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銀座の変わった形のビル 中銀カプセルタワービル

銀座8丁目といっても繁華街から浜離宮方面に向かってしばらく歩いた先、高速道路の高架わきに奇抜な形のビル、中銀カプセルタワービルがあります。

昭和を代表する建築家黒川紀章の設計

昭和を代表する建築家黒川紀章の設計 銀座の変わった形のビル 中銀カプセルタワービル

このビルは建築家黒川紀章の設計により1972年に竣工した、世界初の実用的なカプセル型集合住宅だそうです。写真を見ての通り部屋が一つのカプセルになっていて、そのカプセルがたくさんくっついた形が特徴になっています。まあユニット式のようなものでしょうか。カプセルは交換できる設計だそうです。

メタボリズムの代表作

黒川紀章の代表作というだけでなく、当時の日本の若手建築家のグループが1959年からはじめたメタボリズムという建築の創作運動の代表作でもあります。メタボリズムというのはその名を新陳代謝(メタボリズム)からとり、社会の変化や人口増大などの伴って有機的に成長する都市や建築の姿を提案するという運動だそうです。このビルのカプセルは生物の細胞に見立てられているのでしょうか。

子どもの頃流行っていた変身ヒーローものやロボット物のテレビでよくこんな形のビルが映し出されていました。今思うとこのビルだったのかもしれません。将来はみんなこんな形の建物になるんだと思っていましたが、結局そうはならなかったみたいですね。

このビルも近年、老朽化で取り壊す話も出たりしているようです。戦前までの建物は文化財などに指定されたりして大事にされますが、戦後の建物はそういう面で軽視されているのか老朽化でどんどん建て替えられています。このビルも高度経済成長期を代表するものとして何らかの形で残してほしいものです。