「水彩都市」 これは、江東区の愛称です。
東京湾に面し、運河と橋が交差する、豊かな水辺の情景を持つエリアです。
中央区とは、隅田川をはさんで隣接しています。
その中央区と江東区が連携して行う「船上ガイド育成研修会」に、観光協会特派員として参加する機会を設けていただきました。
会社に年休を申請してでも、参加したい研修です。
座学を経て、3月6日は実際に乗船して、運河を巡りました。
船上で実物を見ながら、講師の方から周囲の景観や建造物などにまつわる説明を受けます。
次々に展開する都市の景観の多様さもさることながら、2020年の東京五輪開催時に、多くの競技が行われる、各種競技場や建設予定地の今を見ることも、この研修の魅力でした。
水上バス「カワセミ」に乗船。
コンパクトな船体ですから、小名木川や日本橋川も航行できるのです。
江東区高橋の小名木川に面した、高橋乗船場からスタートです。
隅田川から越中島を左手に見て晴海運河、豊洲運河、砂町運河、曙運河。両岸に夢の島や辰巳の森海浜公園を見て、新木場の貯木場越しにゲートブリッジを臨み、辰巳運河、東雲運河。東京湾でレインボーブリッジをながめながら、豊海水産埠頭を右手にし、隅田川へ戻ります。日本橋川の双十郎河岸・日本橋船着場で船を降りるコースです。
と書いてみましたが、日ごろ鉄道・道路での移動に慣れきっている私です。
手元の地図をくるくる回しながら、位置確認。
おっ、今ここを通っていたんだ。
船上から移動位置を確認するには、橋・橋梁が一番の味方です。
一般道、自動車専用道、鉄道橋。
橋の形状の種類の多さばかりでなく、複数重なりあった組み合わせの面白さ。使用している塗料の工夫にも感心させられます。
何と言っても、両腕を広げた橋が生み出す景観は、その背景とも合わせて、季節を切り取った一枚の絵になります。
それから、水門を真下から見上げることって、なかなかスリリングなものです。
東京湾の沖へ沖へと拡大してきた水辺の都市東京。臨海部にそそり立つタワーマンションや団地群。学校や病院の高層建築物。
こうした分厚い水門が、人々の生活と生命を守ってきたのですね。
タワーや煙突の高さも、重要な目印です。
スカイツリーや東京タワーが、視野の中にすっと映り込むと、やはりテンションは高まります。
二つのタワーが両方とも見える位置は、ゴールデンポイントです。
水上から見る隅田川テラスは、時折ジョギングしているところだけに、周囲の建物の区別がつき、このあたりならばガイドもできるかな。
いつも思うことなのですが、水辺に出ると、東京の空は広く感じます。
しかし、本日は、低気圧の急速な発達により、寒冷な空気が激しく流れ込む「弥生寒波」だとか。
水上での体感温度は、ことのほか厳しく、もっと厚着をしてくるのだったと思わせました。
それでも今日は「啓蟄」
春の足音も近くまで来ているはずです。
寒さが厳しい分だけ、数週間過ぎれば、運河の周囲も花で彩られるのでしょう。もうすぐです。
ゴールした日本橋界隈で、日本酒なんぞで内側から体を温めましょう。
講師の皆さん、運営の皆さん、お世話になりました。