[佃のうさこ]
2018年8月29日 18:00
本年8月3日から6日までの4日間住吉神社の3年に1度の大祭が催されました。安政4(1857)年刊、歌川広重による江戸名所百景にも祭りの様子が描かれ、中央の大幟は大変印象的です。
この大幟を支える柱は、7月1日に佃堀から掘り出されました。午前中から始まった作業は、「ダキ」と呼ばれる柱を支える組み木、計6か所分も掘り出すために、柱がクレーン車によってつり上がったのは午後4時も過ぎ、炎天下の中で長時間におよぶ作業でした。
柱は、一旦、2本は佃堀の近くに、4本は佃まちかど展示館近くに菰を巻かれ乾かされていました。
この柱、形が違う?地元の世話役の方によると、丸い柱は江戸のもの、四角い柱は昭和のものとのことでした。
後日、「住吉神社例大祭の歴史」資料によると、支柱6本のうち4本は、昭和62(1987)年に新調とあるのを見つけました。
大祭での役目を終えた柱は、8月12日に堀の中に移動されました。
そして本日8月26日、3年後の大祭に向けて柱、ダキの埋設作業が行われました。
柱の新調のきっかけが気になっていたのですが、地元の方から、「深夜に車がロープを引っ掛けてしまい損傷した」と伺えました。新しい4本も、江戸の柱同様に歴史を刻んでいって欲しいですね。
地元の方の心意気がこもった大幟が夏の青い空に江戸時代からはためいているということが、堀からの掘り出し、埋設作業を知ることで良くわかりました。
[佃のうさこ]
2018年7月28日 09:00
佃・石川島公園で野鳥観察をしている うさこです。7月13日、今季4回目になるカルガモの親子に遭遇しました。3時間にわたる追跡となった今回、一部を紹介いたします。
雛は2羽です。隅田川テラスの柵の内側は、川の流れも船の波もゆるやかで安心ですね。
ところが、突然現れた小型高速レジャーボートが高波を巻き上げると、雛はその波にもまれてしまいました。体はずぶ濡れ、雛の産毛は浮力を失ってしまいました。すると母親は、雛を隅田川テラスに誘導したのです。
しばらく居心地の良い場所を探してウロウロしていましたが、遊歩道の真ん中に陣取りました。隅田川テラスの遊歩道は、太陽に温められて自然の岩盤浴ですね!賢いなぁ。母カルガモには、こんな知恵があったんですね。
お母さんのお腹の下は、最高の安全地帯です。
よーく乾いて来たのでしょう。雛の可愛い羽も見せてくれました。
人間界も猛暑ですから、ちゃんと水分補給すると、
隅田川に帰って行きました。
また来年、雛が親になり石川島公園の隅田川テラスに現れてくれるのが楽しみですね。
[佃のうさこ]
2018年6月27日 09:00
石川島公園の隅田川テラスで野鳥の定点観察をしている佃のうさこです。今年もカルガモの親子が3組やって来ました!今回、写真でのご紹介は、そのうち2組です。
まずは、6月10日の雨の日、隅田川テラスの葦の草むらで、メス親に連れられた雛4羽を発見。そぼ降る雨で、テラスに人の影はありません。ちなみに、鳥は両親で雛を育てるものも多いのに、カルガモはメスだけです。メス親に見守られて柱についた藻を食べているようで、生後2,3日といったところ。
隅田川には頻繁に船が通るので、池や川で育つ雛よりも、波に揉まれて羽の浮力を失ってしまう危険性が高いのですが、上手く寄せる波にも乗っていました。安心ですねー。
カメラを持っていても、じっとしているうさこは、岩に思えたのでしょう、近くにやって来ました。
愛らしい姿をこんなに間近で見れるのは、隅田川テラスならでは。川との接点を非常に近くに配置してあるテラスの魅力です。
もう1組は、6月14日の朝。ランナーの方々も足を止め、携帯電話のカメラで撮影されていました。だって、こんな大家族!しかも、雛と言えるか?の大きさですから。
雛は9羽です。手前のやや大きいのが親です。雛と言っても、この大きさですから生後2,3週間でしょうか?ここまで9羽一緒に育ったというのは、カラスに狙われる頻度が高いことを考えると、大変優秀なメス親・お母さんです。
親は、後ろの羽が一部青色なのが見えます。これがカルガモの特徴で翼鏡・ヨクキョウと言います。雛には、ありませんから全体にこげ茶色です。そんな観察をのんびりしていたうさこですが、突然、本当に突然、親が飛び立って行ってしまいました。雛を残してなんて、今まで観察していてありえない出来事です!
体は大きいですが、まだまだ雛ですもの、みんな一斉に鳴き始めました。ここは、「泣き」!!
この後、30分ほどもしてやっと親が合流しました。その間に他のペアのカルガモが来て「お前たちの親じゃないよ」とばかりにあしらわれる場面も。これは、もうすぐ巣立ちの予行演習だったのでしょうか?
今年のカルガモ親子は、どの親子も一日だけの観察で、翌日には姿がありませんでしたが、去年と今年と、2年連続でご報告出来ました。「隅田川テラスの朝散歩、雨の日には何かが起きる」これがうさこの決まり言葉です。
[佃のうさこ]
2018年6月10日 09:00
築地波除神社の夏越し大祭「つきじ獅子祭」が6月6日から10日の日程で執り行われ、今年は3年に一度の本祭りです。
8日金曜日午後3時半からは、弁財天お歯黒獅子(雌獅子)の女性限定宮出しが行われました。
築地場内への宮神輿の御巡行は、今年、最後となります。
また、今年は江戸時代以来途絶えていた宮神輿を船に乗せて御巡行する「船渡御」が、天皇即位三十年奉祝大祭として行われ多くの人出がありました。
9日土曜日には、もう一つの獅子、「厄除天井大獅子」も台車で築地地区の御巡行の列に加わります。
大獅子の「お歯黒獅子」は木彫り高さ2.15m・重さ700キロ、雌を現す頭の宝珠の中には、弁財天の御神像が納められ、「厄除天井大獅子」は黒檜一木造り高さ2.4m・重さ1トンとのこと。雄雌一対の獅子頭は、常時、境内にてご覧いただけます。
江戸時代の船渡行、どれほどの担ぎ手が加わったのだろうと、その姿を思い描きながらの撮影でした。
[佃のうさこ]
2018年5月10日 18:00
中央区の石川島公園・佃公園方面で野鳥観察をしている うさこ です。「大都会、東京のど真ん中、中央区でツバメは見れるのか?」それが野鳥観察を開始した夏の疑問でした。地方の半都会育ちの私としては、「ツバメが見れる=いなか」の定義だったので、中央区でツバメが見れるとは、到底思いもよらないことでした。
石川島公園上空の空を切るその姿にびっくりして2年、電線に止まったツバメを下から撮影することは出来ましたが、全身を撮ることは無理でした。
4月末、佃公園・佃掘り上空をツバメが旋回するのに遭遇。そのまま観察をつづけていると、、、なんと枯草をついばみはじめました。
巣作り用の枯草を集めているようです。ついばんでは飛び立ち、ついばんでは飛び立ち、15分間隔ほどで繰り返しています。
まさに撮影チャンスです。少しの気配でもツバメは警戒していますから、こちらも息を殺しての撮影です。
こんなにも青い羽だったんですね。
巣作りから抱卵、約3週間で雛が生まれます。雛が飛べるようになると電線に止まって、親がせっせとエサを与える姿が、6月頃に観察出来るでしょう。佃公園・佃掘りの上空に目をやりながらの散策はいかがでしょうか。
ツバメを中央区で観察・撮影出来て、都会と自然のマッチングが素敵だなぁと、またまた感心した野鳥観察散歩になりました。
[佃のうさこ]
2018年4月11日 09:00
銀座中央通りに、新しい街路樹が、植栽されているのに気づきました。何の木だろう?とネームプレートを探しましたが、まだ取り付けられていませんでした。丸いハート型の葉っぱが、なんとも愛らしいです。
早速、ハート型の葉っぱを手掛かりに調べてみると、街路樹には良く使用される「カツラ」のようです。成長するのが早く、樹高は30mにもなり、秋には紅葉が美しい樹だそうです。
近所で気を付けて探してみると、、、なんとも毎日通る場所にありました!気に掛けなければ、ただの風景なんですね。今、新緑が眩しく輝いています。
銀座街づくり協議会のホームページによると、「2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックまでに、銀座通りの街路樹を、これまでのイチイから高木のカツラに植え替えることとなった。」また、「今年度は、銀座通り1・2・3・7・8丁目東側、来冬には、1~8丁目西側と4・5・6丁目東側もすべて、カツラの並木へと生まれ変わります。」とありました。
第一大区従京橋新橋迄煉瓦石造商家蕃昌貴賤数澤盛景(一部)
明治7年に、東京で初めて近代的街路樹として、銀座通りにクロマツ・サクラが植えられ、そこから、ヤナギになり、時代と共に変遷した銀座の街路樹。
大きく育って、私たちが銀座をご案内する時には、ほどよい木陰になってくれるでしょうか?カツラの並木で銀座の表情も、どの様にかわるでしょうか?
銀座の風景が一変する!!予感に、今からドキドキしている、うさこです。
◆さらに詳しく「カツラ」に決まるまでの流れコンセプトなどについては、銀座通り景観整備検討委員会の報告がありました。こちらをご覧ください。
⇒銀座通り景観整備検討委員会のページ