[湊っ子ちゃん]
2018年5月23日 18:00
小川幸治さんは、昭和23年(1948)、中央区湊町(現在の湊)にお生まれになりました。昭和51年(1976)より、古い街並みの姿を留めたいとの思いから、中央区内のスケッチをはじめられたそうです。小川さんの眼差しは、著名な建物はもちろんですが、とくに何気ない路地の様子や、街角に注がれています。
― 私が生まれ育ったのは、東京中央区、鉄砲洲の湊です。生家は格子の出窓のある"しもた屋"でした。「小川君の近所は面白い家が多いね。」芸大の同級生にそう言われてみて、なるほど銅張りの商店や、押しぶしの長屋、出し桁造りの店、レリーフにカラフルなタイル張りの家と、個性に富んでいて調和もある街並みだなと再確認したのですが、その中で生まれ育った私は、それが当たり前と思っていました。(特別展冊子より、以下同じ)―
― 昭和51年、老朽化した我が生家の建て替えを機に、隣り近所の家並みから日本橋や銀座へと足をのばして、思い出の街を描き始めました。折しも東京は地価が高騰し、祖父・父・私と三代育ててくれた街並みが、再開発のもとに次々に地上げされ、子供の頃より見慣れた風景や潤いのあった日常生活は消えてしまいました。その時、私は強い危機感と使命感を感じはじめたのです。―
― 銀座の賑わい、築地の魚河岸、モダンな下町、路地の植木、老舗の日本橋。歴史ある街にはそれぞれの味わいがあります。テアトル東京、日劇、東京証券取引所等の建て替えの話を耳にすると、早々に行って、写生するようになりました。―
― 東京の街が大きく変わたったのは、関東大震災、第二次世界大戦、地上げ旋風の三回でしょう。東京の街はあまりにも広く、たくさんの問題を抱えていて、とても興味深いところです。―
平成19年10月、中央区立郷土天文館タイムドーム明石にて開催された、「第4回特別展 小川幸治の東京画 20世紀末の銀座・佃・日本橋」の冊子に収められた小川幸治さんの言葉より、引用させていただきました。20世紀末、昭和から平成にかけて、それは東京が大きく変わった時代でした。そして21世紀、東京は新たな時を刻み続けています。
小川さんの作品は、社会福祉法人レインボーハウス明石の建物、1階エントランスのフリースペースで見ることができます。石造りの壁に直接印刷されており、古き佳き街並みを、私たちに伝えてくれます。(作品はこちらで撮らせていただきました)
中央区観光特派員 湊っ子ちゃん
第10号 平成30年5月19日
[湊っ子ちゃん]
2018年5月22日 09:00
中央区には、素敵な歩道がたくさんあります。なかでも、町の特徴を表す絵が描かれている歩道は、愛嬌があってとても面白いと思います。そんなユニークな歩道たちを、ぜひ紹介させてください。
♪ 歩道美術館へようこそ!
こちらは、中央区役所前、三吉橋たもとの歩道です。三吉橋の絵が描かれていますね。絵の中では、遠くに木が何本か立っています。きっとこれは、区役所から三吉橋を見下ろした風景だと思います。それも、まだ川が流れていた頃の風景です。昭和5年の写真を見ますと、現在三吉橋に立っているものと、同じ外灯と防護柵が写っていました。区役所の庁舎も、当時は丸みを帯びたレトロな雰囲気でした。
こちらは、三吉橋の絵のある歩道を、銀座方面に向かったところです。番地が描かれていますね。あいだが抜けているのは、そこだけ歩道の工事があったのでしょうか。絵ではなく、文字として町名を描くというところに、地域の方々の"わが町"への誇りを感じます。
同じく銀座、8丁目の「御門通り」です。宝永7年、芝口御門が建造された場所ですね。今は高速道路の走る、旧汐留川に架かっていた新橋の北詰です。近くには、銀座の柳四世の姿もありました。
こちらは、平成通りの歩道でみつけた絵です。月と太陽ですね。近くの歩道も調べてみたのですが、絵があるのはここだけでした。この、ほんわかしたかわいい絵は、誰が描いたのでしょうか。近くに坂本小学校がありますので、もしかしたら生徒さんの作品なのかもしれませんね。
さて、こんな小さなマンホールをみつけました。区の花つつじと、区の木やなぎが描かれています。そして、「灯」の文字。これは、街灯の配線などが収められているそうです。鮮やかな色合い、小さな円のなかにバランスよく並んだ絵と文字に、感動しました。湊っ子は、このマンホールを、亀島川にかかる「高橋」のたもと、湊1丁目側と、それから明石町でみつけました。他にも、色違いなどあるようですので、探してみたいと思います。
♪ まだまだ素敵な歩道がありそうです
中央区観光特派員 湊っ子ちゃん
第9号 平成30年5月18日
[サム]
2018年5月21日 09:00
江戸時代、将軍が鷹狩りの際に、待合い・休憩所として使用していた、浜離宮恩賜庭園内「鷹の御茶屋」の復元整備工事が完了し、4月20日より内部公開を開始したことを記念して、公開開始1ヶ月に当たる5月20日、「鷹の御茶屋公開記念事業」の一環として、内堀広場にて、鷹匠による放鷹術の実演が行なわれました。
(12:00~ 14:30~)
江戸時代の将軍家お抱えの鷹匠の集団のひとつとされる "諏訪流" 放鷹術のパフォーマンス。
鷹匠が鷹を拳にのせ見物人の前をぐるぐると廻る「輪廻り」、鷹匠の拳から別の鷹匠の拳へ飛び移らせる「振替」、樹の枝と鷹匠の拳を行き来させる「渡り」等が披露されました。
記念撮影の時間帯に、間近で見る猛禽類のオオタカの眼力はさすがに迫力満点です。
[湊っ子ちゃん]
2018年5月20日 09:00
中央区では、区民にとってわかりやすく、親しめる道になるようにとの願いから、98路線に愛称がついています。今日は、京橋地区「鉄砲洲通り」を歩きます。
平成元年度に愛称のついた「鉄砲洲通り」は、八丁堀4丁目14番、亀島川に架かる「高橋」のたもとから、湊1丁目と2丁目を通り、佃大橋に出会う湊3丁目11番までの、約600mの道のりです。都バス、江戸バスともに、「鉄砲洲」「湊三丁目」と、2つの停車場を設け、地元の皆さんには、「バス通り」の名でも親しまれています。通り沿いには、鉄砲洲稲荷神社、鉄砲洲児童公園が並びます。
♪ 櫻川
じつはこの「鉄砲洲通り」、今はもうないふたつの川と、深い関わりがありました。「高橋」と「南高橋」の間の歩道に、「稲荷橋」と書かれた親柱が残ります。これは、かつてここを流れていた「八丁堀」の名残です。
「八丁堀」は江戸時代初期、船運を目的に京橋川から隅田川を目指し開削された掘割で、長さが八丁(約872m)あったことからその名がつきました。明治期には「櫻川」と名を改め、昭和61年に、全域の埋め立てが完了し姿を消しました。亀島川に南高橋が架かったのは昭和7年のことですが、それまでの間、稲荷橋は隅田川を一望していました。また、「稲荷」とは、鉄砲洲稲荷神社のことで、明治に入って今の場所に御遷座されるまで、この水の神様は、まさに水の門「湊」から航海の安全を見守っていたのです。
♪ 鉄砲洲川
そしてもうひとつの川、「鉄砲洲川」。この川は、まさに「鉄砲洲通り」を流れていました。現在の明石町あかつき公園、かつての明石堀から延びるこの川は、鉄砲洲通りを抜け、湊二丁目と三丁目の境に位置する路地を曲がり、そのまままっすぐ隅田川に注いでいました。
現在、湊町第一児童遊園のある辺りに、鉄砲洲橋が架かっていたと思われます。この鉄砲洲川は、昭和4年、震災復興の一環として埋め立てられました。残念ながら、当時を忍ばせるものは何も残っていませんが、唯一、鉄砲洲通りから湊町第一児童遊園まで伸びる路地が、明らかに広いことが、河口部としての面影なのかもしれません。
♪ 親水空間
鉄砲洲通りの歩道には、亀島川沿いに親水空間が設けられています。ここに設置されているベンチは、「中央区の森」で発生した間伐材が使われています。「中央区の森」事業は、平成18年10月、「美しい地球を未来のこどもたちに」をテーマに、東京都西多摩郡檜原村のNPO法人里山再成塾および森林所有者と、森林面積約37.4haにおいて森林保全に関する協定を結んだもので、区域を越えた地球温暖化対策に取り組んでいます。
「鉄砲洲通り」は、街路樹がとてもきれいな通りです。大きく育ったプラタナスが、鮮やかな若葉を茂らせ、足元にはオレンジ色の道が続きます。歩道沿いの鉄砲洲児童公園には、小さな水辺と噴水。午後には、木漏れ日がきらきらと眩しくて、子供たちの元気な声がきこえてきます。通り沿いには古くからの商店が賑やかな雰囲気をつくり、近隣の住民や会社員さん、タクシーの運転手さんなどが、一休みする風景も見られます。ゆっくりと時間の流れる、そんな「鉄砲洲通り」です。
中央区観光特派員 湊っ子ちゃん
第8号 平成30年5月17日
[ジミニー☆クリケット]
2018年5月19日 18:00
バラの季節です
私の勤務先(築地1丁目)の周辺でも、バラが美しく咲いています
まずは、楓川新富橋公園(新富2丁目)のバラがこちら
新富橋公園は、ちょっと隠れ家的な雰囲気のある静かで落ち着いたスペースです
築地川公園暁橋(明石町)のバラがこちら
暁橋のバラは、このバラ、1種類です
真っ赤なバラを囲むように植えられた白いシロタエギクが、とてもよいアクセントになっています
築地川祝橋公園(築地1丁目)のバラがこちら
祝橋公園(首都高速の上に作られた公園)には、何種類ものバラが植えられていて、昼休みなどは、サラリーマンの憩いの場となっています
「中央区の花」は、もちろんつつじ(さつきを含む)で、現在、そこここで咲いていますが、バラはバラで、上の場所以外でも結構咲いていますよ
バラの季節を楽しみましょう
昨年5月、楓川新富橋公園のバラを紹介したブログはこちら ⇒
/archive/2017/05/post-4341.html
同じく築地川公園暁橋のバラを紹介したブログはこちら ⇒
/archive/2017/05/post-4357.html
一昨年5月、築地川祝橋公園のバラを紹介したブログはこちら ⇒
/archive/2016/05/post-3333.html