湊っ子ちゃん

中央区に春の声きこえた!

あたたかい太陽が照らしたと思うと、

また雲が影をつくる、そんな繰り返しの朝でした。

10度を上回る日が続いているとはいえ、

日かげではまだ肌寒く感じます。

それは、佃の何気ない歩道を歩いているときでした。

 

♪ ホーホケキョ・・・

 

どこからか、耳にとびこんできたのです。

おや? あの声は、うぐいす。

こんな都会の真ん中で、うぐいすの声が

聞こえたことに、びっくり。

どこにいるんだろう? と、耳を澄ますと、

もういちど、

♪ ホーホケキョ・・・

目のまえの植え込みから聞こえてきます。

マンションの壁を囲んだだけの、ほんの2m程度の常緑樹。

 

やはり、近くを歩いていた人たちも足をとめ、

植込みをじっとみつめています。

でも、鳥はめったに、姿を見せてくれません。

ちょっと影をみつけたと思うと、

次の瞬間には飛び立ってしまいます。

 

うぐいすというと、昔はどのパン屋さんにもあった、

”うぐいすぱん”を思い出します。

あんぱんと同じ丸い形で、中のあんが、黄緑色をしているのです。

それで、うぐいすは黄緑色、と思い込んでいましたが、

じつは茶色っぽい、とても素朴な鳥なのです。

それを知ったのは、つい最近のことでした。

 

気がつくと、同じように植込みに耳を澄ませていた人たちも、

もうどこかへ行ってしまいました。

この春は、昨今の情勢もあって、みんなが心配な気持ちでいます。

そんな私たちに、優しく答えてくれるように、

うぐいすの声はこの街に響きました。

 

もうすぐ春が来るよ!

そう、告げているように。

 

はやく、穏やかな春を、みんなが迎えられますように。

 

 

 中央区に春の声きこえた!

中央区観光協会特派員 湊っ子ちゃん
第77号 令和2年3月15日