『ギフト、そして自分も楽しむ』をレギュレーションとして取材します、 rosemary sea です。
御香所 香十(こうじゅう)さんは創業が天正年間、ということは前回述べさせていただきました。
今回は香十さんの歴史について触れたいと思います。
今回も銀座香十 東京店 北澤店長に取材のお許しをいただきました。
香十さんの初代:安田又右衛門源光弘さんという方は鎌倉幕府成立時の遠江国守護(とおとうみのくにしゅご):清和源氏安田義定の十二代末裔。
御所御用を務めていたとされます。
そして第二代:政清さんは太閤豊臣秀吉公に、第四代:政長さんは徳川家康公に召されたとのこと。
江戸時代には第八代:高井十右衛門さんが多くの銘香を創り、名人と言われました。
この方、お香の世界ではとても有名な人物。
ここから先は香十さんの主人は「十右衛門」を継承するようになります。
そして光格天皇献上香「千歳」はじめ、表千家へ「九重」、茶道薮内に「若草」の銘香を家元へ納められたと記録されています。
ここのおいて香十練香(ねりこう 後述)の名声が高まりました。
※ 練香=薫物(たきもの)とも言います。粉末状の香木などを蜂蜜等で練って固形状にしたもの。
十右衛門さん、「香十 十右衛門家傳薫物覚書(じゅうえもんかでんたきものおぼえがき)」を書き遺しました。
明治・大正・昭和では京都の室町下長者町に「御香所」ののれんを掲げて営業されていました。
香十さんはその後、現代に生きる香専門企業として東京で「銀座香十」の名で香に携わってきました。
半世紀を経て香十さん、平成28年4月に京都に里帰りしまして、二寧坂にお店を出しました。
生まれた地に戻ることができました。
「香十」の名前の由来ですが、「香十徳」というものがあります。香の有用性や優れた特性を漢字四字十項で書き表したものです。元は中国の漢詩。
この香十徳を有名にしたのは室町時代の臨済宗の僧・一休宗純、その人の書によります。
あのとんちのモデルになった「一休さん」ですね。
学者、詩人という面もあり、また香の愛好家でもあったそうです。後小松天皇のご落胤ということも云われております。
後小松天皇も香を愛し、「後小松院宸翰薫物方(ごこまついんしんかんたきものがた)」という薫物調合・研究書を書き遺しました。
※ 宸翰・・・天皇自筆の文書
その写しの古文献が香十さんに現存するそうです。
天正年間、この有名な香十徳の、香の十の徳を広める名として香十さんの初代:安田又右衛門源光弘さんが「香十」を名乗ったとされています。
四百余年の年月を経て香十さんは、伝統の香十練香「黒方(くろぼう)」をはじめ、名人十右衛門の名を冠したお香など、価値ある香製品の数々をお届けされています。
銀座香十 東京店
八重洲2-1 八重洲地下1番通り中2号
詳しくは八重洲地下街へ入り、店舗配置図にて「八重洲1番通り」をご覧ください。
03-3274-4006
営業時間 10:00~20:00
香十さんのホームページはこちら ⇒ http://www.koju.co.jp/
八重洲地下街さんのホームページはこちら ⇒ http://www.yaechika.com/
なお、この記事掲載につきまして八重洲地下街株式会社 小澤様にご了解をいただきました。