見よ!歌舞伎の底力ー代役陣大奮闘の八月の納涼歌舞伎 第2弾
「代役を見るために」再度舞台を見るのは初めてです。8月歌舞伎も15日に一部で主演者が陽性となり、また二部三部も19日中止。代役を立てて20日から再開となりましたが、その代役陣が話題となっています。奈良の歌舞伎メイトから「代役の発表をみて今新幹線」というメールが届きました。一部の歌之介さんと福之介さんの代役が何と七之助さんと勘九郎さん。すぐにチケットを手配して新幹線というわけです。三部の染五郎さんと團子さんが休演となり、父親の幸四郎さんが濃厚接触者になったので2部と3部も代役オンパレード。
三部の「弥次喜多」は染五郎さんと團子さんの2役早替わりが今回の見所だったので、早替わり無しの代役4人で演じることに。染五郎さんが演じていた伊月凡太郎役が何と猿弥さん。美少年と話題の17才からふっくらの55才に。これが話題沸騰。いましか見られません。
というわけで三部を再度見ることになった次第。満席です。早替わりの一役金髪のオリビアは笑三郎さん、こちら違和感なし。もう一役の凡太郎、白塗り・金髪で派手な暴走族の頭の衣裳を付けた猿弥さんが登場しただけで客席大爆笑!
手下が「うちの総長、天童よしみに似てませんか?」と漏らすとまたまた爆笑の渦。ウエストサイド風のダンスも軽やかにこなし、ただただ凄い。代役が決まった翌日から舞台。猿之助さんの談話に「代役が決まって通し稽古は1回だけ」とのこと。よく上演される演目はすぐに代役が出来て当たり前と歌舞伎の世界では言われているようですが、これは新作です。それに俳優さんだけではなく床山さんや衣裳方、すらっとした長身から太めの代役に翌日から合うように調整するのは至難の業でしょう。ご苦労の程が想像でき「やはりプロは凄い!」とあらためて拍手です。オリジナルと同じ20:57にピタリと幕。凄すぎる。
歌舞伎の底力をしみじみ感じさせられました。この豪華な代役陣、今しか見られませんよ。30日までです。