園に尋ねたところ、園内はヤマフジが大半との事ですが、「お伝い橋」北側の藤棚には、ちょっと毛色の違う珍しいノダフジ系の「八重黒龍藤」が植栽されています。
別名「牡丹藤」。
雄しべの弁化が著しく、「牡丹咲き」になる特異な品種とされています。
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2016年4月22日 12:00
隅田川は河口部の中央大橋上流の佃2丁目地先で東に分流し、佃2・3丁目と江東区越中島1・2丁目の間を流れ、豊洲貯木場で東西に分かれ、それぞれ豊洲運河と春(晴)海運河に繋がっています。
大川端リバーシティ開発の際、中央大橋~相生橋の隅田川派川沿いにつくられた石川島公園は、平成19年に相生橋南まで拡張整備されました。
スーパー堤防の採用により、水と触れ合えるように親水性が確保された緑地空間は、近隣住民の憩いの場として親しまれ、ジョギングや散歩をする人で賑わいを見せています。
4月18日、東京管区気象台から生物季節観測情報のひとつ「シバ発芽」が発表されましたが、公開空地の芝生も次第に緑が濃くなりつつあり、木々の若葉も芽吹き、爽やかな季節を迎えました。
因みに今年の発芽は平年に比べ11日遅く、昨年に比べ5日遅いとの由。
足元に目を凝らせば、スロープの緑地帯には春を実感できる野の花が咲いています。
ムクドリが集まって地面を歩き回り、盛んに啄んでいる姿にも出会えます。
左から、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、トキワハゼ、キュウリグサ、ナズナ
左から、シロツメクサ、アカツメクサ、カラスノエンドウ、ハルジオン、オランダミミナグサ
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2016年4月21日 14:00
ひと際目を引く黄色いタンポポの花は春の風物詩ですが、今では冬の日だまりでも見つけることができます。
4月6日には、東京管区気象台より、生物季節観測情報のひとつ「タンポポ開花」が発表されています。
因みに今年の開花は平年並み、昨年より6日遅かった由。
関東地方周辺に分布する在来種の「カントウタンポポ」は、近年外来種の「セイヨウタンポポ」に押されて個体数を減らしていると云われて久しいですが、東京23区で採取されたセイヨウタンポポと云われるものの内、実に88%はカントウタンポポとセイヨウタンポポの間に生じた雑種タンポポとの報告もあるようです。
外観上、カントウタンポポは花弁を下から支えている「総苞片」は密着していて外側に向かって開出していませんが、セイヨウタンポポの「総苞外片」は花弁を包んでいる「総苞内片」から離れて反り返っていることで区別されると云われていますが、中間の形質のものもあり複雑です。
園内潮入りの池(大泉水)の周囲に咲いているタンポポには、外見上カントウタンポポの形質が見られますが、園に尋ねると、文化財庭園で手を余り加えていないことからも、都内では珍しいカントウタンポポの可能性は否定できないとのコメントでした。
自然度が確保されていてきた御蔭でしょうか、郷愁の念を禁じ得ません。
因みにタンポポの語源については、諸説あるようですが、タンポポの茎の両端を裂いて反り返らせる遊びがあり、これが日本伝統の楽器である鼓に似ていることから、鼓を叩く音を表した「タン・ポンポン」という擬音語由来との説が有力とされます。
漢字名「蒲公英」は漢名からで、生薬の名でもあるようです。
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2016年4月20日 16:00
4月18日(月)、浜離宮恩賜庭園の芳梅亭で、お茶会を気軽に楽しむ「茶道体験」が開催されました。
1回目10:00~、2回目11:00~、3回目13:00~、4回目14:00~
講師は、江戸千家・大内宗心茶道教室、本山宗晴氏。
江戸期はこの近辺に御庭役所があり、庭への入口を警固していたとされます。
明治期に内匠寮員詰所となり、戦後昭和23年に集会場として整備されたと聞きますが、
現在集会施設「芳梅亭」として活用されています。
まず "手前" の手順、礼儀作法に加え、茶碗等の茶道具を始め、茶室や茶花の生け花の観賞方法や客人との心の交流について、プレゼンテーション。
次いで希望者には、実際に "点前" の体験。
参加者の大半は訪日外国人観光客。
国内各地を巡る滞在型の観光客が殆どのようです。
国籍は英国、ベルギー、オーストラリア、ニューカレドニア・・・と様々。
今回は、手ぶらでOK、服装自由とのカジュアルスタイルの茶会。
茶道は「おもてなし」と「しつらえ」の美学とも伝えられます。
銘々異文化を背景に、主人と客の間に通う人間的ぬくもり、和の精神の体感機会を通じての、
交歓の場となりました。
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2016年4月17日 09:00
浜離宮恩賜庭園では、先月末に満開となった「ソメイヨシノ」に続き、主として「潮入りの池(大泉水)」の「御伝い橋」から「横堀」の「海手御伝い橋」までの池畔に植栽されている、所謂「サトザクラ」が見頃を迎えています。
一括して 「山桜」とも称せられる野生種のサクラ(約10種)に対し、サトザクラ(里桜)は、広義には作出された園芸品種、狭義にはオオシマザクラを母種とする園芸品種の総称とされます。
華麗な花を咲かせる品種が多く、八重桜と云われるものの大半はこのグループに属するようです。
一般に非常に微弱な香りのサクラの中で、オオシマザクラやヤマザクラの系統のサクラの中には芳香の強い品種があり、「匂い桜」と呼ばれています。
中でも「駿河台匂」は代表的品種。
江戸時代駿河台の武家屋敷に植えられていたと伝わる種で、ヒヤシンスにも似た清涼感のある香りとされます。
桜葉漬けのクマリンの香りも仄かに感じます。
この他に、純白の一重の大輪「白雪」、純白の八重の大輪「白妙」、「五色の八重桜」と称せられる、"花の中心から葉化した1本の雌しべが突き出る様が名の由来と云われる" 白色~薄桃色の「一葉」、"花の中心から葉化した2本の雌しべが突き出て先端が反り返った様を普賢菩薩の乗る象の鼻(牙)に見立てたと云われる" 薄紅色の「普賢象」、"塩漬けは桜湯として用いられる" 鮮やかな濃桃色の「関山」、"ショウガ科のウコンの根茎から得られる着色料の色に似る" 黄色の「鬱金」、"高貴な貴族の衣装の色のイメージから名付けられたと云われる" 「御衣黄」が楽しめます。
色や咲き方がそれぞれ異なる多様なサトザクラは、ソメイヨシノとはまた違った趣です。
左から、駿河台匂、白雪、白妙、一葉
左から、普賢象、関山、鬱金、御衣黄