[五月雨ジョージ]
2019年2月 6日 09:00
先日、中央区発行の本を2冊入手しましたので、ご紹介します。
1.『中央区の橋・橋詰広場 -中央区近代橋梁調査-』
(1998年 中央区教育委員会 編集・発行/¥1,900(発行当時))
以前にもこのブログに書いていますが、私、五月雨ジョージは無類の橋好きです。霊能力者が言うには、私の祖先は橋職人(測量・設計)だったらしいのです。
『中央区の橋・橋詰広場 -中央区近代橋梁調査-』は、人形町の知り合いの老舗飲食店のご主人から見せていただいたものです。区役所に問い合わせると、すでに絶版になっているとのこと。どうしても欲しかったので、ネットで探し出しました。かなり良い状態のものが安く入手できました。
▲発行当時、朝日新聞にも紹介されました
「中央区文化財調査報告書 第5集」とあるように、中央区内の橋のすべてを対象に、明治期から昭和昭和戦前期に架けられた近代橋梁を専門的な立場から調査した報告書になっています。
内容は大きく〈第一編 長さ・分析編〉〈第二編 台帳編〉〈第三編 資料編〉に分かれています。第一編では時期別、橋デザインの特色、震災と復興など、さまざまな視点から中央区の橋を分析しています。第二編は、川ごとにかかるすべての橋を一つずつ写真や図面と共に、歴史・特徴・デザインをまとめています。第三編は起工・竣工年月日、長さ、幅、形式、工事費などを一覧表にまとめています。
この、A4サイズ、カラーページ含め約360ページの報告書は、現在は川が埋め立てられ橋の名前だけが残っているものや、新しく架け変えられる以前の橋とその周辺の写真が残されており、貴重な歴史資料としての存在感を高めているのではないかと思います。
▲鎧橋のページ
▲千代田橋、新場橋のページ
▲海運橋(楓川) ▲旧新大橋(隅田川)
▲三原橋(三十間堀) ▲数寄屋橋(外濠)
2.『中央区区内散歩 --史跡と歴史を訪ねて--』全9集
(中央区企画部広報室 編集・発行)
2つ目の本は、『中央区区内散歩 --史跡と歴史を訪ねて--』です。これは、1985年度~2010年度に中央区の広報紙に連載していた「区内散歩」を、より内容を充実させ新書版として出版したもの。1988年に第1集が発行された後、2集、3集と数年ごとに世に出され、2013年、第9集(最終巻)の発行によって完結しました。
各集冒頭の「はじめに」を書かれているのが"中央区長"なのですが、この9集発行の25年間、ずっと矢田美英氏がおひとりで区長職をお勤めされていたことにも敬意を表したいと思います。
▲『中央区区内散歩』
こちらは現在も販売中であり、中央区区役所の1階「情報公開コーナー」でお求めいただけます(全9集計¥4,730)。中央区の出身者でもなく、また住んでもいない私ですが、ページをめくるたびに新たな発見があり、楽しく、とても勉強になります。
各巻の内容は以下の通りです。(各巻160~260ページ程度です)
第1集(500円) 「下町の一年」「街並」「暮らし」「文明開化」「文学の小径」
第2集(500円) 「四季のこよみ」「江戸の面影」「近代化に向けて」「文化の足あと」「橋と賑い」
第3集(500円) 「記念碑・文化財をめぐって」「文明開化裏ばなし」「学芸・文化のかおり」「街の面影」「市民のくらし」「食生活にまつわる話」
第4集(500円) 「江戸の町となりわい」「江戸文化のかがやき」「開化のあしどり」「近代文芸の原風景」「女性たちの活躍」「街のうつろい」
第5集(400円) 「江戸―近代への胎動」「外国との出会い」「演劇の主役たち」「文芸の世界」「街―薄れゆく記憶」「記憶あらたに」
第6集(400円) 「近代への始動」「開化の写真師たち」「日本橋が生んだ文学」「海水館をめぐる人々」「開化の洋裁師たち」「永井荷風と中央区」「築地小劇場」
第7集(600円) 「中央区俳人群像」「自由人バロン・サツマ 薩摩治郎八」「ヨーロッパで逝った劇作家 郡虎彦」「水に生きた人びと」
第8集(700円) 「日本橋」「夢二 永遠の女 笠井彦乃」「隅田川の水練場」「外国人が見た中央区」「築地の350年」
第9集(630円) 「外国人が見た中央区」「関東大震災」「昭和初期の銀座」「戦時下の銀座」
[しばしばしばた]
2019年1月30日 09:00
今年の5月1日に皇太子さまが新天皇に即位され、新しい元号に切り替わるのに伴い、
巷では「平成最後の...」という言葉をよく見聞きするこの頃ですが、
中央区には、元号が名前についた通りがいくつかあるのをご存知でしょうか?
今日は、そんな「元号のついた通り」のうち、中央区内を通るものを、
2回にわけて、平成から遡る形でご紹介したいと思います。
■その1「平成通り」
日本橋兜町2番(鎧橋南詰)から築地2丁目15番(晴海通りとの交差点)
まで、新大橋通りの西側に並行して走る通りです。
なぜ「平成通り」の名になったのかは、私は存じ上げていません...。
(どなたかお詳しい特派員さんに解説していただきたいです!)
始点付近の兜町・茅場町には、東京証券取引所(写真1枚目)や
摂社日枝神社のほか、高度経済成長期を思い出させるような
オフィスビル(写真2枚目)が立ち並んでいます。
どちらかというと「昭和」の味わい深さもありますが、
平成という時代を越えてエリアの再開発が始まっており、
時代の流れを感じます。
終点付近の築地には、東京都選定歴史的建造物にもなっている
「宮川食鳥鶏卵」さんの建物(1929年築)があります。
そのほか、沿道には、新富座跡、桂川甫周屋敷跡などの史跡もあり、
「平成」と言いつつも、様々な時代を抱える通りになっています。
■その2「昭和通り」
新橋(港区新橋1)から大関横丁(台東区根岸5)までを結ぶ
幅の広い通りで、中央区内を含む新橋~上野の間は、
中央通りの東側に並行して走っています。
さきほどの平成通りとも、首都高速道路を挟んで並行していますね。
この道路は、1923(大正12)年に発生した関東大震災のあと、
復興都市計画の目玉としてつくられたシンボルロードで、
1931(昭和6)年と、元号が昭和に変わったばかりのタイミングで
完成したことから「昭和通り」の愛称がつけられました。
まさに、昭和という新しい時代を象徴する通りだったわけです。
その幅広い幅員(44メートル)は、街路樹帯や歩道をたっぷり設けた
公園街路として計画された名残でもあります。
(ちなみに構想当初は、108メートルの幅員で計画されていました。
なんと今の幅員の倍以上です!)
図書館で古い写真を探してみると、完成した当時は上下の車線の間に
2列の並木と歩道が設けられていたようです。(一部は、駐車場として
使われていたようですが・・・)
現在の姿は、片道3車線以上ある区間、地下には通過交通専用の地下道と
そこから接続する地下駐車場、江戸橋以北では頭上に首都高速道路の高架...
と、都心部の大動脈として大量の自動車交通を捌く、機能面を重視した構成です。
ある意味、昭和、とくに戦後の時代を象徴する道路になっています。
いまは車通りが多いだけで殺風景、見どころがなさそう・・・と思われがちな
この昭和通りですが、沿道には日本橋郵便局(郵便発祥の地)、べったら市由来碑、
狩野画塾跡などの史跡や日本橋ダイヤビルディング(旧・江戸橋倉庫ビル)のような
著名な建築物があるほか、
日本橋本町には小津史料館やDaiichi Sankyoくすりミュージアムといった
スポットもあります。
平成通りも、昭和通りも、通りという視点で区切って歩いてみると、
また違った面白さがありそうですね!
さて、次回は大正時代へ遡っていきたいと思います。
「大正通りなんてないよ!?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、
実は、昔を遡ってみると中央区内にも「大正通り」があったのです。
乞うご期待!
[柴犬]
2019年1月29日 14:00
年が変わったばかりで早すぎる話題ですが、築地場外市場の年末の買い出しのご紹介です。行ってみたいけどよく分からないという方が多いそうなので、簡単ですが、現場の様子と楽しめる方法をお届けします。
日にちは12/30です。売っているものは、魚介・肉・海苔・ローストビーフやケジャンや料亭御用達の栗きんとんから日用品まで盛りだくさんです。各店がオープンするのはだいたい朝5時頃なので、そのちょっと前に場外入りしてうろつきつつ各通りの勘を掴んでおくと速やかに動けます。実際の場外はそう大きくありません。そこにたくさんのお店がひしめいています。
日が昇ってからは大変に混むので、早朝〜日の出までの時間帯がオススメです。売り切れの心配もありません。また、この時間帯に大勢の人で市場にいるという不思議な高揚感もあります。妖怪の夜市に来たようで楽しいです。駐車場がありますが渋滞するので、早めに着くように出発するか運転係をお願いしたほうがいいかもしれないです。
買い出し以外に、イートインの楽しみももちろんあります。爆安お寿司や夜明けのラーメンなど種類豊富です。複合施設の築地魚河岸レストランフロアのオープンは朝7時です。こちらにも美味しいお店が入っています!
玉子焼きのお店はどこも大繁盛の大行列ですが、予約をしていなくても早朝に行けば買えるお店はあります。並ぶ時間は10〜20分ほどです。さすが、お店の方も速やかです!100円の玉子串は普通に売っています。
現在、場内は完全に閉鎖されており、中に入ることはできません。去年までは出入り自由で、東京湾に上がる日の出を場内から見ることもできました。
人出が多いので混む場所が苦手な方にはオススメできませんが、早い時間に行けばそうストレスなく楽しく見て回ることができます。お買い物が終わったら、波除稲荷神社や勝鬨橋・築地本願寺などで朝日が昇るのを眺めてから帰途につくのも清々しくて良いかと思います。
以上、簡単で駆け足でしたが築地場外市場の年末買い出しのご紹介でした。2019年の年末、ぜひいらして下さい。楽しいですよ!
築地場外市場公式ホームページは → こちら。