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2018年2月11日 12:00
銀座5丁目と6丁目の間の通りは「みゆき通り」と呼ばれ、この名称は、明治天皇が皇居から、当時築地にあった海軍兵学校、海軍大学校における式典への行幸(みゆき)や浜離宮へのお成りの際に、この通りを行幸路とされたことに由来するということは、比較的よく知られていると思います。しかし、これが何時から始まった名称かという点については、私も知りませんでしたが、この点について、2月7日の朝日新聞「ことばの広場」で取り上げられているので、紹介します。
この記事によると、1940年の東京五輪招致(1940年には万国博覧会の開催も計画されていたが、戦争激化のために、両者ともに中止となった)が決まった1936年前後、東京を世界に通用する美しい街にしたいと考えた人たちがいました。画家の藤田嗣治、詩人の西条八十らフランス帰りの文化人らが、銀座を拠点に巴里会というグループをつくり、山下橋通りの美化、街燈や通りの整備を推奨し、名称も世界に通用するものにと呼びかけました。
そして、選考の末に、行幸路とされた「由緒を記念するために、謹んで『みゆき通り』と命名」したことが、巴里会発行の雑誌『あみ・ど・ぱり』1936年6月号に記されているということです。
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2018年1月10日 18:00
今日、観光庁から、メールで、下記のような通知と研修の案内が届きました。この1月4日から改正法が施行されたのですね。
いよいよ、東京オリンピックムードが盛り上がってくるのでしょうね。
現在インバウンド・ブームですが、数的には中国、台湾、韓国からの旅行客が圧倒的なようで、東京・銀座あたりでもそこかしこで中国語が聞かれます。しかし、最近は、中国からの観光客を乗せたバスが止まっている姿も最盛期からは少なくなってきたように感じます。オリンピックでも、やはり、中国からの観光客が多数となるのだろうか?
改正通訳案内士法施行案内
1. 背景
訪日外国人旅行者の受入環境の整備を図るため、通訳案内士資格に係る規制を見直すとともに、旅行の安全や取引の公正を確保するため、旅行に関する企画・手配を行ういわゆるランドオペレーターの登録制度の創設等の措置を講じる「通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律」(平成29 年法律第50号)が、昨年6月2日に公布され、本年1月4日に施行となりました。
2. 通訳案内士法の主な改正内容
(1)業務独占規制の廃止・名称独占規制のみ存続
(2)地域通訳案内士制度を全国展開
(3)全国通訳案内士試験の試験科目の見直し
(4)全国通訳案内士に対して登録研修機関が行う研修の受講を義務づけ
業務独占規制が廃止され、今後は資格を持たない方であっても、有償での通訳案内業務を行うことが可能となります。なお、名称独占規制は存続するため、無資格者は「全国通訳案内士」、「地域通訳案内士」及びこれらに類する名称を名乗ることはできません。
(※改正法施行後の通訳案内士制度については観光庁のホームページをご覧ください)
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2017年12月19日 09:00
私は、「椿」の花が好きです。質朴な藪椿が特に好きです。また、「椿」という漢字は、画数が多く、躍動感がありながらも安定感があり、字も好ましい。したがって、「花椿通り」という名が好きです。私のブログネームは、CAMellia からとったものです。
銀座のメインストリートである中央通りの7丁目~8丁目付近を交差する通りが「花椿通り」と名づけられたのは、昭和初期に出雲から寄与された出雲椿(ヤブツバキ)が街路樹として植えられたことに由来しているということです。
昭和通りにかかる歩道橋は、エスカレーター、エレベーター付きです。「ときめき橋」と称されています。
ここから、外堀通りに向かって歩くと、椿の花を持ったポニーテールの少女「はな」の像が置かれています。これは、通りに御影石が敷きつめられて整備された記念として設置されたものです。
ここから少し先には「銀巴里」跡の記念碑があります(銀座7丁目9番11号)。「元銀巴里跡」と表示された記念碑があります。
銀巴里は、1951年から1990年12月29日までこの地にあり、日本初のシャンソン喫茶店と言われています。美輪明宏、戸川昌子、加藤登紀子、金子由香里らを輩出し、三島由紀夫、野坂昭如、なかにし礼、吉行淳之助、寺山修司、中原淳一らが集いました。12月29日は、この名店の閉店にちなんで「シャンソンの日」とされています。
外堀通りに向かって中央通りまで来ると、外堀通りに向かって左手、銀座8丁目の角には東京銀座資生堂ビル(資生堂パーラー)が見えます。外壁の赤レンガ色が特徴です。そして、右手、銀座7丁目8番10号にSHISEIDO THE GINZA、さらに並木通り(銀座7丁目5番5号)に資生堂銀座本社ビル(花椿ホール)があり、本社ビル屋上には成功稲荷神社が鎮座しています(ものしり百科55頁)。花椿通り近辺に、3つの資生堂ビルがあることになります。
銀座7丁目、SHISEIDO THE GINZAの先には、豊岩稲荷神社があります(ものしり百科55頁)。
外堀通りに向かって、すずらん通りを少し右に入ると「すし椿」(銀座7丁目7番6号)があり、玄関には大きな椿の木がおかれています。私は、残念ながら、まだ内部を見たことがありませんが、カウンターは木曽檜の一枚板だそうです。
銀座7丁目7番11号には「椿屋珈琲店本館」があります。私も時々利用していますが、内部には、落ち着いたアンティークな雰囲気が漂っています。
その向かい(銀座8丁目8番1号)には、CAMILLE FOURNET 店があります。同店のサイトによると、「<Camille Fournet(カミーユ・フォルネ)>は1945年に、狩猟と鞍作りで栄えたフランス/ピカルディ地方で馬具職人カミーユ・フォルネによって創設され、1980年以降、数多くのブランドに時計ベルトを供給し続け、高級時計業界にとってなくてはならない存在となりました」ということです。
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2017年11月 9日 18:00
京橋2丁目にできた「中央区観光情報センター」は、英語による案内資料も豊富に備えられていますね。ただし、私が訪れた時には、外人(アジア系も含む)の姿はまったく見えないように思いました。日本橋のたもと、花の広場におかれた「日本橋観光案内所」とは違い、通りすがりに見つけるというには少し無理な立地であることが残念ですね。
京橋の近くを少し歩いてみましたが、「京橋の親柱」に置かれた説明版は、英文併記のものだったし、「江戸歌舞伎発祥の地」の記念碑には英文説明も刻み込まれていますね。
地図にも、要所には英語が併記されていますね。
ところが、帰途、都バスに乗って、行き先表示の英文表記を見ると、「Sumitomo
Twin Biru」「River City Nijyuichi」など、英語と日本語ローマ字とが混在しているのを見て、少し驚きました。「Biru」だの「Nijyuichi」というのは、やはり英語にあらためるべきではないでしょうかね。 外国人が日本語で発音できるため、という深慮があるのなら別ですが。
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2017年10月15日 18:00
先に、人形町界隈の説明板に英語説明が併記されていない、ということを述べましたが、区内でも相当数の説明板では、英語表記のものに変わってきているようです。例えば、晴海の「日本万国博覧会事務局棟跡」、佃の「海水館跡」に設置されたもの等です。
「海水館跡」説明板は、平成21年(2009)3月と表示されていますから、8年以上も前に設置されたものです。(『ものしり百科』の「区民史跡」の部分で挙げられていた写真は、英語併記がなされていない時に撮影されたものであることが明らかでしたが、2017年10月発行の最新版では、やっと最新の写真に入れ替えられたようです)。
英語で説明する場合、例えば、中央区の大部分は埋め立て地(reclaimed land)である、などと話しても、この中にはRとLが複数含まれていることもあり、口頭だけでは果たして通じたかどうかは覚束ない感じがします。なるべく同意語を重ねるように努めてはいるのですが、例えば、辞書によると"reclaim"とは海を、"fill up"とは、池・川などを、埋め立てる意で使われるそうなので、誤訳にもなりかねないのです。
誤解を避けるためにも、口頭のみのコミュニケーションとするのではなく、英語での説明を示しながら、その要点を口頭で話す、というパターンがよいのではないかと思います。
私は、あるアジアの国で、運転手があまり飛ばすので、"Safety First"と言ったら、ギョッとしたような表情で振り向かれて、思わず「危ないじゃないか!」と叫びそうになったことがあります。後から考えると、"Safety First"という語句が和製英語くさいし、どうも、"First" を"Fast"(速く)と聞きとったようでした。"Safety Fast" などと言われれば、ギョッとしたのも当然です。
そのように、口頭だけでは思わぬ誤解も生じます。そうした意味も含めて、区内の説明板は早急に英語併記のものに改めるべきでしょう。
「海水館跡」説明板
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2017年10月12日 16:00
2017年10月11日の日本経済新聞地方経済面(東京)が、中央区の外国人旅行客受け入れ体制整備の例として、「日本橋インフォメーション」(観光案内所)設置のことを報じていますね。また、中央区は、街歩きを安心して楽しめるように外国語表記の案内標識を増設し、インターネット環境も充実させるなど、東京を代表する観光地の魅力を高め、集客増につなげる考えであることが述べられています。同記事によると、都内を旅行した訪日客の48%が銀座、37%が日本橋(東京駅周辺と丸の内を含む)を訪問している(東京都16年度の調査)ということです。
「外国語表記の案内標識を増設」ということですが、外国語表記の際は、日本語のローマ字化にとどまらず、その内容を示す英語部分が必要だと思います。現状では、ローマ字化だけに留まっている標識も見られます。例えば、「Amazakeyokocho」と表示するだけでなく、その後に、「Alley」、「Street」等を添えるべきだということです。地名のローマ字化だけでは、日本語を理解できない外国人は、その表示「内容」が全くわからない。
この、地名の英語表記は大切なことで、私自身、ロシアをはじめとするロシア語圏内を独りで移動した際、街の街路表示が発音さえできないため、道に迷って約束の時刻に送れそうになっても自分の現在地さえ連絡できず、困った経験があります(当時は海外で携帯を使えるような状況ではなかった)。それはモスクワ市内での経験でしたが、街中で拾ったタクシーに途中で降ろされてしまい、街中では英語はほとんど通じず、つかまえた若い人の助けで、地下鉄で何とか目的地へたどりついたら、相手がお前は勇敢な男だ、と言ってくれました。ソ連崩壊後10年ぐらいの時期でしたし、モスクワの一般タクシーは悪名高く、少しぐらい高価でも、ホテルで申し込んだタクシー以外に乗ってはいけないと言われていたのを、あらためて思い知らされたのでした。
また、「10月8日ウェルカム中央インバウンドツアー」の下調べで、人形町周辺を歩いてみて、街中に相当数ある説明版に、日本語説明のみで英語説明が併記されていないのは不満でした。私が確認できたのは、区の教育委員会が設置している看板以外では、からくり人形2基の英語説明ぐらいであったと思います。
日本橋インフォメーション