歌舞伎座新開場10周年「三月大歌舞伎」
2013年4月に第5期歌舞伎座が新開場してから10周年となりました。3日から三月歌舞伎の幕が開いています。第一部の「花の御所始末」は宇野信夫がシェイクスピアの「リチャード三世」から着想を得て書き下ろした作品。
悪逆非道、万人恐怖と云われた足利幕府第6代将軍足利義教を主人公にしたもので、昭和49年(1974)に現白鸚(当時染五郎)主演で初演されました。史実でも足利義教は籤で後継者に選ばれ天台座主から還俗し強権政治で恐れられ嘉吉の乱で守護・赤松満祐に殺害される波瀾万丈の生涯を送ります。この作品では邪魔な兄・父まで悪計をめぐらせて殺害、将軍の座を手に入れると悪事に荷担した味方まで手に掛けるという非道振り。望んだ権力の座に就くと自身が殺めた父や兄の亡霊に毎晩苦しめられることになります。そして一揆が起こり・・・・という筋。
演じるのは足利義教に幸四郎さん、悪事加担の畠山満家に芝翫さん、父の足利義満に権十郎さん、・義教の妹・入江に雀右衛門さんです。
新開場10周年とあって緞帳も新調され今月最初の一枚がお目見えしました。横山大観作「霊峰飛鶴」です。
千穐楽の頃は桜も見頃になりそうですが一足早く、舞台の「悪の華」をお楽しみになるのも如何でしょうか。
三月大歌舞伎は26日まで (13日、20日休演)
第一部 11時開演「花の御所始末」
第二部 14時40分開幕 「十段目天川屋義平内の場」「身替座禅」
第三部 17時45分開幕 「髑髏尼」「吉田屋」
お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時~17時)