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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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2020年を想定した、東京マラソン2017

[小江戸板橋] 2017年3月 2日 16:00

「今どきのランニングシューズは、こんなにもカラフルなのか。そしてかっこいい。」

改めて注目すると、予想以上の多様な色彩に驚きます。

色だけでなく、シューズの機能そのものが、急速な成長を遂げているのでしょう。

2月26日(日曜日)、11回目を迎える東京マラソンが開催されました。

私はボランティアメンバーとして参加し、手荷物を預かる担当となりました。

場所は、新宿の都庁前の道路を封鎖した大型トラックが並ぶ地点です。

役割は、手荷物を受け取り、同時に選手のゼッケンと荷物の表示の一致を確認。

そして、自動的に記録を計測する「計時チップ」が、シューズにきちんと取り付けられているかをチェックします。

ともすれば、視線はウェアに行きがちですが、チップの確認作業の流れから、おのずとシューズに目が行ってしまいます。

 

9時10分、号砲を合図に3万6千人のランナーが動き出しました。

私の位置からは、歩道橋上のざわめきと、ビルの窓を昇る朝日がキラキラと反射するさまを確認できます。

そして手荷物を積み終えた大型トラックは、封鎖解除前の路上を次々に走行していきました。

まるで秘密基地から一斉に発進するシーンのような力強さ。

大型トラックは、今日のために全国から集合しているとか。

「運転手さん行ってらっしゃい。頑張って。」

ゴール周辺の受渡し所へ向かうドライバーにも、声援が起こり、手が振られます。

 

さて、作業も終わり手荷物班が解散すると、ボランティアウェアを脱いで一般の応援者に戻ります。

外堀の向こう側にランナーを見ながら、電車で向かう先は、日本橋。

今年は新しいコースに変更になったこともあり、日本橋交差点は、浅草方面に向かう往路と、品川方面に向かう復路の両面が見られます。

大型ビジョンも設置されて、レース全体の動きも把握できます。

両国・門前仲町に分かれる蔵前一丁目交差点と並ぶ、絶好の応援ポイントです。

下町を巡るコースを取り入れたのは、2020年を視野に東京の魅力をアピールする施策とのこと。

さらに、日本橋は10キロマラソンのフィニッシュ地点でもあります。

完走して、フィニッシュタオルを肩に広げ、メダルを持ったランナーの誇らしさよ。

私もタオルほしい。

 

日本橋の橋上は、双方向の道路いっぱいに走路を確保しています。

という事は、橋上中央部分も走ることができるのですよね。

あっやっぱり。

日本国道路元標の上を走っている。

私も走りたい。

 

ランナーをサポートする、ドクターランナーやランニングポリスも確認できました。

コレド日本橋周辺では、エイサーの乱舞、キッズダンスパフォーマンスなどが、選手にパワーを送っています。

最近、応援のダンスやお囃子を見聞きするだけで、ジワーッと涙がにじむのです。

感動体質への変化も、積み重ねてきた経験の成せる技なのでしょうか。

私もがんばれ!

  

 

 

救命講習で「勇気」を受講しましょう。~ポスターの標語から~

[小江戸板橋] 2017年2月 2日 14:00

もう20年以上前になるだろうか。

休日午後の電車の中。家族でお出かけの帰り道。

よちよち歩きの息子が急に「ウッウッ」ともがきだし、顔面が紅潮していった。

どうした。なにが起きた。

事情が呑み込めないまま、凍りついたように様子を見ていた。

妻がすくっと立ち上がり、息子の両足をつかんで逆さまにした。

パンパンと背中を叩いた。

口の中から、丸い形のままのタブレットのお菓子が飛び出した。

車内の乗客たちも、妻の行動に息をのんでいたが、タブレットを吐き出してきょとんとしている子供を見て、ほーっと安堵のため息が広がった。

 

奥さん、凄い。

わが子の緊急事態とはいえ、とっさにあんな行動がとれるなんて。

日ごろの天然さが嘘のよう。

いざという時には、できる子だったのですね。

どこで教わったの。

状況を聞けば、先輩ママ友が、異物を詰まらせた子に行った処置であり、とっさにそれをやってみたという。

今は、逆さにするのではなく、太ももの上でうつ伏せにして背中を叩くことが、基本になっているようだ。

 

1月28日土曜日、京橋消防署銀座出張所の防災教室で、「普通救命講習」を受講した。

中央区観光協会主催の、「まち歩き引率者ガイド講習」の一講座である。

高層ビルが建ち並ぶ、人口過密都市「東京」で生活していれば、異常事態にも相当な確率で遭遇するだろう。

多くのゲストを案内している途中という場面もあるだろう。

知っていれば、やったことがあれば、無意識に体が動くこともある。

3時間の講習の中心は、胸骨圧迫による心肺蘇生法とAEDの使用方の実践訓練。

講師は、救急隊員としての経験が数十年という超ベテラン。

講習テキストを見ることもなく、サクサクとポイントを示していく。

経験の豊かさは、テキストを超えた具体的なエピソード満載で、講義に厚みを持たせてくれる。

 

これまで受講した講座と変わって来ているところがいくつかあった。

ひとつは、救急救命に伴う免責事項。

民法・刑法ともに、善意に基づいて実施した救命処置について、責任を問わない。

心置きなく、行動に移してよいのだ。

もう一つは、SNS社会における様々な配慮が必要であること。

ともすれば、傷病者の画像などが拡散しかねない危うさを持つ、昨今の情勢を踏まえたものである。

そして今回の講習の特徴は、多くの時間を胸骨圧迫法の訓練に割り当てていることだ。

「これだけやれば忘れないでしょう。」

「体が覚えているから、できますよ。」

東京マラソン時にも、AEDを携帯したドクターが走っているという。

オリンピックを迎えれば、多くの国からゲストが来日する。

「押せば助かるんですよ。」

傍観者から一歩前に出る、後押しをされたようだ。

 

 

 

好奇心を刺激する書店 ~LIXILブックギャラリー~

[小江戸板橋] 2017年1月18日 09:00

店内をゆっくりと回りながら、目に留まった本を書架から取り出す。

本の重みを感じながら、パラパラぱらっとページを繰り、文字を目に飛び込ませる。

丁寧に本の縦・横を揃え、書架の元の位置に戻す。

単純なその繰り返しが、ゆったりした心地良さを生み出していく。

目に優しい明かり。

静かに店内を包む音楽。

かすかな香りは、本の印刷臭を押さえてくれる。

 

時間が空いたとき、フラッと入ってみる書店がある。

中央区京橋3-6-18

LIXILブックギャラリーである。

中央通りを挟んで、東京スクエアガーデンの向かい側に位置する。

東京メトロ銀座線の2番出口から徒歩1分。

JRを利用する私は、東京駅八重洲南からぶらぶら数分かけて歩く。

LIXIL(リクシル)は、建築材料・住宅設備機器の業界大手企業である。

その企業名を冠する書店であるならば、ガチガチの建築・設備系の専門書が並ぶ、工学系大学のミニ図書館をイメージしていた。

初めて足を踏み入れた時、そのイメージは気持ち良く裏切られた。

「ほーっ。こういう本の揃え方をするのですか。」

もちろん建築系の書籍は広いスペースを埋めている。

しかしそれは、工学系の人間が傍らに置きたくなるような、ストレートな建築設計や構造計算に関するものではなく、工学部の図書館の匂いとは距離のあるレイアウトだった。

主軸に建物の構成要素となるような、木やタイルや金属などの素材、照明に関する考察、インテリアモデルの数々を揃えている。

それにとどまらず、そこここのコーナーに、食生活に関するシリーズ、身の回り品のデザイン、伝統や地域文化に関するものや、動物の生態、星座の運行、建物遺産めぐりなどが、コンパクトにかつキラキラ個性を発しながら展示されている。

ブックギャラリーのコンセプトは、「住環境を豊かにする本」。

この括りでまとめると、まったりした猫との生活を描いた本も、対象素材になってしまうのだろう。

凝り固まった頭の中を、スーッとマッサージされたような気分。

書店運営者の心意気が、真っすぐに伝わってきた。

 

LIXILギャラリーは、ステーキ屋さんをはさんで隣が入口になっている。

「平面に表現されている本を、立体的に展示するとこうなるんだよ。」

そんなささやきが聞こえるようなギャラリーが、一・二階を占めている。

本の魔法にかかったまま、ギャラリーへも足を向けてみよう。

特派員のジミニー☆クリケットさんが12月に紹介されている、「WASHI 紙のみぞ知る用と美 展」が、平成29年2月25日までの予定で行われている。

和紙で作られた衣服「紙子」など、今では日常生活で目にする機会はほとんどない。

ましてや、紙製の壺や瓢箪などは、この機を逃さず実物を見ておきたいものだ。

 

ギャラリーを後にして、再び先ほどのブックギャラリーに戻る。

紙の歴史や製造方法、用途、デザインまで、新たな気づきのヒントとなる書籍が見つかるかもしれない。

展示物への理解が進み、少し豊かな気分になってきた。

 

 

「聖地巡礼」 ~聖地は君のすぐ隣に~

[小江戸板橋] 2016年12月 8日 14:00

夫婦割引で入場した映画館。

ふたりで見たかったのは、「君の名は。」

アニメは久しぶりだね。

ストーリーが進むにつれて、ハンカチで涙を押さえている。

その気配を感じながら、可憐なヒロイン三葉(みつは)の姿が君に重なって、嬉しくなった。

新宿、代々木、信濃町、四ツ谷、東京駅。

ほら、みんな知っている場所じゃないですか。

こんなに鮮やかに街の風景を描いてくれた。

飛騨高山、飛騨古川。

ここも家族で行ったところだよ。

山の深さが、木々の紅葉が、夜の輝きが美しかった。

映画館を出た後も、RADWIMPSの挿入歌のリズムが体を駆け巡っていた。

 

流行語大賞に選出された「聖地巡礼」は、本来の宗教的な意味合いを離れている。

物語の舞台に身を置き、心のざわめきを確認し、感動を再認識する行動へと変化している。

 

中央区はテレビ、映画、小説等の舞台として数多く取り上げられてきた。

私が「スラムダンク」以来、全巻揃えているコミック本がある。

羽海野チカ(うみのちか)さんが描く「3月のライオン」である。

「ハチミツとクローバー」のほんわかした画風の作家が、ピーンと張りつめたプロ棋士の世界観をどう表現するのか。

そうした興味から第一巻を手にしたのだが、読み続けてしまった。

中学生で将棋界へプロデビューした桐山零。

彼が活動するエリアは、中央区の様々な場所がモデルとなっている。

将棋会館がある千駄ヶ谷は別格としてわきに置いておこう。

川本家のある三月町は、月島・佃界隈。

中央大橋をはさんだ零のマンションのある六月町は、新川だろうか。

川本家の長女あかりさんが勤めるのは銀座のバー。

揺れ動く登場人物の心の内を、区内各所が効果的に表現している。

川本家のあったかい家族は、佃小橋の赤い欄干に。

隅田川の波のゆらぎ。

強風にあおられるハープ橋の唸り・・・。

 

10月からNHK総合で土曜の11時台にアニメが放送されている。

(良い子はベッドに入って寝ている時間じゃないですか!)

平成29年3月に前編、4月に後編の2部作で、神木隆之介が桐山零を演じる実写映画の上映も決定している。

さあ、舞台は整った。

「3月のライオン」の聖地巡礼を始めよう。

新たな魅力に、絶対出会うから。

 

 

 

一城の主(あるじ)になりたいか。

[小江戸板橋] 2016年11月11日 18:00

一国一城の主になること。

それは、日ノ本に生まれた者の大きな夢であり、野望である。

 

銀座5丁目3-16に、熊本県のアンテナショップ「くまもとプラザ」がある。

熊本地震の際に、何かしらの支援をしたいという思いを持った人々が、

「お買い物で支援」しようと、ショップに大勢集まった。

「くまモン」って、どこか官製の着ぐるみの印象がして、ちょっと好きに

なれずにいたが、一生懸命ピーアールしている姿を目の当たりにし、

その時に心の鎧が少し外れた。

 

あれから半年が経った。

ショップを訪ねた折、11月1日から復興城主制度が始まることを知った。

概要は、1万円以上の寄附で「復興城主」の「城主証」が送付される。

市内の観光施設や協賛店で特典が受けられる「城主手形」が発行される。

「芳名板」がデジタル保存される。

確定申告時に寄附金控除の対象となる。などなど。

 

一城の城主になれる。

しかも、天下の名城、熊本城である。

連結式望楼型天守を仰ぐ、梯郭式平山城。

築城の天才、加藤清正公が手塩にかけて築き上げた、日本一の城郭である。

熊本城復元整備の財源として使われる募金は、所定用紙で郵便振込みができる。

でもここは、熊本に飛んで、直接現金での申し込みを選択した。

城とその周囲の状況を、はっきり目に焼き付けたいとの思いもあった。

 

福岡空港、九州新幹線と乗り継ぎ、市電での登城を試みる。

ちなみに、熊本駅の新幹線コンコースには、くまモンが溢れていた。

くまモン駅長室や巨大なくまモンの顔のオブジェ前は、絶好の撮影ポイント。

あのくまモンが、少しかわいらしく作られていた。

 

熊本城の石垣を初めて見上げた時、その雄大さに息をするのを忘れた。

その石垣が崩れている現実に、胸が詰まる。

同時に、石垣の内部構造がはっきり分かり、好奇心を掻き立てられた。

 

熊本城の桜の馬場の城彩苑内に受付コーナーが設けられている。

受付開始後の数日は、長蛇の列が続いていたという。

私は平日の昼食時だったので、20分程度で手続きが完了。

その場で、3か月間有効の仮の城主手形をいただく。

本証が届くまでのつなぎとなる。

満足。満足。

「くまモンGO」 城主手形、ゲットだぜ! ?

 

 

 

出羽路羽黒山の於竹大日如来御開帳

[小江戸板橋] 2016年10月12日 09:00

山形県の中央部を貫く、出羽山脈。

信仰の地、修験の霊峰、月山・湯殿山・羽黒山はそこに鎮まります。

羽黒山へ向かう参道に「手向(とうげ)」という、宿坊が軒を連ねる集落があります。

その村に正善院があり、境内に「於竹大日堂」というお堂が建てられています。

「今年9月25日から10月30日まで、ご本尊の於竹大日如来の御開帳が行われる」

同地にある『いでは文化記念館』のパンフレットを通してその情報を知りました。

 

えっ、お竹大日如来。

もしかして。

日本橋本町3丁目6-2。小津和紙店の社屋北側。

於竹大日如来井戸跡と縁起の説明板が建てられています。

あのお竹さんでしょうか。

「江戸時代初期、思いやりの深いお竹という下働きの女性が居りました。

自分の食べる分を割いてまで、他人に施しを与えていました。

みずからは台所の流しの残飯を食べるという、超もったいない精神の実践者。

ある日、不思議な力に導かれた羽黒山の修験者が屋敷にやってきます。

『心優しいお竹さんこそ、大日如来の生まれ変わりだ。』

その修験者の言葉が口火となり、お竹さんの評判は江戸中に広まりました。」

 

ああ、そういうお話ね。

何々の生まれ変わり。

説話、寓話によくあるパターン。

あまり気にも留めずにおりました。

それが、遠い出羽の地において、大日如来像、大日如来堂として現代まで手厚く祀られ、

今年、特別御開帳を迎えるとは。

お竹さん、凄いかも。

徳川五代将軍綱吉の生母桂昌院も、生き仏としてのお竹さんに

「ありがたや 光と共に行く末は 花のうてなにお竹大日」

との歌を詠んでいます。

 

手が届くところにいる人物を神・仏と祀り篤く信仰することは、毎日を必死に生きる人々にとって、大きな救い・安らぎとなったのでしょう。

そして、江戸時代の信仰に注目したとき、卓越した能力を持つプロデューサーの存在が感じられます。

伊勢の神宮、富士山浅間大社、熊野三山・・・

各地に講を作り、所得の少ない庶民でも、一生に一度は参詣ができると期待を持てるシステムを作り上げた。

出羽三山のプロデュースには、修験者達の情報ネットワークがフルに活かされたのでしょう。

遥か遠いみちのくにある、信仰の地。

お竹さんの存在により、一気に出羽までの距離が縮まりました。

 

御開帳を機会に、訪ねてみようかな。

山形県庄内地方は、温泉も豊富だし、山形牛・米沢牛をメインに、米どころ庄内の地酒も楽しみだ。

お竹さんに導かれて、紅葉狩も満喫してこよう。

 

 
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