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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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◆ 朝潮小橋の夏の夜

[隅田の花火] 2016年8月 4日 16:00

中央区の晴海と勝どきを結ぶ、歩行者専用の橋「朝潮小橋」。

隅田川の最下流部と並行するように流れる「朝潮運河」の一番下流側(東京湾側)に架かっている橋です。

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(昨年秋の中央区まるごとミュージアムでの船上風景)

 

この橋が架かっている辺りは何が凄いかというと、高層マンションの巨神の群れ。最近また数棟増えました。

この橋の近くに来ると、都会の神々に囲まれてしまったようなカンジで、何だか圧倒されて口が開きっぱなしです。個人的には中央区の中で一番、自分自身が小さく感じられてしまう場所ですね。

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この前の日曜日の夜に晴海を散策してみたのですが、久しぶりにこの橋に立ち寄ってみました。

 

なぜかというと、この橋から見る夜景はとても綺麗なんです。

朝潮運河には屋形船も通ります。イヤイヤ、夏っぽくてたまらない雰囲気です。

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この橋の上流には、環状二号線が通る「黎明大橋」が架かっていますが、まだ未開通。

なのでまだこの周辺は車の音があまり耳に入らず、穏やかな気持ちで夜景を楽しむことができます。

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(上流側の黎明大橋)

 

朝潮小橋は歩行者のための橋。照明もオシャレで、途中には足を止めるための円形テラスが設けられています。

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ここにはベンチがあるので、一息ついて、贅沢に遠くのレインボーブリッジや赤く点滅するビル群のながめを堪能することもできます。

座わらないわけにはいきませんね。

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遠くのレインボーブリッジ、その手前側は晴海地区です。これから東京五輪の選手村ができるので、また景色も変わってくるのでしょう。

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夜景を見るなら、やっぱり夏。

暑い夏を楽しんでうまく乗り切って頂けたらと思います。

 

 

 

◆ 勝鬨橋から見る夢タワー

[隅田の花火] 2016年7月29日 14:00

三年前の夏の隅田川。

 

下流の勝どきまで初めて歩いて来て、ひょっこり現れた東京タワー。なんだかとても嬉しかった思い出があります。

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(2013年 夏のタワー)

 

近すぎず遠すぎずの絶妙な距離感で見える東京タワー。勝鬨橋や周辺の隅田川のテラスは今や希少な場所です。

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勝鬨橋は「またいつか開いてくれるのではないか」という、未来に向けてのロマンがある、夢のある跳開橋。

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そんな夢のある橋から眺める夢タワー。

私が一番好きな隅田川の風景は、この勝どきから見える東京タワーの風景です。

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東京人の「心のともしび」。東京タワーのことをそんなふうに言う人もいたり。

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何十年も前に東京で働いていた私のいとこは、たびたび新橋の駅から勝鬨橋まで歩いて来ていたとか。

勝鬨橋からの東京タワーを見るために。

 

今では東京での一番の思い出となっているようです。

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(2015/10/31 ハロウィン限定カラー)

 

都市は変わり続けます。

 

勝鬨橋と寄り添うようにあった築地の市場はこの地を去ることに。

市場の夜の光も移転してしまうことになりましょうか。

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(2015 クリスマスイブ)

 

 

そして東京タワーの光も?

 

背の高い建物が建てられるみたいで、タワーの光が遮られてしまうかもしれません。

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(東京タワーから見た浜離宮・勝どき方面)

  

狭苦しくても良いので見えるままであってほしい・・・

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(月島のテラスより)

 

夏は夕暮れ。涼しくなってからがおすすめ。

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ロマンチックな雰囲気に浸るのもアリ。

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(2016/7/28 梅雨明け宣言限定カラー)

勝鬨橋から見る市場の灯りと東京タワー。

今のうちですよ。

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思い出のある方も、ない方も。

 

 

 

◆ 両国橋・ 隅田川の風物詩

[隅田の花火] 2016年4月 8日 12:00

 

両国橋から下流方面の眺めです。

隅田川を満喫するのにとても気持ちがいい季節がやってきました。

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両国橋は隅田川の橋としては中央区の最上流に位置しますが、歴史的には江戸時代に隅田川で二番目に架けられた伝統のある橋で、川と一緒にいろいろな物語を作ってきました。

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隅田川のこの辺りが戦いの舞台となる春の風物詩が、早稲田大学と慶応義塾大学の一騎討ちの 「早慶レガッタ」。今年で第85回目を迎える伝統のレースで、4月17日(日)に行われます。

 

早慶レガッタはいくつかのレースが行われますが、そのうち「対校エイト」と呼ばれるのがメインレース。

そのスタート地点は、新大橋とその上流の両国橋の間にある、中央区の「浜町公園」付近の予定。ここから川をさかのぼり、浅草のちょっと先の桜橋までの3750m。長丁場の戦いです。

 

レースの序盤戦となる両国橋付近。レースそのものを、この場所でどう楽しむか。

私なりに考えてみました。

 

 

レガッタ競技は直線で競われるのが普通のようですが、隅田川で行われる早慶レガッタは「曲がりくねった」コース設定が特徴。

特にこの場所、両国橋辺りの隅田川の川筋は大きくカーブしています。

s_hanabi34-3.jpgレースのスタート直後にあるのが、両国橋のこの大カーブ。

カーブの特性上、インコースとアウトコースという図式が生まれるため、インコース側のスタート位置が少し後ろになるというのが、レースの駆引き上、ひとつのポイントではないでしょうか。

 

レースは、進行方向を見て舵をとる1人のコックス(操舵手)と、進行方向とは逆を見る8人の漕ぎ手がチーム一丸となって先着を競います。

s_hanabi34-4.jpg(2014年・スタート地点に向かう早稲田艇)

 

何となくですが、相手より先行してレースを進められれば、8人の漕ぎ手が相手を見ながら漕ぐことができるので、展開を優位に進められる気がします。

 

両国橋より先は、それほど大きなカーブはありません。

そのため私が勝手に思っているレース序盤戦の見所は、スタートから両国橋付近までの間に、インコース側の艇がアウトコースの艇にどの程度追いつけているのか、というところなのですが、とうでしょう?

 

4月17日(日)の早慶レガッタ、ぜひ皆様なりの楽しみ方で観戦して頂けたらと思います。

「早慶レガッタ」のHP ⇒ http://www.the-regatta.com/

s_hanabi34-5.jpg(2014年のレース・両国橋上から。アウトコースの手前側・慶大が勝利した。)

 

 

春の隅田川の風物詩はこの「早慶レガッタ」の伝統の一戦。そして隅田川のもうひとつの風物詩は夏の「両国の花火」です。

s_hanabi34-6.jpg(花火がデザインされた両国橋上の歩道の柵)

 

以前は打ち上げ場所がこの両国橋付近にありましたが、現在は上流の二ヵ所に移され「隅田川花火大会」として今も受け継がれています。

 

江戸時代、この橋の橋詰には火除地が設けられましたが、特に今の中央区側の橋詰は「両国広小路」と呼ばれた所で、花火も楽しむことができる江戸有数の歓楽街だったそうです。

墨田区にある江戸東京博物館にはこの場所が再現された素晴らしいジオラマがあって、その頃の賑やかさを感じることができます。

 

しかし実際に今この両国橋に来てみると、それを感じるのはなかなか難しかったりします。

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江戸時代の賑やかさを感じる方法としては・・・この時代に描かれた絵を見てみる方法があります。

 

眺めの良い風景だったのでしょう。この辺りが描かれた絵は無数にあるのですが、そのなかでも私が好きなのは、墨田区側の隅田川テラスやJR両国駅にも飾られている、この絵。大河ドラマ「龍馬伝」のオープニングでも使われていました。

s_hanabi34-8.jpg<JR両国駅/東都両国ばし夏景色(橋本貞秀)>

 

川に集まる大小賑やかな舟々。

橋上を埋め尽くす無数の人々。

空にうち上がるまばゆい花火。

上流の遥か向こうには筑波山。

 

今の中央区側から見たこれらの風景が四角形の絵のなかにひとつに納められ、この場所の賑やかさがうまく表現されています。

 

 

中央区側は「カーブの外側」。

 

カーブの外側は、時に素晴らしい光景を作り出すことがあります。

 

隅田川テラスの中央区側を歩いてこの両国橋辺りに来ると、私がつい行ってしまう場所がここ。

両国橋のやや下流方面の隅田川テラスにある階段の上、

s_hanabi34-9.jpgもしくは、さらにその上から日本橋中学校に繋がる歩道橋の上です。

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開放感のあるこの上から隅田川方面を眺めると、川の上流と下流方面が180度のひとつの視界の中にギリギリ入ってきます。

また、カーブの外側の特性により川の先の方まで見えるだけでなく、まるで自分が川の真ん中にいるような感覚をも味わうことのできる場所です。

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先ほどの絵はこの隅田川のカーブを意識して描かれたものなのかは不勉強でよくわかりませんが、

歩道橋の上でカーブを目の前にしてこの絵に描かれたものを思い浮かべてみると、中央区側の方から両国橋を渡った時の眺めは、壮観だったろうなぁ、と思ってしまいます。

両国広小路に人が吸い寄せられ、賑わったのも何となくですが分かる気がします。

  

 

この両国の花火や早慶レガッタは、戦後、「休止」してしまった時期があります。高度経済成長を経て問題になった、隅田川の汚染も1つの理由だったようです。

 

しかし、その後の努力で川も綺麗になり、これらの隅田川の風物詩は復活し、市民の楽しみは戻ってきました。

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もともと両国橋が作られたきっかけは、江戸時代の「明暦の大火」の後に、幕府が江戸城の天守を再建しないで川に橋を架けることを選択したこと。

それまで橋を架けなかったのは江戸の街を動乱から守るため。幕府が橋を架けたことは、もう動乱が起こることはないという「平和宣言」を意味しました。

 

両国橋は平和の象徴。そして川で花火やレースをすることができて、それを市民が楽しむのは平和な光景だったりします。

 

 

都市の中を流れる隅田川。

これからもいろいろな時代の流れに従って変化していくのでしょうが、いつまでも、こういう水辺の光景が続いていくことを願いたいと思います。

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(これは昨年の東京湾大華火祭・晴海会場。今年から行われませんが、2月の中央区からの発表では「休止」という言葉が使われました

 

 

 

◆ 夜の銀座通り

[隅田の花火] 2016年4月 5日 18:00

 

中央区の日本橋や京橋、銀座を通る「中央通り」。特に銀座の街では俗に「銀座通り」とよばれ、言わずと知れた日本の中心通りです。

s_hanabi33-1.jpg銀座通りの魅力は・・・

朝早くの独特な空気感とか、歩行者天国の休日の愉しみとか、夜のまばゆい光の街並みとか・・・

一言で言えるわけもなく、人それぞれです。

 

ですが歩く度に新たな発見があるのが一番の魅力だったりします。

 

 

例えば、銀座通りの街路樹はこんな木ですが、これって、あえて高さを抑えているようにも見えます。

s_hanabi33-2.jpg理由は何かあるのかもしれませんが、これが効果を発揮するのは夜だったり・・・夜に歩いてみたらそう思いました。

 

高さの低い街路樹は、柱の形をした街灯の光を遮らず、かげを作りません。

なので「夜の銀座通り」が異様に明るいのは、かげを作らない街路樹のおかげでもあったりします。

 

 

クリスマス時期には、街路樹がさらに付け足しされ、イルミネーションに彩られた風景に変わりますが、クリスマス時期でなくても街のあかりがとても眩しい、光ある通りです。

s_hanabi33-3.jpg(2015/12/6・冬のイルミネーション「ヒカリミチ」)

 

夜の銀座通りに雨が降ると、路面に反射する光がより夜の街を明るくさせて、雰囲気が増すので、

s_hanabi33-4.jpg(2015/10/16)

雨が降っても逆に歩いてみたくなるのが、夜の銀座通りです。

s_hanabi33-5.jpg(2015/10/16)

 

 

そんな魅力のある「夜の銀座通り」、昨年の秋のまだ暖かい頃に結構歩きました。

何度も歩くうちに、銀座の街の風景を楽しめる自分の好きな歩き方がいくつか出来てきました。

 

銀座の街を歩きたい時に、銀座駅や銀座一丁目駅を使っていきなり銀座の街に降り立つのも良いかもしれませんが、ひとつ隣の駅で降りてから歩いて銀座の街に入るのも、また違った楽しみ方です。

 

 

例えばこれは、ゆりかもめ新橋駅(港区)から見える夜の銀座通り。

s_hanabi33-6.jpg(2015/10/23)

ビルの間から異様に明るく見えるこの通りは、さすが銀座、と思わせる街の風景。ここ新橋から夜の銀座通りに入ってみたくなる眺めです。

 

 

そしてもうひとつ、中央通りの逆方向からの街の風景の楽しみ方。京橋駅で降りて6番出口から中央通りに出ます。

 

出口を出たら、せっかくなので道の反対側・後方を見ます。明治屋京橋ビルが見えるこの場所。写真をパチリと撮ったら、京橋の街から銀座方面に歩いて行きます。

s_hanabi33-7.jpg(2015/10/21)

少し歩くと、牛丼の吉野家さんがあるこの辺りに。道の反対側には京橋の東京スクエアガーデンがある所ですが、歩く先に「夜の銀座通り」が見えてきます。

s_hanabi33-8.jpg(以下2015/10/28)

私がよく歩いたのは、会社帰りの22時過ぎ。22時を過ぎると京橋の街の街灯は落ちて、やや暗めになってしまいます。

しかも東京スクエアガーデンが冬のイルミネーションをしていない時期は、この周辺はそれほど明るくないので、遠くに見える銀座の街がやけに眩しく感じられます。

 

ここから見える銀座はこんな感じ。上に高速道路が走っている場所の下は昔、「京橋」が架かっていたところで、少し道が盛り上がっています。

s_hanabi33-9.JPG上の高速道路と、下の盛り上がった道が額縁のように銀座の風景を切り取ります。きらびやかな風景がさらに際立つ『額縁効果』が働いている所です。

 

額縁効果というのは、風景が窓枠のようなもので囲われることで見える部分が制限されてしまうと、逆にその見えている部分の風景がより強調されて視線がそこに集中することになるので、感じ方が上向いてくる効果です。

 

しかも、この京橋が架かっていたところは、中央通りの『カーブの外側』。

銀座の街の先の方まで見えないため、「先の方まで見てみたい」と感じたら、橋のあったカーブの頂点まで吸い寄せられてしまいます。

s_hanabi33-10.JPG道のカーブの頂点に近寄っていくに従って、額縁の中の銀座の絵が、まるで動いているような感じでだんだんと通りの先まで見えてきます。

 

この、銀座の街の先の方がだんだんと見えてくる過程がとてもたまりません。

 

人によっては、ディズニーランドに入る時のような、ワクワク感を感じる人もいるかもしれません。

 

 

そして、吸い寄せられた結果・・・

昔、京橋の架かっていたほんのチョッと小高い場所から見える「夜の銀座通り」。綺麗な街の風景だと思います。

s_hanabi33-11.JPGここは『カーブの外側』なので、まるで自分が銀座通りの真ん中にいるような感覚をも味わえる場所です。

 

 

なんだか吸い込まれてしまいそうな、吸引力みたいなものを感じてしまう風景。

 

この先の楽しみ方は人それぞれですが、このまま見える先まで吸い込まれてしまってもいいかな、と感じてしまう風景です。

 

 

 

◆ 晴海にデカい客船

[隅田の花火] 2016年4月 2日 09:00


3月30日(水)に早起きして出社前に久しぶりに晴海の客船ターミナルに行ってきました。

 

今日はデカい客船が朝早くに入港するということで楽しみにしていましたが、少々寝坊。

 

どうやら予定より30分位入港が遅れているみたいで、何とか間に合いました。

s_hanabi35-1.jpgなんでも今日入港する客船は、晴海ふ頭では過去最大だとか。

 

 

そうこうしているうちに、レインボーブリッジをくぐって船がやって来ました。

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デカイのか?

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デカイ!

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客船「SEA PRINCESS(シー・プリンセス)」。

この船は、米国のプリンセス・クルーズ社が運営するクルーズ船で、

77,499トン、長さ261.1メートルもあります。

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長さをヤードに直すと285.5ヤード。

これはゴルフの男子プロのドライバーの飛距離に匹敵する長さです。

 

ですが、あまり長さを感じさせない、女性的な上品なフォルムが印象的。

船内を見ることはできませんが、きっと魅惑的な世界が溢れているのでしょう。

 

 

和太鼓による歓迎の演奏が聞こえて来ました。

客船ターミナル3階の送迎デッキから間近に船を見ることができるのですが、残念ながら今日はここまで。仕方なく晴海を後にします。

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豊洲新市場の脇から見えた、シー・プリンセス。こうやって遠くから見るとやっぱりデカいし、清楚な感じな船だと思います。

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夜になって、東京湾で窮屈そうに回れ右をして、オーストラリアに向けて旅立っていきました。

s_hanabi35-8.jpgレインボーブリッジをくぐるのも結構ギリギリ。世の中には、レインボーブリッジや横浜ベイブリッジをくぐれないほどのデカイ客船があるというから驚きです。

 

 

この春、晴海客船ターミナルにはこういった客船が今後も来港予定です。

http://www.kouwan.metro.tokyo.jp/kanko/cruise/nyukou.html

 

s_hanabi35-9.jpg直近では 4月3日(日)に来港する船がある模様。
晴海の桜も今イイ雰囲気になりかけてきています!
最近流行りのコミュニティサイクルを使って晴海に来てみるのも良いかもしれません。

 

 

 

◆ 隅田川 「 芭蕉のカーブ 」

[隅田の花火] 2016年3月 8日 16:00

清洲橋の対岸。江東区側にあった背の高い倉庫が取り壊され、空が広くなりました。

場所によっては青い空をバックに清洲橋を写真に収めることができそう。また何か建つみたいですので、今がチャンスかもしれません。

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早く暖かくならないかなぁ、と思うこの頃。

冬の間は、なかなか足が向きづらかった隅田川テラスも、いよいよ楽しみな季節がやって来ます。

 

清洲橋のやや上流のこの辺り。隅田川テラスを彩る花々は春を待ちきれなかったみたいです。

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隅田川テラスでよく見かける、このような案内板。

ここは、川筋が『カーブ』しています。上流側には「新大橋」、下流側には「清洲橋」があって、それぞれカーブの出入口に架かっています。

s_hanabi32-3.jpgまたカーブの頂点は、江戸時代に隅田川で三番目に架けられた「新大橋」があった所。何度も架け直されたようですが、今から100年ぐらい前までは現橋の二世代前にあたる木造の橋がここに架かっていました。

s_hanabi32-4.jpg(2015中央区まるごとミュージアム・かつての新大橋が架かっていた辺り)

 

カーブの内側は中央区側になりますが、江戸時代の新大橋から下流側にあたる場所には洲ができていて、「中洲」、「みつまた」と呼ばれていました。

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一方、隅田川の対岸は江東区の深川地区。江戸時代に新大橋が初めて架けられた頃、 なんと、あの「松尾芭蕉」が身を寄せていました。

 

明暦の大火があって初めて両国橋が架けられ、庶民文化の花が開き始めた時代・1680年に、芭蕉は小名木川が隅田川に合流するこの辺りに移り住んだといいます。

s_hanabi32-6.jpg(中央区側からみた芭蕉庵史跡展望公園)

 

 

芭蕉がいた「カーブの外側」。

 

今この場所から中央区側を向いて川を眺めて見ると・・・

 

上流側には、オレンジ色の主塔の「新大橋」、さらに遥か向こうには「両国橋」、

s_hanabi32-7.jpg下流側には、青い曲線の「清洲橋」、遥か向こうには「中央大橋」の高い主塔。

s_hanabi32-8.jpgカーブのおかげで見通しがとても良いです。川のずっと先の方まで望めます。

 

 

芭蕉はここで何を眺めていたのか。今よりもずっと遠くの方まで見えていたはず・・・

 

上流にはさくらが咲く上野の山。

みつまたを行き交う白帆の舟々。

下流には海原に浮かぶ佃島や月。

日本橋のはるか向こうの白富士。

 

180度のひとつの視界の中に、カーブが作り出すこのような風景が広がっていたはずです。

 

 

「花の雲鐘は上野か浅草か」

「名月や池をめぐりて夜もすがら」

 

芭蕉がどのような心境でこの場所を選んだのか、については不勉強であまりよく知りませんが、後年にこの辺りから北斎や広重が今の中央区越しに富士山を描いていたりもしますので、風光明媚な場所であったことは何となく想像できます。

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また、芭蕉は新大橋が作られていく様子を見ていました。1694年の完成を芭蕉は非常に喜んだといいます。

「初雪やかけかかりたる橋の上」

「ありがたやいただいて踏む橋の霜」

 

下流には数年後に永代橋も架けられます。深川は発展途上で、これからが楽しみな夢のある場所だったのかもしれません。

 

芭蕉の視線の先にあった対岸の中央区側。

きっと芭蕉が何かを感じることができる特別な風景だったのでしょう。今、この場に立つとそんな時代もあったんだなぁと思ってしまいます。

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(上流を眺める芭蕉像。夕方になると下流の清洲橋方向に自動で向きを変える。)

 

 

 

中央区側のかつて新大橋が架かっていたあたりには今、数年前に整備された「中洲公園」という小さな公園があります。

 

隅田川テラスから少し階段を登ったところにあるのですが、この小高い場所から見る対岸の江東区側は、建物の高さがそれほどありません。

ベンチに座って、広い空とカーブをゆったり進む船を眺めるのは、なかなか気持ちがよいものです。

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江戸時代に広重が、中央区側から見た新大橋を「大はしあたけの夕立」という作品に残しています。今描いたとしたら、スカイツリーが絵の中に入るかもしれませんね。

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桜もあるこの公園。

隅田川テラスの散歩でちょっと一息つきたくなったら、ベンチに座って「芭蕉のカーブ」を眺めてみてください。