築地場内、長蛇の列で有名な
『大和寿司』『寿司大』さんの向かい側に
知る人ぞ知るチーズ専門店があるのですが、
皆様、ご存知でしょうか?
看板には『KOTOBUKIフーズインターナショナル 日本のお酒と世界のチーズ』の文字。
この時点で、チーズ好きな方、チーズのお勉強をされた方なら、ピン❗️とくるはず。
フランスのチーズ熟成士最高位、
「Maitre Fromager」(メートル・フロマジェ)の称号を持った最初の日本人であり、
2013年にフランス農業勲章シュヴァリエ、
2015年にフランス農業勲章オフィシエ、
を授与された、マダム久田こと久田早苗さんが約30数年前に創業した『チーズ王国』、そのHISADAグループが、満を持して2014年、築地へ出店した店舗なのです。
が、しかし、、、
デパ地下にあるような、キレカワ(綺麗で可愛い)の『チーズ王国』をイメージして行くと、ギャップに驚くこと間違いなし❗️
観光客が大挙して押し寄せ、そして、食のプロが仕入れに来るという、二極化の課題をクリアするべく、女性スタッフの方々は市場仕様で、何カ国語をも操り、フレンドリーかつ、ノリが良く、笑顔が素敵な方々ばかり。
店長は、この業界に20年以上身を置く、チーズのプロ中のプロフェッショナル。一見、強面で恰幅が良いので、武道家か格闘家に見えますが、とても繊細に、丁寧にチーズを扱います。
もともと、それほどチーズ好きとは言えなかったそうですが、以前に勤務していたホテルで、フランス人シェフからデシャップ(Dish Up)の残り物のチーズを食べさせてもらった時に『日本のチーズはチーズじゃ無い❗️』と想い、開眼。
(その時代は、現在のような輸入されたナチュラルチーズは入手困難で、日本に流通しているチーズの大半は、熱加工されたプロセスチーズでした。)
しかし、平坦ではなかった、チーズ道。これまで提出した「退職願い」は5回。その度に預かりとなり、『おまえは、人の人生変えてるんだよ!だから、やめちゃ駄目!』と叱咤激励されて、続けて来られたそう。
なので、この店長の起死回生の接客は、
熱くて、ソウルフル。燃える闘魂です‼️
特に、チーズを仕入れに来た、レストランやバーのシェフには、チーズごとの特徴や保存の仕方、オススメの食べ方以外に、単価アップして供出する方法、無駄にせず使い切る方法、他の食材との思いがけないマリアージュ(組み合わせ)の提案、洒落感の演出まで、ひとりひとりと、しっかり話し込んでいます。
その合間に、常連のチーズ好きの方、市場の顔馴染みの方々が、ひっきりなしに訪ねて来ては、いじり、いじられ、市場的坩堝感と、活気と人情と豪快さに満ち溢れた遣り取りが展開されます。
ですから、一般の初めての人が、このテンポに、すっと入って行くのは、なかなか、難しいかもしれません。が、それも含めて楽しめる方なら、そのマニアックさに、どっぷりハマること、間違いありません。(^。^)
チーズは、それこそ、食のプロに卸すのですから、厳選された品質であるうえ、状態を見極めた、まさに「今でしょ!」が並びます。そして、市場価格なのも嬉しい限り。
さて、日本人にとってチーズは、ハイカラな食べ物と捉えられがちですが、フランスやイタリアなどに於いては、日本の郷土に根ざした、特徴ある漬け物と同じ感覚。
発酵食品なので、熟成が進む変化を楽しみながら、毎日、一切れづつ食べます。
また、ハードチーズ系は、削ったり、摩り下ろしたりして使用。鰹節のように、料理にもうひとコク、旨味を足す調味料でもあるわけです。
、、、この先は、ぜひ、熱い店長から教えを受け、奥深い、チーズの世界を味わってみてはいかがでしょうか。
店舗: KOTOBUKIフーズインターナショナル
カテゴリー: 食材/乳製品
出展商品: 世界の厳選チーズ
住所: 築地場内7号館5号
(東京都中央区築地5-2-1)
TEL: 03-3248-9888
営業時間: AM6時~PM13時
定休日: 日曜および休市日
※市場の営業日に準ずる
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チーズの専門用語が普通に飛びかうので
少しだけ解説。
【玉】ワンホールのこと。特に抱えるような大型のチーズをさす。
【切ったら大理石】青カビチーズなどを切ったときの断面。全体にカビが行き渡った良好な状態。
【ギロチン/リナー】青カビチーズを、美しくカットするための専用カッター。
【農家製=フェルミエ製】
大手の業者ではなく、小さな生産者が作ったもの。レアなので、見かけたら即買いしたい。
【シェーブル】山羊乳製。旬は春から夏。この時期、オススメ!
【ブルビ】羊乳製。イタリア語だとペコリーノ。
記:王冠とあざみ
CPA認定チーズプロフェッショナル