東日本大震災の影響が覚めやらない今年のゴールデンウィークは、都内の繁華街はいずれも例年の賑わいとはいかないようです。
そんなゴールデンウィーク最終日5月8日(日)の午前中の銀座中央通りの様子はいかがなものかと一人「銀ブラ」を愉しみました。
普段の日曜日であれば中央通りに面した名だたるブランドショップの前は開店前を待ってアジアからの観光客が列をなして、様々な言語が飛び交っていたことが嘘のように静かな空気が流れていました。
中央通りを新橋側から歩きはじめたのですが、時間は午前10時30頃のH&M前。あの人気のH&Mですら11時の開店前の客の姿はまったくありません。H&Mのお洒落なビルの壁面に掲げられた女性が行き交う人がまばらな歩道を見下ろしています。
初めて知ったのですが、このH&M前の歩道にメタリックな素材でシンプルなデザインのデジタル時計が置かれています。こんなお洒落な時計は銀座中央通りにはここにしかないのではないでしょうか?
ビルに遮られ陽射しが届かないH&M側の歩道を4丁目の交差点へと歩を進めていきます。それでも歩道を歩く人はほんとうにまばらで、これが日本を代表するショッピングゾーンである銀座かと見まがうばかりの光景が目に飛び込んできます。
いつも待ち合わせの人で賑わう4丁目交叉点の三越正面入口もいたって静かな雰囲気を漂わせ、中央通りと晴海通りを走る車の数も日曜日であることを考えても極めて少ないことに驚きます。
4丁目交叉点を過ぎると中央通りの中でも最も海外有名ブランドの店舗が集中するエリアです。パリであればシャンゼリーゼ通り、ロンドンであればさしずめリージェント通りかオックスフォード通りに匹敵する世界に名だたるブランド通りです。大きく違うのはかの地の有名ブランドショップのほとんどが、古めかしい石造りの堂々とした建物に店を構えていること。
ここ数年で銀座中央通りを含め、晴海通り界隈には名だたる海外ブランドショップの真新しいモダンなビルが次ぎから次へと建てられ、まさに現代建築の博覧会といった様相を呈しています。ブランドそれぞれに独自のアイデンティティとイメージを建築デザインに取り込み、それぞれのブランドロゴマーク同様にその存在感をいかんなく発揮しています。
そんな中でも銀座2丁目から3丁目界隈はブランドショップ天国で、日本人はもちろんのこと多くの外国人の垂涎の的となっています。私自身はブランドにはさほど興味はないのですが、銀座中央通りを飾る海外ブランドショップの「これでもか」とその存在感を表す店舗建築のデザインや店舗ファサードの奇抜さにふと足を止め、眺めいってしまうのです。
その代表的な建築デザインが世界に感たるコンピューターブランドであるアップルショップです。メタリックな正面ファサードにあのシンボルマークである「アップル(りんご)」がこれみよがしに描かれています。「i-Pad2」が販売され間もないためか、店内は多くのアップル愛好家たちでごった返していました。私事ですが、震災後の消費に少しでも貢献できればと以前から欲しかった「i-Pod・160GB」をアップルショップで購入しました。
アップルショップの反対側には前面ガラス張りの白亜のデパート「松屋」がまるで見る者を圧倒するかのように横たわり、その1階には世界のブランド「ルイヴィトン」が堂々と店を構えています。
アップルショップを過ぎてすぐ左手には誰もが憧れるブランド「シャネル」そして路地を挟んであのカルティエ、中央通りを挟んでカルティエの反対側にはブルガリ、宝石のティファニーといった誰もがご存知のブランド店がひしめいているのです。
とは言え、いずれのブランド店も開店時間を過ぎても店内には客がまばらで、震災前まで日本を席捲した中国観光客の激減はいやおうなしにこれらブランドショップにも大きなダメージを与えているように思えます。
ご覧下さい。5月8日(日)午前11時すぎの銀座中央通りの様子です。なんとも寂しい限りです。
銀座の元気は日本の元気。華やかな銀座を彩るのは元気な日本人とやはり外国からのお客様。はやく以前の賑わいが戻るよう心から祈っています。