滅紫

大熱演の勘太郎・長三郎兄弟ー「二月大歌舞伎」

幕が下りても拍手が鳴り止みません。今は半数以下に減らされている客席ですが、熱の籠もった拍手が向けられている歌舞伎座2月「連獅子」です。二月公演の第3部は「十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言」で十七代目が得意とされた「奥州安達原」から「袖萩祭文」と「連獅子」が上演され、「袖萩祭文」は七之助さんの袖萩、安倍貞任を勘九郎さん、娘のお君を長三郎くん、「連獅子」は勘九郎さんと長男の勘太郎くんが演じます。松竹の発表では「最年少9歳での本公演での仔獅子」だそうです。花道に仔獅子の勘太郎くんが現れると大拍手、後ろ向きに走って揚げ幕まで戻るともう拍手は割れんばかり。勘九郎さんの親獅子との息もぴったりで、とても9歳には見えません。もう子役ではなくて立派な歌舞伎俳優です。一方の長三郎くんも負けてはいません。しんしんと雪の降る中、盲目の母親の手を引いて現れ、80分舞台出ずっぱり。親を思う所作が余りに可愛いくて私もついほろほろしてしまいました。2017年の「門出二人桃太郎」の初舞台からあっという間。「緊張と楽しみがくっついています」とインタビューに答えていた二人。ますます目が離せない中村屋です。

今月の2部は「お染久松色読販」の土手のお六と鬼門の喜兵衛、「神田祭」を往年の「孝・玉コンビ」の仁左衛門・玉三郎の人間国宝のお二人が演じるのが話題。見逃せません。来週の予定なのに今からわくわくしています。

緊急事態宣言で20時までの終演となり、各部とも開演が早くなっておりますので、開演時間ご確認の上、お出かけ下さい

第一部 10:30~

第2部 14:15~

第3部 17:30~

お問い合わせはチケットホン松竹 0570-000-489 (10時-17時)

                                 2021・2/5 第3部観劇

1部は「十種香」山本周五郎作の「泥棒と若殿」です。