[杏葉牡丹]
2012年6月 1日 08:30
いつでもどこでも同じ品物が買える―それは消費者にとって、とても有難いことですよね。
けれど、その日その時そこでしか手に入らない品が買える―れもまた嬉しいものですよね。
そう言うと、ブランド品やスィーツ等の「限定品」と思われるかもしれませんが、よく考えてみると、生鮮食品のほとんどは、天候など様々な条件に左右されるもの。
昨日と同じ物が、今日あるとは限らないはずですよね。
特に市場は、そうした変化がはっきり分かる場所で、思い通りの品が手に入らなかったり、思いもよらなかった品にであったり。
いつも意外な発見があって、毎日が「限定品」ばかりのワンダーランドです。
先日、久々に築地市場の『場内』に行ったら、思いもよらない物がありました。
それは「鮭のハラスの串刺し」
鮭のハラスは、鮪のホホ肉やカマなどと共に、かなり一般にも出回るようになってきましたが、串に刺した物は初めて見ました。
お店の看板を見たら、鰻・スッポン等を専門に扱うとなっていましたので、それで「串に刺す」という発想が生まれたのでしょうか。
自宅のグリルで網焼きにしたら、まるで焼き鳥感覚で、本当に美味しかったです。
ただ、お店の人からは「今日はたまたまあったけで、いつもあるとは限らないからね!」と言われました。
これこそまさに、限定品ですよね。
そして肝心のお目当ての品「生の本鮪のブツ」も入手する事ができました。
ちょっと遅くなってしまったので、いつも行くお店は、もう閉店してしまったかと心配だったのですが、「今日は忙しくて、なかなかブツ切りを小分けパックにする時間がなくて、ちょうど今出すところです」
そう、築地の場内市場では「早く行けば良い品が手に入る」というのは『シロウト』に限って言えば、大きな間違いなのです
早い時間帯は、プロの料理人や常連客に対応するので、お店の人たちは手一杯。
9時前後から、そうした人たちが退いて、9時半から10時位になると、ホッと一息つけるのです。
昔なら、そのまま閉めてしまうので、11時も過ぎれば、ガラガラになってしまっていましたが、最近では一般客や観光客が増えてきたので、お昼近くまで営業する店も増えました。
そこで、その日の半端な品などを、2~3人分用に小分けにしてパックにしたり、1キロ単位で売っていたものを、100gからでもいいよ~、となったりするのです。
時にはキャンセルになった品があったりして、値切るのは御法度の魚河岸で「安くしとくから持ってかない」なんて、お店の方から声をかけてくれたりします。
この日買ったのは、その二点の他に、シシャモと大船渡産のサンマの干物に合鴨の燻製にシュウマイ。
みんな、その日その時その場所に行ったからこそ、買えた品ばかりです。
自宅に帰って、買ってきた品々を冷蔵庫に入れる時、ちょっと大袈裟かもしれませんが、「今日は本当に良いものに出会えてよかった。
これらの品々に関わった全ての皆さん、有り難うございました」という気持ちになります。
[杏葉牡丹]
2012年5月25日 08:30
「築地の市場に行きたいんだけど、どこに行ったらいいの?」と聞かれる事が、よく有ります。
そんな時、幾つかのおススメの店を紹介する前に、必ず言う事があります。
それは「築地の市場は原則としてプロが買いにくる場所で、最高級の品や、なかなかに手に入らない珍しい品はあるけれども、激安や爆安は(滅多に)ない!」という事です。
ところが、世の中には必ず例外というものはあるもので、この(滅多に)に当てはまるお店が、いくつかあるんですね~。
その中でも一番のおススメが、この『あんくるこ~ちゃん』。
晴海通りと新大橋通りの交差点の角、築地共栄会ビルの中の一階にあります。
一度聞いたら忘れられないユニークな店名は、先代の社長がハワイに親戚がいて、そこの子供たちから「あんくるこ~ちゃん」と呼ばれていたことから付けたのだとか。
ただ、店内では紅茶も販売しているので、「アンクル紅茶」だと思っていたお客さんもいたそうです。
店内ところ狭しと並ぶ品々は、チョコレートやクッキー等の菓子類に、コーヒー・紅茶、ジャムや缶詰めにパスタ等の食料品ですが、そのほとんどは輸入品。
前の方の段ボールには、輸入元の在庫処分品に、ラベルのキズや缶の潰れ等パッケージに『難あり』の、謂わばアウトレット商品。
中味は通常と全く同じにも関わらず、お値段は超「激安」!場合によっては、半値か、それ以下の物も有ります。
特にお買い得な品は、友人にもあげようと、もう一度買いに行ってみると、既に売り切れていることも。
でも、すぐにまた、新しいお買い得品が出ているので、しょっちゅう行っていても、目が離せません。
築地の場外市場にいらっしゃる折りには、是非、お立ち寄りになってみてください。
[杏葉牡丹]
2012年5月16日 08:30
5月1日~5日は鐵砲洲稲荷神社の例大祭。
氏子達から「鐵砲洲さん」と呼ばれて親しまれているこの神社は、今年で御鎮座1172年という、大変に歴史のある神社です。
神輿渡御の3日4日は、あいにくのお天気でしたが、
3年に1度の本祭りだった昨年から1年延期になり、
待ちに待っていただけに、氏子の皆さんは元気いっぱいでした。
お祭りに付き物の半纏は、背中に各町会や様々な会の名前が入っていて、粋なものですが、その中に「木挽町」という半纏があったのをご存知でしょうか
実は、この「木挽町」、
今は無くなってしまった町名なんです。
場所としては、銀座中央通りからちょっと東に行って、今は埋め立てられてしまった三十間堀から始まり、昭和通りを越えて、築地までの細長い地域にあたります。
現在の正式な地名は『銀座』なので、雑誌などに「銀座とは思えない下町情緒の残っている地域」とか「裏銀座」などと紹介されることがありますが、それもそのはず、江戸時代からずっと「木挽町」だったのが、1951年に「銀座東」となり、1969年に「東」がとれて『銀座』になった、違う町なんですね。
ですから、同じ『銀座』でも、ここまでは鐵砲洲稲荷神社の氏子ですが、銀座中央通りの方は、日枝神社の氏子です。
もともと「木挽町」の名前は、江戸城改築の折に木挽(木曳)職人を多く住まわせたところから付いたといわれており、江戸三座の一つ「森田座」があった場所で、今では歌舞伎座があるという、芝居には大変に縁のある、由緒ある町名です。
そうした事もあって、三丁目の町会が「木挽町」の歴史を大事にしようと作ったのが、この半纏なのです。
当初は紅殻色だったとの事ですが、いまでは年季が入って、歌舞伎に縁の深い「柿色」に見えるのも、なんとも粋なものです。
今年は工事中だったので、できませんでしたが、お祭りのハイライトの一つは、なんと言っても、歌舞伎座前への、各神輿の渡御。
特に宮元の御神輿は、立派で姿形が美しく、風格があるので、三原橋方面から歌舞伎座に向かってくる姿が見えて来ると、失礼ながら、大向こうから千両役者に声をかけるように『宮元っ!』と叫んでしまいたくなる程です。
次のお祭りの時には、新しい歌舞伎座も完成しているはずなので、きっと、雄壮な姿が見られるはず。
「木挽町」の半纏も大活躍する事でしょう。
今からとっても楽しみです!
[杏葉牡丹]
2012年4月26日 08:30
プロの折り紙付の名店が並ぶ、築地場外市場。
最高級の食材や滅多に入手できない食材ばかりでなく、調理器具や食器など、「食」に関するほとんどの品物が揃う、まさに「食のワンダーランド」です。
普段は「激安」「爆安」と言うのはほとんど無いのですが、この日だけは特別
各店自慢の逸品が、なんと半値になってしまうのです。
という訳で、この日は大混雑。
そこで毎回参加の私が、裏ワザ をいくつかお教えいたします。
●まずは「半値商品リストのチラシ」をゲット!
事前に配布するかどうかは未定だそうですが、当日は、休憩所や交差点のローソン前などで、各店の半値商品のリストのチラシが配布されます。
半値市の開始は朝10時ですが、ほとんどの店はもっと早くから営業しています。
早めに行って、まずはチラシを入手して、欲しい品物をチェック。
そしてお店の場所も確認しておきます。
重要なのは、優先順位をつけておくこと。
一番の混雑が予測されるのはテリー伊藤さんの実家の卵焼き「丸武」と、同じく卵焼きの「つきぢ松露」。
あっという間に長い行列になります。
半値商品のほとんどは数に限りがあるので、他で買い物をしているうちに、お目当ての品が売り切れになってしまうことも。
限定の数にもよりますが、まずは、これだけは絶対に欲しいという店に、真っ先に行きましょう。
●休憩はちょっと足を伸ばして
無料休憩所や、座れるお店もあるのですが、ともかく凄く混雑します。
落ち着いてゆっくり休みたければ、銀座方面まで行ってしまいましょう。
銀座といっても5~6分も歩けば東銀座駅。
「いわて銀河プラザ」の先を入った「マザーリーフ」は紅茶とワッフルの店で、ランチはワッフル食べ放題。
工事中の歌舞伎座の手前は文明堂で、その先にはオムライスで有名な「YOU」もあります。
お天気が良ければ、本願寺の裏から新富町方面に続く「築地川公園」へ。
聖路加看護大学のキャンパスに隣接して、緑も多く、芝生もあって、鳥の囀りまで聞こえてきて、市場の喧騒が嘘のような別世界。
そこで「本日の成果」を確認しつつ、テイクアウトしてきた「米本珈琲」のコーヒーで一服、というのが、究極の裏ワザです。
食のプロ達が選んだ逸品が、半値で入手できる、滅多にない機会。
皆様どうぞ、築地場外市場の『春の半値市』にお出かけ下さい。
[杏葉牡丹]
2012年4月14日 08:30
銀座ソニービルの裏通り、
蒲田ビル4階(1階は蕎麦処いけたに)の
「ボザール・ミュー」は、
年間を通して猫に関する作品を展示している、猫好きにとっては、たまらない画廊です。
4月16日(月)~22日(日)は、
地元銀座中学の卒業生、山中翔之郎さんの、
昨年亡くなった愛猫「元さん」を描いた個展
『げんきがいっぱい!』です。
癌で亡くなった元アナウンサー、絵門ゆう子さんの絵本「うさぎのユック」のウサギや、猫や犬、ふくろうなど、思わず抱きしめてしまいたくなるくらい可愛い小動物たちを描いている山中さんですが、愛猫の「元さん」については、自らのブログのタイトルを「元気の源」とするほど、格別に深い愛情を持って描いていらっしゃいました。
今回は、「元さん」が旅立った後に描かれた新作を中心に、未発表の初期作品も展示され、彼の「元さん」への強い思いを感じることができると思います。
山中さんの個展では、作品を見るだけでなく、たまたま居合わせた別のお客さんと猫談義をしたりして、とても楽しい時間を過ごすことができます。
猫好きの方、是非いらしてみてください。
ボザール・ミュー
銀座7ー5ー15銀座蒲田ビル4F
Tel03-3571-0946
山中翔之郎個展
『げんきがいっぱい!』
4月16日(月)~22日(日)
AM11:00~PM7:00(最終日PM5:00)
[杏葉牡丹]
2012年4月11日 14:00
日比谷線築地駅の八丁堀方面出口を上がって、聖路加国際病院に向かって歩くと、すぐに「築地川公園」があります。
ビルに囲まれた狭い公園ですが、すぐ隣が聖路加看護大学のキャンパスで、その先は聖路加国際病院にあかつき公園と、周辺にも緑があって、とても落ち着いた雰囲気の場所です。
今は桜が満開ですが、その他の花や樹木も多く、鳥の囀りも聞こえて、目と鼻の先にある築地市場の喧騒が別世界のようです。小さいながらもデイキャンプ場がありますので、日本のど真ん中、銀座4丁目の交差点まで歩いて10分もかからないところで、緑に囲まれて鳥の囀りを聞きながら、バーベキューをするなんていう、贅沢を味わうこともできます。