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2023 伝統園芸花卉「花菖蒲」の優美な彩り

 2023 伝統園芸花卉「花菖蒲」の優美な彩り

 初夏、優美な花形としっとりとした風情が人々を魅了し、花色が変化に富み、華やかに咲き誇るハナショウブ。         浜離宮恩賜庭園では、戦後、都に下賜された後、中の御門付近を手始めに、花木園、延遼館跡に植栽され、現在約1,000株と聞くハナショウブが咲き揃い始めました。                アヤメ科アヤメ属の多年草で、野生のノハナショウブを基に交配·改良され、数多くの品種が作出されてきた、日本の伝統園芸植物のひとつで、サトイモ科のショウブと混同されがちですが、別種です。ハナショウブは菖蒲花、ショウブは菖蒲草とも表記されます。 「いずれアヤメかカキツバタ」との成句がある通り、ハナショウブ、アヤメ、カキツバタは外見が似ていますが、野生状態では、アヤメは乾燥した日当たりのよい草地に、ノハナショウブは水際に、カキツバタは水湿地に生え、花弁の中心に、アヤメは網目模様が、ハナショウブは黄色のV字状斑紋が、カキツバタは白色のV字状斑紋があることで識別できます。                    ハナショウブには、原種の特徴を強く残す長井古種の他、端正で花色が多彩、屋外群生観賞向きの江戸系、花被が縮緬状、垂れ咲きが特徴で鉢植え室内観賞向きの伊勢系、ボリューム豊かで豪華な鉢植え室内観賞向きの肥後系に大別され、花色は、碧空のような鮮やかな青色系を中心に、白、薄紅、紫、黄と多彩で、単色、ぼかし、絞り、吹っ掛け絞り、覆輪など文様の入り方も多岐にわたり、咲き方も、3弁が大きく目立つ三英咲き、6弁が広がる六英咲き、八重咲き、獅子咲きと多種です。            別名ジャパニーズ ウォーター アイリスと呼ばれる通り、和の風雅な趣を表徴する花卉です。