滅紫

猿之助十役早替わり「新版伊達の十役」ー十二月大歌舞伎

今年の歌舞伎見物も最後。まずは劇場入り口の歌舞伎稲荷にお参りして、コロナ禍の中、一年歌舞伎を見られたことに感謝を。

今日の第一部は「伊達の十役」皆様ご存知の通り、伊達騒動に題材を採った「伽羅先代萩」に「累」の怪談を綯い交ぜにし、主要な登場人物を10役早替りで見せるという先代の猿之助さんが復活狂言にして大人気だったもの。今回は当代の猿之助さんが「新版」として上演します。序幕の「奥殿」で忠義な乳人政岡を演じた後は妖術使いの仁木弾正、後半は更にスピードアップして足利頼兼から高尾太夫の霊、細川勝元まで十役を猿之助さんが演じます。毎度ながらいつ替わったのか本当にわからない。おまけに全く性格の違う役を演じ分けるのには恐れ入るほかない。八汐は巳之助さん栄御前は中車さんです。

第二部は菊之助・勘九郎の「ぢいさんばあさん」と右近と勘九郎の「男女道成寺」。勘九郎さんは道成寺を踊ったあと、続けての出演です。二人とも37年後の再会時の老け方が何とも美しい。

千穐楽は26日です。新年からは客席全エリアが、間隔を開けた2席並びが原則となります。総入れ替え、幕間ありの三部制は今までと同じです。客席・ロビーでの食事は出来ません。まだまだ制約はあり、コロナ禍以前と同様とはいきませんが、歌舞伎興行が行われているだけで何よりの精神安定剤です。

おまけに今年の南座の顔見世・まねき看板をご紹介します。

第三部は18時開演「吉野山」「信濃路紅葉鬼揃」です。 

チケットのお問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時-17時)

                      12/14 二部 12/21 一部観劇

 猿之助十役早替わり「新版伊達の十役」ー十二月大歌舞伎