中央区の名建築(2):奥野ビル
奥野ビル(中央区銀座1-9-8)は、中央通り銀座1丁目から二筋東に入った通りに面する地上7階、地下1階のビルです。 昭和7年(1932)に建てられた本館(写真左)に昭和9年築の新館(右)が続き、その間には、壁が二枚並んでいます。
鉄筋コンクリート造、外壁はスクラッチタイル、当時は、前面に三十間堀川の流れと柳並木が眺められ、「銀座アパートメント」と呼ばれていた高級アパートでした。
設計は、同潤会アパートで知られる建築家・川元良一氏です。
蛇腹扉の手動エレベーター
竣工当時、民間の住居としては初めてのエレベーターは、今も現役で稼働しています。
二重扉(内側は蛇腹扉)の手動式で、階数表示はアナログの針指し式(フロアごとに異なるデザイン)となっています。
エントランスホールから2階への階段
左側 木製の親柱やてすり、右側の階段周りの壁はスクラッチタイル貼り、年代を重ねた重厚な雰囲気が残っています。
歴史を物語る廊下
2階の廊下。真ん中部分がすり減り、わだちのように窪んでいます。
90年近い間、多くの人々が歩いた歴史を物語る跡です。
アートがあふれるビル
廊下の右側壁面は、個展の案内などで埋めつくされています。
現在20軒を超えるギャラリーやアンティークショップがテナントとして入っています。
1階の丸窓とアンティークのお店
1階正面入口脇の大きな丸窓が特徴的。 中は、アンティークのお店です。