「於満稲荷」
「於満稲荷」をご存じでしょうか?養珠院通りの八重洲大飯店の隣にひっそりと鎮座しています。「於満」は家康の側室で10男の初代紀州藩主・頼宣と11男の水戸藩主頼房を生んだ家康の側室・お万の方(1580-1653)を祀っている神社です。
「お万の方」と呼ばれている側室は3人います。他の2人は家康の側室で次男の秀康を生んだ小督の局、三代将軍・家光の側室、慶光院の院主から還俗させられ、春日局の後、大奥を取り仕切ったお万の方です。
家康は正室の築山殿、継室の朝日姫が亡くなったあとは正室を持たず、20人以上の側室がいたといわれています。男子11人、女子5人の子だくさんで、55人の子供がいた11代将軍家斉、24人の12代家慶に次ぐ3番目です。
そばに掲げられている縁起には「言い伝えではこのあたりに幕府の休憩場があり、信心深い養珠院一行が神仏寄進のための買物の際立ち寄り、商いに多くの貢献をしたゆかりから商人達によって建立された」とされています。「寛延年間には於満稲荷ゆかりの「於満すし」が江戸中の名物になった」そうです。(「日本橋トボグラフィ事典」)なお、「養珠院通り」という名前はお万の方の出家後の院号に因むもので、平成16年に命名されました。神社は江戸城を向いて建てられているそうです。
気がつかずに通り過ぎてしまいそうですが、養珠院通りの三菱UFJ信託銀行の間を入って八重洲大飯店の隣です。
於満稲荷神社 日本橋3-3-2 養珠院通り