黒江屋(漆器専門店)
今迄食品に特化してご紹介して来ましたが、今回初めて食品以外の取材をして来ました。漆器の専門店黒江屋さんです。1689年元禄2年創業日本橋のたもと近くの黒江屋国分ビルの2階に有り、エレベーターが開いた途端美しい沢山の漆器が目に飛び込んで来ます。正面入り口の看板の横に珍しい東京で作られた汁椀が迎えてくれる。全国から数多くの作品が集められていますが、江戸漆器は1590年に徳川家康が京都の漆工を招いたのが始まりと言われ、特に蕎麦道具や鰻の重箱などの業務用漆器が有名ですが、現在は職人さんも少なく、黒江屋さんでも地元の産業発展に注力されているそうです。写真は墨田区の安宅信太郎さんの作品で、江戸漆器はオリジナルで裏に黒江屋の印が入っている。当店の漆器販売については店舗(年間4回の漆器市を含む)の他中央区情報センター、百貨店催事など実施されています。
漆器の製造手順
1.荒型取り(あらがたとり)
栃材をおおまかに盃の形にして、長期間乾燥させ割れを防止する。
2.木地挽(きじひき)
ろくろを用いて盃の形に仕上げる。
3.木固め(きがため)
こくそ(漆と木屑を混ぜたもの)で木地を補修した後、生漆を全面に塗る。
4.錆付(さびつけ)
錆(漆と砥の粉を混ぜたもの)をへらで付ける。
5.錆研(さびとぎ)
錆を付けた盃を研ぎ上げて、表面を円滑にする。4と5の工程を数度繰り返す。
6.中塗(なかぬり)
中塗漆を塗る。
7.中研(なかとぎ)
再度盃を研ぎ上げて、表面を円滑にする。傷などがあれば最後の補修をする。
8.上塗(うわぬり)
裏側の部分を塗り、乾いては表を塗り、また乾いては足の部分(糸尻)を塗り、最後に渕を塗り上げる。
木製漆塗りピンバッジ
可愛らしく上品なピンバッジ。何と木製です。東京藝術大学の学生のデザインによる逸品です。これを付けて春の銀座に繰り出しては如何でしょうか。筆者は男ですが、猫のバッジを付けてみたいです。写真を見た友人は鳥が可愛く付けてみたいと言っていました。
豪華に並んでいる全国の汁椀
店内に入ると、右側に全国から集められた数多くの綺麗な汁椀が並ぶ。マニアに取っては垂涎の一品です。購入しなくても、詳しく丁寧に漆器について説明をしてくれます。勉強したい方是非足を運んでみて下さい。
お知らせ他
住所: 〒103-0027 中央区日本橋 1-2-6 黒江屋国分ビル2F (東京メトロ日本橋駅B9b出口より1分)
TEL : 03-3272-0948
営業時間 : 9:00~18:00 土日祝日は休み
※ 3月2日 (水)~11日(金) 黒江屋漆器市(会期中は無休)
時間 : 9:30~17:30
場所 : 黒江屋2F(新潟県の村上木彫堆朱, アクセサリーなど)、4F(特価商品と恒例の掘り出し物) 展示販売約70点、ディスカウントは全体。
筆者が取材で学んだ事は沢山有りますが、漆器の取り扱いの基本を教えて頂きました。
中性洗剤による水洗いはOKで有るが、水切り後は必ず拭き取る。材料はケヤキやトチ等を使用。皆さんは既にご承知ですよね。