[坂の上のねこ]
2010年10月 6日 11:00
皆さんご存知のとおり、銀座界隈には、たくさんの画廊やギャラリーがあります。
今日はそのひとつ、ギャラリー悠玄で開催されている「男たちの手仕事展 vol.6」をご紹介しましょう。
その名のとおり、作品は全て男性アーティストによるもの。骨太でワイルドな雰囲気かと思いきや、会場には繊細で美しい作品がたくさん並んでいました。
会場前の案内ボード: 陶器、アクセサリー、ガラス、金工、バッグ、オカリナ、家具など様々な作品が紹介されています
写真は全て戸塚幸治さんの作品。お仕事で多忙な中、限られた時間をやりくりして創作に取り組んでいるそうです。
優しさと渋さを兼ね備えた作品の表情に、作った人の生き方が映っていますね。
戸塚さんの作品のオリジナリティのひとつは、写真右のランプシェード。緻密な計算に基づいてひとつひとつ丁寧に開けられたスリットから、幻想的な光が生まれます。
「男たちの手仕事展 vol.6」は10月10日(日)までの開催。
時間は11:00~19:00(最終日は~17:00) 会場の地図はこちら
皆様もぜひ会場にいらして芸術の秋を楽しんで下さい。
[坂の上のねこ]
2010年9月24日 10:10
今年最後の残暑となった9月22日、まち歩きツアー「日本橋老舗めぐりコース」のお手伝いをしてきました。
このコースでは、「にんべん」「山本海苔店」「榮太楼總本店」という3つの有名老舗店を訪問して、お店の歴史や商品の裏話を伺います。今回は特派員のケンさんと一緒にお手伝い。ケンさんは京都出身ながら江戸の歴史・地理に造詣が深く、お話上手なので心強い限りです。
一軒目はにんべんさん。元禄12年(1699年)に戸板を並べて鰹節と塩干類の商いを始めたのがここ日本橋のお店とのこと。時代と共にその姿を変えてきた店舗は、日本橋室町東地区開発のため10月21日に一時休業し10月28日からはcoredo室町で営業を始めるそうです。
店内の神棚が老舗の風格を感じさせます。
左:お店の歴史と鰹節の製造工程を説明してもらいます(鰹の模型がかわいい!)
右:削りたての鰹節の香りと味を体験(どちらもブログではお届けできず残念!!)
その後、店内で楽しいお買い物。試飲したお吸い物がおいしくてびっくり。しかも、瓶入りの白だしをお湯で伸ばしただけというので2度びっくり。鰹節・だし関連商品はもちろんですが、炊き込みご飯の素もおすすめです。
次に向かったのは山本海苔店さん。創業は嘉永2年(1849年)。店内は、船底のように大きく湾曲した天井、風をはらんだ帆を思わせる壁、海苔の雄性細胞を図案化した信楽焼タイルと、海苔船をイメージした造りとなっています。
左:創業当時から明治初期まで使われていた、海苔を保存する「囲い甕」
中:海苔の缶や、そろばん、台帳など昔の道具
右:山本陽子さんがモデルを務めた広告を並べた写真(昭和51年~現在)。山本さんは、昭和42年(1967年)から山本海苔店のイメージキャラクターとして広告やCMに登場していますが、これはギネスにも登録された世界最長記録なのだそうです。
お店の歴史について学んだ後、試食とお買い物。焼きたて海苔の味と香りをブログに貼付する方法があればいいのに・・。
左:海苔を焼く実演
中:その焼きたての海苔を買うことができます
右:キティちゃんの海苔はお土産に人気
そして最後は榮太楼總本舗さん。創業は安政4年(1857年)。お店の前で説明を受けましたが、入る前からすでに見所がいろいろあって、さすが老舗店。
左:お店の印半纏には創業時の屋号「井筒屋」の名残が
中:名石「榮太楼の赤玉石」
右:創業時、店の入り口にあった「御影敷石」
左:きんつば。四角いものをよく見かけますが、「つば」は刀の鍔なので本来は円形
中:今の季節にぴったりのかhttp://www.chuo-kanko.or.jp/blog/assets_c/2010/09/km37-3122.htmlわいい「月見うさぎ」
右:店内でゆっくりお食事もできます。4半世紀前、日本橋OLだった私は、ここでお昼を食べるのが楽しみでした。
さて、そろそろお開きの時間。3つのお店を回ってお話を伺い、買い物を楽しんでいるうちに、あっという間に2時間が経ってしまいました。 知識もお腹もいっぱいです。お店の歴史・裏話は、とてもブログには書ききれませんので、ぜひそれぞれのサイトをご覧下さいね(記事中のお店の名前をクリックすると各サイトが表示されます)。
[坂の上のねこ]
2010年9月21日 08:30
爽やかな秋空が広がった9月17日、銀造さんが9月14日付のブログ記事で紹介して下さった、リバーサイド・オータム・フェスタに行って来ました。
イベント開始は5時ですが、まずは4時に行って、無料水上クルージングの乗船の申し込みをします。すでに行列ができていて、15分後には定員(各便200名)の半分のチケットが終了。
クルージングには最高のお天気も手伝って、やはりかなりの人気です。
開始まであと1時間。祭提灯が雰囲気を盛り上げる中、あちらこちらで音楽の演奏や模擬店の最終準備が忙しく行われていました。
しばらく歩いていると、まず、(財)東京都公園協会・水辺事業部による、「三宅島の木炭とホウセンカの花苗」の無料配布が始まりました。木炭は、2000年の三宅島火山噴火災害で枯れてしまった島の樹木を有効利用のために炭化したもので、同協会が購入して島の復興に役立てているそうです。
ホウセンカ、大きくな~れ! 木炭は土壌改良材として使います
いったん家に戻り、5:50の乗船時間に合わせて再び会場へ(ここで銀造さんと合流)。
船に乗ってデッキに出ると、うっすら茜色に染まった雲が広がっていました。
気持ちのよい川風に吹かれつつ、いよいよ30分間のクルージングに出発です。
このあと、スカイツリー、東京タワー、レインボーブリッジ、お台場、晴海埠頭と、
次々と東京名所が姿を見せてくれたのですが、残念ながら私のカメラと腕では
ここでご紹介できるような写真が撮れませんでした。以下の2枚は、同じ船に
乗った銀造さんが提供してくれた東京タワーの写真です。
撮影:銀造さん
その他、美しい夜景の写真は、昨年の銀造さんの記事でご覧下さい。
この水上バス、災害時には物資搬送や帰宅支援などにも活躍してくれるそうで、満潮時でも橋の下を、干潮時でも水深の浅いところを運航できるように、平らな形をしているのだそうです。
さて、船を下りて、今度はスクラッチチャンスに挑戦。
ここでなんとなんと、一緒に行った夫が大手柄、1等賞に当たりました!
賞品は東京水辺ラインの特別乗船券2枚!!水上バスには様々なルートがあるので、
どのコースにしようか楽しみです。
[坂の上のねこ]
2010年8月31日 10:00
まずは下の2枚の地図をご覧下さい。なんだか形が似ていると思いませんか?
さて、それぞれどこの地図でしょうか。
左は米国ニューヨーク市のマンハッタン地区、右はご中央区佃・月島・勝どきエリアです。
(形と大きさを揃えて比較するために、マンハッタン島の地図を南北逆にして、
サイズを縦横ともに8分の1としました)
4年前、左のマンハッタン島から右の佃島に引越してきた私が感じたのは両者の共通点。
*両側を川に囲まれた島で、先端が湾に面している
*縦横のまっすぐな通りで区切られていて、道がわかりやすい
*17世紀前半、マンハッタン島にはヨーロッパ人、佃島には攝津国から来た人が住み始めた
*水上交通を利用して交易が行われ、商業・文化の発信地となった
人種のるつぼと呼ばれるニューヨーク市マンハッタンにはおよびませんが、
最近は、
佃・月島・勝どきエリアも外国人居住者・旅行者が増えていますし、高層集合住宅のビルも
次々と建てられ、マンハッタンの風景に近づきつつあります。
佃・月島・勝どきがマンハッタンに自慢できるのは、治安とサービスのよさ。
あとは、どこかにセントラルパークのような広い公園ができれば嬉しいなあ・・。
[坂の上のねこ]
2010年7月 6日 08:30
各地で夏の全国高校野球選手権大会の地方予選が始まりました。
ふるさとの母校や強豪校の結果が気になるこの時期、おすすめのスポットが、佃にあるニュースアートサロンです。
ニュースアートサロンは共同通信社が、同社の研修・交流センターの1階に社会に開かれた文化施設として開設したスペースで、誰でも利用できます。
住所:中央区佃2-1-3 (有楽町線・大江戸線の月島駅4番出口から徒歩10分)
開館時間:午前10時~午後5時
休館日:日曜・月曜・祝日・年末年始・旧盆期間
入り口から続く壁に並ぶ、歴史のあゆみを伝える様々な写真
ここでは、国内外の最新のニュースはもちろん、これまでの歴史を記してきた貴重な写真や映像を見ることができます。ニュース通信社の施設というとちょっと緊張してしまいますが、写真撮影の許可をお願いしたところ、スタッフの方がとても親切に案内して下さいました。
中島さん、ありがとうございました!
ニュースが美術館のアート作品のように展示されています
隅田川を望む、明るく広々とした閲覧スペース
そして冒頭に書いたとおり、この時期特に嬉しいのが、ずらっと並んだ全国の新聞。
ネットの時代とはいえ、紙派の私としては新聞はやはり両手に広げて読みたい・・。
地方予選1回戦からの経過情報や、各校選手のちょっとしたエピソードなどは、
地元紙のきめ細かい取材ならでは。そして、高校野球だけでなく、全国紙には載らない
ローカルなニュース、意外な作者が意外な地域の新聞に連載している小説、などなど、
地方紙には魅力がたっぷりですよ。
美しく並べられた在京紙7紙、地方紙49紙。今日はどこを訪れましょうか。
パネルをタッチして、各地域の新聞の紙面レイアウトを画面上で比べることもできます
高層集合住宅ビルに囲まれた佃の一角にあるガラスの建物に、日本各地から世界各国、そして過去から現在までの様々なニュースが凝縮されているなんて、ちょっと誇らしくなりました。
[坂の上のねこ]
2010年6月 2日 09:00
言わずと知れた老舗楊枝専門店、さるやさん。
雑誌やテレビでもよく紹介されているのでご存知の方も多いでしょう。
創業は宝永元年(1704年)だそうですから、300年以上の歴史があります。
さすが老舗、店内はまるで博物館。短い楊枝にも長い歴史があります。
楊枝というと、ついお昼休みにおじさんが「いや~、食った食った」と
お腹をさすりながら口にくわえているアレを思い浮かべてしまいますが、
いえいえ、とんでもない!楊枝というのは平安~鎌倉時代に日本に
伝わった、インド生まれのれっきとした「仏家の具」なのだそうです。
さるやの楊枝は、上質の黒文字の木を使い、1本ずつ職人さんが丁寧に
小刀で削って作っています。樹皮の香りが命なので、必ず皮つきです。
(左)桐の千両箱入りはお祝いやお年賀に。私も新年に干支の寅のものを買いました。
(中)お裁縫セットやお守袋などの小物も
(左)可愛い楊枝入れ
私のお気に入りは、ここの辻占楊枝。1本ずつ紙が巻きつけられてあり、
広げると粋な恋の都都逸が・・。花柳界や料亭など粋筋の方々が
ごひいきというのもうなずけます。
「昼休みのおじさん」たちも、さるやの楊枝を使えば
「江戸の粋な旦那」の気分が味わえますよ~。