子リスを捜せ! 月島大捜査網。
緊急指令。
隊員は、直ちに集合せよ。
場所は、「月島もんじゃ振興会」前。
地下鉄月島駅7番出入口を出れば、直ぐに確認できる。
今回のミッションは、子リスのぬいぐるみを捜し出すことだ。
おさんぽの途中の川本モモの腕から、するりと抜け落ちて、月島の町に紛れ込んだという。
このリスは、アニメ「3月のライオン」の中に棲息する、リスポッケ先生という教育番組のキャラクターらしい。
司会のお姉さんのポケットの中に住んでいるが、その実態は謎に包まれている。
絵本の「こりすのパンや」や「こりすのかじゅえん」にもなっているから、幼稚園児の間では有名だ。
路地裏に逃げ込んだという、目撃情報が来ている。
我々は、必ず捜し出し、安全に確保し、速やかに彼女に届けるのだ!
路地裏を捜索するのに、ここは様々な手掛かりを与えてくれる。
まずは、月島関連の地図を手に入れよう。
「月島おさんぽ地図」や「月島路地マップ」は、コンパクトながら、エリアの魅力をぎゅっと凝縮した優れものだ。
「月島周辺もんじゃ屋さんのご案内」は、裏面が英語表記になっている。
また、もんじゃ焼きセットなどの、楽しいお土産も揃っている。
そして、分からないことがあれば、やさしいスタッフさんに気軽に尋ねてみるのもよい。
月島には、路地が数多く存在する。
初めての人はなかなか通りにくいものだが、地図が羅針盤の役目を果たし、月島式住宅や昔のままの長屋建築まで示してくれるはずだ。
この周辺は、大空襲の被害を直接受けなかったため、江戸期や近代都市計画の歩みを見ることができる貴重なエリアなのだ。
路地は生活の道でもある。譲りあい、静かに、大切に通らせてもらおう。
もんじゃ焼きは、下町のローカルフード。
小麦粉を溶いた生地に、様々な具材を一緒に混ぜて焼いて食べる。
駄菓子屋さんの店の隅っこで、子供達のおやつとして用いられてきた。
川本家にとっては、特別な日のごちそうだ。
甲子園へ行ってプロを目指すという高橋くんが夢を語ったのも、もんじゃ次郎だった。
「海鮮もんじゃ」、「豚キムチ」など、次々にメニューが進化している。
川本あかりさんにとってのスペシャルメニューは「餅チーズ明太子」。
はい!
リスが路地裏を駆け抜けたとの情報があり、現地へ向かいます。
路地の奥にも、もんじゃ焼きの名店がのれんを出している。
月島西仲通り商店街は、壱番街から四番街まで整然と区画分けされ、長さは500mある。
「月島もんじゃストリート」
そこに約80以上の店舗が展開しているのだ。
三角屋根のアーケードの上に、酒店や米店、商店などの看板があることに気がついているか。
月島のもんじゃは、地下鉄月島駅の開業による利便性の向上と、NHKの朝ドラの舞台になった効果で、下町の名物として広く認知されるようになったのだ。
ブームに乗って、一気に異業種からの参入も行われた。
以前の店舗の名残が、そのまま看板として残されているのだ。
「もしもし、モモのリスちゃん見ませんでしたか。」
月島警察署西仲通地域安全センターは、いまやランドマーク的な存在である。
大正15年7月に現在のコンクリート製に建て替えられた、警視庁管内に現存する一番古い交番建築。
5月20日の「川本三姉妹」のブログは、「3月のライオン」の入門期のフリーク達を何かとざわつかせた。
単行本の扉絵を紡いだもので、本編にはリスもアヒルも登場しない。
ネコはよく登場する。
知る人以外は全く知ることのない話題なのである。
パン屋さんの前を逃走中。
急げ!
月島にはね、美味しいパン屋さんがあるんだよ。
メロンパンなどは種類も豊富だから、隅田川テラスでのランチもおすすめです。
石川島公園方面で、逃走リスを確認。
包囲網を絞り、確保せよ。
「あっ。隅田川に飛び込んでしまいました。」
佃小橋近くにあった子供の社交場、駄菓子屋の「山本商店」。
地元の子供達に愛された「山本商店」さんが、5月末で幕を閉じました。
知らずにやってきた親子連れが、閉店のお知らせを見て、
「そうだったの。残念ね。」
「えっ、ママも『ちょうべえ』知っているの。」
「ママも、お小遣い持って来ていたんだよ。」
「私とおんなじだ。」
※ お店は、初代の山本長兵衛さんのお名前から、愛称で呼ばれていました。
発見しました!
寝具店の旦那さんに救助されて、今、ハンガーで乾かしています。
モモちゃんには、まもなく家に戻ると伝えてください。
以上、報告いたします。
― 撮影秘話 ―
「疲れた。」「暑い。」「どこまで歩くの。」「もう帰りたい。」
まるで5歳児。
あっ、5歳児と決めつけると、あの子に叱られる。
デザート付きのランチを食べてお腹がいっぱいになると、ご機嫌も直り、しっかり撮影のアシストしてくれました。
金の糸でリスを動かしたり、切絵の位置を直したり。
ありがとう。奥さん。