[滅紫]
2018年3月 1日 09:00
東京マラソンを応援する人の多さに圧倒されながら、日本橋から銀座までブラブラ歩いてお茶でもとのぞいていたらこの展覧会に遭遇しました。以前読んだ時代小説の中で火事にあった商人が「大福帳に長い紐をつけ井戸に投げ込む」場面があり、その時のセリフが「これは水戸さまの西ノ内和紙で出来ているので水にぬれても墨が散らず乾けば元通りになる」というのが記憶に残っていて一度は見てみたいと願っていたものなのです。会場の方のご説明によると「西ノ内和紙」名付けたのは水戸光圀公で、古くから茨城県西ノ内地方で生産されていたものを水戸藩になってからサイズも定め、検品し水戸藩専売として江戸に出荷、水戸藩の資金源のひとつになっていたとのこと。原料は那須楮でパンフによれば「楮は日本各地で産出しているが奥久慈地方で出来るものが日本最高品」とのこと。この展覧会は紙すき職人の菊池正気さんが作った和紙を紙造作家の小山欽也さんが「紙布」やタピストリーなどの作品にしたものです。座布団や暖簾、紙衣(かみこ)、「空中浮遊」と名付けられた現代美術のような作品もあります。作品によってはこれが紙?と思わせられるものもあり、私が気に入ったのは屏風のようになった暖簾で2か所に開いた窓が明り取りになっていて折り畳みも出来、風も入らないので「即席のお茶室が出来る」のです。お部屋の一部があっという間に独立したお茶室に早変わり!「紙布」で夏帯を作ってもよさそうだし、江戸時代絹や木綿を買えない人たちは「紙布」に綿や藁を入れ冬の衣服・蒲団として用いていたそうですから、丈夫なこと・暖かさは請け合いです。日本の伝統工芸品は実用と美とを兼ね備えていて本当に凄いとあらためて感じます。土日は先着10名のワークショップがあります。
タチカワブラインド銀座スペース 銀座8-8-15
TEL 3571-1373
「Collaboration西ノ内紙との出会い」
3月4日まで 10時~18時最終日16時 入場無料
[滅紫]
2018年2月27日 09:00
本年4月に「国立映画アーカイブ」として近代美術館から独立し、6番目の国立美術館として開設されることが発表された京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで「発掘された映画たち2018」が1月30日から3月4日まで開催中です。気が付いたのが遅く見損ねたものが多くて残念なのですが、間に合ったのがこれ、「横田商会製作の【忠臣蔵】複数バージョン特集」です。「実録忠臣蔵」は1910~12年に撮影された各場面をまとめた全通しの忠臣蔵に後に音声を付加したもの、日本映画の父・牧野省三と最初の映画スターと呼ばれる尾上松之助コンビによるものです。(NFCのパンフより)
特別口演:巴うの子、声色弁士:生駒雷遊他3名。活弁士のしゃべりがアフレコのようにうまく役者のセリフになっています。オープニングの浪曲師の巴うの子の迫力は凄い。今回復元されたフィルムには以前のものには含まれていなかった場面も多いとか、もう一本も場面毎の構成は異なるものの「これをもとにして活弁トーキー版が作られたと思われる」(同パンフ)そうです。こちらは音声なしですが、同じ場面の長さが違ったり、前の版にはない場面があったりで両方見てわかることも多くて面白い。2本で125分、飽きないで楽しめました。椅子も商業館並みでこれで520円(学生・シニアは310円)はお得です。
フィルムセンターがある場所は日活本社ビルのあったところで昭和27年(1962)に国立近代美術館)フィルム・ライブラリーとして発足しました。この頃京橋には他に大映(京橋3-2)、東映(京橋2-8)と3社も映画会社の本社がありました。京橋に国立映画アーカイブが出来るのも必然ですね。
今後の企画についてはNFC HPをご覧ください
http://www.momat.go.jp/
国立近代美術館フィルムセンター 京橋3-7-6
京橋駅出口1から1分、宝町駅 出口A4から1分 銀座一丁目駅出口7より5分
[滅紫]
2018年2月 8日 18:00
話題の高麗屋三代同時襲名公演も2か月目に入り、益々の人気でチケット手配も大変。漸く友人たちにチケットを渡して私もやっと歌舞伎座に。入り口の番頭さんと呼ばれる役者さんのマネージャー役の方たちの受付の後方にずらりと並んでいるのは出演俳優の奥様方20人近く。流石に華やか、圧巻です。客席に足を踏み入れた途端目を引くのは草間彌生デザインの祝幕。黒地にカラフルな3点が凄いインパクト。あちこちで写真を撮っているお客様が目立ちます。
夜の部は新幸四郎さんの「熊谷陣屋」、襲名披露口上を芝居仕立てで上演する「木挽芝居賑」、奥様方勢ぞろいの理由がわかりました。菊五郎、仁左衛門、吉右衛門そして藤十郎さんまで両花道を使っての俳優総出演です。襲名公演ならではの豪華さ、贅沢です。そして今月話題になっているのが「七段目」の平右衛門とお軽を仁左衛門・玉三郎と海老蔵・菊之助が奇数日と偶数日交替で演じるというもの。1月からどちらの組み合わせで見るか仲間内では大騒ぎになっていました。両方見たいのは山々ですが、チケットも通常よりお高く、また手配も大変なので悩ましい所です。今日は奇数日で仁左衛門・玉三郎の組み合わせ、「孝・玉コンビ」の久しぶりの復活ですが流石、息の合った名コンビ。いい雰囲気です。新染五郎(大星力弥)と新白鸚(由良之助)が37年前の先代たちと同じ役を勤めるのも話題。新染五郎さんは中学生ですが、「歌舞伎の名門の御曹司」を画にかいたような姿の品のよさと美しさで隣の方と「お父さんより更に美男」と盛り上がりました。襲名記念グッズもたくさん揃っています。これは一筆箋3種類あるうちの一つです。
25日までですが、日にちによってはまだ取れる日もあるようです。歴史的な三代同時襲名公演是非ご覧ください。
昼の部は「春駒祝高麗」「一條大蔵譚」「暫」「井伊大老」です。
千穐楽は25日 チケットのお問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時~18時)
[滅紫]
2018年2月 6日 14:00
今日は立春。東京も2週続きの降雪で冷たい日が続いていますが、「立春」と聞くと何だか少し気分だけは少し暖か。早春の香りといえばやはり「苺」でしょうか。「苺」という漢字は数年前「名前に使いたい漢字」の1位で「くさかんむり」のグリーンと「母」の字の点々が苺のつぶつぶに見えて可愛い!というのが理由だったそうです。漢字に「可愛い」「素敵」「綺麗」といった印象を抱くのは日本人だけらしく、漢字ご本家の中国ではあまりそんな話は聞かれないとか、気分に応じて「苺」「いちご」「イチゴ」あるいはstrawberryと使い分けが出来る日本語の表現手段の多彩さは「文化」ですね。
今までにも旬を感じさせてくれる和光のパフェを季節ごとにご紹介してきましたが、今回は早春を感じさせてくれるストロベリー・パフェです。
今日お待ちの方は2組だったので余り待つことなくご案内いただけました。私はスイーツ男子の友人と一緒でしたが、周り中全員女性です。迷うことなく苺パフェを、友人は苺のショートケーキ、飲み物はコーヒーとアイスエスプレッソです。苺ショートを一口味見させてもらいました。スポンジにはかすかにレモンの味が。生クリームの甘さを和らげています。
さあ、パフェです。ストロベリーアイスクリームの周りを綺麗にカットされた苺が取り巻いています。食べ進むとイチゴジャム、コンポートが、外から見て綺麗な層になっているのを崩すのは少し残念ですが、美味しさには負けます。その時期に一番おいしい産地の苺を使っているそうで、3月末までの期間限定です。3月に使う苺はどんな味のものでしょうね。すこしずつ春に近づいていく季節の変化を苺パフェで味わえるというのは素敵ですね。
和光アネックス・テイーサロン
銀座4-4-8 10時30分~19時(日・祝は18;30)
TEL 03-5250-3100
[滅紫]
2018年2月 2日 09:00
「燕三条」と云えば世界中に輸出されている洋食器が思い浮かびますが、鍛冶技術を生かしたモノづくりの町として江戸時代から有名。「藤次郎」ブランドの包丁・ナイフは世界の料理人たちのあこがれだとか。
この「燕三条イタリアンBit銀座店」は使用する洋食器・グラス・箸・カトラリーをその燕三条産で揃え、食材は新潟の旬のものを使った「まるごと燕三条」のお店です。地元の1号店に続く2号店として銀座に誕生して1年余りです。中央通に面したバセロン・コンスタンビルの3階という便利なロケーション。オープンキッチンでシェフの顔も見えます。
今日はおススメのランチの「玉川堂コース」を選びました。パスタとメインのチョイスが出来てアミューズ、オードブル、デザートがついて3,800円(込)です。ランチコースには本日のパスタ1,000円~1980円(別。サラダ・スープ・ドリンク付)と魚料理コースと肉料理コースがともに1980円(別)です。私は生うにのトマトクリームソースとお肉を選びました。
メインはシェフ自らサービス、流石にナイフはいい切れ味です(力を入れなくてもすっと切れる。欲しい!)デザートは3種類も入っていてすっかりお腹一杯。サービスの方もとてもアトホームないい感じだし、「渡り蟹のパスタ」「黒トリュフ香るキノコクリームのタリアテッレ」にも魅かれるので何回か通って制覇したいと思います。
燕三条イタリアンBIT銀座店 銀座7-8-8 CSSビル3F
TEL 02-3573-6560 ランチ11:30~15:00 ディナー17:30~23:00
日・祝休み